別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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やばい(いろいろと)。
互いに睨み合う、気に食わない相手だと直感した。肌が憎悪を感じ取り、鳥肌が立つ。しかし、目の前の相手は自分と同じタイミングで舌打ちをした。
右足を少し開き、顎を引く動作まで、二人は同じだった。
右足を少し開き、顎を引く動作まで、二人は同じだった。
「話は聴いています、アサギのお義兄さんのトビィさん、ですよね? アサギの”恋人の”トランシスです、どうぞよろしく」
先に近づき、手を差し出したのはトランシスである。言葉の抑揚にトビィの眉が動いた、間違ってはないない挨拶だが、その言葉には威圧が込められている。
差し出された手を見もせずに、トビィは脇をすり抜けてアサギへと向かう。通り過ぎたトビィの背に、面白がってトランシスは口笛を吹いた。
後ろから聴こえた耳障りな口笛に、初対面の相手に礼儀がなっていないとは自分でも思ったがこの男に『よろしく』という単語を言いたくなかった。寧ろ剣を振りたい衝動に駆られた。
動揺する心を押し殺し、冷静さを装って言葉を発する。
「アサギ? どういうことだ? あれは誰だ」
「え、えっと、後で説明しますが、トランシスです。その、私の恋人、です」
恥じらい、俯いてそう言ったアサギに目眩がした。
ミノルはどうした、と訊こうとしたが止めておく。トビィ自身、困惑しており上手く言葉が見つからないが、ただ一つ言える事は『あの男は駄目だ』ということだ。
しかし、それをそのままアサギに告げようものならば、悲しむのも目に見えている。
数秒、二人の間に妙な沈黙が流れた。
それを破ったのはトランシスだ、トビィの肩に馴れ馴れしく手を置くと、軽く叩く。
「歓迎されてないみたいだけど、そういうことなんでよろしく」
「気安く触れるなっ」
トビィにしては珍しく声を荒立て、即座に手を跳ね除ける。触れられた瞬間に悪寒が走った、同時に妙な映像が脳裏に流れ込んだ。
それは、不貞腐れて唇を尖らせているトランシスの額を小突く自分の映像だ。
アリエナイ、唇をそう動かすとトビィの声に驚いたアサギを、反射的に抱き締める。後方でトランシスが殺気立った事に気づくと、知らず口角が上がる。
「何がどうしてどうなってこうなったんだ……」
耳元で囁くと、アサギは困惑気味に顔を上げた。
「簡単に説明しますと、トランシスは惑星マクディ、という別の惑星の住人です。この間何故かそこへ飛ばされて出会いまして」
合っているが、これでは意味が解らない。「どうして出会って恋人になっているんだ」と呆れ口調のトビィは、アサギを離さない。後ろでトランシスの足踏みが聴こえる、優越感に浸れたトビィは強くアサギを抱き締める。
「血の繋がりがない、って聴いたけど? 妙に親密度が高いんですねぇ、トビィお義兄さんとやら? 今からアサギに世界を案内してもらうところなんで、もーしわけないんですけど、”オレのアサギを”返してくれませんかねぇ?」
義兄の権利が勝るのか、恋人の権利が勝るのか。
アサギの髪を撫でながらゆっくりと面倒そうに振り向いたトビィは、こめかみを引くつかせているトランシスを睨みつける。
「あぁ、確かに”血の繋がりはない”、強固な絆で結ばれているだけだ。世界中の誰よりも、大事なアサギを、何処の誰とも解らない男と二人きりにさせておくわけがない。世界を案内してもらう? 得体の知れない相手にオレ達の世界を垣間見られても困る、オレは神ではないが、アサギの立場を考えると貴様が他界からの侵略者で、人を全く疑わないアサギを誑かしここまで来た、とも考えられる。悪いがオレも同行する」
「あのトビィお兄様、何処の誰とも解らない、ではなくて、惑星マクディのトランシスです」
「アサギは少し黙っていなさい」
口を挟んだアサギに、厳しい言葉を投げかける。驚いたアサギは、申し訳なさそうに肩を竦めた。
「全く神は何をやっているんだ、そもそもこの場所に一般人が来ること自体おかしいだろ?」
吐き捨てたトビィに、トランシスは大袈裟に顔を顰める。
「お言葉ですが、アサギの親愛なるお義兄様。アサギが勇者だということは知っています、が、勇者だろうがなんだろうが、オレには関係ないんで。この世界がどんなものなのかも知らないのに、侵略とか言われましても。アサギの恋人としましては、彼女が危険な目に遭うことを恐れて傍に居たいってだけなんですけどー」
語尾を伸ばし、下卑た笑みを浮かべながら言い放つ。直様トビィが反撃に出た。
「アサギの身はオレが護るから心配しないでくれ、何より、貴様にアサギを護れるとは思えない。まだトモハルかミノルのほうが適任だろう」
「そうは言われましても、トモハルさん? や、ミノルさん? を知りませんしー、オレもトビィさんの実力知りませんしー?」
「今の貴様は、アサギの足元にも及ばない。見れば解る」
「へぇー、余程自分に自信がお有りのようで? すっごいなー、尊敬しちゃうなー」
「確実に貴様よりも強いだろうな、伊達にドラゴンナイトはやっていないつもりだ」
「ドラゴンナイト? っていうのが何かまずオレには解りませんー、オレもそこそこ戦えると思うんですけどー」
