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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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110217_184959.jpg第三回のやつに投稿をしたいので、初描きしてみた戦LOVE。
成美が描き易いかも・・・。
※奥州は終わっただろう

景勝が難しいなぁ・・・描けないなぁ・・・。
でも、参加賞が欲しいなぁ・・・。

2011、2、17

前回の本編が短いのは、せめて更新しようとしたからです。
本当に短いっ。
110227_150651.jpg110217_215903.jpgお絵かき色々。
マウス崩壊。
ペンタブ処分されてました【実家にて】。

・・・せかっくピクシアなるものを手に入れたのに・・・。
ごふぅ。
ピクシア、面白いです。
なんか色々出来ます。
便利だー。

※でも、まだ色塗りはしていない

小説書かねば・・・。

「アサギ、アサギ、アサギ!」
「はい、はい、はい!」

ハイに呼ばれた分だけ、返事を返すアサギだが、正直戸惑いを隠せずに居る。
ハイの瞳は、虚ろだ。
出合って数日だが、確信を持って平素のハイとは違うと断言できる。
というのも、リュウが混ぜた媚薬のためだ、それでハイの思考回路がおかしくなっているのである。
が、そんなこと二人は知るはずもない。
乙女の直感、目の前”男性”は危険過ぎる。
すっかりと、アサギの小さな身体はハイに覆い隠されてしまっていた。
傍から見たら、アサギの姿など見えず。
大木の根に抱え込むようにして押し倒されてしまったアサギは、ハイの瞳を見つめると思わず固唾を飲み込んで身を小さくする。
何かしらの、只ならぬ気配。
が、身体を縮こませたのがいけなかった、ハイはさらに体重をかけて圧迫させる。

「あ、あの、ハイ様! もしもしっ」

アサギの上ずった、焦燥感の混じった声に、一瞬ハイは瞳を軽く開く。
が、右手でアサギの髪に触れて頭部を撫でつつ顔を、唇を近づける。
硬直。
思わず、瞳を硬く閉じたアサギだが混乱しつつも何処かで冷静だった。
叫んでも、誰も来ない。
体格の良いハイが相手では、アサギの力など微力。
以前習った痴漢撃退法をやってみるべきか、いや、しかしハイは痴漢ではない。
思考回路、半崩壊。
落ち着きなくしたアサギの脳裏に、何故か三つの影が浮かぶ。
思わずアサギは手を伸ばす、一人はミノルだったが横を向いている。
もう一人はトビィだった、手を伸ばしてくれている。

―――・・・え? 誰・・・? だ、れ・・・?―――

そう、もう一人。
明らかに人型の、影がじっとこちらを見据えている。
影は次第に大きくなった、いや、近づいて来ていた。
すると、ミノルとトビィが掻き消されたように消滅している。
す、っと。
影が近づくたびに透明になって、全て消えた。
一つの影が、こちらを見ている。
片想いのミノルではなく、憧れのトビィでもなく。

―――だぁれ? ハイ様ですか?―――

呼びかけてみた、が、影は怒った様に身体を揺らす。
激しく首を横に振っているようだ、否定しているらしい。

「解らないんです、誰?」

不思議な感覚、挑むようにアサギは両手を広げると影を見据える。
けれど、もどかしい気持ちなのは何処かで”憶えているから”。
解らないはずなのに、知らないはずなのに、それでも・・・”憶えている”。
記憶の片隅、忘却の彼方、箱の奥底。
影は、揺らめいた、一瞬だったが。
紫銀の短髪、トビィに似ていて非なる少年が姿を見せる。
少年と言ってもアサギよりは年上だ、トビィくらいだろう。
息を飲み込んだ、知っている気がしてならない、懐かしい気がしてならない、愛しくて仕方がない、それでいて罪深くて・・・。

「オレ以外の男に近づかないで、約束だ」

はっきりと、声が聴こえた。
聞き覚えのある声だった、懐かしくて涙が零れそうになった。
低くもなく、高くもなく、愛しいとさえ感じる声。
やはり、知っている声だったのだ。
綺麗な瞳は鋭くて、それでいて幼く。
抱きつきたい衝動にさえ駆られたその男。

