別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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あと少しー。
本編と合わせたかった。
本編と合わせたかった。
「このままでは」
捕らえられ、主星アイブライトの監獄へ入ったクリフは面会に訪れるかつての支持者達とも面会出来ず、一日一度運ばれる質素な食事のみで、過ごしていた。
「アースが」
食事を運ぶ者が、怪訝にクリフに侮蔑の視線を投げかけ、去っていく。
「おい、あの堕神またアースって言ってるぞ」
「娘の安否を気遣っているんだろ? 馬鹿な神だ、過去の失態を隠蔽しなければよかったのに」
「それにしても似てない親娘だよな」
神が投獄されるなど、初めてのことだ。クリフの噂で持ちきりである。
「本当に娘なのか?」
「そうだろ、現に今も娘の名前ばかり呼んでいる」
「父親には見えないんだよなぁ、もっと……」
女神エロースに反する言葉を口にすると、立場が危うくなることはこの監獄に勤務する者達は知っていた。無実の罪で死んでいった者達を見てきたが、黙秘せねば自分達が殺される。
今回の件も、数人は思っていた「恐らく、クリフ神は嵌められたのだ」と。しかしどうすることもできない。
「どうか、アースに厄が降りかからぬ様に。どうか、罪深き我らを御赦し下さい」
日に日にクリフの言葉が奇っ怪なものへと変わっていった、看守達は顔を見合わせ最初は哂っていた。気が狂ったのだと、思っていた。
しかし。
「我らを御赦し下さい、罪深き我らを御赦し下さい。貴女様の存在を忘れ、自らを神だと名乗る我らを、敬うことなく堕落した我らを見放さないでください」
一体、誰に許しを乞うているのだろうか。
クリフの態度に徐々に畏怖の念を抱き始めた看守達は、罪悪感を覚えていた。クリフの言葉を聴く度に自分達が何か重大な罪を犯している気になってきた、記憶の片隅に残っている痼りが胸を締め付ける。
「このままでは滅亡する」
クリフが呟いていた単語の一つ、滅亡。看守達は最初哂って聞いていたが途中から、顔が引きつり始めた。自分は知っている気がした、何が起こるのかを、クリフの言わんとする意味を。
看守達は、誰に言うわけでもなくクリフと会話をするようになる。基本、罪人との会話は看守であろうとも禁止されていた。しかし、聞かねばならない気がしていた。
「アースの様子を教えてくれ、彼女はどうなっている!?」
「通達では、審判が降されるのが今日です。貴方の娘だというだけで、処罰が与えられるものなのでしょうか」
「そもそもが間違いだ、私ごときの娘であるわけがないだろう、あの方は、恐らく」
あの方。
アースが一体なんだというのか、末端の家系に産まれた土の精霊ではないのだろうか。剥奪されたとはいえ、一度は神だった男が恐れ多いと平伏す娘は何者なのか。
「エロースを止めろ! どうせ私利私欲に走っただけのことだろう、アース様に何かすればただでは済まぬと伝えてくれ」
「そんな無茶な。女神に苦言出来る者などおりませんよ……貴方以外」
クリフが錯乱しているとも思えず、数日後、看守達は皆揃って見て見ぬふりをした。牢の鍵を彼に投げ込んだ。
皆、言い知れぬ何かに怯えていた、クリフだけが真実を知り得、破滅から回避してくれる気がしていた。
「アース様……いや、アサギ様!」
クリフが監獄を飛び出した時には、すでにもう、遅かった。
捕らえられ、主星アイブライトの監獄へ入ったクリフは面会に訪れるかつての支持者達とも面会出来ず、一日一度運ばれる質素な食事のみで、過ごしていた。
「アースが」
食事を運ぶ者が、怪訝にクリフに侮蔑の視線を投げかけ、去っていく。
「おい、あの堕神またアースって言ってるぞ」
「娘の安否を気遣っているんだろ? 馬鹿な神だ、過去の失態を隠蔽しなければよかったのに」
「それにしても似てない親娘だよな」
神が投獄されるなど、初めてのことだ。クリフの噂で持ちきりである。
「本当に娘なのか?」
「そうだろ、現に今も娘の名前ばかり呼んでいる」
「父親には見えないんだよなぁ、もっと……」
女神エロースに反する言葉を口にすると、立場が危うくなることはこの監獄に勤務する者達は知っていた。無実の罪で死んでいった者達を見てきたが、黙秘せねば自分達が殺される。
今回の件も、数人は思っていた「恐らく、クリフ神は嵌められたのだ」と。しかしどうすることもできない。
「どうか、アースに厄が降りかからぬ様に。どうか、罪深き我らを御赦し下さい」
日に日にクリフの言葉が奇っ怪なものへと変わっていった、看守達は顔を見合わせ最初は哂っていた。気が狂ったのだと、思っていた。
しかし。
「我らを御赦し下さい、罪深き我らを御赦し下さい。貴女様の存在を忘れ、自らを神だと名乗る我らを、敬うことなく堕落した我らを見放さないでください」
一体、誰に許しを乞うているのだろうか。
クリフの態度に徐々に畏怖の念を抱き始めた看守達は、罪悪感を覚えていた。クリフの言葉を聴く度に自分達が何か重大な罪を犯している気になってきた、記憶の片隅に残っている痼りが胸を締め付ける。
「このままでは滅亡する」
クリフが呟いていた単語の一つ、滅亡。看守達は最初哂って聞いていたが途中から、顔が引きつり始めた。自分は知っている気がした、何が起こるのかを、クリフの言わんとする意味を。
看守達は、誰に言うわけでもなくクリフと会話をするようになる。基本、罪人との会話は看守であろうとも禁止されていた。しかし、聞かねばならない気がしていた。
「アースの様子を教えてくれ、彼女はどうなっている!?」
「通達では、審判が降されるのが今日です。貴方の娘だというだけで、処罰が与えられるものなのでしょうか」
「そもそもが間違いだ、私ごときの娘であるわけがないだろう、あの方は、恐らく」
あの方。
アースが一体なんだというのか、末端の家系に産まれた土の精霊ではないのだろうか。剥奪されたとはいえ、一度は神だった男が恐れ多いと平伏す娘は何者なのか。
「エロースを止めろ! どうせ私利私欲に走っただけのことだろう、アース様に何かすればただでは済まぬと伝えてくれ」
「そんな無茶な。女神に苦言出来る者などおりませんよ……貴方以外」
クリフが錯乱しているとも思えず、数日後、看守達は皆揃って見て見ぬふりをした。牢の鍵を彼に投げ込んだ。
皆、言い知れぬ何かに怯えていた、クリフだけが真実を知り得、破滅から回避してくれる気がしていた。
「アース様……いや、アサギ様!」
クリフが監獄を飛び出した時には、すでにもう、遅かった。
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