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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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進まない・・・。110501_152456.jpg
友人様画。
左から

ホーチミン
スリザ
アサギ

ホーチミンが綺麗過ぎて嬉しすぎた絵ですー。

というか、ピクシアの使い方がよくわからぬ(おぃ)。
色がぬれませんー・・・。

うーん。

さて、小説書こうかな・・・。







大騒ぎする二人、ハイにアサギ、サイゴンは不思議そうに顔を見合わせて首を傾げた。

「見た? アイセル」
「見た・・・見てしまった・・・」

声を押し潰し、潜めきあう二人は、身体が震えていた。

「ちょ、案外ハイ様手が早いのね。っていうかー、きゃー、ちょっと、やだ、どーしようっ」
「むっつりなんだな・・・あんな幼い子に・・・」

アイセルは言いかけて、首を傾げて真顔に戻る。
そういえば、自分の妹のマビルもアサギと似たような容姿ですでに何人もの男と交わっていたことを思い出した。
むしろ、百戦錬磨である気もする。
・・・見た目では判断できないか、いや、マビルと違ってアサギは非常に清純かつ潔癖な雰囲気だが?
低く唸るアイセルと、想像が暴走し始めたホーチミン。

「でも、素敵よね・・・。魔王と勇者、青年男性と、幼い美少女。ああぁん、どこでどうしてどうなって、あぁなったのかしら!? ハイ様のお部屋!? アサギちゃんのお部屋!? いやーんもう、ホーチミン羨ましくて震えちゃう★」

興奮したホーチミンは本気でアイセルの背中を叩き始める、流石に筋肉質のアイセルとはいえ、女に見えるが実際男の腕力に顔を顰める。
思いの外、痛かった。

「と、とりあえず秘密にしとこうな、ホーチミン」
「そうね、秘密よね・・・。あぁんもう、想像したら眠れない★」

何を想像したのか気になるが、ともかくホーチミンはうっとりと頬を紅く染めてサイゴンを見つめ始める。

「まずいな、ホーチミンに火がついた。・・・頑張れよ、サイゴン?」

悪寒が走り、身震いして肩を擦るサイゴンの後方、情熱の炎を燃やして熱い視線を送っているホーチミン。
げんなりとアイセルは深く深く、溜息を吐いた。
こうなると、明日も暴走してそうだと安易に想像出来たアイセル。
だが、自分は相手がいないから一緒に行っては行けないらしい。
こっそり尾行して様子でも見ようかな、と陶酔モードのホーチミンの手を引き前を歩いている三人に追いつくアイセル。
前を歩くサイゴンは首を縮めて振り返らないように、俯き加減で歩いていた・・・気の毒である。
ホーチミンから、明らかな欲望のオーラが燃え上がっている事くらいアイセルとて判断できた、サイゴンは直にそれを喰らっているのだから・・・当然か。
朝食もこの五人で食べないか、とハイに持ちかけられ、断る理由も無論無いが、断れる度胸も持ち合わせていない魔族三人は大きく頷く。

「ふむ、では明日な。本日は有難う皆」
「おやすみなさい、サイゴン様、アイセル様、ホーチミン様」

軽やかに手を振るハイと、丁寧に深々とお辞儀をするアサギに釣られて三人も更に深くお辞儀する。
小声でホーチミンは隣のアイセルに呟いた、鼻息荒く。

「つ、続きするのかしら!?」
「さ、さぁ・・・」
「あ、明日もキスマーク探さなきゃ★」
「俺は明日行けないから、適当にホーチミン頑張れよ」
「・・・そういえばそうね、アイセルにも相手がいたら来てもいいけど?」

