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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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扉が目の前にある。
けれども、扉へは簡単に辿りつけそうもなかった。
明らかに、行く手を阻むかのように、灰色のローブを身に纏った人物が一人、立ちはだかっているのだ。
特に話しかけてこようともしない人物だが、何かしら特殊な気を放っていた。
足元には大量の麻袋が転がっている、無造作に。

・・・植物の、種?

アサギは不意にそう思い、しげしげとそれらを見つめる。
やたら重そうだが、アサギは中身を植物の種子だと暫定した。
作物を育てたり、地を潤したり、様々な用途の種子。
様子を伺いながらその人物へと真っ直ぐ歩いていくと、あと数歩で辿りつける、その位置でようやく人物が口を開く。
重々しく、冷淡な声だった。

『どこから来た?』

一言、それだけ。
アサギは歩みを止めると、唇を湿らせてから口を開く。

「気が付いたらここにいたのです。この不可思議な世界へ来る前までは、旦那様と一緒に暮らしていたお城にいたのですけど・・・」

素直に、そう答えた。
その人物・・・扉の番人は何か考えていたようだったが、徐に右手を差し出してくる。
アサギは小さく首をかしげて、右手を見た。

『通りたくば対価を支払え。いくら払えるのだ?』

通行料を払えば通して貰えるらしい。
アサギは安堵の溜息を漏らすと、自分の身を弄り出す、が、すぐに気がついて落胆する。
そう、何も持っていない。
お金はもちろんのこと、持っているものといえば、愛用の武器『セントラヴァーズ』。
だがこれは本来ならばアサギの物ではないし、目の前の番人には扱えないだろうから、全く役に立たないものだ。
アサギは困り果てて、スカートのポケットに再度手を突っ込んだ。
・・・何かが手に当たる。
引っ張り出すと、それは小石だった。
こんなものじゃ、いくらなんでも・・・。
苦笑いしながらも、それしか出せるものがなかったので、アサギはおずおずと差し出す。

「あの・・・この、砂みたいな小石しかないのですけど・・・」

多分、先程の戦いで不意に入ってしまった小石だった。
何の価値もなさそうだ。
番人は静かに手を伸ばしてそれを受け取る。
が、すぐに掌からそれを地面へと放り捨てた。

「あぅ」

唖然と番人を見つめるアサギに、淡々と語る。

『足らんぞ、ぬしが本当に差し出せるもので払え』

・・・本当に、差し出せるもの・・・? 何かあったかな・・・。
アサギは再度身を弄る。
が、案の定何も出てこない。
下から覗き込むように、目の前の番人を見つめた。
フードで表情が見えないが、余り気は長くなさそうだ。
アサギは軽い溜息を吐くと、右手で胸を押さえながら小さく、言葉を吐き出した。

「では。アサギの『信念』を。これでは、ダメですか・・・?」

信念。
そう、信念だ。
固く信じて、疑わない心。
ギルザを、信じている。
自身を、信じている。
二人の間柄に、何も隠すものはなく、貫き通す思い、疑わない心。
頑なに自身の信念を貫き通し、ここまで来れた。
これしか、ないと思った。
番人は満足した様子で、そっと身体を右側へと寄せてくれる。
路が開け、扉が見えた。
アサギは嬉しそうに会釈をすると、そのまま扉へと駆け出した。

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