別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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クレロから話を聴く
→ 夏休み終了。ハイ、リュウに会いに行く
トビィの過去を知る
助けに行く、看病する
ミノル崩壊
トモハル激怒
アサギ、5星マクディを見つける
→ 夏休み終了。ハイ、リュウに会いに行く
トビィの過去を知る
助けに行く、看病する
ミノル崩壊
トモハル激怒
アサギ、5星マクディを見つける
仏頂面のミノルは、欠伸をしながら項垂れている。気だるい一日が始まった、夏休みが終わったのだ。何もしていない夏休み、短すぎた夏休み。左手に隠し持っていたクレロから貰った水晶を眺めながら、連絡はまだかと舌打ちする。
異界へ再び呼ばれてから、数日が経過した。が、連絡は来ていない。学校など行かず、異界で剣と魔法を駆使していたほうが気が楽だった、もとい、楽しい。
帰宅し、隣のトモハル宅に直行したミノルは、怪訝に水晶を眺める。苦笑しトモハルも自身の水晶を眺めた。
「早く呼ばれねーかな、退屈」
「……ミノル、どう思う? 事態は深刻と思っていいのかな、地球に戻ってきてから一週間程度で呼ばれたわけだけど」
トモハルがノートをミノルに差出す、覗き込んだミノルは低く呻いた。破壊の姫君について、知り得ていることを書き出してある。
「流石、優等生トモハル。すげーなこれ」
「補足したければ、適当に書き込んでおいて。何かの役に立つかなって思ってさ、一応書いてみた」
「他の奴らにも見せたほうがいいだろ、これ。アサギとかさ」
「アサギといえば、どう? 仲良くやってる? 才色兼備な優等生とウルトラ問題児だから心配でさ、俺」
「……ウルサイ」
急に振られたのでミノルは顔を真っ赤にすると、ノートで顔を隠しながら読んでいるフリをした。実際、脳に文字が流れていなかったが。
「それにしても意外だなー、アサギがミノルを、ねぇ。両想いかぁ、いいね」
「だからウルサイ」
「何処がよかったんだろ、今度訊いてみよ」
「……やめてくれ」
笑いながらトモハルはコーラを飲んだ、炭酸が喉を刺激する。ふと窓から見上げた空に瞳を細め、胸が締め付けられたような感覚に陥った。眉を顰めると、ちびちびとコーラを飲む。
「破壊の姫君ってつまりラスボス? ラスボスっていうか、裏のラスボスみたいなもんか」
「そんなとこだろうな、この間のミラボーより格段に強いんだろうな」
「可愛いのかな」
「さぁ……。響き的には美少女か、原型を留めていない美少女のどちらかだろうなーって」
アサギより可愛い女なんていないだろうけど、と思ったミノルは笑いを押し殺しているトモハルに首を傾げる。肩を震わせて涙を瞳に浮かべているトモハルは、呼吸困難に陥っている自分を見つめているミノルにようやく声を発した。
「ミノル、ぶふっ、思ったこと口に出て、出てたっ、ぶふふっ」
「!」
床にノートを叩きつけたミノルは、トモハルの笑い声を背に一目散に部屋を飛び出し、隣の家に帰宅する。部屋に戻り恥ずかしさのあまり床に転がっていたら、トモハルの笑い声が案の定聴こえてきた。家が隣で、部屋も隣同士なので仕方がない。互いの部屋の窓から窓へと飛び移ることも可能な距離である、互いの行動は丸解りだ。
「どーしてあんな金持ちの家の隣に貧乏な俺んちがあるんだよ!」
隣同士だが、家の規模が違う。ミノルはクッションで頭を押さえつけ、隣から聞こえてくるトモハルの笑い声に耐えるしかなかった。
その頃、何度か瞬きを繰り返していたアサギはクレロの前に立っていた。手には光り輝く水晶。
「すまないな、アサギ。そなただけ呼び立てて」
「いえ。どうかされましたか、クレロ様」
水晶が光り輝き、脳内に声が届いた。頷いた瞬間、気がつけば異界である。一瞬身体が大きく揺れたが、それ以外身体の不調は特にない。
長い髪を靡かせ、薄っすらと微笑むとアサギに近寄ったクレロは小さく頷いた。
「魔王と仲が良かっただろう? 会いたいのではないかと思ってね」
「会えるのですか? リュウ様はこの間地球に来ていましたが、ハイ様にお会いできるのですか?」