顔を上げた二人の視線の先、見知った顔が立っていた。
怪訝な悲鳴を上げたのは取り巻きの少女達である、そう、スリザ達がそこに居た。
ハイの存在に多少遠慮しつつも、スリザの取り巻き達は汚らしいものでも見るかのようにアイセルに侮蔑の視線を送っている。
気まずそうに顔をそらしたのは、スリザだった。
まさか、居るとは思わなかったので唇を軽く噛締め知らぬ間に少女達の背に隠れる。
と言っても、身長が高いスリザなので当然隠れることなど出来ない。
食後の語らいに来ただけで、夕食ではなかったスリザ。
誘われて断れずに歩いてきたが、心底後悔してしまった。

「まっ! 最悪なのですわ~、寄らないでくださいましっ」

喚きたてる取り巻き少女達に苦笑いするサイゴンとアイセル、アサギは異様な雰囲気にハイの服の袖を軽く掴んだ。
気にせずに前に進み出たのは、ホーチミンだ。

「あ、スリザ。いいトコに。明日暇かしら? デートしない?」
「・・・は?」

すっとんきょうな声を上げたスリザ、何故ホーチミンにデートに誘われたのか理解出来ない。
対象がサイゴンから自分に移ったのか? と首を傾げる。
確かに美女のような容姿のホーチミンと、男装の麗人の自分となら釣り合いは取れるが・・・。

「ハイ様とアサギちゃん。私とサイゴン。で、今アイセルが一人ぼっちなの、アイセルの相手に抜擢してあげる」

にっこりと微笑んだホーチミン、軽くアイセルが後方で舌打ちしたが耳には届かない。
青褪めて身体を大きく震わせたスリザ、だが自分で言葉を発する前に取り巻き少女達が反論である。

「私達の高貴なスリザ様は汚らわしい男とデートなどしませんわっ! 気安く声をかけないで下さる?」
「高貴って・・・。こっちには魔王のハイ様もいらっしゃるのにぃ? 失礼よ」
「アイセルなどと、見境ない変態欲望煩悩塗れ男の近くに寄ったら、身ごもってしまいますわっ」

酷い言われようである、流石にホーチミンも眉を顰めて仁王立ち。
だが、気にする素振りも無くアイセルは一歩進み出た、思わず身体を硬直させるスリザ。

「ひっどいなぁー? スリザちゃんはどう? デートする?」
「す、するかっ、馬鹿者っ。死んでしまえっ」

緊張し、声が裏返ったスリザ、朝の出来事を思い出し上手く前が見られない。
ふと、ホーチミンがそのスリザの異変に気付き、後方のアイセルを盗み見るがアイセルは平素と同じ様にえへら、と笑っている。
しかし、スリザの態度が平素と違う、明らかにアイセルを意識していることなどホーチミンにとっては一目両全だ。
腕を組み、無表情でスリザを鋭く睨むように見つめる、女ではないが女の恋愛の勘が人一倍優れているホーチミンである。
これは、問い詰める必要がありそうね? ちらり、とアイセルを盗み見るホーチミン。

「俺、相手いないから明日諦める」
「あら、そぉ? 可哀想なアイセル。・・・スリザも、いい加減そんな心が汚い女の子達に取り巻かれてないで男と交わったら?」
「なっ!?」
「干からびちゃうわよ?」

