別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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作者は、トビィとアリナのコンビも大好きです。
なんのかんので、この二人も仲良し。
過去は本編を時間を同じように様々な人物で話を進めていたのですが、ころころ場面が変わるので意味不明かな、と思い直し。
一気にそれぞれの話を進めてみることにしてみますのです。
アサギ編がどえりゃ―長いであかんわぁ(何名古屋弁)。
とりあえず、当面の目標はトビィが魔界へ出向くまで。
喜んでくれるといいなぁ、トビィ君の後ろさん(笑)。
番外編も、外伝8も、ここで導入しちゃうよーっ。
頑張れトビィ!!!
めも:これで3310文字。
船を衝撃が襲った、人々の耳を裂くような悲鳴が船内に響き渡る、コダマする。
「な、何事だぁ、クラフトっ」
未だベッドの中でぬくぬくと寝坊していたアリナは、髪もボサボサ、寝巻き姿のまま部屋を飛び出し、隣の部屋に騒がしく入り込む。
一人前のお嬢さんが、そんなはしたない格好で・・・と嘆くクラフト、肩をがっくりと落としたがそれどころではない。
「先程から騒がしかったのですが、気づかれませんでしたか? 嵐が来たようです。しかし、それと同じくして・・・非常に悪い予感です」
「単刀直入に言うと、つまり嵐と共に魔物が攻めてきた・・・ってわけだろ!? 行くぞっ」
「そうとは言い切れませんが、70%の確率で」
クラフトの隣では緊張した面持ちのダイキが装備を整えていた、サマルトが急かすようにアリナに大きく頷く。
同室のミシアも何故かちゃっかりと身支度を整え、戦いの準備をしていた。
平然としていたミシアにアリナは軽く苛立ちを覚える、・・・起こしてくれても良いのではないか?
ミシアは起きていたのかもしれない、だから用意が早かったのかもしれない。
しかし、装備するには部屋へ戻る筈だ、その際に起こしてくれても良いだろう。
アリナはどうも出会った時から、ミシアと馬が合わない。
別にそう話す事もなかったので、お互いまだ顔見知り程度なのかもしれない。
しかし、本心は分からないが生理的に嫌いな相手というのは、感じてしまうものである。
アリナの場合、何故かしらミシアに嫌悪感を持った。
軽く唇を尖らせ、自室へ大急ぎで舞い戻るとアリナは装備を整える。
「ミシアとは、馬が合わなさそうなんだよ・・・。どうせ旅するならマダーニかアサギがよかったなぁ」
舌打ちすると性急に長い髪を後ろで一つに縛る、大雑把に縛ったので当然グチャグチャだ。
が、気にしない。
艶もあるし、丁寧に手入れさえすれば人の羨む美しい髪だろう、けれど生憎当の本人には邪魔以外の何者でもなかった。
魔法使いならともかく、アリナは接近戦を得意とする小剣使いである。
激しく邪魔だ。
本当ならば、今すぐにでも切り落としたいくらいだ、だが、幼い頃からのいいつけで、切る事無く伸ばしていた。
我侭を聞いて貰う代わりに、唯一約束した事。
『女の命、髪を絶対に切らない事』
緩く縛ってある髪を、ちょい、っと右手で揺らしてから不敵に微笑む。
ベッドにたてかけてあった愛用の細くて軽いが殺傷力の高い短剣を二本、勢い良く掴みあげるとドアを蹴り飛ばす勢いで開く。
ドアの前では仲間が待っていた、互いに目配せのみで深く頷くとアリナを先頭にして軋む階段を駆け上る。
揺れる船体の内部を、甲板目指して走るように急いだ。
「お嬢、お腹が空いているでしょう? 干し肉です」
「あぁ、ありがとう」
傍らで寄り添うように走るクラフトから、干し肉を受け取ると一気に口に放り込み、噛み締めながら走る。
途中、小さな女の子が迷子になっていたらしく泣いていたが、すぐに母親が現れ連れて行った。
胸を、撫で下ろす。
ただならぬ気配を一般市民も感じているのか、行きかう人々は逃げ惑っているようだ。
部屋にじっとしていても落ちつかないのだろう、廊下で右往左往している。
アリナの隣には何時の間にやらクラフトが消え、代わりにダイキが並んで走っていた。
