別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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一言分がなろうに転載されて大失敗だYO! ←
気を付けよう゚(゚´Д`゚)゚
気を付けよう゚(゚´Д`゚)゚
「遊ばれてるだろ、これ」
天界城に戻ったトビィが吐き捨てるように言う、マダーニも同意し、アリナが唇を尖らせ腕を組んだまま低く唸る。
神クレロから異常箇所の報告があった、まるでこちらを弄ぶように次々起こる事態に、トビィが苛立ちを隠せない。
街での火災に、転がる魔族の死体、人間の死体。最近では行方不明者も続出しているという、村がまるごとなくなっている箇所もあるとのことだ。
「神は何をやっているんだ、後手では手遅れだろ。監視が追いつかないのか、怠惰なのか」
「こりゃ連絡が来るのを待つより、散り散りになって都度見回りしたほうが早いな、そうしよう」
神に不信を募らせる皆、ライアンが軽くフォローに入る。神に不平を言うより、自分達で好機を見出したほうが早い、と。流石い神を悪く言うことは、気が引けた。多くはそう思っていないようだが。
「で、その神は何をやってるんだ?」
「忙しいんだろうな、指示は戴いている。勇者達はまだ動けるのか?」
地球の時刻は夕刻だ、一旦家に帰宅し、参加出来る者は戻ることで勇者達は散る。ただ、アサギだけは杖の件で謝罪がしたい、とクレロに会いに行くことにした。ついていこうか、とトビィに訊かれたが、首を横に振った。残念そうに微笑んだトビィに手を振ると、アサギは歩き出す。
恐らくは世界が見える球体の部屋にいるのだろう、その部屋ならば大体把握が出来ているので迷うことなく進む。途中すれ違う天界人に会釈されたが、やはり視線は痛々しい。杖を盗んだようなものなので当然だが「あの杖が、どうしても必要だったのです」小さく漏らした。
「クレロ様?」
部屋に到着すると声をかけるが、返答はない。迷ったが、アサギは足を踏み入れた。目の前には、不思議な球体がある。神しか起動出来ない筈の球体だ。
以前アサギが作動してしまった球体は、淡く光り輝き、時折中で炎が揺らめいているように見える。頭痛がした、酷い激痛に耐えられず脚がよろめく、数歩後退したのだが。
『オレはここだよ』
「誰?」
声が聞こえた、間違いなく球体から声が聴こえた。痛みをこらえて、胸を抑えながら吸い寄せられるように近づくと、アサギは恐る恐る触れる。次期神候補に、と言われた自分は、もうこの球体に触れて作動する能力があるのだろうかと疑問を脳内に浮かべつつ、壊れ物に触れるように、そっと指を、指の腹を、手のひらを接触させた。
『おいで』
声が聴こえた途端、身体が球体に吸い込まれた、小さく悲鳴を上げたが、声は誰にも届かない。ただ、球体には宇宙に浮かぶ赤い惑星が映っていた。
不意に呼ばれた気がして、地球でサッカーの試合を見ていた亮は顔を上げる。アサギと遊ぼうと思ったが不在だったので、暇を持て余して家に居た。不思議そうに母親が首を傾げたが、亮は硬直していた。脳内に何か音が響いている、胸が早鐘のようだ。口元を抑えて束縛から突如解放されたかのように、前に倒れ込む。
異変に気づき母親が助けに来た、そのまま仰向けに寝転がされ、天井を見つめた亮は電球の眩しい光に余計目眩を覚える。目が痛い、黄色い光が点灯している。
水をとりに行った母の足音を聞きながら、光から逃れるように横を向くと何かが転がっていた。琥珀色の石が光輝き、落ちている。
