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暑中お見舞い申し上げます。
アル様VSトモハルの戦いが始まりそうなので、急ピッチで書いております。
せめて。
せめて始まる前にマビルが死なないと・・・!!(それはそれでどうなんだ)
というわけで(何が)。
アル様専用マビルを描いてみました←
涼しげ(照)※何処が。
結構可愛く描けたのではないかと思うのです。
次の日もその次の日も、またまたその次の日も。
コイツは何故か、同じ場所に突っ立っていた。
ビルの隙間の暗いとこで、笑顔を浮かべて立っていた。
・・・コイツ、ここが住みか? 何してんの?
勇者というのは、解らない。非常に理解し難い。
今日はじてんしゃ、という乗り物で2人で適当に散歩している。
痛くて非常に座り心地の悪い場所に座らされたけど、座っているだけで進むんだ。
ちょっと遅いけどくるまみたいだね、楽チンだ。
目の前のコイツだけはなんだか息を切らせて苦しそうだけど、なんだ? びょーき?
「しっかり掴まってね」、と言われたけど、どうしてこのあたしがコイツに掴まらなきゃいけないんだろう。
・・・仕方ないから、服だけ、掴んであげる。
何日も過ぎたけど、おねーちゃんの情報を上手く聞き出せない。
下手に聞くと偽者ってバレてしまうし、何をどう聞けばいいのか。
思えば、色んな単語を数日で覚えた。
かんジュースも開け方解るし、げーせんでゲームも覚えた、ぼーりんぐも出来るようになった。
えいがも観た。
昼前に出会って、夜まで一緒。
それが、何日だろうね、何日か続いたある日、公園で船に乗るということになったので、じてんしゃでそこへ出向いたんだ。
手を繋いで、公園の池に向う。
今日は暑い、喉が渇いたからコイツにジュースを買わせに行って、あたしは一人ベンチで待つ。
「こいー!」
「こいーっ!」
?
大声に思わず顔を上げてそっちを見た。
聞いたことある声だったから。
「お、おねーちゃん・・・」
ついに、出会ってしまった、見つけた。
ベンチから思わず立ち上がると、あたしはそっちを見る。
「鯉のえさ、1袋10円だって!」
「じゃあ、10袋買って、どさーってあげようか?」
初めて見た男と一緒だった、嬉しそうに笑ってその男と腕を組んで歩いていた。
思わず男を魅入ってしまう。
「き、キレーな・・・」
そう、キレーな。
トビィに似てる?
でも、もっと笑顔が幼い、でも、男らしさを感じる。
・・・あたし好みな男、それに。
すっごく、愉しそうなおねーちゃん。
二回しか見たことないけど、表情がまるで違うんだ。
池の鯉に餌を与えて遊んでいた二人は、暫くすると池から離れたので、思わずついていく。
・・・覚えるんだ、あたし。
おねーちゃんを真似するんだ、出来るはずだ。
完璧に、もっと、正確に。
口調を掴む、仕草を掴む。
「ん、おいで」
「わーい♪ ありがとう、トランシス」
男の名前はトランシス、きっと、あれがおねーちゃんの・・・恋人。
見つけた、捕まえた、あれがおねーちゃんの弱点だ。
トランシスはおねーちゃんをおんぶして、そのまま歩き出す。
・・・い、いいな、あれ・・・。
愉しそう・・・。
背中に乗っているおねーちゃんは、あたしが見ても、誰が見ても解るくらいに。
幸せそうだった。
嬉しそうだった。
・・・ムカついた。
笑顔を見ていると、イライラしてくる。
頬を軽く赤くして、ぎゅぅ、と抱きついている姿を見ると。
捻り潰したくなってきた。
奪ってやろう、あたしなら出来る筈だ。
おねーちゃんの振りしてトランシスに近づいて、それで。
おねーちゃんには魔力じゃ勝てないから、それならば。
そのおねーちゃんにとって大切なその”トランシス”って男を、あたしのオモチャにするの。
きゃはは、いいね、いいね!
愉しくなってきた、大丈夫、あたしは可愛い。
やれるはずだ、負けるもんか!
