別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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早く書きたいでござる。
キィィィ、カトン。
木に引っかかっていた美少女、豊かな深緑色した髪の美少女、苦痛に歪む顔が悩ましく扇情的な、魔性の魅惑溢れる美少女。
そんな目の前の美少女が何を痛がっているのか分からないトランシスは、髪一本一本を惜しむように、じっくりと見つめている。特に怪我はしていない、地面に叩きつけられていないのだから、何があったのか検討がつかなかった。
ただ、美しいと、愛おしいと思って見つめている。
『おかえりなさい!』
不意に脳内で誰かが微笑み手招きしている映像が流れた、記憶の片隅に残っていた、その映像を以前も見た気がした。柔らかな声、美しく細い指、常に傍にあったもの。
「なんだ……?」
幻影を振り払うように首を大きく横に振ると、まだ痛がっているアサギを覗き込む。見れば、頬にじんわりと血が滲んでいた。落下してきた際に葉で切ったのだろう、吸い寄せられるように頬へと顔が近づいていく。
躊躇うことなく、舌を出し、肌に触れる。凝固しかけていた血を舐めとると、体中に衝撃が走った。仰け反り、空を瞳を見開いて見つめる。数滴の血が、瞬時に全身を駆け巡った気がした、口から摂取したそれが消化器官へと送られる過程で、熱く発光するかのように、刺激を与えてくる。
しかし、心地良かった。
絶頂を迎える直前のような、そんな感覚に陥った。
「っはぁ!」
見上げていた顔が悦楽に歪む、だらしなく開かれた口から舌が現れ、余韻に浸るように蠢いている。
……今のは、何だ。
人の血が、こんな味がするとは知らなかった。初めて他人の血を舐めたが、血ではない気がした。鉄の味など、しなかった。臭くない、ただ、甘く鮮烈だった。
トランシスは小刻みに震えながら、食い入るようにアサギを見つめると他に怪我をしていないか探す。見慣れない衣服を身に纏っていた、だがそこは問題視しない。露出した二の腕にも傷を見つけると、血走った眼で吸い付く。乾いた血を剥がすように、強引に舌を動かした。擦り傷なのでそこまで血は出ていない、すぐに味はなくなる。次から次へと、トランシスは傷口を探し、舌を這わせた。
禁断の秘薬のように、一度口にしたら忘れられない、逃げられない快楽と美味。
やがてアサギの頭痛が消え、うっすらと瞳を開くと誰かに抱かれていることに気がついた。
「んにゃっ」
思わず声を張り上げる、傷口がなくなったが、肌に残る微量の汗も似たような感覚に陥れると知ったトランシスは首筋を舐めあげていた。
全身に鳥肌が立つ、ねっとりとした熱いものが行き来し、背筋から這い登ってくる初めての感覚に声が漏れる。耳元まで舌は動く、荒い息遣いが耳に吹きつけられた。
「ひぁっ!?」
大きく身体を揺らして、赤面すると腕から逃れようともがいた。暴れるアサギにようやく気づき、我に返ったトランシスは力任せに胸に押し付ける。
……起きて欲しくなかった、まだ楽しみたかった。
身勝手だが、大事な玩具を奪われた子供のように、純粋に苛立った。
「大人しくしてて、木から降ってきた子。君を助けたのは、オレだ」
「あ、ありがとうございま、す。あの、あの、苦しいで、す」
トランシスは加減を知らず、にアサギを抱き締める。潰れてしまう位に、強く。腕の中にいることを確かめている様に、消えてしまうものではないと認識する為に。
押さえつけられ、苦し紛れに声を出すアサギだが、力が増した。鋭い悲鳴を上げる、トランシスの耳にもそれは届いた、だが、嬉しそうに瞳を輝かせただけだった。
「イイ声で啼くね、君何者?」
強引に顎を掴むと上を向かせ、涙しながらこの状況に不安を抱いているアサギの瞳を覗き込む。大きな瞳に映る自分は、久しぶりに失笑していた。
「そんなに怖がらないでよ」
……知っている癖に、これが好きな癖に。
慣れた様に自然とアサギの唇を塞ぐ、驚いて目を見開いたアサギを見つめていた。瞳を閉じず、互いに開き、見つめ合ったまま唇は触れ合う。
『この唇は、オレのもの。だから、絶対に他の誰にも触れさせないで。オレも触れさせない。解る?』
