別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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もふーん
なんか4話が途中で切れていたので、やり直し
なんか4話が途中で切れていたので、やり直し
特に外傷がないことを確認すると、くしゃり、とアリンの髪を摘んで呆れた溜息を吐く。
「どうしてそうもおてんばなんだ……」
「面白いものが、色々あるから……も、もう大丈夫です。今度からは絶対危ないことをしないから」
シダ、というトラリオンの従兄弟が遊んでくれるらしいので、恐らくは。彼は、優しそうだった。
アリンは、声を思い出す。瞳が見えない分、聴覚は異常に発達していると思っていた。声を聞き間違えるわけはないと思っていた。が、トラリオンとシダは別人らしい。同じ声に聴こえるのだが。納得がいかなかった。
何故シダが遊んでくれるのかアリンは解らず、ただ、トラリオンとはもう遊べないのかと思うと哀しい。
声しか知らない、人気者のトラリオン。
例え最終的に置き去りにされて半泣きになろうとも、声をかけて誘ってくれるのは常にトラリオンだった。
アリンは、トロンと共に岐路に着く。ぼぉ、っとトラリオンとシダの声を思い出していた。
数日後、街で薬草を売っていたアリンの許にトラリオン達がやってくる。
トラリオンは、1つ咳をするとアリンの髪を引っ張った。痛みで小さく悲鳴を上げるアリンに、皆が笑う。
「今日も川に行くけど。来る?」
「きょ、今日は用事があるので……ごめんなさい」
断ったアリンに、皆が眉を潜める。トラリオンは知っていたが、皆は知る筈もない。
「何だよ用事って。折角遊んでやるって言ってるのに」
「ご、ごめんなさい……。そ、その、大事な用事なんです」
「つまらない奴」
身体を萎縮させたアリンに、皆は密やかに文句を言って離れて行った。トラリオンは、歩きながらそっとアリンを見る。困惑気味に俯いていたが、シダとの約束を守ってくれたと思うと嬉しかった。
胸が躍った、シダ、という架空の人物に早くなりたかった。
すぐに離れては疑われるのでトラリオンは暫く仲間達と遊んでいたが、やがて家の手伝いがあると一人駆け足になる。
公園へと急いだ、薬草を売り終えて座ったままのアリンに駆け寄ると手を伸ばす。
「お待たせ、アリン。遊びに行こう」
「……シダ?」
「そう、シダ」
「ホントにトラリオンに声が似ています」
「そ、そうかな、よく言われるけど自分では解らないんだよね」
不思議そうに告げるアリンに動揺したが、話題を切り替える為に腕を引っ張って立たせるとそのまま、軽々と抱き上げる。小さく悲鳴を上げたアリンに小さく笑うと、担いで公園を飛び出した。
人目につく場所ではいけない。ので、森の中に入り切り株を探して、そこに座ることにした。
抱き上げられているので方向が全く解らないが、体温は心地良かったので思わずうっとりと瞳を閉じる。
ようやく見つけた切り株に二人で腰掛けると、トラリオンは緊張気味に声をかけた。
「アリンは、何処に住んでいるんだ?」
「私は、街の外れ。静かな場所だから、周囲には何もないと思うのです。義父と、トロンお兄様と暮らしています」
「……トロン、ってお兄さんなんだよね? 似てないけど」
「血が繋がっていないので、似ていないと思います」
血が繋がっていない。トラリオンは顔を引き攣らせた、身体中に鳥肌が立つ。瞳を大きく開き、引き攣った笑みで声を発した。身体が小刻みに震える、本当の兄妹ではないことに愕然とした。
「そ、そう……。アリンは、トロンが好きなのかい? 親しいから」
思わず口走る、固唾を飲んで返答を待っていると、不思議そうに微笑んでアリンは唇を開く。