こっそり追跡、不意におねーちゃんがトランシスの背から下りて、一人何処かへ小走り。
・・・トイレに行くらしい。
今しか、ない。
あたしは、そっとおねーちゃんに近づいた、そして。
一瞬で首に手刀を入れる。
死ぬわけないだろうから、結構強く。
崩れ落ちるように草むらに倒れこんだおねーちゃんの、衣服をむしりとると、あたしは着ていた服を脱いでそれを代わりに着た。
よし、服はばっちり。
バッグもおねーちゃんのを掴んで、パンプスも交換して。
・・・ちっ、サイズはやっぱり一緒だった。
見た目、おねーちゃんだ。
さっきの、おねーちゃんだ。
あたしは意気揚々とトランシスへと近づいた。
出来る、大丈夫、あたしなら、出来る。
真似するんだ、さっき覚えた声のトーン、口調を。
「お待たせ、トランシス! いこっ」
ぎゅ、と腕に抱きついてにっこりと微笑むあたし。
完璧!
ところが。
「・・・お前、誰?」
あたしの腕を痛いくらいに薙ぎ払って、手首を捻り上げるとトランシスは物凄い形相で睨みつけてきた。
・・・怖い。
「アサギだよ、え、なんで?」
「お前、誰だ」
さっきとはまるで別人だ、優しそうで無邪気な笑顔なんて何処にもない。
息が苦しいくらいの、痛すぎる視線、悲鳴を上げる手首。
「痛い! 痛いよ!」
「質問に答えろ、お前は誰だ。どうしてオレのアサギの服を着てる? アサギは何処だ」
「あ、あたしがアサギだもん」
「コイツ・・・!」
ガッ!
地面に叩きつけられた、思わず悲鳴。
な、何なの、コイツ!?
全然様子が違うじゃないかっ。
おまけに・・・思いの外、強い。
砂で頬を傷めた、露出した足を、痛めた。
「あ、あたし、アサギ!」
「嘘付けっ」
にじり寄って来るトランシスから、逃げる様に引きずって地面を這う。
怖い。
後ろに立ち上っているオーラが・・・危なすぎる男。
「だって、お前、抱き締めたいと思わないもん。アサギじゃない」
「・・・え?」
突拍子もないことを言いながら、首を掴まれそうになったから思わず逃げた。
抱き締めたいと、思わない。
あたしのことを、抱き締めたいと、思わない?
・・・なんで、どうして!?
頭に血が上った、だから我武者羅に立ち上がって睨みつける。
「どうしてっ、おねーちゃんより可愛いでしょ!? 綺麗でしょ!? 何がどう違うっていうの!?」
「何って・・・全然違う。可愛いと思わない、綺麗と思わない。オレのアサギはそんなんじゃない。オレのアサギは何処だ、殺されたいわけ?」
・・・。
唖然。
そんな、馬鹿なっ。
今まで騙して来れたのに・・・?
なんで、なんでトランシスだけ、騙せないの!?
今までで、一番欲しいオモチャなのに!
「アサギを何処へやった」
「知らないっ、自分で探せばっ」
ここまできたら、もう騙すのは無理だ、仕方ない。
近寄ってきたので、思わず呪文を発動する、炎を繰り出してぶつけた。
至近距離での、短時間詠唱の、あたしの二番目に得意な呪文。
繰り出した炎を驚愕の瞳で、それでも間一髪で跳ね除けたトランシスは、舌打ちして・・・。
自分の周囲に何個も炎の球を浮かべる。
・・・トランシスも、火の使い手なんだ、厄介だ!
「お前、もしかして最近噂のアサギの偽者?」
・・・噂になってるのか、あたし。
まぁ確かに、あっちでもこっちでも、人をたくさん殺したし、何か色々破壊した気がする。
当然か。
睨みつけていたら、そいつが鼻で笑った。
「全然違うのに、どうしてみんな騙されたんだろう」
「さぁ、どーしてだろーね?」
騙されるほうが悪いんだ、あたしのせいじゃない。
でも、この男は、一発で見破った。
あの瞬間で、見破った。
一番、騙したかった相手なのに・・・。
「こんなのとアサギを一緒にしないで欲しいな」
こんなの。
こんなの!? あたしが!?
「・・・殺してやるっ」
頭にきた、一気に加速をつけて懐に入ると、腹部に殴りかかる。
そこから、魔法を発動して・・・。
「何が気に入らないかって? その目が気に入らない。一番気に入らないのは、アサギのフリをしたこと。・・・お前じゃ、役不足だよ」
「うるさいっ!」
「だって、お前。一人きりだろ?」
「・・・え?」
一瞬意味が解らなかった、から、力が抜けた。
一人きり?
