別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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ののーん
イラストは2013年2月、黒髪のリュウと、んごうごう。
んごうごうは、気に入ってます。
乗り物だけども、奇怪過ぎて。
にしても、スキャナはやはり購入したほうが良いと思うのですよ……。
もう、絶対に直らないと思うの(’’)
ギガガギ、っていうのですよ。
キャノンなんですけどね、本を積み上げておいたら酷い事になった。←
イラストは2013年2月、黒髪のリュウと、んごうごう。
んごうごうは、気に入ってます。
乗り物だけども、奇怪過ぎて。
にしても、スキャナはやはり購入したほうが良いと思うのですよ……。
もう、絶対に直らないと思うの(’’)
ギガガギ、っていうのですよ。
キャノンなんですけどね、本を積み上げておいたら酷い事になった。←
薄れゆく記憶の中で、手を伸ばした先に誰かが見えた。瞳には、何も映らない筈なのに。
子供達は川から離れた泉で遊んでいた、魚を摂ったり、岩場から飛び込んだり各々気ままに。
ふと、トラリオンが顔を上げる。誰かに呼ばれたような気がして、周囲を見渡すが特に呼ばれていないようだった。眉を潜めて、それでも何故か鼓動が乱れる。唇を噛締めると、そのまま駆け出していた。
「あれ、何処行くんだよ」
「家の手伝い忘れてた! 小遣い貰えなくなる」
「それは大変だ、またな」
口から出任せを告げ、そのまま走った。胸騒ぎがする、必死になって走った。川を目指す、思い当たる事など1つしかない。
偶然にもアリンの身体が川に沈むその瞬間を目の前で見てしまったトラリオンは、思わず名前を叫んでいた。
その場所は、子供達でも近づかない場所である。滝つぼになっており、一度沈むと上がってこられないと親からも再三注意をされていた。
無我夢中でトラリオンはその場へ駆け寄る、水圧に焦りながら必死に近づくと、大きく息を吸い込みそのまま潜る。
緑の髪を揺らして、アリンが漂っていた。杖がゆっくりと浮上する、手放してしまったのだろう。
懸命に腕を伸ばし、アリンのか細い手首を掴んだトラリオンは、自分に引き寄せた。
ここから、上がれるだろうか。息が苦しくなってきたので思わず顔を顰めるが、アリンは瞳を閉じたまま。
遅かったのだろうか、死んでいるのだろうか。手首は冷たい、身震いしそれでも浮上する。
必死に水中を蹴り上げて、太陽の光を求めた。何か掴むものを、と浮いていた杖を掴む。
「ぶはっ! ……は、はぁ」
身体が急に軽くなった気がした、水面から勢い良く顔を出したトラリオンは、そのまま岸へと向かう。
川岸にアリンを寝かせ、頬を軽く叩いた。見よう見まねで人工呼吸をしようかと、顔を近づける。
「ぅ、ふぅっうぇっ」
咳込みながらアリンが寝返りを打ったので、慌てて仰け反ったトラリオンは、咽ているアリンの背を必死で擦った。
「大丈夫か? 何処か痛いところは?」
「……い、いえ。助けて戴いてありがとうございました」
ぎこちなく微笑んだアリンに、胸を撫で下ろす。だが、触れている身体が小刻みに震えている。
寒さで震えていた、恐怖も混ざって見ていて気の毒だ。暑い季節ではあるが、水温が低い滝つぼに落下し、濡れた衣服を着ているので体温も奪われるだろう。まして溺れていたのだ、怖いわけがない。
トラリオンはアリンを担ぐと、川から離れた森へと急ぐ。枯葉や小枝を集めまとめると、自分が持ち歩いていた火打石で着火させようとした。濡れているので駄目かと思ったが何度も繰り返すうちに火花が飛び散る。
数分してようやく火がつき、懸命にトラリオンは息を吹き掛けながら火を大きくした。
「ほら、寒いだろう。あたって」
「はい、ありがとうございます」
火を起こしてくれた、ということはアリンにも解った。熱が空気を伝わるし、何より焦げる香りがする。
