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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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です。
時間がないので、さきにこっちをアップしようー・・・。
あうぅあうぅ。


魔王様&勇者。←タイトル。

4星、クレオ。
その、赤道付近に位置するロシファーザ島。
長く煌びやかな銀髪を風に遊ばせながら、魔王の一人が今現在降り立つ。
珍しい事ではない、彼は頻繁にこの地を訪れていた。
なぜならばこの島には、魔王アレクが唯一心を許すことが出来る最愛の恋人が滞在しているからである。
微かに頬を赤く染めながら、普段の青白い顔色は何処へやら健康的な赤みを帯びてアレクは駆け足で恋人を捜していた。

「ロシファ、ロシファ! 私だ、何処に居るんだい?」

平素、城内では走るわけがないのだが自然溢れる森の中をひらりひらり、と恋人を求めて走り回る魔王。
その度に美しい髪は空気に溶ける様に、さらさらと舞う。
木々に囲まれた広い空間、親子鹿がアレクの緋色のマントを咥えると引っ張り始めた。
この地は、動物達も警戒心がなく人に慣れているが執拗に自分を引っ張る小鹿を撫でると、アレクは視線を合わせるように屈みこんだ。

「ロシファが何処に居るのか・・・知っているのかい?」

優しくそう呟けば、嬉しそうに小鹿は軽くその場で飛び跳ねるとマントを放し、駆け出す。
居場所を、知っているようだ。
仲良く駆け出した親子鹿を、薄っすらと笑みを浮かべて見つめていたアレクは小さく、溜息を吐いた。
ゆっくりと立ち上がると鹿達の後に続いて、静かに歩き出す。
昨日雨が振ったのだろうか、土壌が水を含んで歩けば僅かに沈んだ。
そちらの方角には、湖があった。
二人が出遭った、最初の場所である。
懐かしそうにアレクは手の平を翳して空を見上げた、眩しい太陽が痛いほどに照り付けている。
水遊びでもしているのだろう、炎天下で空気はかなり熱されている。
森林の中を空気を肺に一杯吸い込みながら、先程とはうって変わってのんびりと足を進めるアレク。
というのも、水浴びをしている場合彼女は裸体である可能性が高い。
非常に、気まずい。
咳を一つ、不意に目をやった木の根本に、小さいながらも可憐に咲く薄紫の花に気付く。
自然と口元が綻んだ、じっと見つめ続けていると風が緩やかに吹く。
名前は解らないが、風に揺られてふわふわとしている様は何か言葉を発している様で。

「こんにちは、アレク様。・・・ですって」

湖の方角から、鈴の鳴る様な声が耳に届けられた。
我に返り立ち上がると、身体をそちらに向けるとアレクは満面の笑みを浮かべ。
木々の若葉に負けない豊かなペールグリーンの柔らかな髪、ライトグリーンの深く神秘的な光を放つ瞳の少女が先程の親子鹿と共に立っていた。
少女の姿を瞳に入れた瞬間、アレクは大声で叫んでいた。

「ロシファ!」

一目散に駆け出すと勢いでロシファを抱き抱え、身体を持ち上げるとその場で何度も回転を。
小さく叫んだロシファだが、可笑しそうに笑いながなすがままだ。
太陽の様に明るく眩しいロシファの笑顔、心の底からそれが嬉しくてアレクも大声で愉快そうに笑っている。
感情豊かなアレクなど、ロシファ以外はお目にかかれない。
魔界・イヴァンではほぼ無表情で口数少ない魔王・アレクなのだが、どうやらこちらが素の様だ。
二人は一頻り回転すると、そのまま地面に転がって笑い続ける。
観れば、小鳥や兎が近寄って来て二人を見守っていた。
笑いながら一つに束ねてあるロシファの髪に、そっと指を通していたアレクは、ようやく気持ち良さそうに大きく伸びをすると起き上がり。
ロシファの身体を支えて起き上がらせると、二人は手を取り合ってアレクが来た方角へと戻っていった。
ロシファの、小屋がある。

「可愛らしいでしょう、さっきのお花さん。大木の陰であっても僅かな光を探して求めて強かに美しく咲き誇るのよね」
「あぁ、とても可愛らしい。・・・でも、私はロシファの美しさのほうが勝っていると思う」

真顔のアレクに、盛大にロシファは吹き出した。
怪訝そうに見つめているアレクに、ロシファは赤らんだ頬を隠すようにして急にアレクの手を握ると、そのまま全速力で駆け出す。
力強く引っ張られ、顔を引き攣らせたアレクだが肩を竦めると共に駆け出す。
その後ろを動物達が続いていた、そんな風景。
ロシファは、魔族とエルフの混血である。
良く観ないと解らないが、瞳を覗き込めば魔族独特の鋭い眼光が見え隠れしている。
父親が、魔族の貴族。
母親が、エルフの姫君。
混血は敬遠されてしまう場合があるわけだが、ロシファの場合はそうではなかった。
魔族との混血であろうとも、姫は姫であり正統な後継者。
現魔王・アレクの良き理解者であり、無論恋人。
父親が魔族のロシファにとって、魔王であろうと初対面からアレクに対して何の畏怖の念も抱かなかった。
快活で健康的、常に無邪気に走り回っている、幼子のようなまま成長した。
美しい滑らかな髪は腰まであるのだが、行動の邪魔になるので毎日一つに結んでいる。
ドレスなど一切着用せずに、自分で織った布で衣服を作り上げて着用しているのだった。
二人は息を切らせながら家の中に入ると、大きな音を立ててドアを閉め、顔を見合わせると深呼吸。

「あらあら・・・これはこれはアレク様。姫様に付き合って、一体何処から走ってこられたのですか? 本当に申し訳ありませんね。ロシファ様、皆が皆、貴女様ほど元気ではないのですから巻き込んではいけませんよ」

