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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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120629_233923.JPG何故かここに記事が載っていなかった。なんでじゃ。

らくがきは、くれしだ。
友達のついったアイコン用にラフしました。
トビィとどっちを送りつけようか。

けおし用に使用可能ですぜ、旦那!


ところで、FEにオオハマりしてます。
時代がずれているので、新・紋章の謎ですが。
覚醒やりたいのですが、3DSなんて持っていないんだ・・・。
どうしたらいいんだ・・・。

ていうか、系譜を出して欲しいです。
そしたら買うよ、絶対3DS!!!

 トロイと同じく不機嫌そのものでやってきた者が、もう一人。
 他でもない火の精霊トリプトルである。彼もまた三日前に両親に聞かされていたが、拒否していた。今朝も参加を渋り遅れてやってきたのだ。
 選出されれば無論、トロイとも会うこともない。自分と対等、いやそれ以上の相手が日常から消失することは非常に不愉快極まりない事である。トリプトルにとって、トロイは目標の人物でもあり、いつか乗り越えたい生き甲斐の象徴だったのだ。
 選出者の名前は聞かされていなかった、ただ土の精霊の名だけは否応にも覚えさせられた。
 トロイに言い出すべきが困惑し、結局トリプトルは言う事がなかった。というのも。
「火の精霊より。トリプトル・ノートゥング!」
 その場に居たアース、トロイ、リュミが弾かれて顔を上げる。予想外の名前だった。
 リュミが興奮気味にトロイを見つめてから、歓声を上げる「すげぇ、準優勝者だ!」。
 トロイが唖然としたが、直様喉の奥で笑い出した「これはまた……どういう奇遇な悪戯だ」。
 そしてアースが思わず胸を押さえていた、顔が一気に赤くなる。なんという幸運だろう、望んでいた人物が来てくれるとは、夢にも思っていなかった! ただ、願っていただけだった。
 アースは、目の前の二人の神に感謝し深く頭を垂れる。胸が躍る、ドキドキして呼吸がままならない。
 そんな中だった。
「た、大変で御座います! トリプトル・ノートゥングが不在です」
 怒鳴りながら数人の警備兵がやってきた、ざわめく室内と貧血で卒倒してしまったトリプトルの両親。非常事態にトロイが立ち上がり、リュミもアースも驚愕の瞳で顔を見合わせた。
 このような事態、初めてだった。苦笑しているクリフと、無表情で扇を叩いているエロースの許に兵達が青褪めてやってくる。
「い、今探しておりますので……」
 聴こえてくる話では、確かに控え室に先程まで居たとのこと。トロイが大袈裟に肩を竦めると大股で歩き出す。気付いたリュミが後を追った。無論アースもついていく。
「居場所を知っているのですか?」
「知っているも何も……まだ”控え室”だろう」
「は?」
「何食わぬ顔でそろそろ出てくる筈だ、子供染みた奴だな」
「……えーっと?」
 混乱しているリュミに寄り添ったアースは、困惑気味にトロイを見た。故意ではないが上目使いで大きな瞳が申し訳なさそうに、不安の色を浮かべている。思わずトロイは抱き締めたい衝動に駆られた。
 これが平常ならば、誘ってきた女相手に直様手を出すところだが場所が場所な上に、相手が相手だ。腕を伸ばしかけて手を辛うじて引っ込める。
「恐らく、目的は騒動を起こしたいだけ」
「?」
 二人揃って首を傾げた様子に、トロイは苦笑いした。この間の大会でもこの二人は一緒だった、恋仲のように見えてそうではないと今確信したトロイはアースの手を優雅に取ると、甲に口づける。非常に仲の良い二人なのだろうが、恋愛感情は”少なくとも”アースにはない。絶対的に信頼を寄せているようには見えるが、男女の仲を超えた友情なのだろう。ただ、リュミはアースに若干好意を寄せているように思えた。
 ので、挑発も含めて口付けをしてみたのだ。びっくりして手を払おうとしたアースだが、がっちりとトロイが掴んだまま放さない。赤面し、視線をそらしたリュミを見てトロイは確信した。あぁ、惚れているがどう手を出せば良いのか解らないのだろう、と。
「トリプトルは恐らく、今回の話を白紙に戻したいのだと思う」
「え?」
 再び、アースの甲に口付けするトロイ。柔らかな唇の感触に思わずアースは鳥肌が立っていた、初めてだった。両親ですら、自分に口付けをしたことなどなかったのだから。