二人の口喧嘩を冷や汗もので聴いていたアサギだが、小さく悲鳴を上げる。
ついにトランシスが両の手から炎を繰り出したのだ、垂直に腕を伸ばし誇らしげに笑う。
「ほぉ、火炎使いか。だがどうした」
身じろぎするアサギを離さず、トビィは鼻で笑う。先程から背の愛剣ブリュンヒルデが蠢いていたのは、この男の属性の影響を受けていたからなのかと軽く納得する。
ブリュンヒルデは、水竜の角で出来ている。水の属性だ。
「悪いがオレはそういう類のものは扱えない」
「えー、弱そう駄目じゃーん! やっぱりオレがアサギの傍で護ってないとー」
「剣に自信があるんでね、そんなものに頼らなくとも」
左腕にアサギを抱きとめ、右で剣を抜くと構える。クレシダとデズデモーナが狼狽した、トビィが本気の構えをしたからだ。
張り詰めた空気が周囲に漂う。
それを破ったのはトランシスだ、トビィの肩に馴れ馴れしく手を置くと、軽く叩く。
「歓迎されてないみたいだけど、そういうことなんでよろしく」
「気安く触れるなっ」
トビィにしては珍しく声を荒立て、即座に手を跳ね除ける。触れられた瞬間に悪寒が走った、同時に妙な映像が脳裏に流れ込んだ。
それは、不貞腐れて唇を尖らせているトランシスの額を小突く自分の映像だ。
アリエナイ、唇をそう動かすとトビィの声に驚いたアサギを、反射的に抱き締める。後方でトランシスが殺気立った事に気づくと、知らず口角が上がる。
「何がどうしてどうなってこうなったんだ……」
耳元で囁くと、アサギは困惑気味に顔を上げた。
「簡単に説明しますと、トランシスは惑星マクディ、という別の惑星の住人です。この間何故かそこへ飛ばされて出会いまして」
合っているが、これでは意味が解らない。「どうして出会って恋人になっているんだ」と呆れ口調のトビィは、アサギを離さない。後ろでトランシスの足踏みが聴こえる、優越感に浸れたトビィは強くアサギを抱き締める。
「血の繋がりがない、って聴いたけど? 妙に親密度が高いんですねぇ、トビィお義兄さんとやら? 今からアサギに世界を案内してもらうところなんで、もーしわけないんですけど、”オレのアサギを”返してくれませんかねぇ?」
義兄の権利が勝るのか、恋人の権利が勝るのか。
アサギの髪を撫でながらゆっくりと面倒そうに振り向いたトビィは、こめかみを引くつかせているトランシスを睨みつける。
「あぁ、確かに”血の繋がりはない”、強固な絆で結ばれているだけだ。世界中の誰よりも、大事なアサギを、何処の誰とも解らない男と二人きりにさせておくわけがない。世界を案内してもらう? 得体の知れない相手にオレ達の世界を垣間見られても困る、オレは神ではないが、アサギの立場を考えると貴様が他界からの侵略者で、人を全く疑わないアサギを誑かしここまで来た、とも考えられる。悪いがオレも同行する」
「あのトビィお兄様、何処の誰とも解らない、ではなくて、惑星マクディのトランシスです」
「アサギは少し黙っていなさい」
口を挟んだアサギに、厳しい言葉を投げかける。驚いたアサギは、申し訳なさそうに肩を竦めた。
「全く神は何をやっているんだ、そもそもこの場所に一般人が来ること自体おかしいだろ?」
吐き捨てたトビィに、トランシスは大袈裟に顔を顰める。
「お言葉ですが、アサギの親愛なるお義兄様。アサギが勇者だということは知っています、が、勇者だろうがなんだろうが、オレには関係ないんで。この世界がどんなものなのかも知らないのに、侵略とか言われましても。アサギの恋人としましては、彼女が危険な目に遭うことを恐れて傍に居たいってだけなんですけどー」
語尾を伸ばし、下卑た笑みを浮かべながら言い放つ。直様トビィが反撃に出た。
「アサギの身はオレが護るから心配しないでくれ、何より、貴様にアサギを護れるとは思えない。まだトモハルかミノルのほうが適任だろう」
「そうは言われましても、トモハルさん? や、ミノルさん? を知りませんしー、オレもトビィさんの実力知りませんしー?」
「今の貴様は、アサギの足元にも及ばない。見れば解る」
「へぇー、余程自分に自信がお有りのようで? すっごいなー、尊敬しちゃうなー」
「確実に貴様よりも強いだろうな、伊達にドラゴンナイトはやっていないつもりだ」
「ドラゴンナイト? っていうのが何かまずオレには解りませんー、オレもそこそこ戦えると思うんですけどー」
二人の口喧嘩を冷や汗もので聴いていたアサギだが、小さく悲鳴を上げる。
ついにトランシスが両の手から炎を繰り出したのだ、垂直に腕を伸ばし誇らしげに笑う。
「ほぉ、火炎使いか。だがどうした」
身じろぎするアサギを離さず、トビィは鼻で笑う。先程から背の愛剣ブリュンヒルデが蠢いていたのは、この男の属性の影響を受けていたからなのかと軽く納得する。
ブリュンヒルデは、水竜の角で出来ている。水の属性だ。
「悪いがオレはそういう類のものは扱えない」
「えー、弱そう駄目じゃーん! やっぱりオレがアサギの傍で護ってないとー」
「剣に自信があるんでね、そんなものに頼らなくとも」
左腕にアサギを抱きとめ、右で剣を抜くと構える。クレシダとデズデモーナが狼狽した、トビィが本気の構えをしたからだ。
張り詰めた空気が周囲に漂う。
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