恐々と手を伸ばす、目が見えないので何処まで近寄れば良いのかが解らないのだ。
気付いたトラリオンは、そっと背後に回ると安全な場所まで手を伸ばさせた。
「ここなら危なくない、大丈夫」
「あったかい……」
嬉しそうに微笑んだアリンに、思わずトラリオンも笑った。だが、衣服が濡れたままでは風邪を引くだろう。
2人ともずぶ濡れだ、トラリオンはアリンの瞳が見えないので気にせず衣服を脱ぎ捨てると、燃えないように注意を払って衣服を乾かす。問題はアリンだ。
気まずそうにトラリオンは声をかけた。
「アリン、服を乾かそう。風邪を引く。……後ろを見ているから、脱いでもらえる?」
「そう……ですね。脱ぎます」
躊躇せず脱ぎ始めたので、慌ててトラリオンは後ろを向いた。すぐにアリンが声をかける。
「あの、脱ぎました」
「そ、そう。乾かすから、預かるよ」
上ずった声で、なるべく裸体を見ないように衣服を受け取ると、トラリオンは自分と同じ様に衣服を乾かす。
パチパチと木が燃える音を聞きながら、2人は一言も話さなかった。ただ、暖をとる。
「あの。トラリオン。ごめんなさい、いつも、ご迷惑をおかけして」
「え、あ、いや、その」
「この瞳が見えたら、良いのですが皆さんの様に上手く出来なくて」
「あ、いや、違うんだ」
不意にアリンが話しかけてきたので、動揺したトラリオンは狼狽した。唯でさえアリンが全裸なのだ、緊張しているというのにまさか、名を呼ばれるとは思わなかった。おまけに謝っている。
悪いのは、どう考えても自分なのに。
「ごめんなさい、本当に。私、一緒に遊ばないほうが良いですよね」
「あ、いや、それは違って、あ……オレ、トラリオンじゃないんだよ」
申し訳なさそうに瞳を伏せるアリンに、嘘を吐いた。思わず、口走ってしまった。
不思議そうに顔を上げ、小首を傾げているアリンに、嘘を続けた。知らず、言葉が口から飛び出ていた。
「従兄弟、なんだ。……そう、従兄弟。アイツは乱暴もので、酷い奴だろ? その、心配で追いかけてきたんだ。また君に何か悪さしないか、って。ま、前から助けたかったけど、遅れてごめん」
「従兄弟……そう、ですか。声がそっくりですね」
「そ、そうかな。と、とにかくアリン、危ないからもう、トラリオン達と遊んではいけないよ。代わりに、オレと遊ぼう」
従兄弟、を疑っているのかアリンは困惑気味に首を傾げていた。思わず大きく息を飲むと、嘘を続ける。すらすらと、言葉が出てきた。嘘を1つ吐けば、吐き続けなければならない。
森の中に、シダが生えていた。思わず口走る。
「オレはえーっと、シダ。そう、シダ、っていうんだ」
「シダ」
「そ、そう。トラリオンは従兄弟のオレが言うのもなんだけど、本当にいい加減な奴で」
「そんなことはないですよ、皆に好かれていて、頼りにされています」
アリンがまさか庇うとは思わなかった、あんなに酷い目にあってきたのに。文句の1つでも言っても良いだろうに。何故、誉めたのか解らない。
シダ、と名乗ったトラリオンは、ようやく乾いた衣服を着てアリンにも衣服を手渡す。
ぎこちなく着始めたアリンを、見つめていた。
虐められていることに気がついていないのだろうか、あからさまに置き去りにしているのに。
不思議な子だ、と思いながら、ようやく衣服を来たアリンにそっと手を伸ばす。
髪に触れ、そっと頬を撫でた。
「アリン。次に街に来てトラリオン達に誘われても断るんだよ。オレが必ず迎えに行くから」
「……はい。あの、でも、どうして? シダはトラリオン達と遊ばなくて良いのですか?」
「オレは、アイツと仲が良くないし……アリンに、興味がある、というか、話がしてみたかった」
「そう、ですか。わかりました」
うっすらと微笑んだアリンにほっと胸を撫で下ろすと、トラリオンはアリンを負ぶって岐路に着いた。
公園に戻ってくると、案の定トロンがアリンを捜して駆けずり回っている。
「またね、アリン」
耳元でそう囁いたトラリオンは、そのまま走り去った。遠くからトロンの声が近づいてくる。