「好きです。大事なお兄様ですから。いつも私の事を心配してくれます」
「そう、だろうね」
打ちのめされたように、トラリオンは遠くを見つめた。アリンにはその様子が解らないので、押し黙ってしまったトラリオンに静かに顔を向ける。
「いいな、いつも一緒に居られて」
「シダも、トラリオンと仲良くなれば、兄弟の様にいられますよ」
そういう意味ではない、と苦笑するトラリオンなどアリンには解らない。
そっとアリンの頬に手を添えて、優しく擦った。くすぐったそうに小さく笑っているアリンが、酷く残酷に思えた。
「……トロンもアリンのことが、大好きなんだろうね。観てれば、解る」
「互いに捨て子でしたから、頼れるものは、家族だけでした」
そういう意味ではない、と落胆する。アリンは違うかもしれないが、トロンはどう観てもアリンのことを愛していた。
妹としてではない、確実に女として愛している。
トラリオンは手に取るように解っていた、瞳に浮かぶ感情がそのようにしか見えない。
そして何より、自分に似ている気がした。
「オレも、好きだよアリンのこと」
呟き、思わず引き寄せて抱き締めたトラリオンに、アリンは驚いて小さく悲鳴を上げるが不思議と、嫌ではなかった。
互いの鼓動が聞こえる、アリンはそっと、手を伸ばした。
胸からそっと指を滑らせ、首筋へ、細く綺麗な両手の指を使って、硬直したトラリオンの顔に触れた。
「触ってみても、良いでしょうか?」
ぎこちなく頷いたトラリオンに、アリンは微笑むと指で輪郭をなぞる。そっと、覚えるように頬を撫でて鼻をなぞり、閉じている瞼に優しく触れる。
「きっと、綺麗な顔をしているのですね。トラリオンとは似ているのですか?」
「ど、どうかな」
異性にこんな風に優しく顔を触れられたのは初めてだった、思わず喉を鳴らすトラリオンは呼吸を乱す。
間近で観てみれば、アリンはやはり美しかった。髪は艶があり光っている、ふわふわで触り心地も申し分ない。
肌も柔らかく、温かい。何より、身体中から甘い香りがする気がした。
長い睫毛に、濡れている唇、大きな瞳に映る自分を見つめながらトラリオンは恍惚の溜息を吐く。
「アリン。……恋人にならないか? オレと」
「こいびと、ですか? 私と?」
思わず、口走っていた。恋人、というものが何かよく解っていない様子のアリンは、不思議そうに首を傾げている。
「具体的にこいびと、というのは何をするのでしょうか? 私は、目が見えないので足手纏いに」
「ならない。ただ、互いの事だけ想って、こうして会話していればいいんだよ」
「それなら、出来そうです」
安堵したアリンに、思わずトラリオンは口付けていた。唇に触れた何か温かいものに驚き身動ぎしたアリンだが、耳元で囁かれそのまま逃げずにいる。
「恋人同士は、口付けをするんだ。”好きだよ、大事だよ”って思いながら」
「口付け……」
「そう、口付け。いいかい、アリン。オレ以外と口付けは交わしてはいけないよ?」
「解り、ました」
耳や首筋にかかるトラリオンの吐息に、アリンの身体が敏感に揺れる。くすぐったいのではない、身体が跳ねて、熱くなる。髪を撫でられ、何度か口付けを交わした二人。長い事、ぎこちなく口付けを続ける。
「オレが、恋人だから。アリンの恋人は、オレだから。他に恋人は、作ることが出来ないからね、いいね?」
「シダが、恋人なのですよね」
アリンの言葉に我に返ったトラリオンは、言葉を失う。忘れていたのだ、自分が今シダ、という人物だと。
恋人になったのは良いが、アリンの唇から発せられる名前は。
「シダ? どうかしましたか?」
そうなのだ、トラリオン、ではなかった。
「な、なんでもない」
言いながら、再び口づける。何故自分は嘘をついてしまったのだろう、後悔した。
