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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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リマスターはここで外伝3始動。
 君に咲く花のアサギ視点始動。

 その間に、マビルとアサギを間違える村へアサギが出向く。
 トランシスとのR18をどうにかぼやかして連続投稿。
 トモマビ始動。

 そうすれば楽になる筈、多分きっと、おそらく。
 五月には黒幕大暴走からのベルーガ登場へ行きたい。


惑星チュザーレ、港町カーツ。
 無論、アサギもトビィもそこへ行くのは初めてだ。
 アサギはそのうち仲間達に会う為惑星チュザーレへ行きたいと思っていたが、まさかこんな形で出向く事になるとは思っていなかった。運命とは、皮肉だ。
 
「深追いするな、アサギ」
「被害を最小限にとどめたいと思います。最良はワイバーン達を街から離すことですよね?」

 竜へと戻ったデズデモーナの背にアサギが乗り、クレシダの背にトビィと人間のままでいるオフィ―リアが乗っている。オフィ―リアは水竜の為、空を舞うことが出来ない。水辺ならば抜群の戦闘能力を発揮するが、今は竜の姿に戻ると足手纏いでしかない。トビィの背中にしがみつき、上空からの見慣れない風景に怯えていた。
 眼下から、多くの悲鳴が聞こえてくる。一刻の猶予もない。
 アサギは、デズデモーナと共に街へと急降下した。何体かのワイバーンの姿が見える。かなり興奮状態にあるようで、仲間を呼んでいるのか威嚇しているのか、耳が千切れそうなほど大声で吼えている。
 迫るほどに、皮膚でその威圧を感じ取った。
 アサギとデズデモーナが眉を顰める、これはそう簡単に退いてくれなさそうだと同時に思った。

「如何なされますか」
「とりあえず、話をしてみようかと……! デズデモーナ、あそこへ!」

 焦燥感に駆られたアサギが背の上で暴れるので、デズデモーナは”あそこ”を懸命に探す。

「一際高い建物へ! 襲われてます、助けます」
「あぁ、ワイバーンが侵入しているあそこですね、御意」

 カーツという街を詳しく知らなかったが、想像以上に大きな街だった。惑星クレオのジェノヴァよりも規模は小さいだろうが、建物が密集しており人口密度が高そうだ。所狭しと立ち並ぶ建物に遮られ、それらを壊してはならないとアサギに懸命に頼まれ、デズデモーナは苦戦する。
 アサギの役に立ちたいと気が焦り、普段の冷静さを失っていた。

「これ以上先に進むことは無理でございます」
「デズデモーナ、人型になっても飛べますか? ついてきてください、無理なら待機で」
「は?」

 観念して進行を断念したデズデモーナが素っ頓狂な声を上げるのと、背中が少し軽くなったのはほぼ同時だった。アサギがスカートをはためかせながら落下していく様に、悲鳴を上げる。
 その背から飛び降りたのだ。

「クッ、アサギ様!」

 アサギを救うべく、無我夢中で人型に変化したデズデモーナは、迷うことなくアサギを追う。人型の自分が飛べるかどうかは、知らない。けれども今は、落下するアサギを救わねばならないと思った。トビィに任されたからではない、自分の意思でそう思った。

「アサギ様、御手を!」
「大丈夫ですよ、私飛べますから」

 どうにか追いつき、決死の覚悟で腕を伸ばしたデズデモーナに、にこやかにアサギは微笑む。そっと掌を握り、同じ位置に瞳がくると、アサギは悪戯っぽく笑った。

「ね? さぁ、行きましょう!」

 頷くほかなかったデズデモーナは、頬を紅潮させ、繋がれた手が焼けるように熱いのを感じながら、茫然とアサギに先導される。
 アサギの指は細く柔らかで、心地の好いものだった。今にも昇天しそうな心地に、戸惑う。急に恥ずかしくなり、空いた腕で顔を隠す。
 しかし、今はそれどころではない。

「危ないっ!」

 鋭く叫んだ切羽詰まったアサギの声に、花畑の中にいたデズデモーナは目を醒ます。
 ワイバーンは獲物を見定めたらしく、少女達数人を囲っていた。咆哮し、屋根の上にいた一体が、彼女ら目掛けて突進している。

「ッ! 止まってください!」

 長剣を振りかざし、地面に倒れこんでいる金髪の少女の前に降り立ったアサギは、射抜くような視線をワイバーンに向けた。
 怪我でもされては、と慌てたデズデモーナが前に立とうとするが、アサギに制され渋々隣で構える。
 小型の竜の為小回りが利くのか、寸でのところで停止したワイバーンは威嚇しながら数歩下がった。羽根と尾っぽが建物を破壊し、その瓦礫が飛んできたのでデズデモーナが腕で振り払う。
 低く唸りながら、突如現れた二人を忌々しそうに睨み付けるワイバーン。アサギは、妙な違和感に気づき、見定める様に瞳を細める。

「ガーベラ!」
「ガーベラ、こっちよ、ガーベラ!」

 聞こえてくる声に、一瞬アサギは視線をワイバーンから外した。ガーベラ、というのはアサギが庇っている金髪の少女の名前だろう。彼女の友達が安全なところへ来るように、手招きしているのだ。

「え……生きているの?」
「大丈夫です、安心してください。来るのが遅くなってごめんなさい」

 後ろからか細い声が聞こえたので、安心させるように努めて優しく、そして力強くアサギは語り掛ける。今、ワイバーンから視線を外したら隙を与えてしまう。気づけば五体に囲まれていた、それぞれに気を放ち牽制していた。
 見慣れないワイバーンに怯えたガーベラが、鋭い悲鳴を上げる。その声に、ワイバーンも反応して大きく咆哮し出した。
 仲間を呼んでいるのか、攻撃するタイミングを会話しているのか。アサギは睨みを利かせながら、焦っていた。

「デズデモーナ、会話出来ますか?」
「やってみます」

 種族は違えども同じ竜なのだ、会話出来ないかと思いデズデモーナに相談してみた。平穏に済ませるには話し合いが一番だ。
 名誉挽回とばかり、不謹慎だが笑みを浮かべたデズデモーナは、慌てて緩んだ口元を引き締めると、吼え続けている目の前のワイバーンに語りかける。
 けれども。

「……殺気立っておりますので、会話不能です。いかが致しますか」

 全く会話にならず、デズデモーナは項垂れた。ここで円滑に進められたらアサギの笑顔が見られたに違いないと、落胆した。
 意を決したアサギは、静かに息を吐くと構えていた剣を下ろす。 

「デズデモーナ、ちょっと待ってね。私が会話してみます。
 こんにちは、初めましてワイバーンさん達。私はアサギといいます。お聞きしたい事があるので、教えてください」

 アサギは、大きく腕を広げて、ワイバーン達を見つめながら対話を試みた。
 流石に、デズデモーナもガーベラ達も、目を見開いてそれを凝視する。誰もが、無謀だと死を覚悟した。
 
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