しれっと、と言い放ち、颯爽と歩き出したアイセルについていくように軽く微笑しホーチミンも踵を返した。

「あ、あの・・・」
「ごめんなさいね、アサギちゃん。聴き難い会話だったよね? さ、明日に備えて寝ましょうか」
「あ、はい、あぅ」

後方で喚きたてている少女達に軽くアサギは会釈すると、慌ててハイに連れられて立ち去る。
取り残された少女とスリザ、騒々しくテーブルを陣取りスイーツを頬張り始めた。

「うっざ! 何よ男の癖にホーチミンの奴っ」
「ちょっと綺麗だからって!」

ホーチミンには、女の友達がいなかった。
普段会話するのは一応上司のスリザくらいだ、気の会う女がいないのである。
懐いていたサイゴンの姉のマドリードは、亡くなった。
姉の様に慕っていたマドリード、彼女は自分が男でも変わらず女として接してくれた。
一人で衣服を買いに行けば、女同士ワイワイ買い物しているグループを見つめ知らず溜息。
気の会う友人が、欲しかったのだった。
だが、自分が‘美人‘過ぎる為か女たちは歩み寄ってくれない、壁を隔てられている。
ようやく出来そうなアサギという友達、人間の勇者だが別に構わない。
アサギは自分をまだ女だと思い込んでいるのだろう、男と知ったら嫌悪されるだろうか?
アサギ達と離れたホーチミンは、サイゴンの腕に抱きつきながら、憂鬱そうに眉を顰めていた。
言うタイミングを、逃したかもしれないと後悔を微かに始めてしまう。
先程まで、楽しかったのだが・・・急に冷めて現実に戻ったホーチミンは落胆した。
女だったら、よかったのに。
何度も言い聞かせた、自分は男だと言い聞かせた。
身体は男だ、水浴びして自分の身体を目に映せば、性器は男のものだった。
性別など、関係ないと何度も言い聞かせた、だが周囲は解ってはくれなかった。
たまたま、好きになった相手が男だっただけだ、恋には違いないと何度も言い聞かせた。

「ミン? どうした?」
「・・・なんでもない」

静かなホーチミンに、歩きながら問うサイゴン。
思わず、強くサイゴンの腕を掴んで上を向いてホーチミンは笑う。
複雑だな、ドコもかしこも・・・二人から数歩離れた場所を歩くアイセル、苦笑いする。

「じゃ、おやすみお二人さん」
「あぁ、おやすみアイセル」
「おやすみー、またね」

ハイの部屋に戻ってきたアサギとハイ、室内は当然真っ暗だった。
灯りを燈そうと小さく火の魔法を詠唱するハイ、しかし。

「きゃっ」

アサギの小さな悲鳴、続いてハイの悲鳴。
暗闇の中に突如浮かび上がった、光は淡く。
揺らめきながら、部屋の中心で光は蠢いていた。

「おーかーえーりーぐー」

くぐもった声は無論、リュウだ。
蝋燭の火に照らされて、ゆっくりと近寄ってくる姿が恐怖。

「な、なんなんだお前はっ」

怒り気味でつかつかと進み、リュウに叱咤するハイ。
人の室内に不法侵入、嫌がらせ。
憤慨しているハイの傍らをするり、と擦り抜けてリュウは愉快そうに笑う。

「あははー、私を置いて食事に行った罰なのだぐ。じゃあね、アサギ。おやすみだぐーよ!」

おやすみなさい、と手を振り返したアサギだがハイは油断ならぬ、と瞳を光らせてリュウを睨みつけており挨拶などしない。
バタン、とドアが閉まる音、遠ざかる足音にハイはようやく警戒を解いた。

「・・・やれやれ。さぁアサギ、入浴してもう休もうか」
「あ、そうですね! おやすみなさいハイ様」

無論、入浴は一緒にするわけではない、念の為。
アサギの部屋にバスタブが設置されている、すでに入浴の準備は整っていた。
ホーチミンおススメの石鹸も用意されている、何から何まで至れり尽くせりだ。
ハイはハイで自室のバスタブに浸かる、ほっと一息大きく伸びを。
入浴が終われば本日もアサギの部屋に侵入・・・否、訪れて共に眠る。

「今日は・・・色々あったな。しかし、なんとまぁ充実した生活か」

満足そうにハイはゆったりと湯に浸かり、にんまり、と口元を緩めてしまう。

「アサギ・・・良い子だ・・・。とても、私は今満ち足りている・・・」

そこへ、ノックする音が。
入室を促せば、来訪者は2星ハンニバルから連れてきた信頼する部下のテンザだった。
悪魔であるテンザ、金髪の髪に冷ややかな瞳、常に漆黒の長い衣服を身に纏っているが背には禍々しい羽が生えている。
暗黒神官へと堕ちたハイに心酔し、付き従っていた本来ならば両極に値するテンザである。

