別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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どうやら感情が昂ぶると、急速に植物が生長するらしい。惑星の調査を終えたトロイは、報告書を記載する。アースとトロイで製作した、作業が苦手なトリプトルとリュミは大人しく転寝をしている。
届いた報告書に目を通した主星の研究員達は、直様それを神へと伝える。
「早いな、流石はアース・ブリュンヒルデ。素晴らしい……歴代の土の精霊で間違いなく最高位」
感嘆の溜息を漏らし、興奮気味にクリフが報告書から瞳を外す。浮き足立つその場で、一人、歯軋りしている者がいた。女神、エロースである。美しい金髪をかき上げ、忌々しく報告書を見つめる。その手が小刻みに揺れていた。
アースの噂は瞬く間に広がった、あちらこちらで噂される。
恐らく、次の女神になる……皆が揃いも揃って噂した。
男神、女神はその力が衰えると交代する。交代の時期に最も偉大で名声があり、信用されている人物が新しい神に就任するのだ。基本、貴族達が就任してきたが例外もある。今回の様に例え聴き慣れない一族出身であっても、膨大な力を秘めているのであれば、女神に就任できるのだ。精霊の種族も関係なかった。
エロース様はそろそろ潮時だ、アースという土の精霊に座を渡すだろうよ……。
耳に入ったエロースは、冷笑すると噂していた者を因縁つけて主星から飛ばしてしまう。辺境の惑星や、未発達の惑星に権力を振り翳し飛ばした。
歯軋りしながら、憎らしくアースの惑星・スクルドを見つめる。
「エロース様。そろそろ行動を起こしましょう、手遅れになる前に」
ミリアが跪く、傍らにユイもやってきた。指で髪を巻きながら、ワインを飲み干していたエロースは怪訝に二人を見やる。ワインに緊迫を浮かべて、豪快に一飲み。赤いワインが口元から零れた、舌先で嘗め上げる。
「何か思いついたのかしら」
「はい。非常に気に食わないことですが、どうやらあの4人……絆を壊す事は容易いと思われます」
「どういうことかしら」
「3人の男達が、揃いも揃ってアースに骨抜きにされている為です。そこを利用します」
「それは不愉快よね」
「はい。ですから、3人を”救出”するのです」
「そうね。特にあのトリプトルは……私好みだわ」
思わずミリアは、「私はトロイが」と口走りそうになったが、機嫌を損ねるといけないので慌てて飲み込む。
「簡単なことです、男女の仲は酷く脆い。何か切っ掛けさえ与えれば勝手に自滅するでしょう。
アースが『協力者に不満を持っていると申し出た』、ということにして新たな精霊を送り込むのです。頭が切れる者にしましょう、4人を疑心暗鬼にするのです」
「……確かに、男女の仲は儚いわ。適当に私が適任者を捜しましょう」
エロースは湯浴みに入った。
大理石のその場所に、艶やかな花を浮かべて見事な裸体を曝け出し、漂う。
侍女がやってきて、小声で告げると満足そうに微笑み、優雅に手招きした。
「何か及びでしょうか、麗しき女神エロース様」
鋭い眼光の光の精霊ベシュタが、颯爽と歩いてくる。跪き、言葉を待つ。
「頼み事があるの、貴方の器量と頭脳が必要よ」
ぱしゃん、と水を掬いあげて掌から溢しながら、金髪を揺らめかせた。花を摘みあげて、香りを愉しむ。
その間も静かにベシュタは聴いている。
「今の地位に満足していないでしょう? 協力してくれるなら、次期男神に後押ししても良いわ」
「滅相もない、今のままで十分で御座います。私に神の座など」
「あら、本心かしら? まぁいいわ。神が嫌ならば我一族の娘との婚姻はどうかしら? 悪い話ではないと思うけれど。美しい娘がいるのよ、私には劣るけれど。その子を貴方の妻に差し出しましょう」
「一体、なんのご用件で」
起き上がり、全裸のまま真っ直ぐベシュタに歩いてきたエロースはベシュタの顎に指をかけて上を向かせる。
赤い紅の唇が、甘美な声を囁いた。
「噂は聞いた事があるかしら。惑星スクルド……最近急成長しているのだけれど、その惑星の持ち主である土の精霊を失脚させて欲しいのよ」
「それはまた、物騒な」
「良いのよ、別に惑星などなくても困りはしないわ。私達、精霊にはね。下々のことなど知らない、でしょう?
アース、という小娘に近づき、誘惑し、純潔を奪って頂戴」
「優秀な土の精霊の純潔を奪うなど、私の身柄とて唯では済みますまい」
純潔を奪えば、惑星は成長を止める。その惑星に住まうものは死を迎えるだろう。それを承知で、目の前の”女神”は促す。
「貴方の御身は必ず護るわ、任せなさい。成功すれば、我一族の仲間入りよ。悪い話ではないでしょう?
