別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
×
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絶命したクーバーを見下ろし、トビィはアサギへと近寄っていく。
未だ健やかな寝息を立てているアサギ、トビィは安堵の笑みを零した。
例の香りの効果で眠っているらしいが、あの吸血鬼の言うことを全面的に信用してよいかが解らない。
トビィはソファまでアサギを抱き上げて運ぶと、そっと寝かせる。
額に手を当てる、特に高温ではない。
脈拍を計ってみる、特に異常はない。
小さく力を抜いて溜息、アサギの頬を優しく撫でると、徐に立ち上がった。
剣についた血液を、シーツで拭い取ると鞘へと仕舞いこむ。
自身に先程の吸血鬼の血がついていないかを確かめた、多少衣服には付着したようで、眉を顰める。
トビィはソファのアサギのもとへと戻っていった。
腰に下げていた水袋に口を当てる。
水を口に含むと、跪いてアサギの顔へと近づいていく。
軽く右腕でアサギを抱き起こし、左腕でしっかりと身体を抱き締めながら唇を触れ合わせた。
そこから舌を上手く使い、器用にアサギの口内へと水を移していく。
慎重に、零れないように、優しく。
アサギの体温を感じながら、ゆっくりと全ての水をアサギへと。
移し切ると唇を躊躇いがちに離した、少し離したが惜しくなったのか再び口付ける。
「・・・もう、離しはしないから」
小さく呟き、何度も口付けを交わす、トビィの腕の中で小さくアサギが身動ぎした。
と、不意に部屋の照明である蝋燭の炎が一斉に燃え盛る。
バチバチッと音を豪快にたて、その音に怪訝に振り返ったトビィの瞳には、まるで怒りを表すような炎が映った。
何処からか酸素が多く入り込んだわけでもなく、ただ、突如蝋燭の炎が盛んに燃え上がっている。
気にせずに口づけを続けようとしたのだが、音は大きくなるばかりだった。
影が部屋に揺らめく、怒り狂った蝋燭の炎が今にも襲い掛かる勢いだった。
「ちっ」
舌打ちし、トビィは奇妙な邪魔に身体を起こし、アサギの肩を揺さぶる。
「アサギ、アサギ」
揺すられ、頬を触られ、アサギは小さく呻き、眉を顰める。
が、次第に瞳を擦りながら、重たそうに瞼を開いた。
瞬きを何度も繰り返し、欠伸をする。
「ふにゃー」
どうやら寝ぼけているらしい、そんな様子のアサギを微笑ましく見ていたトビィだが、微かに笑いながら正面から抱き締めた。
あったかいなー、と暫しそのまま身動ぎしないアサギであったが。
上を向いて、言葉を失う。
誰だろう、この人。
唖然と見つめているアサギを不思議そうに見つめ、トビィは満面の笑みを零し、髪を撫でていた。
「目は、覚めた?」
目が覚めたら、イケメンに抱き締められていた・・・という少女マンガにでも有りそうな展開に、目を覚まさずにはいられない。
瞬きを繰り返し、小首傾げて、考える。
気がついたら、五人で妙な部屋に居た。
突然現れた吸血鬼に攫われた。
と思ったらミノルが似合わない格好で居た。
今現在、この状況。
・・・さっぱり意味が解らない、整理したら余計意味不明だった。
あの吸血鬼がいない、目の前のこのイケメンは、雰囲気からして吸血鬼では・・・ない。
ということは、このイケメンが助けてくれたのだろうか。
腕の中、アサギはトビィを見上げて、戸惑いがちに微笑んだ。
不思議と、懐かしい感覚に陥るのは何故だろう。
以前から知っている暖かさ、心地よさなのは何故だろう。
トビィは真っ直ぐに、アサギを見つめている。
徐々に顔が近くなってきているのは気のせいだろうか?