軽くおどけて唇を吹くアリナ、クラフトは体力の消耗を感じ、後方に下がったらしい。
「へぇ、意外とやるねぇ。ボクについてくるなんて」
「一応足には自信があるぜ」
運動会ではよく、トモハル、ミノルと並んで選手に選ばれたものだ。
体育は平均以上、である。
「お手並み拝見、3星チュザーレの勇者ダイキ」
一歩早くアリナが躍り出た、足の速さを競っても仕方がないのだが、負けず嫌いなアリナ。
何事も勝負事にしてしまうのだ、・・・こんな時でも。
階段を駆け上った先に、誰かが居た。
どうやら二人居るらしい、思わず後姿の男に釘付けになる。
「何故ついてきた、ロザリンド」
「あら、ついてきてはいけない理由などないでしょう?」
「今は危険だ、すぐに戻る。部屋に戻って待て」
男と女、女の色っぽい声に聞き覚えなどはないが、男の声は聞きなれた声だった。
背負う剣は見間違えるはずもなく、珍しい紫銀の長髪、バンダナ、引き締まった身体。
「ともかく部屋に戻れ、大人しく。生憎護るのは得意分野じゃないんでね」
大袈裟すぎる深い溜息、わざとだろう。
唖然とその後姿を眺め続けるアリナ、そう、先日別れたばかりの男である。
馬に乗って一人で駆けて行った、あの男である。
「アリナ、どうしたんだよ。つっかえてるぞー!」
サマルトの非難の声が後方から届いた、大声に思わず男も振り返る。
アリナと視線が交差した。
「あ、やっぱりトビィだ」
トビィが珍しくきょとん、と反応できずに立ち尽くしている。
アリナが軽く笑って手を振った、サマルトに押されてダイキがなだれ込む、トビィを見てすっとんきょうな声を上げる。
アリナに激突したダイキ、当然アリナは足元をふらつかせて重心を崩し、トビィに倒れこんだ。
思わずアリナを抱き留め、軽い溜息。
「何すんだよ、ダイキ!」
トビィの腕に捉まりながら、アリナが凄んでダイキを睨みつけるが迷惑そうにダイキは後ろのサマルトを指した。
苦笑いで謝るサマルト、が、トビィの姿を目に入れるなり叫んだ。
「あっれー!? 何やってんだよ、お前!」
ミシアとクラフトもようやく視界が広がり、トビィの姿を捉えて小さく叫んだ。
というか、クラフトの場合はトビィにアリナが寄り添っていたから、だが。
「あわわ、な、なにをお二人でっ」
男に寄りかかるアリナを生まれてこの方初めて見たクラフト、現在の船体並みに・・・揺れる心のクラフト。
「ト、トビィさん・・・」
ミシアが小さくトビィの名を呼んだ、その時。
船は今までで最大の揺れに襲われた、鋭い叫び声が誰のものなのか、その揺れが鎮まった時。
何がどうしてどうなったのか、クラフトを下敷きにしてアリナが階段の中間地点まで転げ落ちていた。
脳震盪を起こし、気を失っているクラフト、しかし容赦なくアリナは胸倉を掴んで揺さぶる。
「なんでボクを引っ張った、クラフト! おい、返事しろっ」
つまりクラフトはトビィに寄り添うアリナを見ていたくなくて、我武者羅にアリナを引き寄せたのだろう。
一方、ダイキは冷静に場所を確保していたのだが、それが原因でサマルトに抱きつかれる羽目になった。
階段から落下しないように、無心で何かに掴まったのだろう、サマルトはダイキを見て唖然とする。
「気持ち悪いから、離れて欲しい・・・」
「好きで掴まったわけじゃないからな!? きーっ!!」
不貞腐れてダイキから離れ、服を調えるサマルト、周囲を見渡す。
「・・・おい」
怪訝なトビィの声が聞こえてきた。
傍らに妖艶な美女・ロザリンドを護るように抱えていた、が、何故か背中にミシアがくっついている。
しっかりとトビィの衣服を握り締め、きゃーきゃーと叫びながら・・・震えていた。
「何・・・この娘?」
呆れた、とばかりロザリンドが溜息を吐く。
トビィは嫌そうに感情を表に出したまま、ミシアの腕を振り払う。
どう考えてもミシアがトビィに掴まっている事自体が・・・有り得なかった。
自然に船が揺れたくらいではどう考えても、ミシアがトビィのほうへ飛んでくるのは無理がある。
「ちょっと、トビィ。この娘があなたが先程言っていた『想い人』?」
そんなわけない、と思いつつも念の為聞いてみるロザリンド。