何故、石が床に。何より、石ではなく宝石に思えた。ここまで眩い光を放つものを、初めて見たのだ。ただの石には見えない。手のひらよりも小さいが、母親のネックレスやピアスに附属しているような大きさでもない。大きな傷が入っているが、輝きは損なわれていなかった。思わず手を伸ばす、震える手でそれを掴むと、何故かズボンのポケットにしまいこんだ。
上半身を起こされ、水を飲まされた亮。帰宅した父親に担がれて二階の自室のベッドに運ばれる、そのまま寝巻きに着替えて寝かされた。
気だるかったので、気がついたら亮は眠っていた。暗闇の中で、石が入っているズボンだけがぼんやりと浮かび上がる。
小さく呻いて、アサギは瞬きを繰り返した。身体中が痛い、一体ここは何処なのか。腕に力を入れて起き上がろうとすると、急に身体が下がった。
「きゃ、きゃああああ!」
盛大に悲鳴を上げる、落下する身体を止めようと浮上すべく集中するが脳の指令に身体がついていかない。切りつけられるように肌に何かがあたる、痛みで上手く魔力が使えなかった。腕を伸ばす、何かに捕まろうともがいていると、身体が強打された。仰け反ったが、落下は止まった。
「ぅ……ん」
胸を強打した、痛みで意識を手放しそうになった。荒い呼吸で震えながら横を見つめると、緑色した葉が見える。どうやら樹に落下し、枝に引っかかったようだ。天界城から何処へ飛ばされたのか、全く検討がつかない。痛みが治まるまでそこにいようと、アサギはバランスを取りながら辛うじて身体を支えてくれている枝にしがみつく。
……おぉ、アサギ様だ!
名を呼ばれた気がしたが、朦朧とした意識で幻聴に思えた。瞳を閉じ、樹に身体を委ねる。昔こうしていた気がしたが、いつのことだろうか。木登りなどした記憶はないのだが、木の上で寝ていた気がしてきた。
『こんなところで寝ないでよ、木の上にしてよ! 危ないよ』
「危なくないよ、大丈夫」
誰かの声に、返事をする。
「木登り……怖くて、逃げた時もあった……」
下を通過していく誰かから逃れる為に、枝に捕まり震えて耐えていた。胸が押しつぶされそうだった、早く諦めて行って欲しいと思っていた。泣いていた、恋人が消えて泣いていた。いや、恋人など最初から存在しなかったと、泣いていた。ただ、逃げて隠れることしか出来なかった。
「怖かった、けど」
口走ってから瞳を見開く、アサギは上半身を起こすと大きく身体を震わせた。
「今の、何?」
困惑し、口元を押さえる。そんなことをした事実はない、そもそも恋人だったかもしれない人はミノルだけだ。ミノルから逃れる為に木に登った事はない。街中で、ミノルと親しい美少女のキスシーンを目撃して、その場で動けず立ち尽くしたのは先日だ。
頭を押さえる、押さえた途端、頭痛が始まった。先程天界城で痛んだ時のように、脳内で誰かがハンマーを叩いているように、内側から激しい痛みが来る。
「い、痛い、痛いっ」
思わず悲鳴を上げる、痛みを取り去ろうと、治癒魔法を唱えようとするが集中できなかった。涙が浮かんできた、吐き気がする、喉を掻き毟りたくなる。
バランスを崩し、落下しそうになったが地面に叩きつけられたほうが楽かもしれないと思った。枝から手を離す、咳き込みながら、アサギの身体は再び地面に吸い込まれていく。
「ええぇ、何」
声がした、身体に衝撃が走るが、痛くはない。頭痛が止まらなくて、アサギは身悶える。
「っ、ぅ、い、ぃあぁ」
小刻みに痙攣しながら、額に汗を浮かべ苦痛に眉間に皺を寄せる。
ゴクリ、と喉が鳴った。言葉をかけそびれてしまった。
扇情的なその表情を知っている気がした、眺めているのが楽しかった気がした、痛むをこらえるその姿に、下腹部が疼いた、気がつけば舌なめずりして様子を見ていた。
アサギを抱きとめた男がいた、偶然居合わせ、木の葉が動いたので何がいるのか興味本位で見つめていたら、女の子が降ってきたので慌てて抱きとめた。