「あぁ、よかったら行っておいで。あちらもアサギ、そなたを待っているだろう。魔王として生きていた二人を変えたのは紛れもなくアサギだ、誰しもがそなたに感謝せねばならない。
他の勇者であったなら……二人はそのまま魔王として死に絶えていただろう」
アサギは軽く不服そうに唇を尖らせた、クレロの言い方が気に入らなかったのだ。
「……そうでしょうか、私以外の人でハイ様にリュウ様は」
「無理だよ、そなたが勇者としてここへ召喚され、そして魔界へ連れ去られていたからこそ可能だった」
間を置かず否定してきたクレロに口篭ったアサギは、納得出来ないと首を傾げる。苦笑しクレロが背後にあった球体にアサギを誘う、多少躊躇し、それでもアサギは前へと進む。
「まずは、幻獣星王子から。行っておいで勇者アサギよ」
目の前が一瞬眩く光り輝いたと思えば、周囲でざわつきが聴こえる。何時の間にか閉じていた瞳を開くと、距離を置いて幻獣達に囲まれている。何度か瞬きを繰り返し、おずおずと一礼したアサギはそっと手を伸ばした。怯えたように離れていく皆に困惑気味の視線を向けると、聴き慣れた声が響いてくる。
「アサギ! いらっしゃいだぐもー」
煌びやかな衣装をはためかせ、リュウが駆け寄ってきた。軽々とアサギを抱き上げると、くるりと回転し声高らかに笑う。銀髪が揺れた、安堵し微笑んだアサギの髪もふわりと宙に舞う。
「これはこれは我が契約主アサギ様、ようこそおいでくださいました」
「バジル様! えっとお邪魔しています……」
バジルが、リングルスが、見知った幻獣達が駆け寄ってきてアサギを取り囲む。それを見ていた周囲の幻獣達もおそるおそるアサギに近寄る、興味津々でアサギを凝視した。
初めてやってきた、人間だった。現国王と親しく、多くの幻獣達と契約を交わしている異例の人間だ。
「……アサギ」
球体に映っているアサギの姿を見つめながら、クレロは瞳を細めその名を呼ぶ。傍らで控えていたマグワートが気配に気がつき顔を上げた、同僚のソレルが近づいて来ている。
「クレロ様、トビィ殿が戻られました。報告があるとのことです」
「承知した、今行こう。マグワート、この場は任せる」
マグワートが深く頷いたので、クレロも静かに頷いた。やって来たソレルと共に歩き出す、球体を振り返り見ればアサギが困惑気味に微笑みながら映っている。
「アサギ。クレオの勇者、セントラヴァーズの所持者。私は、そなたを……護ってやりたい」
言葉に気付かぬフリをして、ソレルはトビィの元へとクレロを案内する。腕を組み、しかめっ面で立っていたトビィはその姿を見るなり口を開いた。
異界へ再び呼ばれてから、数日が経過した。が、連絡は来ていない。学校など行かず、異界で剣と魔法を駆使していたほうが気が楽だった、もとい、楽しい。
帰宅し、隣のトモハル宅に直行したミノルは、怪訝に水晶を眺める。苦笑しトモハルも自身の水晶を眺めた。
「早く呼ばれねーかな、退屈」
「……ミノル、どう思う? 事態は深刻と思っていいのかな、地球に戻ってきてから一週間程度で呼ばれたわけだけど」
トモハルがノートをミノルに差出す、覗き込んだミノルは低く呻いた。破壊の姫君について、知り得ていることを書き出してある。
「流石、優等生トモハル。すげーなこれ」
「補足したければ、適当に書き込んでおいて。何かの役に立つかなって思ってさ、一応書いてみた」
「他の奴らにも見せたほうがいいだろ、これ。アサギとかさ」
「アサギといえば、どう? 仲良くやってる? 才色兼備な優等生とウルトラ問題児だから心配でさ、俺」
「……ウルサイ」
急に振られたのでミノルは顔を真っ赤にすると、ノートで顔を隠しながら読んでいるフリをした。実際、脳に文字が流れていなかったが。
「それにしても意外だなー、アサギがミノルを、ねぇ。両想いかぁ、いいね」
「だからウルサイ」
「何処がよかったんだろ、今度訊いてみよ」
「……やめてくれ」
笑いながらトモハルはコーラを飲んだ、炭酸が喉を刺激する。ふと窓から見上げた空に瞳を細め、胸が締め付けられたような感覚に陥った。眉を顰めると、ちびちびとコーラを飲む。
「破壊の姫君ってつまりラスボス? ラスボスっていうか、裏のラスボスみたいなもんか」
「そんなとこだろうな、この間のミラボーより格段に強いんだろうな」
「可愛いのかな」
「さぁ……。響き的には美少女か、原型を留めていない美少女のどちらかだろうなーって」