まるで、恋人が目覚めのキスをするように、今にも唇が触れてしまいそうな距離。
アサギは思わず顔を赤らめた、軽い混乱、胸が跳ね上がる。
吸い込まれそうな瞳、不快感はなく、不思議と安堵の溜息を漏らしたくなる。
けれども、やっぱり恥ずかしい。
「あ、の」
「ん?」
アサギはようやく口を開いた、なるべく顔を離しつつ、誤って触れ合ってしまわないように。
「あなたが、助けてくれたの・・・?」
これが4星の女勇者・アサギと、ドラゴンナイト・トビィの出会い。
幾度も転生を繰り返し、片時も絆が離れなかった二人の、出会い。
アサギにとっては一度目の。
トビィにとっては『二度目』の、出会い。
悠久なる水は、か弱き芽を見つけた、護り抜く事を誓った。
必ず二人は巡り逢う、引き寄せられて巡り逢う、互いの願いを叶える為に、必要不可欠な存在。
互いに見つめ合いながら、二人は暫し沈黙の時を過ごした。
長年引き裂かれていた恋人の様に・・・いや、むしろ肉親の様に。
トビィがそっと、アサギの髪に口づけをする。
愛しそうに、恭しく、視線はアサギの瞳を捕らえたまま外す事無く。
キィィ、カトン・・・
何処かで歯車が回る音が聞こえる、二人の耳に、届く。
ガシャン!
室内で妙な音がした、驚いて身体を竦めるアサギと怪訝に音の原因を探すトビィ。
蝋燭だ、蝋燭の一つが何故か部屋に落下した。
火が絨毯に燃え移っている、小さく叫んだアサギを見てトビィは名残惜しそうに腕からアサギを解放すると、火を消すために歩いた。
忌々しそうに靴で火を揉み消す、良い雰囲気だったのに、と舌を鳴らした。
妙な音に視線を移すと、トビィの近くの蝋燭が、業火となって燃え盛っている。
眉を潜めるトビィ、先程からこの蝋燭たちは何なのか、まるで邪魔をするように、意思があるように動いていないか?
トビィは踵を返すと一直線にアサギの元へと歩く。
跪いて優しく頭を撫でながら、先程の問いに答えた。
「そうだよ、オレがあいつを倒した」
耳に心地よい、高くも低くもない澄んだ声、自然と落ち着く。
思わず聞き惚れてしまう、囁くように言われて、アサギは思わず一言。
「す、凄く綺麗な声ですね」
「そうか?」
「そ、それから、とても素敵だと思いますっ。芸能人でも類を見ない位の美形さんですっ」
「? それはよかった」
芸能人、の意味がトビィにはわからなかったのだが、自分を誉めているであろうことは理解できたので、瞳を細めて微笑む。
「それからそれから、とても・・・優しい方です」
溢れるように口から飛び出る言葉、アサギは穏やかに微笑むと俯いた。
そう、優しい人だと直感した、気遣い方が、触れる指が、見せる笑顔が、とても優しくて落ち着くのだ。
「・・・アサギ限定だけど」
「え?」
トビィの呟きにアサギは思わず声を上げる、限定、と聞こえたが気のせいだろうか?
きょとんとしているアサギの前髪を優しくかき上げると、露になった額にそっと口付ける。
「っー!?」
「いきなり出遭ってそこまで誉められるのも、悪くはないかな」
思わず額を掌で覆い隠す、ようやく引きかけていた顔の赤らみが、逆戻り。
「え、あの、その、ええとー」
「ん?」
慌てふためくアサギの反応を楽しむかのように、トビィは業とらしく更に顔を近づけた。
逃げようとするアサギの腰を優しく引き寄せ、視線の高さを合わせて笑う。
「それはそうと、アサギ。身体は大丈夫か? 気分は?」
不意に真顔になるトビィ、ぎこちなくだが返答する。
「え、えと。だ、大丈夫、です。あんまり記憶がないのですが」
「なら良いけれど・・・とりあえずここを出たほうが良いな。で、何故こんな場所に」
「旅の途中です、ジェノヴァへ行く予定で・・・」
「旅? 1人で?」
旅をしていたのか・・・小さく呟くトビィに、アサギは不思議そうに首を傾げる。
「いえ、仲間がたくさんいます。はぐれてしまったので、捜したいんです」
軽く瞳を開くトビィ、怪訝眉を寄せる。
折角出会えたので、どうせなら二人で旅をしたい。
旅の目的は追々聞き出せばよいから、面倒だ、このまま二人で何処かへ行こう。
トビィの結論『このまま逃亡』。
捜す振りして、捜さない、二人きりで居たいんだ・・・というトビィの本音である。
「とりあえず、仲間を捜しに行こうか。ジェノヴァで待っているかもしれないし、な」