「どうした?」
「いえ・・・。何かご用命はありませんかと」
「うむ、結構だ。休むが良い。そなたは律儀だな」
「・・・承知いたしました」

消えていくテンザ、ハイは穏やかな笑みを浮かべて瞳を閉じた。
部下も優秀だ、アサギを見つけてから何もかも全てが楽しくて明るくて、喜びを感じてしまう。

「ふふふ・・・これが、恋。・・・か」

じみじみと呟く26歳の魔王、多少気味が悪い。
浮かれていたハイには、気付く事ができなかったのだ。
テンザの様子が、態度が若干違っていたことに。
自分の忠実な部下は、悪魔である。
神と両極の悪魔である、神を妬み、愛を愚弄する悪魔である。
・・・ハイは、気付いていなかった、いや、忘れていたのだ。
テンザが、自分に心酔し忠実でいてくれた悪魔であることに。
暗黒神官から、元の”神官”へと戻りつつあるハイに、”悪魔”は果たしてついてくるだろうか?
テンザは、人間を滅した”暗黒神官ハイ”に、心酔していた。
テンザは、人間を愛し始め他人と関わり始めた”神官ハイ”に心酔したままでいられるだろうか。

翌朝。
早起きしたアサギはハイの腕から抜け出ると何かを徐に探し始める、室内を右往左往。
用意されていた読書する机の引き出しを開いていけば、目的のものを見つける。
筆記用具も見つけた、無論ボールペンも鉛筆も無い、つけペンである。
慣れないながらに必死でアサギは文字を書いた、つけペンなど扱った事がない。
ハイが起床する頃、書き終えたアサギは丁重にそれを封筒に仕舞いこむ。

「おはようございます、ハイ様」
「おぉ、早いなアサギ。おはよう。何をしていたのかね?」
「お願い事があるのです」
「ん?」

駆け寄って、そっと差し出した封筒、ハイは首を傾げた。

「これを・・・私の仲間に届けてくださいませんか? 急に私居なくなったじゃないですか、みんな心配しているし探してくれているだろうし、何よりハイ様を、魔王の皆さんを誤解していると思うのです」
「む・・・」

そうなのだ、アサギは別に浮かれていたわけではない。
今こうしている間にも皆がどうなっているのか知りたいし、出来ることならば戻りたい。
ご存知の通り、アサギは魔界で何不自由なく生活を始めているが他の勇者たちは死に物狂いで皆何かと戦い、旅を続けている。

「せめて、手紙で現状さえ解れば・・・」

無用な争いは避けたい、誰だって望むことは同じだろう。
しかし、疑問が浮かんできて仕方が無い。
”何故、勇者として召喚されたのか”?
魔王は誰しも争いを望んでいない、勇者一人、この地で生活しているアサギがその証拠になるだろう。
勇者として召喚された、真の意味が全く理解出来ない。

「なんとかなりませんか?」
「ううむ、なんとかするしかないだろう。アサギの頼みを断れると思うか? 何より、私もそうするべきだと思う。無用な争い事は避けねば・・・本来、発端は私だからな」
「ありがとうございます!」
「しかし・・・今の居場所がな・・・」

ハイは、アサギを追っていた。
追っていたから、位置を把握し迎えに行き、攫って来る事が出来た。
だから、攫った時点で他の勇者の事など眼中になく、無論現時点で仲間達が散ったこと等知る由もない。
他の勇者達など追っては居ない、現状把握が困難な状態だった。
暫しの沈黙の後、ハイは弾かれたように声を荒げる。