心底嫌そうに、トビィは唇を噛み締めて首を横に振った。
冗談でも、嫌だ。
低く呟くとトビィは深い溜息を吐き、ミシアを一瞥、それから数日前まで同行していた仲間を見る。
何故こいつらがここにいる・・・おまけにとんだお荷物つきだ。
ちらりとミシアを睨みつけてから、トビィは顎でダイキとサマルトに行くぞ、と促した。
甲板へと、足を進める。
「な、何事だぁ、クラフトっ」
未だベッドの中でぬくぬくと寝坊していたアリナは、髪もボサボサ、寝巻き姿のまま部屋を飛び出し、隣の部屋に騒がしく入り込む。
一人前のお嬢さんが、そんなはしたない格好で・・・と嘆くクラフト、肩をがっくりと落としたがそれどころではない。
「先程から騒がしかったのですが、気づかれませんでしたか? 嵐が来たようです。しかし、それと同じくして・・・非常に悪い予感です」
「単刀直入に言うと、つまり嵐と共に魔物が攻めてきた・・・ってわけだろ!? 行くぞっ」
「そうとは言い切れませんが、70%の確率で」
クラフトの隣では緊張した面持ちのダイキが装備を整えていた、サマルトが急かすようにアリナに大きく頷く。
同室のミシアも何故かちゃっかりと身支度を整え、戦いの準備をしていた。
平然としていたミシアにアリナは軽く苛立ちを覚える、・・・起こしてくれても良いのではないか?
ミシアは起きていたのかもしれない、だから用意が早かったのかもしれない。
しかし、装備するには部屋へ戻る筈だ、その際に起こしてくれても良いだろう。
アリナはどうも出会った時から、ミシアと馬が合わない。
別にそう話す事もなかったので、お互いまだ顔見知り程度なのかもしれない。
しかし、本心は分からないが生理的に嫌いな相手というのは、感じてしまうものである。
アリナの場合、何故かしらミシアに嫌悪感を持った。
軽く唇を尖らせ、自室へ大急ぎで舞い戻るとアリナは装備を整える。
「ミシアとは、馬が合わなさそうなんだよ・・・。どうせ旅するならマダーニかアサギがよかったなぁ」
舌打ちすると性急に長い髪を後ろで一つに縛る、大雑把に縛ったので当然グチャグチャだ。
が、気にしない。
艶もあるし、丁寧に手入れさえすれば人の羨む美しい髪だろう、けれど生憎当の本人には邪魔以外の何者でもなかった。
魔法使いならともかく、アリナは接近戦を得意とする小剣使いである。
激しく邪魔だ。
本当ならば、今すぐにでも切り落としたいくらいだ、だが、幼い頃からのいいつけで、切る事無く伸ばしていた。
我侭を聞いて貰う代わりに、唯一約束した事。
『女の命、髪を絶対に切らない事』
緩く縛ってある髪を、ちょい、っと右手で揺らしてから不敵に微笑む。
ベッドにたてかけてあった愛用の細くて軽いが殺傷力の高い短剣を二本、勢い良く掴みあげるとドアを蹴り飛ばす勢いで開く。
ドアの前では仲間が待っていた、互いに目配せのみで深く頷くとアリナを先頭にして軋む階段を駆け上る。
揺れる船体の内部を、甲板目指して走るように急いだ。
「お嬢、お腹が空いているでしょう? 干し肉です」
「あぁ、ありがとう」
傍らで寄り添うように走るクラフトから、干し肉を受け取ると一気に口に放り込み、噛み締めながら走る。
途中、小さな女の子が迷子になっていたらしく泣いていたが、すぐに母親が現れ連れて行った。
胸を、撫で下ろす。
ただならぬ気配を一般市民も感じているのか、行きかう人々は逃げ惑っているようだ。
部屋にじっとしていても落ちつかないのだろう、廊下で右往左往している。
アリナの隣には何時の間にやらクラフトが消え、代わりにダイキが並んで走っていた。
軽くおどけて唇を吹くアリナ、クラフトは体力の消耗を感じ、後方に下がったらしい。
「へぇ、意外とやるねぇ。ボクについてくるなんて」
「一応足には自信があるぜ」
運動会ではよく、トモハル、ミノルと並んで選手に選ばれたものだ。
体育は平均以上、である。
「お手並み拝見、3星チュザーレの勇者ダイキ」
一歩早くアリナが躍り出た、足の速さを競っても仕方がないのだが、負けず嫌いなアリナ。
何事も勝負事にしてしまうのだ、・・・こんな時でも。
階段を駆け上った先に、誰かが居た。