喜んで笑顔でお礼を言うアサギに、トビィは微笑んだ。
全く持って心底喜ぶアサギには申し訳ないのだが、トビィの言葉は嘘八百である。
軽々とアサギの身体を持ち上げ、慌てふためくアサギをお姫様抱っこ。
「体調が戻ってないかもしれないから、念の為」
有無を言わさず微笑まれ、アサギは大人しく抱っこされる羽目になる。
扉を開き、歩き出す。
軽すぎて実感がないが、トビィの身体にアサギの体温が伝わる事で、共に居るという安心感が得られた。
ふわり、と懐かしい香りがする。
甘く爽やかで柔らかな、香り。
トビィは、一月前からアサギを捜していた、黙々と1人きりで。
本来ならばはぐれたドラゴン三体を捜さねばいけなかったのだが、それよりもアサギを優先した。
ただ、アサギの言葉を信じて。
『いつか、一緒に居られる日が来ます。その時まで・・・また、会いましょう』
そう言ったアサギの安心した、切なそうな笑みを忘れる事無く、捜し続けた。
言葉は現実になった、こうしてアサギと出会えたのだから。
出会った瞬間、トビィはアサギに恋をした。
何故恋をしたって? そんなの知らない、自分が求めるものがアサギだと痛感した、それだけ。
命をかけて護りたいと思う存在だと瞬時に感じたのは、何故だろう。
守護する事が自分の役割、愛し抜く事が自分の存在価値。
一目惚れだろうか、いや、そうではなく。
以前から、生まれる前から、おそらく前世も自分は彼女を護っていた、愛していた。
やっと、見つけた。
ようやく、出会えた。
何度も名前を呼びたい。
狂おしいほど愛しくて、一晩中抱き締めて居たい。
・・・笑顔をずっと、見ていたい。
そっと、トビィは切なく瞳を閉じ、アサギの髪に口付ける。
二度目の扉を開く、先程もここから進入した。
洞窟を歩いていたら不快な感覚に気がつき、その場所をトビィは押したのだ。
そうしたら突如扉が現れたので、退屈凌ぎに手を伸ばしたら、アサギに出会えた。
クーバーが仕掛けた出入り口の扉を、偶然にもトビィは発見したのである。
巧みに魔力で隠されていたはずなのに、そんなこととは露知らず、トビィは造作もなく解除したようだ。
洞窟へと足を踏み出す、何やら声が聞こえている。
「アサギー!!」
「アサギちゃーんっ!!」
嫌な予感が、する。
が、足を止めても仕方がないのでトビィは突き進んだ。
隠されていた扉が音を立てて姿を見せる、洞窟内部の様子が見える。
「あ」
「・・・」
トビィは舌打ちした、物凄く忌々しそうに洞窟内部を睨み付けた。
そこには、仲間達が居たわけで。
つまり、トビィの逃亡計画はいきなり台無しになったわけで。
アサギをお姫様抱っこして現れた美形の男に、一同は釘付けになった。
性質の悪い男である、不機嫌な様子の男は同姓から見ても美形だった、足もすらりと長く、長身。
敵に回したら厄介以外の何者でもない男が、アサギを丁重にお姫様抱っこ。
それはそれで非常に絵になっているわけだが、不審人物である事に違いない。
思わず身構える一同、敵だと判断。
その緊迫した様子に、慌ててアサギが止めに入る。
「こ、この人に助けて貰ったの! 凄く強いの!」
物凄い形相で睨みつけている男だが、アサギを助けてくれたのなら・・・まぁ・・・と、渋々了解する一同。
咳き一つ、アーサーが徐にアサギに近寄ると、宣戦布告するかのようにトビィに怒りの瞳で微笑む。
瞳が全く笑っていない、小刻みに身体を震わしつつ。
「アサギを助けて頂いた様で、有難う御座います。それはともかく、何故彼女を抱き締めているのでしょう?」
「敵の妙な香りにやられていた、今離すと危ない」
「では、私が代わりましょう」
「断る」
周囲に発生した冷気、二人の間に亀裂が生じ、背筋が凍るかつてない冷戦が巻き起こる。
後方で、出るに出られなかった一同が成り行きを見守った。
「つーか、あのロリコン賢者もアサギを抱き締めたいだけじゃん」
「だなっ」
面白くなさそうに吐き捨てたアリナ、同意するサマルト。
参戦すべく歩き出す、余計複雑になりそうな気配である。
例の香りの効果で眠っているらしいが、あの吸血鬼の言うことを全面的に信用してよいかが解らない。
トビィはソファまでアサギを抱き上げて運ぶと、そっと寝かせる。
額に手を当てる、特に高温ではない。
