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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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120630_000544.JPG半年も更新があいていたとか(吐血)。

そういうわけで、トビィ。
これも、友達のついったアイコンに。
色塗り・・・がんばります・・・。
問題はスキャナが崩壊中という点です。

さて、どうしたものか。

無意識でピアス描いてましたが、そうか、開いてたんだね。
(ぇ)

 騒動にはなったが、無事にアースと補佐するメンバーは顔合わせをすることが出来た。行方を晦ました息子のトリプトルに、両親は口煩く旅立ちまで小言を言っていたが本人は飄々としている。
 家族と暫しの別れなので、リュミもトロイも家族達と共にいた。簡単な宴会も設けられ、神々のもとで高級なワインが振舞われる。
 新しい惑星誕生に祷りを篭めて、豊饒の大地が産み出したワインを皆で乾杯した。
 リュミたちが両親と共に居る最中でも、アースは1人きりである。アースの両親は、ワインを呑み比べしアースと会話などしなかった。気付いてトロイが駆け寄ってくる、眉間に皺を寄せてアースの両親を一瞥した。
「アースの御両親は変わっているな」
「以前からあぁでしたから、私は気にしていないです」
 そういうアースが寂しそうで、愉しそうに母親と語っているリュミを羨ましそうに見つめていた。その横顔が憂いを帯びていてなんとも艶かしい。
「色々と話がしたい、改めて光栄だと告げておこう」
「ありがとうございます、トロイ様。あの、リュミが武術大会から貴方に憧れていて。剣を教えて欲しいのだと言っています、よければ教えてあげてください」
「時間はある、オレでよければ」
 親しく会話するアースとトロイに気付き、不安そうに見つめたリュミと。舌打ちして頭を掻き毟りながら大股で近寄ってきたトリプトル。忌々しそうに睨みつけたのは女神エロースで、アースの母親もまた、歯軋りしながらそれを見ていた。

