別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
よし。
このまま降りると、村の建物が破壊される。都会とは違い、簡素な作りのこの村に二体の竜が入ることは困難だった。上空で戸惑う二体に、申し訳なさそうにアサギは頭を下げると「少し待機していてください、危なくなったら呼びます!」と伝え、派手な音が響く家屋へと急ぐ。
自由に空を飛行しているアサギを、トモハルが見つけた。
「アサギ!」
「トモハル、みんなも無事で!」
一人ずつ確認していき、ミノルで視線が止まる。慌てて視線を逸らすと、自身の武器を取り出した。
「おいで、セントラヴァーズ」
長剣を握ると、近づいてきたエレンが泣きながら訴えた。
「リングルスが! リングルスが囚われました」
「えぇ!? 俊敏でお強い方なのに……分かりました、絶対に助け出します」
遠くから、リュウとバジルが駆けてきている。大きく手を振ると、エレンの叫び声に彼女を庇って前に出た。
家屋の屋根が、吹き飛んだ。瓦礫で怪我をしないように腕で顔を覆う、悪寒が走ったので夢中で魔法を投げつける。
最も簡単な火の魔法だ、火の玉が数個、何かにぶつかり焼け焦げる臭いが漂う。その異臭にアサギは顔を顰めた。
伸びてきた無数の触手がアサギに襲いかかる、後方にいたエレンが風の魔法を操り、切り刻む。駆けつけたクレシダとデズデモーナが、同時に触手に牙をむく。
「アサギか!」
「トビィお兄様、下がってください! 雷の魔法を落とします!」
右手で剣を掲げて、詠唱すると素早く振り下ろした。トビィが家から飛び出し、体勢を整えていたので安堵の笑みを浮かべる。触手の中央に落下させた魔法により、萎れた草の様に力なく倒れていく。
「なんでしょう、これ」
「油断は禁物です、みんな気をつけて」
エレンと共に、静かに家屋の中に入っていくアサギと、壊れたドアから再び侵入するトビィ。勇者達に、リュウ達も集まる。
埃が舞い、咳き込みながらアサギは床に降り立った。トビィが無事を確かめるように頭を撫でる、嬉しそうに微笑むがすぐに瞳を鋭く細めた。
「いそぎんちゃくみたいな感じの魔物でしょうか?」
「勇者達の話によると、村人が変化したらしいが」
「……ぇ?」
青褪めるアサギに、ダイキが声をかける。仕方ないとばかりに、神妙に頷いた。
「逆かもしれない、魔物が人間に化けていたのかも」
フォローしたのだが、アサギは唇を噛み締めている。もし、人間だったとしたら……考えると急に怖くなった。魔物も人間も同じ命な筈だ、しかしどうしても躊躇してしまう。
「とにかく、リングルス様を探します」
床に大きな穴が空いている。ここへ行くしかない、アサギは武器を変化させた。手には光り輝く短い杖が握られていた。
アサギは武器を完璧に使いこなしている、感心して溜息を吐く皆だが、それには気にせず的確な指示を出す。
「みんなで行くと、地上で何かがあった時に危険なので、二手に分かれませんか?」
「オレはアサギと行く」
「私もリングルスが心配だから行くぐー」
トビィとリュウが間入れず口を出したので、皆それ以上言えない。勇者達が残ることになったのだが、些か不安そうにしている。優秀なアサギ、強いトビィ、元魔王のリュウがいないうえに、戦闘慣れしているエレン、実力を知らないがリュウの教育係ならば強いだろうと予測されるバジルまでも地下組だ。
流石にアサギも不安になり、エレンに残るように告げる。上空には竜がいる、万が一の場合、その背に乗せてもらって避難するようにとトビィが説得した。
「気をつけて、アサギ」
「大丈夫、みんなも気をつけて」
トモハルがこちらは心配するなと、勝気な笑顔を見せてくれたので、アサギも安心して足を進める。
勇者とドラゴンナイト、元魔王にその教育係は地下へと潜っていった。
「あれだけ見ると最強パーティなんだけど、な」
ミノルが羨ましそうに呟いた。
取り残された勇者達は、一先ず家屋から出て、竜達の位置を確認する。大きく手を振って、アピールしておいた。
「不審な点がないか、一応見て歩こうか」
「何もないことを祈るよ」
トモハルを先頭に、武器を構えて皆進む。竜達も、勇者達の行動に気を配った。エレンが傍にいてくれるので、心強いこともあり、震えながらも探索する。
しかし、出来れば早く解決して欲しいと、地下組に願った。
のだが。
「出たー!」
自由に空を飛行しているアサギを、トモハルが見つけた。
「アサギ!」
