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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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重すぎたらしい



 突如振り返ったので、慌てて手を後ろに隠した。火の熱と残像はベシュタにも見えたが、あえて何も言わずに正面から見つめると、質問をする。

「な、なんだよ」

 身じろぎし、挙動不審に視線を逸らすトリプトルを瞳を細めて睨みつけたベシュタは。

「アースを愛しているのかを」

 頭部を鈍器で殴られたかのように、衝撃が走った。単刀直入に訊かれて、たじろぐ。なかなか返答しないトリプトルに、威圧的な態度を取るベシュタ。二人の間に、亀裂が走った。

「あ、愛してなんか、いない……何馬鹿なことを言ってるんだか、オレは一度もあの馬鹿女を愛したことはないね! さっきの話聴いてなかったのかよ」
「そうか、ならばよかった。心おきなく行動できる、助かった」

 トリプトルの言葉を最後まで聞かずに、ベシュタは口角を上げるとそう告げた。優越感に浸った笑みを浮かべている、その表情が癪に触った。

「は、はぁ!? なんだよ、それ」
「別に、こちらの話だ。心起きなく、アースに愛を告げられるということだ」
「勝手にしたらいいだろ?」
「……そうだな。本当に愛していないんだな? 私が彼女を貰い受けても、恨まないな?」
「くどい!」

 叫んだトリプトルに、ベシュタは再度微笑む。「今の言葉、忘れるな」瞳は笑っていなかったので、トリプトルは身構えた。

「それにしても、アースは何処へ」

 小高い丘であるそこから周囲を見渡すと、断続的に光り輝く場所があった。そこしかないと思い、足を速める。今来た方角だった。

 次々に動植物を避難させていたアースは、子鹿が家に入っていく姿を見つけ、慌てて後を追う。親とはぐれたのだろう、共に避難させたいので、一緒にいることにした。
 暖炉の前で座り込んでいた子鹿に声をかける、不思議そうに見つめられたので、アースはそっとその背を撫でた。

「お父さんとお母さんは? 一緒にいないとダメですよ」

 暫し微睡み、うっとりとしていた子鹿だが、気配に気づくと慌てて立ち上がる。何事かと振り返ったアースの瞳に、ベシュタとトリプトルが飛び込んできた。
 声が出なかった。もう、帰ったと思っていた。身体が震えだす、一瞬だけトリプトルと視線が交差したが、慌てて俯いた。

「アース! 無事だったか」

 子鹿は立ち上がると、一目散に外へと出て行く。焦って腕を伸ばしたが、外で両親と思われる鹿が待っていたので、胸を撫で下ろした。
 その腕を、ベシュタが掴む。
 引き寄せて、抱きしめた。小さなアースの身体は、すっぽりと抱きすくめられている。
 瞬間、トリプトルが歯が欠ける程に歯ぎしりする。

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