どうしてかは、解っている。アリンが自分に良い印象を抱いていないと思ったのだ。
何度公園に置き去りにしたことだろう、軽く突き飛ばした事もあった。地面に倒れても救いの手を差し伸べなかった。
嫌いだったわけではない、寧ろ逆だった、気になっていた。
ただ、仲間達の前で優しく接する事が恥ずかしかったのだ。自分の想いを人に悟られることに、抵抗を覚えた。
そして、可哀想なアリンを観ている一方で、何故か興奮している自分がいた。
半泣きで、彷徨うアリンが可愛かった。転んで痛みに耐えている様子が、扇情的だった。
強くアリンを抱き締めると、トラリオンは頭部を固定し舌を入れた。驚いて飛び跳ねたアリンを押さえつけたまま、無我夢中で口内を犯した。
「いいかい、アリン……。恋人は一人だから、こういうことをしていいのも、一人だけだから」
「は、い」
苦しそうに必死で頷くアリンに、満足したトラリオンは名前を呼びながら何度も口付けた。
熱に浮かされ、何かにとりつかれたように。
「あ、あの、くるし」
初めての口付けで呼吸の仕方がままならず、眉を顰めて訴えたアリンだがその懇願は却下される。
「オレと会っていることは、秘密だよ。何をしたか、トロンにも話したら駄目だよ? 約束、守れるね?」
「う、うん。あの、でも、くるしっ」
「そのうち、慣れるよ。早く慣れて」
森の中に、粘着音が響き渡った。顔を赤らめ、半泣きのアリンを見て欲情したトラリオンは、そのまま。
無我夢中で身体を重ねた。
「恋人はオレだから、いいね、忘れないで。オレが、アリンの恋人だから」
初めての激痛で悲鳴を上げているアリンの耳元で、そう囁いた。恍惚の笑みを浮かべ、満足そうに腰を振りながら、耳元で囁き続ける。
「愛してる、って言ってごらん。アリン。オレの為に、そう言ってごらん? ほら」
時が経つのを、忘れていた。気がついたら辺りは暗闇に包まれていた、それでも、トラリオンはアリンを解放しなかった。悲鳴から、嬌声に変わったアリンの声を聴きながら、満足そうに腰を振る。
「今度は、”間違えない”」
小さく、無意識のうちに呟いた。
「どうしてそうもおてんばなんだ……」
「面白いものが、色々あるから……も、もう大丈夫です。今度からは絶対危ないことをしないから」
シダ、というトラリオンの従兄弟が遊んでくれるらしいので、恐らくは。彼は、優しそうだった。
アリンは、声を思い出す。瞳が見えない分、聴覚は異常に発達していると思っていた。声を聞き間違えるわけはないと思っていた。が、トラリオンとシダは別人らしい。同じ声に聴こえるのだが。納得がいかなかった。
何故シダが遊んでくれるのかアリンは解らず、ただ、トラリオンとはもう遊べないのかと思うと哀しい。
声しか知らない、人気者のトラリオン。
例え最終的に置き去りにされて半泣きになろうとも、声をかけて誘ってくれるのは常にトラリオンだった。
アリンは、トロンと共に岐路に着く。ぼぉ、っとトラリオンとシダの声を思い出していた。
数日後、街で薬草を売っていたアリンの許にトラリオン達がやってくる。
トラリオンは、1つ咳をするとアリンの髪を引っ張った。痛みで小さく悲鳴を上げるアリンに、皆が笑う。
「今日も川に行くけど。来る?」
「きょ、今日は用事があるので……ごめんなさい」
断ったアリンに、皆が眉を潜める。トラリオンは知っていたが、皆は知る筈もない。
「何だよ用事って。折角遊んでやるって言ってるのに」
「ご、ごめんなさい……。そ、その、大事な用事なんです」
「つまらない奴」
身体を萎縮させたアリンに、皆は密やかに文句を言って離れて行った。トラリオンは、歩きながらそっとアリンを見る。困惑気味に俯いていたが、シダとの約束を守ってくれたと思うと嬉しかった。
胸が躍った、シダ、という架空の人物に早くなりたかった。