今、協力者同士の関係を掌握しているの。また近いうちに」
断る事など、出来ないようだった。退屈していたベシュタは、静かに頷く。ベシュタとて、1つの惑星が死を迎えようが、名も知らぬ土の精霊が嘆こうが、関係ないことだった。
「しかし、生娘は苦手です」
「あら、ならば先に褒美でも?」
ベシュタの頬を優しく撫でる、怪しい手つきで首筋から鎖骨をなぞり、そっと胸元へと侵入した。
小さく喉の奥で笑ったベシュタは、そのまま女神エロースを抱き寄せ口付けを交わした。
「貴方、閨事に長けているのね。これからも度々いらっしゃいな、顔も綺麗だし」
「貴女の一族と婚姻するのに、ですか?」
「えぇ、そうよ。何か不都合な点でも?」
情事後、気だるい身体でベシュタに絡みつくエロースは愉快そうに笑う。物足りない、とでも言うように再びベシュタの上に跨ると腰を振った。
快楽に身悶えている女神を冷めた瞳で見つめる、驚く事ではなかった、こういった秘め事は公然の秘密だ。
面倒な女に目をつけられたものだ……ベシュタは、その土の精霊アースを哀れむ。
が、成功させなければこちらの身が危険だった。最早、回避など不能だった。
やがて、届けられた報告書によりベシュタに詳細が伝えられる。アースが頻繁にトリプトルと会話していることから、2人が親密な関係であると捉えられた。
それにより、創り上げられた計画は。
「では、私は惑星に不具合が生じ、緊急に手配されたという立場で良いのですね。火の精霊が任務を怠っている、と。
土の精霊には不信感を与えないように、極力味方であるように接し、信用させる。
他の精霊には私は”土の精霊からの極秘依頼により、派遣された”と、信じ込ませれば良いと」
「上手くおやりなさい。真実かどうか、主星に出向くようにも伝えて。3人の精霊が惑星スクルドを離れた時こそ、貴方があの娘の純潔を奪う機会よ。甘い言葉でも囁いて、快楽を教えておあげなさいな」
「生娘相手に何処まで出来るか。何しろ今まで相手にしたことがありませんので」
「貴方なら、大丈夫よ」
ころころと笑うエロースの傍らで、ミリアとユイも薄っすらと微笑んだ。
届いた報告書に目を通した主星の研究員達は、直様それを神へと伝える。
「早いな、流石はアース・ブリュンヒルデ。素晴らしい……歴代の土の精霊で間違いなく最高位」
感嘆の溜息を漏らし、興奮気味にクリフが報告書から瞳を外す。浮き足立つその場で、一人、歯軋りしている者がいた。女神、エロースである。美しい金髪をかき上げ、忌々しく報告書を見つめる。その手が小刻みに揺れていた。
アースの噂は瞬く間に広がった、あちらこちらで噂される。
恐らく、次の女神になる……皆が揃いも揃って噂した。
男神、女神はその力が衰えると交代する。交代の時期に最も偉大で名声があり、信用されている人物が新しい神に就任するのだ。基本、貴族達が就任してきたが例外もある。今回の様に例え聴き慣れない一族出身であっても、膨大な力を秘めているのであれば、女神に就任できるのだ。精霊の種族も関係なかった。
エロース様はそろそろ潮時だ、アースという土の精霊に座を渡すだろうよ……。
耳に入ったエロースは、冷笑すると噂していた者を因縁つけて主星から飛ばしてしまう。辺境の惑星や、未発達の惑星に権力を振り翳し飛ばした。
歯軋りしながら、憎らしくアースの惑星・スクルドを見つめる。
「エロース様。そろそろ行動を起こしましょう、手遅れになる前に」
ミリアが跪く、傍らにユイもやってきた。指で髪を巻きながら、ワインを飲み干していたエロースは怪訝に二人を見やる。ワインに緊迫を浮かべて、豪快に一飲み。赤いワインが口元から零れた、舌先で嘗め上げる。
「何か思いついたのかしら」
「はい。非常に気に食わないことですが、どうやらあの4人……絆を壊す事は容易いと思われます」
「どういうことかしら」
「3人の男達が、揃いも揃ってアースに骨抜きにされている為です。そこを利用します」
「それは不愉快よね」
「はい。ですから、3人を”救出”するのです」
「そうね。特にあのトリプトルは……私好みだわ」
思わずミリアは、「私はトロイが」と口走りそうになったが、機嫌を損ねるといけないので慌てて飲み込む。
「簡単なことです、男女の仲は酷く脆い。何か切っ掛けさえ与えれば勝手に自滅するでしょう。