脈拍を計ってみる、特に異常はない。
小さく力を抜いて溜息、アサギの頬を優しく撫でると、徐に立ち上がった。
剣についた血液を、シーツで拭い取ると鞘へと仕舞いこむ。
自身に先程の吸血鬼の血がついていないかを確かめた、多少衣服には付着したようで、眉を顰める。
トビィはソファのアサギのもとへと戻っていった。
腰に下げていた水袋に口を当てる。
水を口に含むと、跪いてアサギの顔へと近づいていく。
軽く右腕でアサギを抱き起こし、左腕でしっかりと身体を抱き締めながら唇を触れ合わせた。
そこから舌を上手く使い、器用にアサギの口内へと水を移していく。
慎重に、零れないように、優しく。
アサギの体温を感じながら、ゆっくりと全ての水をアサギへと。
移し切ると唇を躊躇いがちに離した、少し離したが惜しくなったのか再び口付ける。
「・・・もう、離しはしないから」
小さく呟き、何度も口付けを交わす、トビィの腕の中で小さくアサギが身動ぎした。
と、不意に部屋の照明である蝋燭の炎が一斉に燃え盛る。
バチバチッと音を豪快にたて、その音に怪訝に振り返ったトビィの瞳には、まるで怒りを表すような炎が映った。
何処からか酸素が多く入り込んだわけでもなく、ただ、突如蝋燭の炎が盛んに燃え上がっている。
気にせずに口づけを続けようとしたのだが、音は大きくなるばかりだった。
影が部屋に揺らめく、怒り狂った蝋燭の炎が今にも襲い掛かる勢いだった。
「ちっ」
舌打ちし、トビィは奇妙な邪魔に身体を起こし、アサギの肩を揺さぶる。
「アサギ、アサギ」
揺すられ、頬を触られ、アサギは小さく呻き、眉を顰める。
が、次第に瞳を擦りながら、重たそうに瞼を開いた。
瞬きを何度も繰り返し、欠伸をする。
「ふにゃー」
どうやら寝ぼけているらしい、そんな様子のアサギを微笑ましく見ていたトビィだが、微かに笑いながら正面から抱き締めた。
あったかいなー、と暫しそのまま身動ぎしないアサギであったが。
上を向いて、言葉を失う。
誰だろう、この人。
唖然と見つめているアサギを不思議そうに見つめ、トビィは満面の笑みを零し、髪を撫でていた。
「目は、覚めた?」
目が覚めたら、イケメンに抱き締められていた・・・という少女マンガにでも有りそうな展開に、目を覚まさずにはいられない。
瞬きを繰り返し、小首傾げて、考える。
気がついたら、五人で妙な部屋に居た。
突然現れた吸血鬼に攫われた。
と思ったらミノルが似合わない格好で居た。
今現在、この状況。
・・・さっぱり意味が解らない、整理したら余計意味不明だった。
あの吸血鬼がいない、目の前のこのイケメンは、雰囲気からして吸血鬼では・・・ない。
ということは、このイケメンが助けてくれたのだろうか。
腕の中、アサギはトビィを見上げて、戸惑いがちに微笑んだ。
不思議と、懐かしい感覚に陥るのは何故だろう。
以前から知っている暖かさ、心地よさなのは何故だろう。
トビィは真っ直ぐに、アサギを見つめている。
徐々に顔が近くなってきているのは気のせいだろうか?
まるで、恋人が目覚めのキスをするように、今にも唇が触れてしまいそうな距離。
アサギは思わず顔を赤らめた、軽い混乱、胸が跳ね上がる。
吸い込まれそうな瞳、不快感はなく、不思議と安堵の溜息を漏らしたくなる。
けれども、やっぱり恥ずかしい。
「あ、の」
「ん?」
アサギはようやく口を開いた、なるべく顔を離しつつ、誤って触れ合ってしまわないように。
「あなたが、助けてくれたの・・・?」
これが4星の女勇者・アサギと、ドラゴンナイト・トビィの出会い。
幾度も転生を繰り返し、片時も絆が離れなかった二人の、出会い。
アサギにとっては一度目の。
トビィにとっては『二度目』の、出会い。
悠久なる水は、か弱き芽を見つけた、護り抜く事を誓った。
必ず二人は巡り逢う、引き寄せられて巡り逢う、互いの願いを叶える為に、必要不可欠な存在。
互いに見つめ合いながら、二人は暫し沈黙の時を過ごした。
長年引き裂かれていた恋人の様に・・・いや、むしろ肉親の様に。
トビィがそっと、アサギの髪に口づけをする。
愛しそうに、恭しく、視線はアサギの瞳を捕らえたまま外す事無く。
キィィ、カトン・・・
何処かで歯車が回る音が聞こえる、二人の耳に、届く。
ガシャン!