アサギより可愛い女なんていないだろうけど、と思ったミノルは笑いを押し殺しているトモハルに首を傾げる。肩を震わせて涙を瞳に浮かべているトモハルは、呼吸困難に陥っている自分を見つめているミノルにようやく声を発した。
「ミノル、ぶふっ、思ったこと口に出て、出てたっ、ぶふふっ」
「!」
床にノートを叩きつけたミノルは、トモハルの笑い声を背に一目散に部屋を飛び出し、隣の家に帰宅する。部屋に戻り恥ずかしさのあまり床に転がっていたら、トモハルの笑い声が案の定聴こえてきた。家が隣で、部屋も隣同士なので仕方がない。互いの部屋の窓から窓へと飛び移ることも可能な距離である、互いの行動は丸解りだ。
「どーしてあんな金持ちの家の隣に貧乏な俺んちがあるんだよ!」
隣同士だが、家の規模が違う。ミノルはクッションで頭を押さえつけ、隣から聞こえてくるトモハルの笑い声に耐えるしかなかった。
その頃、何度か瞬きを繰り返していたアサギはクレロの前に立っていた。手には光り輝く水晶。
「すまないな、アサギ。そなただけ呼び立てて」
「いえ。どうかされましたか、クレロ様」
水晶が光り輝き、脳内に声が届いた。頷いた瞬間、気がつけば異界である。一瞬身体が大きく揺れたが、それ以外身体の不調は特にない。
長い髪を靡かせ、薄っすらと微笑むとアサギに近寄ったクレロは小さく頷いた。
「魔王と仲が良かっただろう? 会いたいのではないかと思ってね」
「会えるのですか? リュウ様はこの間地球に来ていましたが、ハイ様にお会いできるのですか?」
「あぁ、よかったら行っておいで。あちらもアサギ、そなたを待っているだろう。魔王として生きていた二人を変えたのは紛れもなくアサギだ、誰しもがそなたに感謝せねばならない。
他の勇者であったなら……二人はそのまま魔王として死に絶えていただろう」
アサギは軽く不服そうに唇を尖らせた、クレロの言い方が気に入らなかったのだ。
「……そうでしょうか、私以外の人でハイ様にリュウ様は」
「無理だよ、そなたが勇者としてここへ召喚され、そして魔界へ連れ去られていたからこそ可能だった」
間を置かず否定してきたクレロに口篭ったアサギは、納得出来ないと首を傾げる。苦笑しクレロが背後にあった球体にアサギを誘う、多少躊躇し、それでもアサギは前へと進む。
「まずは、幻獣星王子から。行っておいで勇者アサギよ」
目の前が一瞬眩く光り輝いたと思えば、周囲でざわつきが聴こえる。何時の間にか閉じていた瞳を開くと、距離を置いて幻獣達に囲まれている。何度か瞬きを繰り返し、おずおずと一礼したアサギはそっと手を伸ばした。怯えたように離れていく皆に困惑気味の視線を向けると、聴き慣れた声が響いてくる。
「アサギ! いらっしゃいだぐもー」
煌びやかな衣装をはためかせ、リュウが駆け寄ってきた。軽々とアサギを抱き上げると、くるりと回転し声高らかに笑う。銀髪が揺れた、安堵し微笑んだアサギの髪もふわりと宙に舞う。
「これはこれは我が契約主アサギ様、ようこそおいでくださいました」
「バジル様! えっとお邪魔しています……」
バジルが、リングルスが、見知った幻獣達が駆け寄ってきてアサギを取り囲む。それを見ていた周囲の幻獣達もおそるおそるアサギに近寄る、興味津々でアサギを凝視した。
初めてやってきた、人間だった。現国王と親しく、多くの幻獣達と契約を交わしている異例の人間だ。
「……アサギ」
球体に映っているアサギの姿を見つめながら、クレロは瞳を細めその名を呼ぶ。傍らで控えていたマグワートが気配に気がつき顔を上げた、同僚のソレルが近づいて来ている。
「クレロ様、トビィ殿が戻られました。報告があるとのことです」
「承知した、今行こう。マグワート、この場は任せる」
マグワートが深く頷いたので、クレロも静かに頷いた。やって来たソレルと共に歩き出す、球体を振り返り見ればアサギが困惑気味に微笑みながら映っている。
「アサギ。クレオの勇者、セントラヴァーズの所持者。私は、そなたを……護ってやりたい」
言葉に気付かぬフリをして、ソレルはトビィの元へとクレロを案内する。腕を組み、しかめっ面で立っていたトビィはその姿を見るなり口を開いた。
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