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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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淡い桃色の便箋。
両端に花の押し型。これは・・・マーガレットだろう。
花言葉は「愛の誠実」。
お揃いの封筒に入れられた、その便箋。

少女は数日前、自室のテーブル手紙を書いていた。
愛する男へと、手紙を書いていた。
まさかこれが最後の手紙になろうとは、思っていなかった。
特別な手紙であれども、最後の、そして届けることなく消え行くことになろうとは。
・・・少女は全く思っていなかった。
届くものだと信じていた、疑うこともなかった、そんなこと考えもしていなかった。
窓から差し込む月の光は穏やかで。
この寒い冬だからこそ窓は開いていなかったが、カーテンは開けたままだ。 
月と無数の星の光を不意に見つめ、微笑む。
この時ばかりは少女に『悪い予感』が、訪れなかった。
傍らにアロマキャンドル、口の端に笑みを浮かべたまま、天井を見上げて一呼吸。
ペンを持つ手に軽く力を入れる。
恋人へ宛てる手紙。
想いを精一杯込めて書く手紙。

『Dear________
お元気ですか? と、書くのも変だね☆ 今日はね、想いを全部この手紙に閉じ込めてみるんだ。最後まで、読んでね。
あのね、あのね。ついにお許しが貰えたんだよ! 一緒に二人で暮らしても良いんだって! 凄いでしょ!?
ふふっ、今日さっきね、お許しが出たの。今日会いに行っても良い? って聞いたら、今日まではダメ、だって。
明日からなら良いから、少し我慢しなさい。・・・って言われたの。
明日。
あと数時間で明日になる。
そうしたら、もう離れることもないね。ずっと、一緒だね。待った甲斐があったよね!
ホントにホントに嬉しくてね。想いは、願いは叶ったんだーって、感動。
これからずっと一緒に居られるって考えただけで、胸がドキドキしちゃうよ。
何をしようか? 時間はたーくさんあるよ!
今までみたいに「あー、あと数時間でお別れだ、もー、なんで会ってる時って時間はこんなに早く過ぎちゃうのかな」っていじけなくても良いんだよね。
・・・楽しみ。
すっごく楽しみ!
だから。
あなたに私の想いを。
まさかあの時あなたを見つけられるなんて。
一目見て心奪われて、無茶してあなたに会いに行って。
一瞬触れて、後戻り出来ない道へと。
ここまで来るのに何故か反対されて、ナンデ? って思った時もあったけれど。
でもね、終わり良ければ全て良し、なの!
あの時私があの場所に立っていなければ、会えなかったね。
想いだけで行動できた過去の私に、拍手を送りたいの。
あなたは。
ずっと見て居たいのに眩しくて直視出来ないくらい、輝いてる。
髪に触れ、頬に触れ、そっと抱きしめて。
あなたという光に私は溶け込んで。
・・・最初はホントに私はあなたに釣り合うのか迷った。
だって私とあなたでは違いすぎるから。
私には勿体無い人だから。
でも、それも時間をかけてあなたが私の氷を溶かしてくれたから。
堂々と胸を張って、あなたの隣に居たいと思うよ。
何故か時折『・・・傍に居てはいけない人だ』って感じてしまっててね。
でも・・・。
傍に、居たいし。
あなたは、私にこう言ってくれたよね。
「もし。もし二人が何らかの形によって引き離されたとしても。オレが愛しているという事だけは忘れないで、諦めないで、待っていて。変な例えだけれど、未来に嫌な予感がしてさ・・・。もし、オレがオレでなくなって、嫌いだ、とか言ったとしてもそれは本心じゃないから。必ずオレはオレに戻るから、待っていて。愛しているというこの気持ちを変わらず持ち続けるから。・・・頼むよ」
最初はね、「?」だったのね。
でもね、あなたの傍に居て、あなたのことを私も愛しているから。
これから先、何があってもあなたからは離れないよ、愛し続けるよ。
あなたが私のことを「嫌い」って言っても、信じて待ってるよ。
だから、大丈夫。
私はあなたの傍に居る。
きっと離れないから。
あなたの傍でずっと生きていくの。
私の最大の願いです。
あなたという魂に、この時代で出会えた事に感謝を。星を越えて出会えた奇跡に感謝を。あなたが私を愛してくれたという事実に感謝を。
願わくばこのままずっと、二人が同じ想いで過ごしていけるように・・・って・・・。
大丈夫だね!
二人だもの。
必ず幸せになれる。
二人で幸せになるの。
あなたが好きです。
あなたが大好きです。
あなたを愛しています。
私を見てくれてありがとう。
私に触れてくれてありがとう。
私を理解してくれてありがとう。
私を愛してくれてありがとう。
大好き、大好き、大好き。
もう、大丈夫だから。
二人の間に何も問題はなくなったから。
・・・これからも、よろしくね♪
さぁ・・・。
そろそろ明日に備えて寝るね!
この手紙をあなたが読んでいるときは・・・。
もう二人が一緒のときだね。
・・・嬉しいな・・・。
おやすみ、未来の・・・旦那様。
From________』
少女は、大きな袋を引き摺って歩いていた。
荒れ果てた野原を、ただ当てもなく歩き続ける。
最近眠っていない、体力も限界だが精神面のほうが限界が近いその状態で。
足元を見ようも視界が虚ろで石すら目に入らない。
何度か転びそうになりながら、重い足を必死で動かし、重いその袋を必死で引っ張り歩いていた。
ここは、どこだろう。
街からは離れられただろうか?
迷惑の掛からない場所まで到達できたのだろうか?
思考回路はそれしかない。
ここどこ、街離れ、迷惑場所・・・。
もはや瞳に何も映っていないのかもしれない。
荒野と化したその星をただひたすら歩き続ける。
もしかしたら街から数分の場所かもしれないし、数時間の場所まで来たのかもしれない。
時間の感覚すら沸いてこない。
ただただ目的は、街から離れた人の迷惑の掛からない場所まで移動すること。
そして、そこへ到達出来たなら。
不意に少女は立ち止まった。
微かに唇を開く。
乾いた風がすり抜けて行った。
袋から手を離し、焦点を合わせようと何度か瞬きする。
瞳も口腔も乾き切っている。
目が染みる。
唇が痛い。
うっすらと瞳を細めて袋を見た。
軽く右手を前へ・・・袋へと差し出す。
人差し指で、袋を指す。
疲れで震えているのか、それとも。
指はなかなか袋の中心部を指し示さない。
唇を噛み締め、瞳を強引に閉じ、右手に神経を集中させた。
右手の人差し指に熱が篭る、ぼんやりと周りの空気が動き始める。

「っ・・・」

口を開きかけ、慌てて閉じた。
右手を力なく下ろしてしまう。


※そんなわけで、小説の間より転載。
実はこれ、途中ではなく。
『君に咲く花』につながってくるので、ここで一旦止めてあったりします。
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