「懐かしい・・・っ、待って、待って!」

思わず、声を張り上げて瞳を開くと零れるほどの深緑。
森の中の大木の上だ、ハイが、いない。

「ひぁっ!?」

小さく叫んだアサギ、首筋に柔らかく軽い痛みを感じて思わず声を出す。
首筋に舌を這わせ、きつく唇で吸っていた。
だから、ハイの顔が上になかったのだ。

「っ! やぁっ!」

身体が跳ね上がる、大きく瞳を開いてアサギは震える右手でハイの胸を押し返そうと力を入れるが微力。
乾く口内、言葉が出てこない。
全身が痺れていく感覚、吸われる度に身体は跳ね上がるのだが、脳まで痺れていくようで。
粘膜が擦れる音が耳に響く、急速に力が抜けていく。
世界が、廻る。
上下が反転するように、木々が覆い被さるように。
おぼろげに、見上げる空はざわめく森。

―――助けて―――
―――助けて? オレの言う事を聞かないからだろ? 何、殺されたいの?―――

再び、声が聴こえた。
弾かれたように、瞬き。

「ま、待って、嫌わないで!」

小さく叫んだアサギは無我夢中でもがいてみる、必死にハイの身体を押し返すように。
落胆気味の、蔑んだ様な男の声。
焦燥感に駆られてアサギはハイの胸板を叩く、我に返ったのだ。
と、下からの抵抗にハイの身体が起き上がった。
静かに、崩れ落ちるように大木から地面に転がるようにドサ、と落ちたハイ。
荒い呼吸を繰り返すアサギは、それでも自分に覆い被さっていた体温と重心が消えたことに胸を撫で下ろす。
嫌な汗が流れていた、ハイが怖かった、というよりも何故か他の感情が支配している。

・・・あの人に、嫌われる・・・

あの人、が誰かも解らないのだが、嫌われると直感した。
それだけは、避けたかった。
ひんやりとした首筋に指を這わせれば、空気に冷えたねっとりとした唾液が糸を引く。
虚ろな瞳で、アサギはずり落ちたハイを見つめた。
気だるそうに、微かに首だけを動かし大木に寝そべったまま。
それが扇情的だが、今のハイはそんなことどうでも良い。
顔面蒼白で、口元を押さえたままハイは泣いていた。
細い瞳から、幾つも涙の筋を作り、嗚咽を堪えて片手で顔面を覆い隠して泣いている。
思わず、顔を顰めてアサギは重い身体を無理に動かし手を伸ばした。
迷子の子供、親に叱られた子供の様にハイが見えて、可哀想で。
だが、痺れが取れないアサギの身体は痛々しくしか手が伸びず。
それでもハイは気付いた、気付いて空いている片手でそれを制する。
沈黙、風も止む。
大の男が、大泣き中。
辛うじて声だけは堪えているが、羞恥心に罪悪感に押し潰されそうなハイだった。
ようやく、ハイは唇を噛締めアサギへと視線を向けた。
視線が、交差する。
大きな瞳でハイをじっと見ていたアサギだ、交差するわけである。
交差した、瞬間だった。

「申し訳ない! 申し訳ない! 申し訳ない!」

森に木霊する大声、鳥達が驚いて飛び立ち木々が揺れる。
連呼、ひたすら連呼。
地面に土下座し額を擦りつけて謝罪をするハイ、呆気にとられてアサギは何も言えなかった。
ようやく動き出した身体を起こし、アサギは大木に座ったままハイを見下ろす。
脚を、ぷらぷら、と。
時折咽ながらも、一向に謝罪を止めないハイ。
惨めだ、なんて惨めな魔王だろう。
ハイらしいといえば、ハイらしいが・・・。

「勇者に謝る、魔王様。子供に謝る、大人の男の人」

ぽつり、とアサギが呟く。
それでも、耳に届かないハイは叫ぶように精一杯謝罪をしたまま。
先程の違和感を微塵も感じないハイ、震える身体は怯えているからだろう。
むせながらも、止めないハイの姿を見ていれば誰でも気の毒に思えてくる。
アサギは一つ小さく溜息を吐くと、勢い良く立ち上がりハイの腕を両手で掴んで引っ張り上げた。
驚き、慌てて顔をそらしたハイだがアサギはしゃがみ込んでハイの身体を抱き抱えるように起こそうと力を篭める。
無論、起き上がるわけはない、ハイの力が勝っている。