すぐに離れては疑われるのでトラリオンは暫く仲間達と遊んでいたが、やがて家の手伝いがあると一人駆け足になる。
公園へと急いだ、薬草を売り終えて座ったままのアリンに駆け寄ると手を伸ばす。
「お待たせ、アリン。遊びに行こう」
「……シダ?」
「そう、シダ」
「ホントにトラリオンに声が似ています」
「そ、そうかな、よく言われるけど自分では解らないんだよね」
不思議そうに告げるアリンに動揺したが、話題を切り替える為に腕を引っ張って立たせるとそのまま、軽々と抱き上げる。小さく悲鳴を上げたアリンに小さく笑うと、担いで公園を飛び出した。
人目につく場所ではいけない。ので、森の中に入り切り株を探して、そこに座ることにした。
抱き上げられているので方向が全く解らないが、体温は心地良かったので思わずうっとりと瞳を閉じる。
ようやく見つけた切り株に二人で腰掛けると、トラリオンは緊張気味に声をかけた。
「アリンは、何処に住んでいるんだ?」
「私は、街の外れ。静かな場所だから、周囲には何もないと思うのです。義父と、トロンお兄様と暮らしています」
「……トロン、ってお兄さんなんだよね? 似てないけど」
「血が繋がっていないので、似ていないと思います」
血が繋がっていない。トラリオンは顔を引き攣らせた、身体中に鳥肌が立つ。瞳を大きく開き、引き攣った笑みで声を発した。身体が小刻みに震える、本当の兄妹ではないことに愕然とした。
「そ、そう……。アリンは、トロンが好きなのかい? 親しいから」
思わず口走る、固唾を飲んで返答を待っていると、不思議そうに微笑んでアリンは唇を開く。
「好きです。大事なお兄様ですから。いつも私の事を心配してくれます」
「そう、だろうね」
打ちのめされたように、トラリオンは遠くを見つめた。アリンにはその様子が解らないので、押し黙ってしまったトラリオンに静かに顔を向ける。
「いいな、いつも一緒に居られて」
「シダも、トラリオンと仲良くなれば、兄弟の様にいられますよ」
そういう意味ではない、と苦笑するトラリオンなどアリンには解らない。
そっとアリンの頬に手を添えて、優しく擦った。くすぐったそうに小さく笑っているアリンが、酷く残酷に思えた。
「……トロンもアリンのことが、大好きなんだろうね。観てれば、解る」
「互いに捨て子でしたから、頼れるものは、家族だけでした」
そういう意味ではない、と落胆する。アリンは違うかもしれないが、トロンはどう観てもアリンのことを愛していた。
妹としてではない、確実に女として愛している。
トラリオンは手に取るように解っていた、瞳に浮かぶ感情がそのようにしか見えない。
そして何より、自分に似ている気がした。
「オレも、好きだよアリンのこと」
呟き、思わず引き寄せて抱き締めたトラリオンに、アリンは驚いて小さく悲鳴を上げるが不思議と、嫌ではなかった。
互いの鼓動が聞こえる、アリンはそっと、手を伸ばした。
胸からそっと指を滑らせ、首筋へ、細く綺麗な両手の指を使って、硬直したトラリオンの顔に触れた。
「触ってみても、良いでしょうか?」
ぎこちなく頷いたトラリオンに、アリンは微笑むと指で輪郭をなぞる。そっと、覚えるように頬を撫でて鼻をなぞり、閉じている瞼に優しく触れる。
「きっと、綺麗な顔をしているのですね。トラリオンとは似ているのですか?」
「ど、どうかな」
異性にこんな風に優しく顔を触れられたのは初めてだった、思わず喉を鳴らすトラリオンは呼吸を乱す。
間近で観てみれば、アリンはやはり美しかった。髪は艶があり光っている、ふわふわで触り心地も申し分ない。
肌も柔らかく、温かい。何より、身体中から甘い香りがする気がした。
長い睫毛に、濡れている唇、大きな瞳に映る自分を見つめながらトラリオンは恍惚の溜息を吐く。
「アリン。……恋人にならないか? オレと」
