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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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日曜日⇒勇者の新彼氏
月曜日⇒マビル
火曜日⇒
水曜日⇒
木曜日⇒トランシス
金⇒
土⇒
日⇒
月⇒
火⇒トランシス

ただいま、10月。
11月にトラトビ誕生日があるので気を付けろっ!

『私の彼氏です、トランシス、っていうんですけど、とてもかっこよくて頭が良くてステキな方なのですよ』
『私の彼氏です、トランシス、っていうんですけど、とてもかっこよくて頭が良くてステキな方なのですよ』
『私の彼氏です、トランシス、っていうんですけど、とてもかっこよくて頭が良くてステキな方なのですよ』
「わわわわわわたしのかれかれかれかれかれ、し」
「しっかりしろ、ミノル! ……駄目だ、本体がバグってる!」
 上手く口が回らないミノルは、瞬きするのも忘れアサギの台詞を連呼した。
「とてもかっこよくてあたまがよくてすてきなななななななななななななな」
「あああああ、一大事だ!」
 ミノルを揺さぶりながら、トモハルは狼狽した。真っ白になってしまった親友を見ていると、哀れ過ぎて涙が零れ落ちそうになる。『アサギに彼氏が出来たところで自業自得だよ』と軽口は叩けない。ミノルは今にもショック死してしまいそうだった、これ以上苦しめたくはない。
 それ以上にアサギが苦しんでいた過去があったとしても、だ。
 余程好きだったんだなぁと再確認しつつ、じゃあなんで手放したんだよ、と突っ込みを入れつつ、飛び出しそうな言葉を飲み込む。恐ろしくて口には出来ない。
 トビィは額を押さえて、瞳を閉じていた。「頭痛がする」と漏らす。
 ミノルと付き合っていると思っていたアサギが、何時の間にやら別の男と付き合っている……それは、世間を騒がす火事やら殺人よりも皆の興味を惹くものだった。
「え、ミノルとはどうして別れたの!?」
 興味津々で覗き込んできたアリナに、アサギは首を縮こませる。
 その言葉がしっかりと耳に入ってしまったミノルは、蒼褪めてその場に崩れ落ちた。慌ててその身体をトモハルが支える。
「傷口に塩を塗らないでください! ミノルは死にそうなんです!」
 トモハルが懸命に親友を庇う、チアノーゼが出ているミノルは、深刻なダメージを負っていた。
「う、ウボァー」
 吐血しそうな勢いで咳き込んだミノルは、トモハルの腕の中で息を引き取るかのように瞳を閉じて動かなくなった。
「し、しっかりしろー! ミノルー!」
 詳細は知らないが、ミノルがヘマをやらかしアサギに振られたのだろうと悟った皆は、心の中で合掌する。
 ミノルと旅をし、その性格を知っていたマダーニは、別れてしまった二人を酷く嘆いた。二人に対しては妹・弟のような感情を抱いていた。出来れば、末永く続いて幸せになって欲しかったのだが、もう手遅れらしい。
 あまりの早い別れに開いた口が塞がらない。
 図に乗ると大口を叩いてしまうミノルの事だ、反省したところで取り返しがつかなかったのだろう。と、憶測する。
 二人が別れたと事前に知っていたら猛アタックをしていたであろう男性メンバーだが、現在すでに入るスキはないようだった。間の悪さに、項垂れる。
 反して、女性陣は瞳を輝かせてアサギに詰め寄った。
「それで、どんな人なの!? 今度ここに連れてきなさいよ、部屋も一室余っているし!」
 マダーニがアサギを抱き寄せて、その頭を撫でた。恥ずかしそうにアサギは頬を染め、身体を捩る。
「えっと、かっこいい人です」
「あらあら、御馳走様。でもそれじゃどんな人なのか、さーっぱり解らないわ」
「紫銀の髪に、濃紺色の瞳で」
 アサギが照れながらそう呟くと、皆は一斉にトビィに注目する。そ知らぬふりをして視線を逸らし、トビィは軽く項垂れた。
 アサギの相手がトビィではないことは、皆知っている。しかし、珍しい髪色の人物が他惑星にいたということに驚きは隠せない。
「こ、今度連れてきます、ね」
「うん、そうして頂戴! 歓迎会よっ」
「ちぇー、可愛子ちゃんには、すぐに新しい男が出来ちゃうんだよなー。ボク残念過ぎて死にそうだよ」
「死にそうなのはミノルだよ! みんなさ、もう少し気を遣ってよ」
 笑い合い、怒鳴り合い、気兼ねなく話をしている中で、一人ユキだけがつまらなそうにしていた。話の中心はアサギだ、この世界へ来るといつもそうだ。
 とはいえ、地球でもほぼそうだったが。
 歯軋りして、アサギを見つめる。
「よかったよね、よかった、って言っていいのかわかんないけど、ユキとしてはアサギが嬉しそうで安心したでしょ」
 手を振りながらやってきたケンイチに気づき、ユキは慌てて笑顔を取り繕う。不自然に小首を傾げて「そうだね」と震える声を出した。
「落ち込んでるアサギ、心配だったでしょ。ユキは友達思いだからね」
「うん、そうだね」
「元気になったみたいでよかった。ところでユキは知っていたの?」
「うん、そうだね」
「そっか、二人は親友だからね」
「うん、そうだね」
 ユキは、他人事のように気のない返事を繰り返した。
 瞳の端に、同性の目から見ても可愛らしいアサギを映して。
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