 恥ずかしそうに身を捩らせたアースの反応が面白くて、思わずもう一度口づける。今度は口付けてからそっと舌を出してゆっくりと嘗め上げてみた。
「ひゃんっ」
 身を震わせ赤面して俯くアース、思わず口元を押さえている。
 トロイが喉を大きく鳴らす、なんと官能的な声だろう。震えている様がなんともいじらしくて可愛らしく、今すぐにでも鳴かせたくなる。「……なんともまぁ、魅惑的な」小声で呟くとようやく手を放した。
「騒ぎを起こせば自分が選定者から外れるとでも目論んだのだろう、やりそうなことだアイツの」
 学園に残りたいが故に。……トロイはそう唇を動かしたが、アースには解らなかった。
 恐らくトリプトルは自分と同じ様に、欠けてはいけない好敵手を失うことを恐れたのだろう。選定者の名前など知らない筈だから。だが、このまま破棄されてはトロイにとっても非常に都合が悪い。惚れた少女と生活出来る未来も、友人と今までと同じ様に過ごせる機会も無くなる。
「全く、面倒な奴だ」
 溜息混じりに歩き出すトロイをリュミが追う、立ち止まっていたアースの肩を叩いて歩くように促していた。
「……あ、あの、その、トリプトルさんは、今回の件を良く思っていないのですか?」
 控え目に訊いたアースに、軽くトロイは振り返る。無論そうだ、トロイとて数分前まで同じ気持ちだった。アースが居たことによってひっくり返ったが。
「だろうな」
 トロイは知らなかった、アースがトリプトルを気にかけていることを。そして無論トリプトルもがアースを気にかけていることを、知る筈もなかった。
「そう、ですよね。ご家族とも離れ離れになりますし、級友とも……。ごめんなさい、トロイさん、リュミ。私につき合わせてしまって」
 若干、アースの声が震えていたがそれは歩いている為だと二人は思った、気落ちしている様子にはとれたがそこまで深く痛手を負ったとは誰が思うだろう。
「オレは気にするな、光栄に思う。挨拶がまだだったな、宜しく。オレはトロイ」
「僕もだよ。アースとは友達だし、こっちのほうが面白いから選ばれてよかったよ」
「ありがとう、ございます」
 はにかんで微笑んだアースだが、些か元気がなかった。
 控え室に辿り着いたトロイは無造作にドアを開くと仁王立ちになり、部屋を見渡す。確かに、誰もいない。だが。
「おい、居るんだろトリプトル。時間の無駄だ、早く出て来い」
「なんでトロイがいるわけ?」
 直様声が降って来る。トロイが天井を見上げれば、控え室の衣装ダンスの上からトリプトルが顔を覗かせていた。大袈裟に肩を震わせて、引き攣った笑いを浮かべるしかない。
「そこか……子供じゃないだろ、下りて来い」
「え、まさかトロイも選ばれたわけ? わぁお、すっごい偶然! で、どうする? 逃亡? オレは面倒だからこのまま話を白紙に……」
 するり、と床に着地し豪快に笑いながら近づいたトリプトルは、仏頂面のトロイの後方で俯いている少女を見つけた。直様、それが”アース・ブリュンヒルデ”だと判った。そして、あの大会で見つけた少女だとも判った。
「……ま、まさか」
「オレは行くぞ。お前と違って駄々を捏ねる子供じゃない。行こうか、アース」
 優しくトロイがアースの肩を抱いた、一瞬引き攣った身体だが、俯きがちにアースはトリプトルに深く一礼したのだ。『面倒』という言葉を直に聴いてしまってはなんとも居心地が悪い。
 アースは唇を噛締める、トリプトルが抱く感情は当然のものだと思い込ませた。知りもしない土の精霊に好き好んで協力する精霊など、そう滅多にいない筈だ。だが、非常に残念だった。ようやく会えたのに、出会いは最悪だ。
「も、申し訳ありませんでした」
 深々と礼をするアース。兵達もやってきて立ちすくんでいるトリプトルを見つけて、怒鳴り散らす。「あー、いたいた、見つかったぞ!」
 促されて踵を返すアースとトロイ、リュミがぎこちなく会釈をしてその後を追う。トロイに肩を抱かれて歩き出すアース、近寄ってきた兵達が耳元で喚き出したがそれを振り払ってトリプトルは全力で駆け出していた。
「オレだって行く、勝手に決めるなよ」
「……お前が自分で白紙に戻すと言ったんだろうが」
「戻す、とは言ってない」
 アースの肩から手をどかし、小気味良く笑ったトロイにトリプトルは安堵した。「……初めまして、トリプトルです」
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