どうやら二人居るらしい、思わず後姿の男に釘付けになる。
「何故ついてきた、ロザリンド」
「あら、ついてきてはいけない理由などないでしょう?」
「今は危険だ、すぐに戻る。部屋に戻って待て」
男と女、女の色っぽい声に聞き覚えなどはないが、男の声は聞きなれた声だった。
背負う剣は見間違えるはずもなく、珍しい紫銀の長髪、バンダナ、引き締まった身体。
「ともかく部屋に戻れ、大人しく。生憎護るのは得意分野じゃないんでね」
大袈裟すぎる深い溜息、わざとだろう。
唖然とその後姿を眺め続けるアリナ、そう、先日別れたばかりの男である。
馬に乗って一人で駆けて行った、あの男である。
「アリナ、どうしたんだよ。つっかえてるぞー!」
サマルトの非難の声が後方から届いた、大声に思わず男も振り返る。
アリナと視線が交差した。
「あ、やっぱりトビィだ」
トビィが珍しくきょとん、と反応できずに立ち尽くしている。
アリナが軽く笑って手を振った、サマルトに押されてダイキがなだれ込む、トビィを見てすっとんきょうな声を上げる。
アリナに激突したダイキ、当然アリナは足元をふらつかせて重心を崩し、トビィに倒れこんだ。
思わずアリナを抱き留め、軽い溜息。
「何すんだよ、ダイキ!」
トビィの腕に捉まりながら、アリナが凄んでダイキを睨みつけるが迷惑そうにダイキは後ろのサマルトを指した。
苦笑いで謝るサマルト、が、トビィの姿を目に入れるなり叫んだ。
「あっれー!? 何やってんだよ、お前!」
ミシアとクラフトもようやく視界が広がり、トビィの姿を捉えて小さく叫んだ。
というか、クラフトの場合はトビィにアリナが寄り添っていたから、だが。
「あわわ、な、なにをお二人でっ」
男に寄りかかるアリナを生まれてこの方初めて見たクラフト、現在の船体並みに・・・揺れる心のクラフト。
「ト、トビィさん・・・」
ミシアが小さくトビィの名を呼んだ、その時。
船は今までで最大の揺れに襲われた、鋭い叫び声が誰のものなのか、その揺れが鎮まった時。
何がどうしてどうなったのか、クラフトを下敷きにしてアリナが階段の中間地点まで転げ落ちていた。
脳震盪を起こし、気を失っているクラフト、しかし容赦なくアリナは胸倉を掴んで揺さぶる。
「なんでボクを引っ張った、クラフト! おい、返事しろっ」
つまりクラフトはトビィに寄り添うアリナを見ていたくなくて、我武者羅にアリナを引き寄せたのだろう。
一方、ダイキは冷静に場所を確保していたのだが、それが原因でサマルトに抱きつかれる羽目になった。
階段から落下しないように、無心で何かに掴まったのだろう、サマルトはダイキを見て唖然とする。
「気持ち悪いから、離れて欲しい・・・」
「好きで掴まったわけじゃないからな!? きーっ!!」
不貞腐れてダイキから離れ、服を調えるサマルト、周囲を見渡す。
「・・・おい」
怪訝なトビィの声が聞こえてきた。
傍らに妖艶な美女・ロザリンドを護るように抱えていた、が、何故か背中にミシアがくっついている。
しっかりとトビィの衣服を握り締め、きゃーきゃーと叫びながら・・・震えていた。
「何・・・この娘?」
呆れた、とばかりロザリンドが溜息を吐く。
トビィは嫌そうに感情を表に出したまま、ミシアの腕を振り払う。
どう考えてもミシアがトビィに掴まっている事自体が・・・有り得なかった。
自然に船が揺れたくらいではどう考えても、ミシアがトビィのほうへ飛んでくるのは無理がある。
「ちょっと、トビィ。この娘があなたが先程言っていた『想い人』?」
そんなわけない、と思いつつも念の為聞いてみるロザリンド。
心底嫌そうに、トビィは唇を噛み締めて首を横に振った。
冗談でも、嫌だ。
低く呟くとトビィは深い溜息を吐き、ミシアを一瞥、それから数日前まで同行していた仲間を見る。
何故こいつらがここにいる・・・おまけにとんだお荷物つきだ。
ちらりとミシアを睨みつけてから、トビィは顎でダイキとサマルトに行くぞ、と促した。
甲板へと、足を進める。
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