昔、遠い遠い昔に、言った言葉と、聴いた言葉が蘇った。
木に引っかかっていた美少女、豊かな深緑色した髪の美少女、苦痛に歪む顔が悩ましく扇情的な、魔性の魅惑溢れる美少女。
そんな目の前の美少女が何を痛がっているのか分からないトランシスは、髪一本一本を惜しむように、じっくりと見つめている。特に怪我はしていない、地面に叩きつけられていないのだから、何があったのか検討がつかなかった。
ただ、美しいと、愛おしいと思って見つめている。
『おかえりなさい!』
不意に脳内で誰かが微笑み手招きしている映像が流れた、記憶の片隅に残っていた、その映像を以前も見た気がした。柔らかな声、美しく細い指、常に傍にあったもの。
「なんだ……?」
幻影を振り払うように首を大きく横に振ると、まだ痛がっているアサギを覗き込む。見れば、頬にじんわりと血が滲んでいた。落下してきた際に葉で切ったのだろう、吸い寄せられるように頬へと顔が近づいていく。
躊躇うことなく、舌を出し、肌に触れる。凝固しかけていた血を舐めとると、体中に衝撃が走った。仰け反り、空を瞳を見開いて見つめる。数滴の血が、瞬時に全身を駆け巡った気がした、口から摂取したそれが消化器官へと送られる過程で、熱く発光するかのように、刺激を与えてくる。
しかし、心地良かった。
絶頂を迎える直前のような、そんな感覚に陥った。
「っはぁ!」
見上げていた顔が悦楽に歪む、だらしなく開かれた口から舌が現れ、余韻に浸るように蠢いている。
……今のは、何だ。
人の血が、こんな味がするとは知らなかった。初めて他人の血を舐めたが、血ではない気がした。鉄の味など、しなかった。臭くない、ただ、甘く鮮烈だった。
トランシスは小刻みに震えながら、食い入るようにアサギを見つめると他に怪我をしていないか探す。見慣れない衣服を身に纏っていた、だがそこは問題視しない。露出した二の腕にも傷を見つけると、血走った眼で吸い付く。乾いた血を剥がすように、強引に舌を動かした。擦り傷なのでそこまで血は出ていない、すぐに味はなくなる。次から次へと、トランシスは傷口を探し、舌を這わせた。
禁断の秘薬のように、一度口にしたら忘れられない、逃げられない快楽と美味。
やがてアサギの頭痛が消え、うっすらと瞳を開くと誰かに抱かれていることに気がついた。
「んにゃっ」
思わず声を張り上げる、傷口がなくなったが、肌に残る微量の汗も似たような感覚に陥れると知ったトランシスは首筋を舐めあげていた。
全身に鳥肌が立つ、ねっとりとした熱いものが行き来し、背筋から這い登ってくる初めての感覚に声が漏れる。耳元まで舌は動く、荒い息遣いが耳に吹きつけられた。
「ひぁっ!?」
大きく身体を揺らして、赤面すると腕から逃れようともがいた。暴れるアサギにようやく気づき、我に返ったトランシスは力任せに胸に押し付ける。
……起きて欲しくなかった、まだ楽しみたかった。
身勝手だが、大事な玩具を奪われた子供のように、純粋に苛立った。
「大人しくしてて、木から降ってきた子。君を助けたのは、オレだ」
「あ、ありがとうございま、す。あの、あの、苦しいで、す」
トランシスは加減を知らず、にアサギを抱き締める。潰れてしまう位に、強く。腕の中にいることを確かめている様に、消えてしまうものではないと認識する為に。
押さえつけられ、苦し紛れに声を出すアサギだが、力が増した。鋭い悲鳴を上げる、トランシスの耳にもそれは届いた、だが、嬉しそうに瞳を輝かせただけだった。
「イイ声で啼くね、君何者?」
強引に顎を掴むと上を向かせ、涙しながらこの状況に不安を抱いているアサギの瞳を覗き込む。大きな瞳に映る自分は、久しぶりに失笑していた。
「そんなに怖がらないでよ」
……知っている癖に、これが好きな癖に。
慣れた様に自然とアサギの唇を塞ぐ、驚いて目を見開いたアサギを見つめていた。瞳を閉じず、互いに開き、見つめ合ったまま唇は触れ合う。
『この唇は、オレのもの。だから、絶対に他の誰にも触れさせないで。オレも触れさせない。解る?』
昔、遠い遠い昔に、言った言葉と、聴いた言葉が蘇った。
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