別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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トビィお兄様、今こんなとこの上空を飛んでます。
急いでください(マテ)。
ところでここは何処の海だったかな・・・。
新潟かな・・・。
記憶がないゾ☆ ←続・崩壊中
さてと、温泉行ってきますっ。
・・・2011年1月23日。
「うーん、たのしみなのだぐっ!」
魔界イヴァン、魔王アレクの城の周辺には巨大な湖が存在する。
マリアナ湖、と名付けられているその湖にはこの時期になると水浴びを愉しむべく魔族達が氾濫していた。
海に囲まれている魔界イヴァンだが、波もなく穏やかで美しい湖なので海水浴より人気があるらしい。
のんびり、まったりと各々に愉しんでいる魔族達に混ざり、魔王リュウが一角を陣取っている。
リュウに気付いた魔族達は慌てて敬礼をし離れていくため、リュウの周囲だけは広々としている。
魔王なのだから一般の魔族には恐れ多い存在、遠巻きになるのも納得。
別にそう気兼ねしなくても良いのだけどなぁ、とリュウは小さく零すと溜息混じりに離れていった魔族達を見やる。
手の中のグラスの中に入っている、白濁した桃色の液体を一気に飲み干すリュウ。
「リュウ様、イチゴミルクのお替りは如何致しましょう?」
空になったグラスをリュウが差し出せば、にっこりと微笑み傍らの女性が再び並々とグラスにイチゴミルクを注ぐ。
「さぁさ、どうぞ召し上がってくださいまし。まだまだありますし、本日のイチゴは朝露を浴びて極上の宝石の様に皆輝いておりましたからおいしゅう御座いますよ」
ん、と軽い返事を一つ。
リュウは再びグラスを空けると、直様同じ様にお替りを所望する。
空になったグラスを片手に、賑わう湖を眩しそうに見つめていた。
光の加減で反射する水、風によって起こる波が心地良い音を奏でていた。
小さな欠伸を一つ、リュウは静かに、ゆっくりと重たくなった瞼を閉じる。
注がれたイチゴミルクには口をつけず、傍らのテーブルにそれを置くとゆっくりと背を倒す。
傍らに控えていた男が、そっと日陰を作るように傘を差し出す。
別に、リュウは水浴びを愉しむ為にここへ足を運んだわけではない。
チェアー式ベッドに、大きなパラソル、テーブルにティーセットを用意して傍らには無論『リュウ七人衆』。
日光浴兼昼寝である、大掛かりな。
暖かな陽射し、心地良い耳音、自然に瞼も閉じていく。
脳の活動も停止する、考えなければいけないことが多々あるのに。
うとうと、うとうと・・・。
寝息を立て始めたリュウ、胸を撫で下ろし七人衆は寝顔を覗き込むと互いに微笑む。
安堵した七人は、その場に腰を下ろして和やかに空を見上げた。
「リュウ様の寝顔。 変わってらっしゃらないなぁ、昔と」
「えぇ、本当に可愛らしい事。昔はよく、木の上で眠ってらっしゃったわよね。バジル様に怒られていたわ、ふふふ。
・・・それが、こんなにも大きく逞しく立派に成長され、私達を救ってくださった・・・」
七人同時に、言葉が途切れた。
黙り込んだまま七人は遠くから聞こえてくる魔族達の声に耳を傾ける、懐かしい情景だ。
皆が皆、思い出に耽っていた。
故郷を離れようとも、主は常に傍らに、必ず恩を返そうと助けようと支えになろうと皆で誓った・・・あの日。
ここは安息の地、4星クレオの魔界イヴァン、故郷ではなくとも安息の地。
七人衆は魔族ではない、皆異種族である。
しばしの、沈黙が続いた。
突如立ち上がった男に、他の6人は怪訝な瞳を投げかけたが気にせずに語り出した男。
