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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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ずざー

次の執筆大会までにマビルを終わらせたい。
・・・無理(’ ’ )

ついったメモ

未来は決まっていた、滑稽に足掻いたところで、こうなることは分かっていた。 己の身勝手さを憎み、嫌悪したとしても……どんな結末になろうとも、アサギが選んだのだから仕方がない。
それでも彼に会いたかった。
結ばれないと、知っていても。 肉体的にも精神的にも粉々に成る程叩きのめされても、会えれば良かった。 そう願ったのだから仕方がない。 それが恋なのか、やはり固執なのか……好きに呼べばいい。 さて。 後は無意味な時間を過ごすだけ。
期待などしても意味がない、この先すらもアサギは知っていた。 それでも、まだ、足掻くのか。 救いを乞うのか。 ……何に、誰に。 この空白の時間を有意義に使わねばならない。 もう少ししたら、望み通りアサギは還るだろう。 全ては、思いの儘に。
さあ、時間だ。 破壊の姫君が起きるまで、暫し戯れようか。 ……共にいたいと願えば、いられたものを。 共にいられないと思わせた皆々は、よくアサギの事を把握していたと思うよ。 さあ、あと少しで全てが終わり、私も消える。 始めようか。


魔界イヴァンの様子を探るべく歩き出したアサギ達は、すぐに魔族達に囲まれた。
 敵意はないようだ。涙を浮かべて嗚咽を漏らしながら、それでも柔らかく微笑んでいる。
 狼狽するアサギに代わり、トビィが話をきいた。
 魔族達は、新たな指導者を待ち不慣れながらも復興に専念していた。といっても、皆自分達の居住地から離れられず、アレクの城は崩壊したままだという。

「あれを再建するには専門職がいないと不可能だろ……」

 低く唸ったトビィに、アサギも頷く。そもそも、クレーンなど重機もないのに、どうやってあれを作り上げたのか謎だ。

「次の魔王様の為に、小さくとも城は用意したいと思っております」

 従順な魔族達は項垂れる。何から手を付けてよいのか解らないのだろう。
 トビィは腕を組み暫し思案していたが、提案を持ちかけた。

「人間が来ても良いのだろうか? 魔族で建築に長けた人物なんぞ、オレは知らない。だが、人間なら」
「トビィお兄様、そんな職人さんの知り合いがいらっしゃるのですか。流石です」
「違う、アリナに募集をかけてもらうだけだ」

 人間達は仕事が増える、魔族達は相応の金額を支払い、城の完成を待つ。
 持ちつ持たれつの世の中だ、魔族達はその提案にすぐに食いついた。あとは人間の中に”魔界に来て、魔族に混じって城の建設に携わることが出来る度胸を持った者”がいれば問題ない。
 おそらく、怯えて拒否するだろう。
 だが、トビィやアリナなど人間側に信頼できる指導者がいれば可能になりそうだった。

「あいつらには世話になったし……乗り掛かった舟だ、やってみるか」
「はい! 頑張りましょう」

 トビィもアサギも、魔族達には世話になった。自分達に出来ることならば、なんとか手助けしたかった。

「それで、次期魔王ですが……」

 躊躇いがちに言い出した魔族の一人に、トビィは眉を寄せる。

「アレク様に従兄弟がいらっしゃる話は知っております、しかし、王家の血筋とはいえ見ず知らずのお方に王位に就かれますと些か……こう、なんといいますか、釈然としないものがありましてですね」

 ナスタチュームも懸念していたことだ、やはりそうなるか、とトビィは軽く溜息を吐く。

「それで、つきましては、次期魔王様についても御助言をいただきたいのですが」
「ナスタチュームと生活してみるといい、それで信頼出来るなら奴に任せるだけの話。無理だと判断したならば、選挙でもやって新たな王を作ればいい」
「あ。はい、そうですね、そうですよね」

 煮え切らない態度の魔族に、いよいよトビィは自分の勘が当たっていることを確信する。
 避けて通れぬ道だった。

「上に立つ誰かが欲しいんだろ?」

 観念したようなトビィの言葉に、魔族達は一斉に大きく頷くと、羨望の眼差しを二人に投げかける。げんなりとして、トビィはアサギを見下ろした。

「そういうことだ、どうするアサギ」
「……え?」

 魔族達は、アサギとトビィに行く末を委ねた。
 ナスタチュームの言う通りに、事は進んでいる。一刻も早く善処せねば身動きがとれなくなる。集落に招かれた二人は、簡素ながらも手厚い歓迎を受けた。
 ここは、港だった場所だ。
 魔王ミラボーが暴れ、停船していた船で人間界へと逃亡した魔族達も僅かながらに戻ってきているらしいが、寂れている。

「交換条件だ。誰か”破壊の姫君”について何か知っている者はいないか」

 徐に口を開いたトビィに、アサギが驚く。まさか協力を頼むとは思っていなかった、混乱を広げそうな気がして不安に俯くアサギを抱き寄せ、トビィは魔族達を見渡す。
 その反応は、予想した通り残念なものだった。
 演技ではなく、本当に何も知らない者達ばかりだったのだ。

「申し訳ありません、全く存じません」
「そうか……もし何か掴んだら、すぐに教えてくれ」
「かしこまりました。ところで、それは一体何者なのです?」

 不思議そうに訊ねてきた魔族に、ちらりとアサギを見てからトビィは皮肉めいて笑う。

「さぁな、オレも知りたい」

 結局、トビィは暫し魔族達で手いっぱいになってしまった。
 アサギ達が学校へ行く平日は、一人でイヴァンに出向き指示を出している。アリナの協力も得て、どうにか城の建設に携わってくれそうな人間も何人か選出した。
 給料を倍額にし、三食寝床つきで募集をかけたらしい。
 ナスタチュームにも話し、魔界に顔を出す様に連絡をしたトビィは、忙しなく世界を飛び回る。

「案外主は人が良いですね」
「喧しい」

 微笑ましくそう言ったデズデモーナに、トビィは唇を尖らせた。

「アサギがいなかったら、誰がこんな面倒な事するか」

 数日経過した頃。
 巨人族の子が彷徨っていた山の麓の村では、再び事件が起きていた。

「お久し振りでございます、アサギ様」
「まさか、また来ていただけるとは思いませんで……」
「流石アサギ様ですなぁ、我らの危機を感じ駆け付けてくださるとは」
「おぉ、早速やってくださるのですな! 流石はアサギ様」
「今宵も出てくるでしょう、お願いいたします」

 食材は一見地味な色合いで質素だが、抜群の味付けの田舎料理を出されるがままに食べていたマビルは顔を上げる。
 人間界を彷徨い、山奥に来てしまったマビルはアサギと間違えられもてなしを受けていた。待遇の良さに心地よく食事をしていたのだが、様子がおかしい。
 アサギに間違えられたことに腹が立ち、普段ならば魔法を繰り出し廃村にしていただろう。しかし、その余裕が与えられなかった。
 危機を感じ。
 早速。
 今宵も出て来る。
 面倒な事に巻き込まれたくなかったマビルは、村から立ち去ろうとしたのだが、
この村には涸れたような老人しかいない割に力が強く、貧相な小屋から月夜の晩に押し出された。
 村人達は、笑顔で散り散りに隠れていく。
 状況が掴めず、唖然としているマビルの耳に不気味な音が響き始めた。
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