「トモハル、みんなも無事で!」
一人ずつ確認していき、ミノルで視線が止まる。慌てて視線を逸らすと、自身の武器を取り出した。
「おいで、セントラヴァーズ」
長剣を握ると、近づいてきたエレンが泣きながら訴えた。
「リングルスが! リングルスが囚われました」
「えぇ!? 俊敏でお強い方なのに……分かりました、絶対に助け出します」
遠くから、リュウとバジルが駆けてきている。大きく手を振ると、エレンの叫び声に彼女を庇って前に出た。
家屋の屋根が、吹き飛んだ。瓦礫で怪我をしないように腕で顔を覆う、悪寒が走ったので夢中で魔法を投げつける。
最も簡単な火の魔法だ、火の玉が数個、何かにぶつかり焼け焦げる臭いが漂う。その異臭にアサギは顔を顰めた。
伸びてきた無数の触手がアサギに襲いかかる、後方にいたエレンが風の魔法を操り、切り刻む。駆けつけたクレシダとデズデモーナが、同時に触手に牙をむく。
「アサギか!」
「トビィお兄様、下がってください! 雷の魔法を落とします!」
右手で剣を掲げて、詠唱すると素早く振り下ろした。トビィが家から飛び出し、体勢を整えていたので安堵の笑みを浮かべる。触手の中央に落下させた魔法により、萎れた草の様に力なく倒れていく。
「なんでしょう、これ」
「油断は禁物です、みんな気をつけて」
エレンと共に、静かに家屋の中に入っていくアサギと、壊れたドアから再び侵入するトビィ。勇者達に、リュウ達も集まる。
埃が舞い、咳き込みながらアサギは床に降り立った。トビィが無事を確かめるように頭を撫でる、嬉しそうに微笑むがすぐに瞳を鋭く細めた。
「いそぎんちゃくみたいな感じの魔物でしょうか?」
「勇者達の話によると、村人が変化したらしいが」
「……ぇ?」
青褪めるアサギに、ダイキが声をかける。仕方ないとばかりに、神妙に頷いた。
「逆かもしれない、魔物が人間に化けていたのかも」
フォローしたのだが、アサギは唇を噛み締めている。もし、人間だったとしたら……考えると急に怖くなった。魔物も人間も同じ命な筈だ、しかしどうしても躊躇してしまう。
「とにかく、リングルス様を探します」
床に大きな穴が空いている。ここへ行くしかない、アサギは武器を変化させた。手には光り輝く短い杖が握られていた。
アサギは武器を完璧に使いこなしている、感心して溜息を吐く皆だが、それには気にせず的確な指示を出す。
「みんなで行くと、地上で何かがあった時に危険なので、二手に分かれませんか?」
「オレはアサギと行く」
「私もリングルスが心配だから行くぐー」
トビィとリュウが間入れず口を出したので、皆それ以上言えない。勇者達が残ることになったのだが、些か不安そうにしている。優秀なアサギ、強いトビィ、元魔王のリュウがいないうえに、戦闘慣れしているエレン、実力を知らないがリュウの教育係ならば強いだろうと予測されるバジルまでも地下組だ。
流石にアサギも不安になり、エレンに残るように告げる。上空には竜がいる、万が一の場合、その背に乗せてもらって避難するようにとトビィが説得した。
「気をつけて、アサギ」
「大丈夫、みんなも気をつけて」
トモハルがこちらは心配するなと、勝気な笑顔を見せてくれたので、アサギも安心して足を進める。
勇者とドラゴンナイト、元魔王にその教育係は地下へと潜っていった。
「あれだけ見ると最強パーティなんだけど、な」
ミノルが羨ましそうに呟いた。
取り残された勇者達は、一先ず家屋から出て、竜達の位置を確認する。大きく手を振って、アピールしておいた。
「不審な点がないか、一応見て歩こうか」
「何もないことを祈るよ」
トモハルを先頭に、武器を構えて皆進む。竜達も、勇者達の行動に気を配った。エレンが傍にいてくれるので、心強いこともあり、震えながらも探索する。
しかし、出来れば早く解決して欲しいと、地下組に願った。
のだが。
「出たー!」
PR
この記事にコメントする
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
最新コメント
[10/05 たまこ]
[08/11 たまこ]
[08/11 たまこ]
[05/06 たまこ]
[01/24 たまこ]
[01/07 たまこ]
[12/26 たまこ]
[11/19 たまこ]
[08/18 たまこ]
[07/22 たまこ]
カテゴリー
フリーエリア
フリーエリア
リンク
最新トラックバック
プロフィール
HN:
把 多摩子
性別:
女性
ブログ内検索
カウンター