「リュウ様は、思い出してはおられぬ。過去に捕らわれてもいない。故郷を捨てたわけではないが、今を大切にしてらっしゃるのだ。ならば我らもそれに従おう、この方を全力で護るのだ」
6人は、俯いた。
”故郷”。
ここより遠い、遠い場所。
”もう、戻れない”場所だとは皆十分承知だった、何故ならば故郷への扉はリュウの手によって閉ざされているからだ。
リュウが自ら扉を開くことはないだろう、リュウにとってそれが最大の責任である。
だから、誰しも何人たりとも”故郷”へは行けない戻れない。
家族が、恋人がその地で待っているだろうが、無理なのだ。
皆理解している筈だ、これが最善であると・・・。
男は、そっと陽射しに姿を現した。
全身を茶羽に覆われた、亜種である。
両の脚にはやたらと傷があるのだが、随分と過去のものらしい。
鋭い瞳は猛禽類を彷彿とさせ、”故郷”では山岳地帯に住んでいた。
故郷を思い出している他の6人を励ますように、声高らかに明るい声を出す男。
「そういえば、今日はリュウ様はハイ様にお会いしていないが・・・どうしたのだろうな?」
返事し易い会話への流れだ、皆、躊躇しつつも会話に加わっていく。
慌てて同じ位の歳の男が立ち上がると、嬉しそうに語り出す。
「そうだよな、どうなされたのだろうな。ハイ様くらいしか心を開かれていないのに」
「アサギ様が来られて、拗ねてらっしゃるのでは?」
尽きる事ない会話が始まる、憶測開始だ。
「ハイ様の存在が、リュウ様に生きる希望を与えたのだ・・・。途中から現れた”人間”の”勇者”にとられては面白くなかろうよ」
一瞬、空気が淀む。
「で、でも、リュウ様もアサギ様の事は気に入ってらっしゃるみたいよ? 確かにあの子はふわふわで可愛らしいわ」
「でも、”人間”の”勇者”で・・・」
「ゆ、勇者には到底見えないけれど!」
皆、夢中だった。
誰もリュウが薄っすらと瞳を開いた事になど気付いていなかった。
目が覚めたリュウは、気配を悟られまいとして微動だせずに耳だけ傾ける。
七人の愉快そうな会話と弾む声が聴こえてきて、軽く口元に笑みを浮かべた。
ずっと、考えていた。
これまでの自分の行動、今後の行動、何をすれば”救える”のか。
故郷の者達の身の安全は確保している、己が封印を施したのだ、扉を閉じた。
問題は、散らばっている仲間達の安否である七人は救出しこうして共に居るがこんな人数であるはずはない。普通に暮らしていてくれれば問題はないのだが、万が一戦いの道具になってしまっていたらどうすれば。
冗談ではない、一刻も早く救出しなければいけないのに・・・。
しかし、1星ネロへ単独で出向いては怪しまれる。
短時間で確実に救出できる方法を探さねばならない、が、2星ハンニバルにもそんな方法何処にもなかった。
4星クレオにも、未だそんな文献を見つけることなど出来ないでいる。
竜族のリュウは、寿命の心配などはしていない、不当な待遇を受けている仲間の身を案じているだけだ。
リュウは、唇を噛締めた。
ちらり、と横目で七人を見つめるが誰もまだ自分が起きた事に気付いていないようだった。
陰鬱になった心を払うように、澄み切った青空を見つめる。
場所は違えど、空の美しい青はそのままだ。
泣いては、いけない。
求めては、いけない。
帰りたいとは、思わない・・・!
自分が弱気でどうする、あぁして七人は自分を信じてついてきてくれている。
愛情に飢えてはいけない、甘えてはいけない、自分は慕われ頼らているのだから。
ぎゅ、と硬く瞳を閉じ寝言の様にリュウは呟く。
その声を、七人は聞き取った。
「ハイにはね、スイカにね、薬を仕込んでおいたのだぐ。ちょっと、大胆になっちゃう薬を、ね。
早い話・・・媚薬だぐ!」
ええええええええええええええええええ!
