別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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番人の脇をすり抜けて、目指すは扉。
安堵の溜息を漏らしながら足を速めると、後方に何かしらの気配を感じる。
え?
思って振り返った瞬間に、腹部に激痛が走った。
重い衝撃、首を虚ろに傾げて見やると、そこには短剣が深々と突き刺さっている。
え?
思わず、ゆっくりと、目の前の番人を見つめた。
今頃になって痛みがはっきりと脳へと伝わり、全身に『激痛』の指令を出し始めた。
震える右手で思わず腹部を押さえる。
『自分の“それ”に価値があると思ったか?自惚れるな、愚か者め』
冷淡に、なんの感情も持たない声でそう告げられる。
アサギは思わず肩膝をついて、その場にしゃがみ込んだ。
唇から微かに「痛い」と単語が漏れる。
が、苦し紛れに擦れ擦れの声で、その問いに反論しようと試みる。
「あなたに価値がなくとも。アサギにとっては価値が・・・あ・・・る・・・も、の、なの、ですよー・・・」
そこまで声に出したが、痛みに耐え切れず、唇を噛み締めて俯いた。
同時に力尽きてその場に倒れこむ。
荒い呼吸を繰り返し、じんわりと衣装が自分の血液で染められていく様を見つめた。
アサギの、信念は・・・。
見下すように、番人はアサギに容赦なく言葉を浴びせた。
『その“信念”は大地を育むか?何かを生むか?空腹を満たすか?
形無き誇りはぬしの自己満足。周りはそんなものを求めてはおらぬ』
転がっているアサギの髪を無造作に掴み上げ、身体を持ち上げる。
小さく悲鳴を上げるアサギの顔を、番人は覗き込んできた。
『すべてが友愛に形作られているぬしの信念とは何ぞ?
今一度よく考えよ、導き出せぬのならばその信念に価値などない』
言うなり、ずるずると、まるで物でも扱うかのようにアサギを引き摺り、扉の前へと進んだ。
悲鳴を漏らし続けるアサギの代わりに、番人は扉を押し開くと、その中へとアサギを強引に押し込む。
『・・・今一度、よく考えよ・・・』
転がったまま、呻き続けるアサギに番人は再度、そう告げた。
微かにその言葉には優しさが込められていたのだが、アサギは全く気がつかない。
激痛で意識が朦朧としている。
・・・死ねないの、こんなところでは。
アサギは、死ねないのです、ギルザが居るから。
ギルザと、一緒に、生きていくんだから・・・。
意識が、途切れた。
扉の内側、番人は扉が確実に閉まったことを確認し、目の前からアサギの姿が消えたことを見届けると、静かに黒衣を脱ぎ捨てた。
現われたのは、濃紺のウェーブがかった髪、深紫の鋭い瞳。
アサギの愛するギルザがそこに、立っていた。
安堵の溜息を漏らしながら足を速めると、後方に何かしらの気配を感じる。
え?
思って振り返った瞬間に、腹部に激痛が走った。
重い衝撃、首を虚ろに傾げて見やると、そこには短剣が深々と突き刺さっている。
え?
思わず、ゆっくりと、目の前の番人を見つめた。
今頃になって痛みがはっきりと脳へと伝わり、全身に『激痛』の指令を出し始めた。
震える右手で思わず腹部を押さえる。
『自分の“それ”に価値があると思ったか?自惚れるな、愚か者め』
冷淡に、なんの感情も持たない声でそう告げられる。
アサギは思わず肩膝をついて、その場にしゃがみ込んだ。
唇から微かに「痛い」と単語が漏れる。
が、苦し紛れに擦れ擦れの声で、その問いに反論しようと試みる。
「あなたに価値がなくとも。アサギにとっては価値が・・・あ・・・る・・・も、の、なの、ですよー・・・」
そこまで声に出したが、痛みに耐え切れず、唇を噛み締めて俯いた。
同時に力尽きてその場に倒れこむ。
荒い呼吸を繰り返し、じんわりと衣装が自分の血液で染められていく様を見つめた。
アサギの、信念は・・・。
見下すように、番人はアサギに容赦なく言葉を浴びせた。
『その“信念”は大地を育むか?何かを生むか?空腹を満たすか?
形無き誇りはぬしの自己満足。周りはそんなものを求めてはおらぬ』
転がっているアサギの髪を無造作に掴み上げ、身体を持ち上げる。
小さく悲鳴を上げるアサギの顔を、番人は覗き込んできた。
『すべてが友愛に形作られているぬしの信念とは何ぞ?
今一度よく考えよ、導き出せぬのならばその信念に価値などない』
言うなり、ずるずると、まるで物でも扱うかのようにアサギを引き摺り、扉の前へと進んだ。
悲鳴を漏らし続けるアサギの代わりに、番人は扉を押し開くと、その中へとアサギを強引に押し込む。
『・・・今一度、よく考えよ・・・』
転がったまま、呻き続けるアサギに番人は再度、そう告げた。
微かにその言葉には優しさが込められていたのだが、アサギは全く気がつかない。
激痛で意識が朦朧としている。
・・・死ねないの、こんなところでは。
アサギは、死ねないのです、ギルザが居るから。
ギルザと、一緒に、生きていくんだから・・・。
意識が、途切れた。
扉の内側、番人は扉が確実に閉まったことを確認し、目の前からアサギの姿が消えたことを見届けると、静かに黒衣を脱ぎ捨てた。
現われたのは、濃紺のウェーブがかった髪、深紫の鋭い瞳。
アサギの愛するギルザがそこに、立っていた。
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