大袈裟に落胆しながら奥から出てきたふくよかな女性は、ロシファの乳母である。
唇を尖らせながら、ロシファはそれでも返答する。

「あら、平気よ。アレクはこれくらいで丁度良いの。普段運動なんてしないんだもの、体力がないから私がつけてあげているのよ」

アレクに悪戯っぽく笑って、乳母に茶の用意をさせ始めた。
愛用の簡素な木の椅子に深く腰掛けると、突っ立っているアレクを隣に強引に座らせる。
頻繁には使用しない、アレク専用の椅子だ。
机に肘を突いて、笑いながら歌を歌っている様をアレクは眩しそうに瞳を細めて見つめていた。

「行儀が悪いですよ、姫様」

苦笑いで茶を運んできた乳母に、知らん振りしてロシファは並べられた焼き菓子に手を伸ばす。
ロシファは、無邪気で気品振った様子もなく非常に親しみ易い。
しかし、気高さも持ち合わせており心は下手したらアレクよりも強いかもしれなかった。
混血、という特殊な状態であれ、皆と上手く生活しているのはロシファの真っ直ぐな性格ゆえであろうし受け入れた仲間達も心が澄んでいるのだろう。
アレクは、そんな彼女に惹かれた。
ロシファの美しさも目を見張るものがあるのだが、それよりも性格。

「さぁさ、召し上がれ。摘み立てのレモンバームティですよ」

暖かなカップに入れられた新鮮な香りのするティを、ロシファは熱そうに啜る。
夢中で焼き菓子を頬張っていたロシファの額を軽く小突くと、乳母は肩を落としながら部屋を出て行く。
だが、顔には軽く笑顔を浮かべながら。
ロシファがこうしてはしゃいでいるのは、隣にアレクがいるから、だということを乳母とて了承していた。
普段以上の浮かれ様子に、乳母はドアを出た後一人隣の部屋で爆笑を。
その大声に思わずアレクはカップの中身を零しそうになり、ロシファも喉に焼き菓子を詰まらせそうになった。
首を竦めつつ、咽つつ、ロシファはげんなりと乳母の出て行ったドアを見つめ。

「んもう、本当に元気が余っているんだから・・・」

ねぇ? と、アレクの同意を求めつつ覗き込んできたロシファ、アレクは瞬きしてしれっと、返答。

「誰かさんと一緒だよ」

にっこりと笑い、唖然としているロシファの肩を叩きながらアレクは優雅にティを口に含んだ。
そんなアレクの態度に唇を尖らせ、菓子皿を自分に引き寄せると一人で食べ始める。
じとり、と横目で軽く睨みながら。
そんな様子に思わず笑いを堪えるアレクだが、堪え切れずに小さく肩を震わせて笑う。
全てが、愛おしい娘。
口内に広がるレモンバームの清涼感、アレクは瞳を閉じ静かに頷いた。

「美味しい]

自然と口から漏れた、言葉。
ロシファは嬉しそうに勢い良く立ち上がると自分も、熱いながらに口に含む。

「でしょう? 植物も誰かの口に入るのならば美味しいと笑顔で言ってもらえるように努力しているのよね。
生きているものは、みんなそう。誰かに喜ばれる為に、幸せになってもらう為に・・・生きているの。特に、愛する人を笑顔にする為に、心を解きほぐす為に」

徐々に小さくなっていくロシファの声、そっとアレクを見つめていた瞳が閉じていく。
咳を一つ、誰も部屋にはいない筈だがアレクは周囲を見渡し頬を赤く染めて身じろぎながらも、ゆっくりと唇を近づける。
触れるか、触れないか。
アレクは直様照れた顔を隠すためか、すぐにカップを唇に押付けた。
やがて不服そうにロシファは頬を膨らまし、妙に落ち着きないアレクの様子にただ、可笑しそうに笑う。

「・・・ほんっとに、奥手ねアレク。赤ちゃんの顔、見られないのは嫌よ私」

大きな溜息、ロシファは髪を指で弄びながら天井を見上げる。
暫しアレクは考え込んでいたが、数分後ようやく意味を悟った。
硬直し、テーブルクロスを見つめ続けるアレクに、落胆のロシファ。
意味は解ってもらえただろうが、全くもって・・・純粋というかなんというか。
話題を変える為か、アレクはそそくさとロシファの視線から逃れる為に立ち上がると窓際に移動する。
外を見つめながら、再び咳を一つ。

「そ、そうだロシファ」
「何よ」

些か不服そうな・・・機嫌を損ねたようなロシファの声。
アレクはガラスに映るロシファを見つめつつ、更に咳を。

「勇者が来たんだ、魔界に。ハイが連れてきて、思いの外可愛らしい小さな女の子で。・・・彼女となら、やれそうな気がするよ」
「え・・・? 勇者・・・?」

思わず、ロシファも立ち上がる。
何故、そんな重要な事を今頃になって言うのか。
真っ先に言うべきだったのではないのか。
ロシファは、逸る胸を押さえつつ震える腕を必死に堪えて擦れた声で恋人に問いかけた。
魔王である恋人に、問いかけた。

「セントラヴァーズ。セントガーディアン。・・・どちらの所持者なの?」

4星クレオの魔王・アレク。
その恋人である魔族とエルフの混血の姫。
そして魔界に連れてこられた、勇者。

普段からは想像もつかない、怜悧な視線で刺すようにロシファは目の前のアレクに、問う。

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素敵なのを発見
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2069100

ロマサガだと魅入ってしまうので、これにしよう・・・。
うん。
まこ 2009/12/20(Sun)16:47:04 編集
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