「す、すまない! あ、合わせる顔がなく・・・。その・・・申し訳ない!」
「あ、あの、もういいです・・・。立ってください、その」
「い、いや! それは駄目だ! 謝らせてくれ!」

パシ、とアサギの手を払い除け、再び地面に突っ伏したハイだが。
今、払い除けた手を思い出した。
慌てて、見上げればアサギの右手が微かに赤くなっている。
謝る事に必死で、アサギの手をはたいたことを、忘れていた。

「す、すまない! い、痛かったろう!? い、今回復の呪文を・・・」
「呪文なんて使うほどじゃないです」

ほんの僅かに赤くなっていたアサギの手を優しく強引に掴んだハイだが、苦笑いしてアサギはそれを制した。

「す、すまない、すまない! 本当に申し訳ない! あぁ、私はどうしたら良いのかっ」
「あ、あの、もういいですから」

ハイは、再びしゃがみ込むとアサギの両足に思い切り抱きつく。
意外な行動にアサギはバランスが崩れたが、倒れこむことはなかった。
別れ話を告げられた軟弱男と、女・・・の構図だが26歳の男と12歳の少女なところが如何わしさ大爆発。
ハイは、必死なのだ。
アサギの生脚にすがり付いているが、意図的ではない。

「アサギ!」
「は、はいっ」
「私はどうかしていた・・・意識がなかったような気もするが、先程の愚行は事実だ、偽ることなど出来ぬ、言い訳もせぬ! だから・・・怖かったろう? 嫌だったろう? だから、私にアサギも同じことをするが良い!」
「・・・」

再度言うが、ハイは必死だ。
意図的ではない。
アサギは、面食らった。
本来ならば飛び上がって、ひっくり返っていただろう。
赤面したアサギは、首を横に振る。

「む、無理です、出来ませんっ」

つまり、ハイを大木に押し倒して首筋に舌を這わせて嘗めて吸え、ということだろう。
・・・無理に決まっている。

「では、私を思う存分殴るといい! アサギにならば殴られても本望、さぁ、先程の怒りを振り払うように!」
「え、えぇ!?」

なんだかもう、変な構図になってしまった。
アサギは、何故か露出度の高い光沢ある衣服に身を包んだ美女と、縛られた鞭を振るわれている男を想像した。
・・・SM?
それを、自分とハイに擱きかけて・・・みたが慌てて消去。
冗談ではない、そんな趣味はもちろんアサギにはない。
赤面したまま、困り果てたアサギは俯いた。
よりすがっているハイが、小さく見える。
気の毒で、哀れで、それでいて何故か可愛らしく。
アサギは、根性を出す、肝を据える。
両手に、息を吹きかけながらハイを見下ろした。

「解りました、手を離してください。瞳をよーく瞑って歯を食い縛ってください。一撃で行きます」

観念したようなアサギの声、ハイは何度も頷くとそっとアサギの脚から手を離す。

「さぁ、遠慮なく!」

アサギの本気の一撃を覚悟し、ハイはドン、と顔をアサギへと突き出す。
これで先程の事が赦して貰えるのならば、お安いものである。
というか、、寧ろ光栄である。
・・・光栄というのもどうかと思うが。

「いいですか? いきますよ? ・・・せーのっ」

風が、ハイの顔へ。
身を硬くしたハイの耳に届いたのは ぺちん というなんとも可愛らしい音だ。
おそるおそる、瞳を開く。

「ぺ、ぺちん? ・・・え、あ?」

アサギが微笑み、じっと見つめていた。
小さな手でハイの頬を包み込み、慈しむように優しく目の前に居るアサギ。

「これで、終わりです。おなかすきましたね、ご飯食べましょう」

掌をそっと離すと、アサギは再びにっこりとハイに微笑むと頭を二回、撫でた。
お弁当が入ったバスケットを両手で持ち上げ、大木に腰掛ける。
くすぐったい、未だに残るハイの頭部。
柔らかで暖かな掌、子供の頃、両親に撫でられたような撫でられていないような。
懐かしくも、恥ずかしく、それでいて心がじんわりくる・・・。
赤面し慌ててハイはアサギの後を追う、しどろもどろ。