「テンザ! テンザは何処にいる!?」
「は・・・、こちらに」

す、っと現れ跪いたテンザ、初めて見る顔だと、アサギはお辞儀をする。

「アサギに紹介はまだだったな? 私の最も信頼しているテンザだ」
「初めまして、テンザ様。アサギといいます」

ハイに紹介され、俯いていたテンザは歯軋りした。
明るい声が上から振ってきた、酷く屈辱感を感じる。
発狂したい気持ちを押し殺し、くぐもった声で発するテンザ。
精一杯の、応対だった。

「・・・お初にお目にかかります・・・」

勇者が、目の前に。
殺したい。
胸を突き刺したい、焼き殺したい、死霊の群れに喰わせてやりたい。
まだ幼い少女だ、肉は柔らかろう、旨かろう。
神聖な神の遣いの勇者だ、高貴な味がするのだろう。
身体が震える、汗が吹き出る、歯が鳴る。

「テンザよ、用事を頼みたい。他の勇者を見つけ出し、この手紙を届けて貰えないだろうか? 顔は解るだろう?」
「はっ・・・」
「無理難題を申し付けているとは思うが、そなたの腕を見込んでいる。頼まれてくれないか」
「主君のご命令とあらば、如何様にも」
「助かる、有難う」

アサギから受け取った封筒を、テンザに渡したハイはにこやかに微笑んだ。
胸を撫で下ろし、テンザに頭を下げるアサギ。

「お願いします! ありがとうございます、テンザ様」
「・・・では、ハイ様。直ぐにでも旅立ちます。お時間戴きます」
「おぉ、任せたぞ」

黒衣を翻し、立ち上がったテンザ。
俯き加減の顔、丁重に封筒を懐に仕舞いこむと一礼しテンザは部屋を出て行く。
ドアが閉まる音が、妙に響き渡っていた。

「あやつに任せておけば何も心配はないぞ、アサギ。仕事も早く、完璧にこなす」
「ふふ、ハイ様はテンザ様に絶大な信頼をしているのですね」
「あぁ。よし、では朝食に向かおうか」

城から飛び立った悪魔テンザ、クレオの魔族達の生活を忌々しそうに見つめ、唾を吐き捨てた。
空気が、合わない。
暢気に暮らしている魔界が、嫌悪感を覚える。
カラスの様に舞いながら、深い森に降り立ったテンザは、ようやくここで咆哮を上げた。
最大の屈辱だ、先程の自分に身の毛がよだった。

「我は、雑用などせぬっ!! ・・・おのれ、あの小娘っ」

懐から取り出し、封筒を破り捨てようとしたが震える手を耐え中身を乱暴に引き出す。
・・・字は読めない。
だが。
テンザはそれを掲げると、禍々しく息を吹きかける。
チリチリ・・・口から吐き出された火炎が封筒を静かに燃やした。
手を離せば、燃えながら地面に落下する封筒。
数分と経たぬ内に、灰へと化す。

「あの、売女が。我のハイ様を・・・っ!」

心酔していた、暗黒ハイはもう何処にもいない。
あのような腑抜けた主君の姿など、吐き気がして見たくは無い。
あの、人間の勇者が、偽りの姿のただの阿婆擦れが。

「赦さぬ・・・骨まで残らず、我の手でっ!」

自分のプライドが、砕かれた。
怒りを篭めてハイを踏み潰すテンザ、地面が徐々に沈んでいくほどに。

「暇を貰ったのだ、鬱憤を晴らさねば」

髪を乱し、凶器の瞳で高笑いしたテンザは、ふらふらと飛び立つ。
人間を、殺害しに行こうかと呟いた。

「あぁ、他の勇者を血祭りに上げたら面白そうだ」

喉の奥で、笑う。
消去された、手紙。
アサギの、手紙。
届かない、手紙。
飛び立ったテンザを地上から見上げていたミラボーの手先、エーアはくすくすと愉快そうに微笑むと、報告すべくミラボーの部屋へと戻っていく。
良い駒を見つけた、と。

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