息を切らせて、顔面蒼白で駆け寄ってきたトロンは、そのまま思い切りアリンを抱き締めた。
「何処へ、行ったのかと」
「ごめんなさい、トロン。迷子になって、ここまで連れてきてもらったの」
アリンの衣服が、湿っぽいことに気がついたトロンは引き攣った顔でそれを問う。
縮こまってアリンは川に落ちたことを伝えた、悲鳴を上げる勢いでトロンはアリンの身体を擦り、何処か痛いところはないか、訊いていく。苦笑し、アリンは首を横に振った。
子供達は川から離れた泉で遊んでいた、魚を摂ったり、岩場から飛び込んだり各々気ままに。
ふと、トラリオンが顔を上げる。誰かに呼ばれたような気がして、周囲を見渡すが特に呼ばれていないようだった。眉を潜めて、それでも何故か鼓動が乱れる。唇を噛締めると、そのまま駆け出していた。
「あれ、何処行くんだよ」
「家の手伝い忘れてた! 小遣い貰えなくなる」
「それは大変だ、またな」
口から出任せを告げ、そのまま走った。胸騒ぎがする、必死になって走った。川を目指す、思い当たる事など1つしかない。
偶然にもアリンの身体が川に沈むその瞬間を目の前で見てしまったトラリオンは、思わず名前を叫んでいた。
その場所は、子供達でも近づかない場所である。滝つぼになっており、一度沈むと上がってこられないと親からも再三注意をされていた。
無我夢中でトラリオンはその場へ駆け寄る、水圧に焦りながら必死に近づくと、大きく息を吸い込みそのまま潜る。
緑の髪を揺らして、アリンが漂っていた。杖がゆっくりと浮上する、手放してしまったのだろう。
懸命に腕を伸ばし、アリンのか細い手首を掴んだトラリオンは、自分に引き寄せた。
ここから、上がれるだろうか。息が苦しくなってきたので思わず顔を顰めるが、アリンは瞳を閉じたまま。
遅かったのだろうか、死んでいるのだろうか。手首は冷たい、身震いしそれでも浮上する。
必死に水中を蹴り上げて、太陽の光を求めた。何か掴むものを、と浮いていた杖を掴む。
「ぶはっ! ……は、はぁ」
身体が急に軽くなった気がした、水面から勢い良く顔を出したトラリオンは、そのまま岸へと向かう。
川岸にアリンを寝かせ、頬を軽く叩いた。見よう見まねで人工呼吸をしようかと、顔を近づける。
「ぅ、ふぅっうぇっ」
咳込みながらアリンが寝返りを打ったので、慌てて仰け反ったトラリオンは、咽ているアリンの背を必死で擦った。
「大丈夫か? 何処か痛いところは?」
「……い、いえ。助けて戴いてありがとうございました」
ぎこちなく微笑んだアリンに、胸を撫で下ろす。だが、触れている身体が小刻みに震えている。
寒さで震えていた、恐怖も混ざって見ていて気の毒だ。暑い季節ではあるが、水温が低い滝つぼに落下し、濡れた衣服を着ているので体温も奪われるだろう。まして溺れていたのだ、怖いわけがない。
トラリオンはアリンを担ぐと、川から離れた森へと急ぐ。枯葉や小枝を集めまとめると、自分が持ち歩いていた火打石で着火させようとした。濡れているので駄目かと思ったが何度も繰り返すうちに火花が飛び散る。
数分してようやく火がつき、懸命にトラリオンは息を吹き掛けながら火を大きくした。
「ほら、寒いだろう。あたって」
「はい、ありがとうございます」
火を起こしてくれた、ということはアリンにも解った。熱が空気を伝わるし、何より焦げる香りがする。
恐々と手を伸ばす、目が見えないので何処まで近寄れば良いのかが解らないのだ。
気付いたトラリオンは、そっと背後に回ると安全な場所まで手を伸ばさせた。
「ここなら危なくない、大丈夫」
「あったかい……」
嬉しそうに微笑んだアリンに、思わずトラリオンも笑った。だが、衣服が濡れたままでは風邪を引くだろう。
2人ともずぶ濡れだ、トラリオンはアリンの瞳が見えないので気にせず衣服を脱ぎ捨てると、燃えないように注意を払って衣服を乾かす。問題はアリンだ。
気まずそうにトラリオンは声をかけた。
「アリン、服を乾かそう。風邪を引く。……後ろを見ているから、脱いでもらえる?」