「あ、アサギ? 先程のあれでは・・・」

すっかり冷静さを取り戻したアサギは、一人でハイを無視しバスケットを広げて中のサンドイッチを手にすると口へ運んだ。
もぐもぐもぐ。
慌てて隣に腰掛けたハイは、身振り手振りで弁解を開始。

「あ、アサギ。怒っているのは解るが、だからこそ私に・・・」

横目でハイを見たアサギ、空いているハイの口にから揚げを放り込む。
もぐもぐ、ごっくん。

「あ、美味いなこれ」

ぼそ、と呟いたハイに息巻く様にアサギがサンドイッチを突き出す。

「もう終わりにしたんです! これ以上まだ何か言うなら私、ホントに怒りますからね!?」

硬直したハイ、確かにアサギは怒気を含んだ声と表情だ。
項垂れるハイの目の前で、アサギは僅かに赤面してそっぽを向く。

「・・・私、恥ずかしかったんですから」

弾かれたように、アサギを見た。
そうである、今回得したのはハイだ。
誰がどう見ても、ハイである。
自分の意思ではないとはいえ、心の奥底には願望があったのだろう。
男だ、オスだ。
今にして思えば、確かに申し訳ないし罪滅ぼしをしたいが、実際感情としてハイ的には・・・嬉しかったりもする。
というか、幸運だ。
頬を赤く染めて恥らいながら憂いを帯びたような表情のアサギ、胸が締め上げられる。
それを振り切り、素に戻そうとしているアサギに心打たれる。
軽蔑されても良いのに、アサギはそうしなかった。
不謹慎だが、途中までは確かにハイの意志はあった、台詞まで忘れて貰っては困る。

「わ、解った、解ったから最後に聞いてくれ! 私が言いかけたことを、聴いてくれ!」

むっとして目じりを上げて怒りかけたアサギの表情が緩む、ハイの真剣な眼差しを受けたからだった。
開きかけた口を閉じ、アサギは小さく頷いた。
安堵に胸を撫で下ろし、ハイはそっと躊躇いがちにアサギの髪を撫でる。

「私はアサギの事をとても大切に想っている。傍に居たい、居て欲しい、護りたい。だが、アサギの気持ちは無視できない、無理強いはしない。強引に攫ってきてしまったのだ、帰りたいだろう。あの時は、アサギに会うことしか考えていなかった、後先考えずに行動した結果がこれだ。私は自分の事しか考えていなかった・・・。
アサギが嫌ならば、魔王とて辞める、何でもしよう、だから・・・」
「私、護って貰いたくないです。自分は自分で護ります。でも、ハイ様の事は好きだから傍に居たいし、魔界の皆さんも楽しいから好きです、ここに居るのは苦痛ではないです。でも、みんなは心配。私は勇者で、ハイ様は魔王」

二人の視線が交差した、時が止まる。
引き寄せられるように、二人は見つめ合う。
それは、ハイにとっては願ってもない時間だった。
うっとりするような、幸せな時間だった。
しかし、それはそれとして。

ぐーきゅるるるるるるる

静寂と甘い雰囲気をぶち壊した、この音に思わずアサギが爆笑する。
ハイも、照れ笑いを浮かべて自分の腹を擦った。
腹の虫が鳴いたのだ、生理現象は抑えられない。
折角の甘い雰囲気を・・・この空気を読まない腹虫めが!
ハイが自身の腹を軽く殴ると、答えるように再び腹の虫がけたたましく鳴く。
再び吹き出したアサギ、ハイも肩の荷を降ろして愉快そうに笑っているアサギを見つめる。
なんて楽しげに笑うのだろう、こちらまで笑いたくなる。
理由はどうであれ。
自分が原因でアサギが笑ってくれることが、ハイにとって幸せだった。

「早く食べましょう! さ、ね?」

微笑んだアサギ、ハイの口元に再びから揚げを近づける。

・・・森の片隅、静寂の帳。
二人から少し離れた場所の地面の草が、何かに、踏まれた。
異質な感じにハイが顔を上げたが、何もなく。
それでも、そこに、何かが”いた”。
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