 やがて、四人の精霊は旅立った。行き先はアースが創り出した惑星スクルド。
 行き来する場合は、この神々が住まう宮殿の右に位置する転移の塔からしか不可能だ。光溢れ、水音聴こえる陣に入り、行き先を思い描くと転送される。
 アースと手を繋ぎ、スクルドを思い描いたアースは四人揃って発展途上にある未開の惑星に辿り着いていた。
「うっわー! 本当に何もないんだ」
 だたっぴろい草原が広がっていた、建物など、あるわけがない。リュミが周囲に目を走らせるが、草しかなかった。
 住む家は、転送陣を介して主星から届けられる。といっても、巨大な建物が陣に入るはずがない。
 簡単な組み立て式の材木がアース達の後方に音を立てて届けられた、自分達で作らなければならないのだ。
 そこから、始まる。
「さて、始めるか」
 トロイが声をかけると、リュミが興奮して届いた材木に手を伸ばした。家作りなど授業で習ったくらいだった、一体どのくらいで出来るのだろう。
 呆れてトリプトルが溜息を吐くと、控え目にアースがその材木に手を伸ばす。
「あの、木なので、私出来るかもしれません」
 言った途端、材木たちがカタカタと音を立てて揺れ動き出した。唖然とそれを見守っていた三人だが、その目の前でとんでもないことが起こった。
 意志あるように材木たちが動き出し、勝手に家を作り出したのである。
「は……」
 これには、トロイも拍子抜けした声を出した。見る見るうちに組み立てられていく木材は、すでに家の形になっている。その間アースは瞳を閉じて手先に集中している。
 数分で、四人の目の前に家が完成していた。
 唖然とそれを見つめる男達に、アースは申し訳なさそうに声をかける。
「壊れたりはしないと思いますが……多分」
「は……凄いなアース。これは初めて見た、こんなこと、普通出来ないだろう?」
「土の精霊ならば出来るのではないかと」
 と、言うアースだが三人は首を横に振る。絶対に不可能だ。
 中に入っていくアースに、三人は続く。勿論、中には何もない。
 入り口直ぐには、大きな空間があった、目の前に階段がある。二階へ続く階段の先には部屋が二部屋あるようだった。一階の左右に、二部屋があるので部屋は一人一部屋なのだろう。
 中央の空間をリビングにすれば良いのだろう、炊事もここでするのだ。
 ともかく、二階の右をアースの部屋とし、左をリュミが。一階の右がトリプトルの部屋で、左がトロイの部屋となった。
 欲しい家具があれば、主星から送ってもらえるので早速四人はリストを作る。また、自分の持ち物も先程から届いて家の前にどさどさと山積みになっていた。
「これは……暫くは家の手入れで精一杯だな」
 苦笑いするトロイに、三人も頷いていた。
 届けられた自分達の荷物を、自室に運ぶ事数時間。アースは何もないに等しいのですぐに手が空いた。
 先にリビングに大きな布を敷き、そこに座り込むとリストを作り始める。
 トロイがやってきた、手にティーポットを手にして。
「一息しよう、愛用していたカップ達だ」
「わぁ、素敵ですね!」
 水を探しに出かけたトロイが帰ってくる前に、アースは火を起こすことにした。が、やったことがない。
 家に居た時は、灯っている火を貰ってきていた。右往左往していると、片づけを終えたトリプトルが顔を覗かせる。窓からアースが見えたのだ、声をかけた。
「何してるんだ?」
「トリプトル様。あの、火をつけたいのですが、どうしていいのか」
 窓からひらりと出てきたトリプトルは、右人差し指から火を出す。わぁ、と歓声を上げたアースに照れくさそうにしながらその日を、アリアが集めていた枯れ木に移した。
「紙とか、燃えるものを」
「は、はい」
 慌てて部屋に戻ったアースは、白紙のノートを持ってきてトリプトルに手渡す。紙に火を灯し、そこから火力を強めていく。
 2人の目の前で、火は大きくなった。
 そうしてリュミがやってきて、水を汲んだトロイも戻ってくる。焚き火の上から鉄製の脚と網を被せて、その上に鍋を置き水を入れて湯を沸かした。沸騰すれば、ティーポットにトロイ自前のワインとお湯を入れて、カップに移していく。
 蜂蜜をたっぷり入れて、四人はそれを飲んだ。
「ふぅ」
 一息つくトロイと、疲労で倒れ込むリュミ。
「片付け苦手なんだよー」
 そういうことである。四人は飲みながら、持ってきた菓子を広げて欲しいリストを書き込み始めた。
 すぐに夜になる、とりあえずは食料とテーブルに椅子、調理器具などを要請する。
 食料は直様届いたが、テーブル等は明日の支給になると連絡を受け、四人は簡単にパンとハムで腹を満たすと部屋に戻った。
 が、眠れないのか一人一人が、リビングに集まり出していた。皆、意外そうに、それでも笑みを浮かべて蝋燭に火を灯し何もないリビングに転がって他愛のない話をする。
「忙しない日だったな、自己紹介すら曖昧なのに」
「今更する必要、あるか?」
 転がりながらチーズを食べていたトリプトルが、疎ましそうにトロイを見つめた。
「まぁ、一応。形だけでなく、色々と。
 オレはトロイ、知っての通り水の精霊だ。剣が趣味で、武術大会で腕を試す事が生き甲斐だったかな。学校での授業はほとんど均等に受けた。ワインが好きで、部屋に多種多様のものがあるぞ?」
 にやり、と笑うとリュミが歓声を上げる。この、今飲んでいるワインも上等なのだろう。非常に飲みやすかった。
「僕はリュミ、風の精霊です。学校ではアースと常に行動していて、得意なものはこれといって。武術大会でトロイさんを拝見して、剣を習いたいと思っていました! ので、剣を両親に買ってもらいました!」
 にかっ、と笑うリュミ。アースは思わず彼らしいと、微笑む。
「いやー、優勝者から剣を習えるなんて光栄です」
「……準優勝者も隣に居るんだけどな」
 不貞腐れてそっぽを向いたトリプトルに、慌てて弁解を始めたリュミ。2人のやり取りが面白くて、アースとトロイは微笑み合う。まるで、何年も前からこの四人で居たような気分にさえなっていた。
「というわけで、オレはトリプトル、火の精霊。トロイに勝てなかった先の武術大会の”準”優勝者、よろしく」
「機嫌直してくださいよ~、トリプトルさん~」
 準、を強調して言い放ったトリプトルに、リュミは顔を顰めていた。
「っていうか、面倒だから敬語なしにしないか? トリプトル、でいいよ」
 リュミに告げてから、トリプトルはアースにも視線を移す。慌てて視線を逸らしたアースに、トリプトルは怪訝に眉を潜めた。あからさまに避けられたようだった。
「わ、私はアースです、特に特技などはないですが……」
「いやいや、あるだろう。魔力が凄まじいというか、周囲の空気が不思議だ。君みたいな子には初めて会ったよ」
 謙遜してなのか、口篭りながら告げたアースにトロイが苦笑した。
 肩に手を伸ばし、引き寄せて胸の中に抱きとめると髪を撫でながら挑発的に「よろしく」と囁く。
 顔を赤らめたアースと、舌打ちしたトリプトル。「おい、トロイ。ここまで来て口説くなよ」と憎々しげに零せば、トロイが鼻で笑う。
「そうそう、オレとトリプトルは一応親友だ。腐れ縁というか、昔から両家の仲が良くて、家族ぐるみの付き合い」
「まぁ、そんな感じ」
 チーズに手を伸ばしていたトリプトルの手が、かさかさと動く。チーズがなくなったのだ。
「なんか、腹減ったな。何かないのか、ここ」
「さっき食べただろう、我慢しろよ」
 上半身を起き上がらせて、不服そうにトリプトルが周囲を見渡す。トロイが呆れてこめかみを押さえていた。
「野菜なら届いているが……」
「生野菜食べても、腹の足しにならないだろーが」
 言い合う2人を狼狽して見ているリュミは、何か菓子がなかったか部屋に戻って探し始めた。
 勿論、アースは何も持っていない。だが、ふと、野菜があればと思い立つ。
 外の鍋にはまだ水が残っていた、火も消えていない。
「あ、あの、私でよければ何か作りましょうか」
 恐る恐る声を出したアースに、弾かれたように振り返ったトロイと、意外そうに目を丸くしたトリプトル。
「じゃあ、早速何か作れよ。オレ、腹が減ってるんだ」
「は、はい!」
 慌てて立ち上がると、届いていた野菜から数個を選ぶ。ナイフはある、水で野菜を洗い、木の上で切って、鍋に入れて煮込む。
「驚いた、優秀なお嬢さんは料理出来るのか」
「嬉しい事だ、あんな美少女の手料理が食べられるなんて」
 愉快そうに笑うトロイは、立ち上がると外に出て行く。トリプトルもその後を追った。リュミが部屋からクラッカーを手にして出てきたとき、誰もリビングにはいなかった。

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