「うっわ、可愛い子!」
トランシス。悶えるアサギを視姦するように欲情丸出して、腕の中で温度と重さを確かめる。暖かいアサギと、身悶える際に揺れる身体、重くはない、軽かった。汗ばむ身体、立ち上る危うい少女の純粋さと無邪気な艶めき。
「見つけた」
無意識のうちにそう呟いたトランシスは、介抱するわけでもなく、ただアサギを食い入るように見つめている。
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あと10話
何故、手に煌めく小刀を持っているのだろう。研ぎ澄まされ残忍そうに輝くそれに、アサギの青白い顔が映る。低く笑いながら瞳を細め、ゆっくりと近寄るトランシスはそんなアサギを愛おしく見つめていた。
「怖がらなくてもいいよ、大丈夫、痛くないから」
アサギの背に壁がぶつかる、追い詰められて逃げ場を失った。最初から逃げられるわけがない、震えているアサギの右手を優しく掴むと引き寄せる。その表情は柔らかだ、だが何故刃をこれみよがしにちらつかせているのか。
「アサギなら、傷ついても魔法で治せるだろ?」
爽やかにそう言うと、悲鳴を上げたアサギの親指に刃をあてがい、無造作にそのまま力強く引いた。遅れて痛みが指先に走る、真っ赤な鮮血が指を伝う、湧き出るそれを唖然と見つめた。ジワジワと切り口から痛みが広がる、何が起きたのか解らず、瞳に涙が浮かぶ。掌に血が垂れる、が、そこから先は汚れなかった。
嬉しそうにトランシスが血を舐め始めたからだ。
舌の先端に血が触れた途端、トランシスが恍惚の笑みを浮かべる。垂れてくる血を器用に舌先で舐めとり、傷口まで上りつめると指を咥えて傷口をこじ開けるように、夢中で吸う。
『アサギの血って、美味しいよね』
先日、そう言われた事を思い出した。痛む指先、それでも。
声が出せない、激痛の為か、目の前の恋人の行動が狂気染みていた為か。
どのみち、声を出しても誰も助けに来ない。ここは彼の家だ、地下のこの小さな部屋には今二人しかいない。
意識が遠のいてきた、不意に顔を上げたトランシスと視線が交差する。
真っ赤に染まった舌を覗かせて、満足そうに微笑んでいる。
「ここを斬れば結構血が出るね、コップ一杯分にはなるかな?」
アサギは意識を手放した。
「怖がらなくてもいいよ、大丈夫、痛くないから」
アサギの背に壁がぶつかる、追い詰められて逃げ場を失った。最初から逃げられるわけがない、震えているアサギの右手を優しく掴むと引き寄せる。その表情は柔らかだ、だが何故刃をこれみよがしにちらつかせているのか。
「アサギなら、傷ついても魔法で治せるだろ?」
爽やかにそう言うと、悲鳴を上げたアサギの親指に刃をあてがい、無造作にそのまま力強く引いた。遅れて痛みが指先に走る、真っ赤な鮮血が指を伝う、湧き出るそれを唖然と見つめた。ジワジワと切り口から痛みが広がる、何が起きたのか解らず、瞳に涙が浮かぶ。掌に血が垂れる、が、そこから先は汚れなかった。
嬉しそうにトランシスが血を舐め始めたからだ。
舌の先端に血が触れた途端、トランシスが恍惚の笑みを浮かべる。垂れてくる血を器用に舌先で舐めとり、傷口まで上りつめると指を咥えて傷口をこじ開けるように、夢中で吸う。
『アサギの血って、美味しいよね』
先日、そう言われた事を思い出した。痛む指先、それでも。
声が出せない、激痛の為か、目の前の恋人の行動が狂気染みていた為か。
どのみち、声を出しても誰も助けに来ない。ここは彼の家だ、地下のこの小さな部屋には今二人しかいない。
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