アースが『協力者に不満を持っていると申し出た』、ということにして新たな精霊を送り込むのです。頭が切れる者にしましょう、4人を疑心暗鬼にするのです」
「……確かに、男女の仲は儚いわ。適当に私が適任者を捜しましょう」
エロースは湯浴みに入った。
大理石のその場所に、艶やかな花を浮かべて見事な裸体を曝け出し、漂う。
侍女がやってきて、小声で告げると満足そうに微笑み、優雅に手招きした。
「何か及びでしょうか、麗しき女神エロース様」
鋭い眼光の光の精霊ベシュタが、颯爽と歩いてくる。跪き、言葉を待つ。
「頼み事があるの、貴方の器量と頭脳が必要よ」
ぱしゃん、と水を掬いあげて掌から溢しながら、金髪を揺らめかせた。花を摘みあげて、香りを愉しむ。
その間も静かにベシュタは聴いている。
「今の地位に満足していないでしょう? 協力してくれるなら、次期男神に後押ししても良いわ」
「滅相もない、今のままで十分で御座います。私に神の座など」
「あら、本心かしら? まぁいいわ。神が嫌ならば我一族の娘との婚姻はどうかしら? 悪い話ではないと思うけれど。美しい娘がいるのよ、私には劣るけれど。その子を貴方の妻に差し出しましょう」
「一体、なんのご用件で」
起き上がり、全裸のまま真っ直ぐベシュタに歩いてきたエロースはベシュタの顎に指をかけて上を向かせる。
赤い紅の唇が、甘美な声を囁いた。
「噂は聞いた事があるかしら。惑星スクルド……最近急成長しているのだけれど、その惑星の持ち主である土の精霊を失脚させて欲しいのよ」
「それはまた、物騒な」
「良いのよ、別に惑星などなくても困りはしないわ。私達、精霊にはね。下々のことなど知らない、でしょう?
アース、という小娘に近づき、誘惑し、純潔を奪って頂戴」
「優秀な土の精霊の純潔を奪うなど、私の身柄とて唯では済みますまい」
純潔を奪えば、惑星は成長を止める。その惑星に住まうものは死を迎えるだろう。それを承知で、目の前の”女神”は促す。
「貴方の御身は必ず護るわ、任せなさい。成功すれば、我一族の仲間入りよ。悪い話ではないでしょう?
今、協力者同士の関係を掌握しているの。また近いうちに」
断る事など、出来ないようだった。退屈していたベシュタは、静かに頷く。ベシュタとて、1つの惑星が死を迎えようが、名も知らぬ土の精霊が嘆こうが、関係ないことだった。
「しかし、生娘は苦手です」
「あら、ならば先に褒美でも?」
ベシュタの頬を優しく撫でる、怪しい手つきで首筋から鎖骨をなぞり、そっと胸元へと侵入した。
小さく喉の奥で笑ったベシュタは、そのまま女神エロースを抱き寄せ口付けを交わした。
「貴方、閨事に長けているのね。これからも度々いらっしゃいな、顔も綺麗だし」
「貴女の一族と婚姻するのに、ですか?」
「えぇ、そうよ。何か不都合な点でも?」
情事後、気だるい身体でベシュタに絡みつくエロースは愉快そうに笑う。物足りない、とでも言うように再びベシュタの上に跨ると腰を振った。
快楽に身悶えている女神を冷めた瞳で見つめる、驚く事ではなかった、こういった秘め事は公然の秘密だ。
面倒な女に目をつけられたものだ……ベシュタは、その土の精霊アースを哀れむ。
が、成功させなければこちらの身が危険だった。最早、回避など不能だった。
やがて、届けられた報告書によりベシュタに詳細が伝えられる。アースが頻繁にトリプトルと会話していることから、2人が親密な関係であると捉えられた。
それにより、創り上げられた計画は。
「では、私は惑星に不具合が生じ、緊急に手配されたという立場で良いのですね。火の精霊が任務を怠っている、と。
土の精霊には不信感を与えないように、極力味方であるように接し、信用させる。
他の精霊には私は”土の精霊からの極秘依頼により、派遣された”と、信じ込ませれば良いと」
「上手くおやりなさい。真実かどうか、主星に出向くようにも伝えて。3人の精霊が惑星スクルドを離れた時こそ、貴方があの娘の純潔を奪う機会よ。甘い言葉でも囁いて、快楽を教えておあげなさいな」
「生娘相手に何処まで出来るか。何しろ今まで相手にしたことがありませんので」
「貴方なら、大丈夫よ」
ころころと笑うエロースの傍らで、ミリアとユイも薄っすらと微笑んだ。
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