「こいびと、ですか? 私と?」
思わず、口走っていた。恋人、というものが何かよく解っていない様子のアリンは、不思議そうに首を傾げている。
「具体的にこいびと、というのは何をするのでしょうか? 私は、目が見えないので足手纏いに」
「ならない。ただ、互いの事だけ想って、こうして会話していればいいんだよ」
「それなら、出来そうです」
安堵したアリンに、思わずトラリオンは口付けていた。唇に触れた何か温かいものに驚き身動ぎしたアリンだが、耳元で囁かれそのまま逃げずにいる。
「恋人同士は、口付けをするんだ。”好きだよ、大事だよ”って思いながら」
「口付け……」
「そう、口付け。いいかい、アリン。オレ以外と口付けは交わしてはいけないよ?」
「解り、ました」
耳や首筋にかかるトラリオンの吐息に、アリンの身体が敏感に揺れる。くすぐったいのではない、身体が跳ねて、熱くなる。髪を撫でられ、何度か口付けを交わした二人。長い事、ぎこちなく口付けを続ける。
「オレが、恋人だから。アリンの恋人は、オレだから。他に恋人は、作ることが出来ないからね、いいね?」
「シダが、恋人なのですよね」
アリンの言葉に我に返ったトラリオンは、言葉を失う。忘れていたのだ、自分が今シダ、という人物だと。
恋人になったのは良いが、アリンの唇から発せられる名前は。
「シダ? どうかしましたか?」
そうなのだ、トラリオン、ではなかった。
「な、なんでもない」
言いながら、再び口づける。何故自分は嘘をついてしまったのだろう、後悔した。
どうしてかは、解っている。アリンが自分に良い印象を抱いていないと思ったのだ。
何度公園に置き去りにしたことだろう、軽く突き飛ばした事もあった。地面に倒れても救いの手を差し伸べなかった。
嫌いだったわけではない、寧ろ逆だった、気になっていた。
ただ、仲間達の前で優しく接する事が恥ずかしかったのだ。自分の想いを人に悟られることに、抵抗を覚えた。
そして、可哀想なアリンを観ている一方で、何故か興奮している自分がいた。
半泣きで、彷徨うアリンが可愛かった。転んで痛みに耐えている様子が、扇情的だった。
強くアリンを抱き締めると、トラリオンは頭部を固定し舌を入れた。驚いて飛び跳ねたアリンを押さえつけたまま、無我夢中で口内を犯した。
「いいかい、アリン……。恋人は一人だから、こういうことをしていいのも、一人だけだから」
「は、い」
苦しそうに必死で頷くアリンに、満足したトラリオンは名前を呼びながら何度も口付けた。
熱に浮かされ、何かにとりつかれたように。
「あ、あの、くるし」
初めての口付けで呼吸の仕方がままならず、眉を顰めて訴えたアリンだがその懇願は却下される。
「オレと会っていることは、秘密だよ。何をしたか、トロンにも話したら駄目だよ? 約束、守れるね?」
「う、うん。あの、でも、くるしっ」
「そのうち、慣れるよ。早く慣れて」
森の中に、粘着音が響き渡った。顔を赤らめ、半泣きのアリンを見て欲情したトラリオンは、そのまま。
無我夢中で身体を重ねた。
「恋人はオレだから、いいね、忘れないで。オレが、アリンの恋人だから」
初めての激痛で悲鳴を上げているアリンの耳元で、そう囁いた。恍惚の笑みを浮かべ、満足そうに腰を振りながら、耳元で囁き続ける。
「愛してる、って言ってごらん。アリン。オレの為に、そう言ってごらん? ほら」
時が経つのを、忘れていた。気がついたら辺りは暗闇に包まれていた、それでも、トラリオンはアリンを解放しなかった。悲鳴から、嬌声に変わったアリンの声を聴きながら、満足そうに腰を振る。
「今度は、”間違えない”」
小さく、無意識のうちに呟いた。
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