宙に浮かんだ数個の炎が、一斉にあたしに向ってきたから必死で避けた。
避けながら、考えたんだ。
一人きり。
「決定的に違うとこ。雰囲気がまず全然違う。見た目じゃなくて、発する空気が、全く違う。アサギはもっと温和で、近寄りたい雰囲気なんだ。人に好かれる、気持ち良い空気を持ってる。でも、お前はさ・・・」
何が、言いたいんだろう。
「お前のこと、護りたいと思えない。一人で放って置いても平気な感じ? 寧ろそっちのほうが好きだろ、お前。アサギはもっと、こう懐っこいんだ」
護りたいと、思えない?
あたしを?
一人でいても、平気だって?
・・・。
ち、違うもん!
あ、あたしだって・・・。
あ、あたし・・・。
「お前の事、庇う奴なんて誰もいないんだろうな、と思って。さて? ・・・アサギを何処へやった」
あ、あたし、あたしだって!
誰か。
庇ってくれる人が。
誰か。
助けに来てくれる人が。
誰か。
護ってくれる人が。
・・・あぁ、ホントに、いないんだ。
アイツは、あたしのことおねーちゃんだと思いこんでいるから。
助けに来ないんだ。
あたし、トランシスの言う通り、一人きり・・・?
ひとり、ぼっち。
解っていたし、知っていた。
随分と前から思っていたことだった、あたし、一人。
でも。
人に言われると、ここまで胸が痛いだなんて。
思わなかったの。
「アサギは、何処だ」
アサギ、アサギって・・・。
「・・・るさい、うるさいっ!!」
雷の呪文、叩き落す。
あたしは、そのまま公園を疾走した。
逃げなきゃ、逃げなきゃ、多分・・・勝てない。
「あー、居た!」
魔力の消費が激しかったので、途中から地面に下りて走っていたらアイツがジュースを手にして心配そうに走ってくる。
「何処行ってたんだよ、駄目じゃないかっ」
うるさい!
肝心な時にいないくせに、何言ってるの?
のほほん、と首を傾げてそういうコイツが、無性に腹が立った。
だから。
・・・そうだ、利用できるものは、利用しよう。
コイツは勇者なんだから。
あたしの楯くらいにはなるだろうし。
人質として、預かっておこう。
弱いし、役にたたなさそうだけど、いないよりはマシ。
息を大きく吐いて、吸って。
唇を噛んだ。
「血が出てるじゃないか、何やってるんだよ」
唇の事を言っているんだろうか、当たり前、今あたしが自分で噛んだの。
心配そうに、ハンカチを出してきて拭こうとしたから、手を跳ね除ける。
驚いてあたしを見たコイツ、・・・さようなら、勘違い勇者様。
「あたし、アサギじゃなくて、マビルっていうの」
「え、んむーっ」
胸元を掴んで、引き寄せると、コイツの唇を思いっきり噛んだ、噛んで、血が吹き出したら、後は血を・・・混ぜるだけ。
仕方ないので、不本意だけど唇を少し、合わせてやる。
「契約に従い、我の名を呼べ。汝は我の僕なり、何時如何なるときも、常に共にし付き従え。契約が果てるその時まで、汝は我の人形なり」
目を見る。
何を勘違いしたのか、顔を赤らめたままのソイツは、呪文を唱えたと同時に、ゆっくりと意識を失くして、そのまま倒れ込む。
完了。
「なんだ、つまらないの。勇者っていうからてっきりこんな簡易な魔法くらい跳ね除けられると思ったのに」
パチン、指を鳴らす。
静かに起き上がったソイツは、焦点の合わない瞳をしていた。
間違いなく、呪文に堕ちた。
あたしの、言いなり人形。
「とりあえず、あたしを護って。アンタは死んでもいいから、あたしを護って」
これではアルは更に暑く感じてしまいまs(射殺
‥‥このまま二人の関係が進んで行ったらば、最終的に掲載不可なイラストしか載せられなくなr(殴打
いやぁ、参りました(笑
これを越えるイラストをお送りしたい気分ですが‥‥非常に憚られますので無理そうです(爆死
‥‥アル、上半身裸は‥‥描きましたしねー(ぉぃ
トモハルさんとマビルさんのストーリー、私も楽しく拝見しておりますので!(笑
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S | M | T | W | T | F | S |
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