七人の叫び声が、マリアナ湖に反響する。
なんてことをしたんだ、魔王リュウ。
魔界イヴァン、魔王アレクの城の周辺には巨大な湖が存在する。
マリアナ湖、と名付けられているその湖にはこの時期になると水浴びを愉しむべく魔族達が氾濫していた。
海に囲まれている魔界イヴァンだが、波もなく穏やかで美しい湖なので海水浴より人気があるらしい。
のんびり、まったりと各々に愉しんでいる魔族達に混ざり、魔王リュウが一角を陣取っている。
リュウに気付いた魔族達は慌てて敬礼をし離れていくため、リュウの周囲だけは広々としている。
魔王なのだから一般の魔族には恐れ多い存在、遠巻きになるのも納得。
別にそう気兼ねしなくても良いのだけどなぁ、とリュウは小さく零すと溜息混じりに離れていった魔族達を見やる。
手の中のグラスの中に入っている、白濁した桃色の液体を一気に飲み干すリュウ。
「リュウ様、イチゴミルクのお替りは如何致しましょう?」
空になったグラスをリュウが差し出せば、にっこりと微笑み傍らの女性が再び並々とグラスにイチゴミルクを注ぐ。
「さぁさ、どうぞ召し上がってくださいまし。まだまだありますし、本日のイチゴは朝露を浴びて極上の宝石の様に皆輝いておりましたからおいしゅう御座いますよ」
ん、と軽い返事を一つ。
リュウは再びグラスを空けると、直様同じ様にお替りを所望する。
空になったグラスを片手に、賑わう湖を眩しそうに見つめていた。
光の加減で反射する水、風によって起こる波が心地良い音を奏でていた。
小さな欠伸を一つ、リュウは静かに、ゆっくりと重たくなった瞼を閉じる。
注がれたイチゴミルクには口をつけず、傍らのテーブルにそれを置くとゆっくりと背を倒す。
傍らに控えていた男が、そっと日陰を作るように傘を差し出す。
別に、リュウは水浴びを愉しむ為にここへ足を運んだわけではない。
チェアー式ベッドに、大きなパラソル、テーブルにティーセットを用意して傍らには無論『リュウ七人衆』。
日光浴兼昼寝である、大掛かりな。
暖かな陽射し、心地良い耳音、自然に瞼も閉じていく。
脳の活動も停止する、考えなければいけないことが多々あるのに。
うとうと、うとうと・・・。
寝息を立て始めたリュウ、胸を撫で下ろし七人衆は寝顔を覗き込むと互いに微笑む。
安堵した七人は、その場に腰を下ろして和やかに空を見上げた。
「リュウ様の寝顔。 変わってらっしゃらないなぁ、昔と」
「えぇ、本当に可愛らしい事。昔はよく、木の上で眠ってらっしゃったわよね。バジル様に怒られていたわ、ふふふ。
・・・それが、こんなにも大きく逞しく立派に成長され、私達を救ってくださった・・・」
七人同時に、言葉が途切れた。
黙り込んだまま七人は遠くから聞こえてくる魔族達の声に耳を傾ける、懐かしい情景だ。
皆が皆、思い出に耽っていた。
故郷を離れようとも、主は常に傍らに、必ず恩を返そうと助けようと支えになろうと皆で誓った・・・あの日。
ここは安息の地、4星クレオの魔界イヴァン、故郷ではなくとも安息の地。
七人衆は魔族ではない、皆異種族である。
しばしの、沈黙が続いた。
突如立ち上がった男に、他の6人は怪訝な瞳を投げかけたが気にせずに語り出した男。
「リュウ様は、思い出してはおられぬ。過去に捕らわれてもいない。故郷を捨てたわけではないが、今を大切にしてらっしゃるのだ。ならば我らもそれに従おう、この方を全力で護るのだ」
6人は、俯いた。
”故郷”。
ここより遠い、遠い場所。
”もう、戻れない”場所だとは皆十分承知だった、何故ならば故郷への扉はリュウの手によって閉ざされているからだ。
