別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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気が早い私(ぉい)。
目標、10話以内。
・ミノルとアサギは付き合っている
・ユキとケンイチも付き合っている
・プールに行く
・4人で出かける
・学校が始まる
召喚される
・約一週間
目標、10話以内。
・ミノルとアサギは付き合っている
・ユキとケンイチも付き合っている
・プールに行く
・4人で出かける
・学校が始まる
召喚される
・約一週間
地球だった、日本だった。
長い事、異世界に居た気がするのだがそこまで経過していない。が、小学生活最後の年の夏休みは、最早終わろうとしている。カレンダーを見つめ、勇者達は深い溜息を吐くしかなかった。
「時間を停止か、戻してもらうかどうにかならなかったのかなこれ」
トモハルが項垂れる、隣では遅れを取り戻そうとミノルが必死にゲームをしていた。全勇者達は現在、トモハルの自宅に遊びに来ている。
神であるクレロの取り計らいにより、確かに自分達が地球上から姿を忽然と消したことは皆の記憶から消えていた。魔物が校庭に出現した事も、誰も覚えていない。異世界へ行っていた幼き勇者達……自分達以外は誰も知らない。
家族も全く記憶がなかった、自分の子供達は普通に学校へ行き、普通に家にいたと信じて疑っていない。
それは、よしとしよう。頼りない神ではあったが、間違いなく皆の記憶を消してくれた。
「仲良くなった……というか、魔王を倒して世界を救った仲間なんだし。明日皆で遊びに行こうよ。プールか海に」
トモハルがそう言ったのでミノルの手が止まる、赤面してちらりと、アサギを見た。ダイキも思わずアサギを見る、ケンイチはユキと和やかに微笑んだ。
「海は遠いし、プールでいいんじゃね? すぐそこにあるし」
「じゃ、明日! 楽しみだなぁ」
「ねぇ、宿題は……」
そこで一言投下される不穏な言葉。そうなのだ、遊びに来ているわけではない。ミノルはゲームしかしていないのだが皆は、必死に宿題をしていた。残された時間は数日だ、回答を丸写しする勢いで皆こうして集まり勉強している。プールに行くならば、今日中になるべく終わらせたい。
学校へ行っていなかったが、ちゃっかり宿題は自室に置いてあったのだ。
「ミノル、ゲームいい加減止めろ。勉強集中」
「面倒」
言いながらも、ゲームの電源をオフにしたミノルは、微笑んでいるアサギに照れくさそうに笑うと、開いたままだったノートに目を落とした。
アサギ、ユキ、トモハルが全力で答えを出していく。ダイキ、ミノル、ケンイチがそれを見ながら埋めていく。
問題を解くことは優秀な三人に任せていた、夏の自由研究だけは自分達で何か見つけなければならないのだが。
結局その日は、朝から夕方まで六人で必死に宿題を片付けた。暗くなる前にトモハルの家を出て行く勇者達、皆で手を振り合う。大きく手を振るトモハルの隣で、ミノルは照れくさそうに小さくアサギに手を振った。
「よかったな、ミノル。アサギと付き合ってるんだろ?」
「べ、別にっ」
「よかったな、告白してもらえて。一生に一度の事かもしれないな」
「う、うるせー」
「あんな可愛い子からの告白なんて、そうそうないと思うけど」
「……それはそうだけど」
「いいなぁ」
と、言って寂しそうに微笑んだトモハルに、軽くミノルは唇を尖らせる。やはり、アサギの事が好きだったんだろうな、と思った。のだが、そうではない。トモハルがいいな、と言ったのはアサギに”告白されていいな”ではなく、”好きな子と一緒にいられていいな”、だ。
空を見上げる、夕焼けと夜空の境目辺りを、トモハルは切なそうに見つめていた。
「本当によかったな、仲良くずっと……いるんだろうな」
「う、うるせー」
照れくさくなったミノルは、隣の自分の家へと入っていく。玄関から入って階段を上がり、自室へ行くとベッドに倒れ込む。思い出すのはアサギの声だ、そして一生懸命目を見て伝えてくれた言葉だ。
『こ、こういう時くらいしか言えないと思うので。えっと、好きでした』
思い出す度に顔が熱くなる、思わずベッドを殴りつけた。身体中を何かが駆け巡って、じっとしてなどいられない。脚をばたつかせ、枕に顔を埋める。
耳まで真っ赤になっている、この姿を誰にも見られたくはない。特にアサギには。
告白されたので、付き合っているのだろう。ふと顔を上げると、アサギと目が合う。微笑んでくれるので、ぎこちなく微笑み返す。それが妙に嬉しかった。
ケンイチとユキは、常に隣同士で親密そうに話し合っているが、ミノルとアサギは寄り添ってはいない。けれども、それでよかった。そのうち、手を繋いで歩いたり出来るだろう。今はまだ、恥ずかしくてミノルには無理だった。
そもそも、今まで辛くあたってきたことしかない。突然態度を変えるなど無理だ。
「あ、明日はプールかぁ」
水着のアサギはどんなだろう。ぼんやりと考えながら、ミノルは次第に緩んだ顔を慌てて引き締める。
「ふ、ふん。べ、別に水着のアサギを見たって、別に」
言いながらミノルは何度も脚をばたつかせていた、嬉しいらしい。暫し暴れていたのだが、慌ててベッドから起き上がると水着の用意を始めた。浮き輪も出す、口元を緩ませながら支度をしていた。
帰宅したアサギも、水着の準備をする。そういえば、魔界でも水着を購入したが結局着る事はなかった。
思い出すと、身体が震える。
「アレク様、ロシファ様。ホーチミン様、サイゴン様、スリザ様、アイセル様。……ミラボー様」
多くの優しかった魔族達が、死んでしまった。知らず零れた涙を拭い、アサギはゆっくりと準備を開始する。
ごめんなさい、と呟きながら支度をしていると部屋がノックされた。
「よっ、元気か」
「あれ、みーちゃん。どうしたの? 今日も一人なの?」
幼馴染の亮が来ていたらしい、頭をかきながら入ってきた幼馴染にアサギは普段通りの声をかけた。両親が共働きで一人きりの亮は、田上家に夕飯を食べに来ている。今日もそれだと思っていた。
神妙な顔つきで床に座り込んだ亮は、アサギの顔を覗きこみながら1つ咳をする。
「あのさ、変なこと訊いていいか?」
「ん、どうしたの?」
「……お前、記憶ある?」
「え?」
亮の言葉の意味が解らなかったアサギは、首を傾げた。視線を逸らさずに見てくる亮に、アサギは何度も瞬きをする。暫し、その状態だった。口篭って声を発したのは、亮だ。
「いや、あのさ。ここ数ヶ月、お前がいなかった気がするんだよね」
「え……」
「いや、そんなわけないと思うけどさ。いなかった、気がするんだ」
「みーちゃん」
一瞬アサギが動揺した、それを見逃さなかった亮は、思わずアサギの手首を掴んでいた。
何と言えばいいのだろう。アサギは瞳を伏せ、小さく溜息を吐く。
亮の様に、アサギ達が消えたことを微かに覚えている人がいるのかもしれない。アサギはそう覚悟した。
まずは幼馴染の亮に、なんと説明しようか。はぐらかすべきなのか、伝えるべきなのか。
何度か口を開きかけ、閉じて。アサギは観念したように、唇を動かす。大事な幼馴染だ、きっと解ってくれるだろう。
「あのね、実はね……」
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