「そう……ですね。脱ぎます」
躊躇せず脱ぎ始めたので、慌ててトラリオンは後ろを向いた。すぐにアリンが声をかける。
「あの、脱ぎました」
「そ、そう。乾かすから、預かるよ」
上ずった声で、なるべく裸体を見ないように衣服を受け取ると、トラリオンは自分と同じ様に衣服を乾かす。
パチパチと木が燃える音を聞きながら、2人は一言も話さなかった。ただ、暖をとる。
「あの。トラリオン。ごめんなさい、いつも、ご迷惑をおかけして」
「え、あ、いや、その」
「この瞳が見えたら、良いのですが皆さんの様に上手く出来なくて」
「あ、いや、違うんだ」
不意にアリンが話しかけてきたので、動揺したトラリオンは狼狽した。唯でさえアリンが全裸なのだ、緊張しているというのにまさか、名を呼ばれるとは思わなかった。おまけに謝っている。
悪いのは、どう考えても自分なのに。
「ごめんなさい、本当に。私、一緒に遊ばないほうが良いですよね」
「あ、いや、それは違って、あ……オレ、トラリオンじゃないんだよ」
申し訳なさそうに瞳を伏せるアリンに、嘘を吐いた。思わず、口走ってしまった。
不思議そうに顔を上げ、小首を傾げているアリンに、嘘を続けた。知らず、言葉が口から飛び出ていた。
「従兄弟、なんだ。……そう、従兄弟。アイツは乱暴もので、酷い奴だろ? その、心配で追いかけてきたんだ。また君に何か悪さしないか、って。ま、前から助けたかったけど、遅れてごめん」
「従兄弟……そう、ですか。声がそっくりですね」
「そ、そうかな。と、とにかくアリン、危ないからもう、トラリオン達と遊んではいけないよ。代わりに、オレと遊ぼう」
従兄弟、を疑っているのかアリンは困惑気味に首を傾げていた。思わず大きく息を飲むと、嘘を続ける。すらすらと、言葉が出てきた。嘘を1つ吐けば、吐き続けなければならない。
森の中に、シダが生えていた。思わず口走る。
「オレはえーっと、シダ。そう、シダ、っていうんだ」
「シダ」
「そ、そう。トラリオンは従兄弟のオレが言うのもなんだけど、本当にいい加減な奴で」
「そんなことはないですよ、皆に好かれていて、頼りにされています」
アリンがまさか庇うとは思わなかった、あんなに酷い目にあってきたのに。文句の1つでも言っても良いだろうに。何故、誉めたのか解らない。
シダ、と名乗ったトラリオンは、ようやく乾いた衣服を着てアリンにも衣服を手渡す。
ぎこちなく着始めたアリンを、見つめていた。
虐められていることに気がついていないのだろうか、あからさまに置き去りにしているのに。
不思議な子だ、と思いながら、ようやく衣服を来たアリンにそっと手を伸ばす。
髪に触れ、そっと頬を撫でた。
「アリン。次に街に来てトラリオン達に誘われても断るんだよ。オレが必ず迎えに行くから」
「……はい。あの、でも、どうして? シダはトラリオン達と遊ばなくて良いのですか?」
「オレは、アイツと仲が良くないし……アリンに、興味がある、というか、話がしてみたかった」
「そう、ですか。わかりました」
うっすらと微笑んだアリンにほっと胸を撫で下ろすと、トラリオンはアリンを負ぶって岐路に着いた。
公園に戻ってくると、案の定トロンがアリンを捜して駆けずり回っている。
「またね、アリン」
耳元でそう囁いたトラリオンは、そのまま走り去った。遠くからトロンの声が近づいてくる。
息を切らせて、顔面蒼白で駆け寄ってきたトロンは、そのまま思い切りアリンを抱き締めた。
「何処へ、行ったのかと」
「ごめんなさい、トロン。迷子になって、ここまで連れてきてもらったの」
アリンの衣服が、湿っぽいことに気がついたトロンは引き攣った顔でそれを問う。
縮こまってアリンは川に落ちたことを伝えた、悲鳴を上げる勢いでトロンはアリンの身体を擦り、何処か痛いところはないか、訊いていく。苦笑し、アリンは首を横に振った。
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