リュウが自ら扉を開くことはないだろう、リュウにとってそれが最大の責任である。
だから、誰しも何人たりとも”故郷”へは行けない戻れない。
家族が、恋人がその地で待っているだろうが、無理なのだ。
皆理解している筈だ、これが最善であると・・・。
男は、そっと陽射しに姿を現した。
全身を茶羽に覆われた、亜種である。
両の脚にはやたらと傷があるのだが、随分と過去のものらしい。
鋭い瞳は猛禽類を彷彿とさせ、”故郷”では山岳地帯に住んでいた。
故郷を思い出している他の6人を励ますように、声高らかに明るい声を出す男。
「そういえば、今日はリュウ様はハイ様にお会いしていないが・・・どうしたのだろうな?」
返事し易い会話への流れだ、皆、躊躇しつつも会話に加わっていく。
慌てて同じ位の歳の男が立ち上がると、嬉しそうに語り出す。
「そうだよな、どうなされたのだろうな。ハイ様くらいしか心を開かれていないのに」
「アサギ様が来られて、拗ねてらっしゃるのでは?」
尽きる事ない会話が始まる、憶測開始だ。
「ハイ様の存在が、リュウ様に生きる希望を与えたのだ・・・。途中から現れた”人間”の”勇者”にとられては面白くなかろうよ」
一瞬、空気が淀む。
「で、でも、リュウ様もアサギ様の事は気に入ってらっしゃるみたいよ? 確かにあの子はふわふわで可愛らしいわ」
「でも、”人間”の”勇者”で・・・」
「ゆ、勇者には到底見えないけれど!」
皆、夢中だった。
誰もリュウが薄っすらと瞳を開いた事になど気付いていなかった。
目が覚めたリュウは、気配を悟られまいとして微動だせずに耳だけ傾ける。
七人の愉快そうな会話と弾む声が聴こえてきて、軽く口元に笑みを浮かべた。
ずっと、考えていた。
これまでの自分の行動、今後の行動、何をすれば”救える”のか。
故郷の者達の身の安全は確保している、己が封印を施したのだ、扉を閉じた。
問題は、散らばっている仲間達の安否である七人は救出しこうして共に居るがこんな人数であるはずはない。普通に暮らしていてくれれば問題はないのだが、万が一戦いの道具になってしまっていたらどうすれば。
冗談ではない、一刻も早く救出しなければいけないのに・・・。
しかし、1星ネロへ単独で出向いては怪しまれる。
短時間で確実に救出できる方法を探さねばならない、が、2星ハンニバルにもそんな方法何処にもなかった。
4星クレオにも、未だそんな文献を見つけることなど出来ないでいる。
竜族のリュウは、寿命の心配などはしていない、不当な待遇を受けている仲間の身を案じているだけだ。
リュウは、唇を噛締めた。
ちらり、と横目で七人を見つめるが誰もまだ自分が起きた事に気付いていないようだった。
陰鬱になった心を払うように、澄み切った青空を見つめる。
場所は違えど、空の美しい青はそのままだ。
泣いては、いけない。
求めては、いけない。
帰りたいとは、思わない・・・!
自分が弱気でどうする、あぁして七人は自分を信じてついてきてくれている。
愛情に飢えてはいけない、甘えてはいけない、自分は慕われ頼らているのだから。
ぎゅ、と硬く瞳を閉じ寝言の様にリュウは呟く。
その声を、七人は聞き取った。
「ハイにはね、スイカにね、薬を仕込んでおいたのだぐ。ちょっと、大胆になっちゃう薬を、ね。
早い話・・・媚薬だぐ!」
ええええええええええええええええええ!
七人の叫び声が、マリアナ湖に反響する。
なんてことをしたんだ、魔王リュウ。
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