室内で妙な音がした、驚いて身体を竦めるアサギと怪訝に音の原因を探すトビィ。
蝋燭だ、蝋燭の一つが何故か部屋に落下した。
火が絨毯に燃え移っている、小さく叫んだアサギを見てトビィは名残惜しそうに腕からアサギを解放すると、火を消すために歩いた。
忌々しそうに靴で火を揉み消す、良い雰囲気だったのに、と舌を鳴らした。
妙な音に視線を移すと、トビィの近くの蝋燭が、業火となって燃え盛っている。
眉を潜めるトビィ、先程からこの蝋燭たちは何なのか、まるで邪魔をするように、意思があるように動いていないか?
トビィは踵を返すと一直線にアサギの元へと歩く。
跪いて優しく頭を撫でながら、先程の問いに答えた。
「そうだよ、オレがあいつを倒した」
耳に心地よい、高くも低くもない澄んだ声、自然と落ち着く。
思わず聞き惚れてしまう、囁くように言われて、アサギは思わず一言。
「す、凄く綺麗な声ですね」
「そうか?」
「そ、それから、とても素敵だと思いますっ。芸能人でも類を見ない位の美形さんですっ」
「? それはよかった」
芸能人、の意味がトビィにはわからなかったのだが、自分を誉めているであろうことは理解できたので、瞳を細めて微笑む。
「それからそれから、とても・・・優しい方です」
溢れるように口から飛び出る言葉、アサギは穏やかに微笑むと俯いた。
そう、優しい人だと直感した、気遣い方が、触れる指が、見せる笑顔が、とても優しくて落ち着くのだ。
「・・・アサギ限定だけど」
「え?」
トビィの呟きにアサギは思わず声を上げる、限定、と聞こえたが気のせいだろうか?
きょとんとしているアサギの前髪を優しくかき上げると、露になった額にそっと口付ける。
「っー!?」
「いきなり出遭ってそこまで誉められるのも、悪くはないかな」
思わず額を掌で覆い隠す、ようやく引きかけていた顔の赤らみが、逆戻り。
「え、あの、その、ええとー」
「ん?」
慌てふためくアサギの反応を楽しむかのように、トビィは業とらしく更に顔を近づけた。
逃げようとするアサギの腰を優しく引き寄せ、視線の高さを合わせて笑う。
「それはそうと、アサギ。身体は大丈夫か? 気分は?」
不意に真顔になるトビィ、ぎこちなくだが返答する。
「え、えと。だ、大丈夫、です。あんまり記憶がないのですが」
「なら良いけれど・・・とりあえずここを出たほうが良いな。で、何故こんな場所に」
「旅の途中です、ジェノヴァへ行く予定で・・・」
「旅? 1人で?」
旅をしていたのか・・・小さく呟くトビィに、アサギは不思議そうに首を傾げる。
「いえ、仲間がたくさんいます。はぐれてしまったので、捜したいんです」
軽く瞳を開くトビィ、怪訝眉を寄せる。
折角出会えたので、どうせなら二人で旅をしたい。
旅の目的は追々聞き出せばよいから、面倒だ、このまま二人で何処かへ行こう。
トビィの結論『このまま逃亡』。
捜す振りして、捜さない、二人きりで居たいんだ・・・というトビィの本音である。
「とりあえず、仲間を捜しに行こうか。ジェノヴァで待っているかもしれないし、な」
喜んで笑顔でお礼を言うアサギに、トビィは微笑んだ。
全く持って心底喜ぶアサギには申し訳ないのだが、トビィの言葉は嘘八百である。
軽々とアサギの身体を持ち上げ、慌てふためくアサギをお姫様抱っこ。
「体調が戻ってないかもしれないから、念の為」
有無を言わさず微笑まれ、アサギは大人しく抱っこされる羽目になる。
扉を開き、歩き出す。
軽すぎて実感がないが、トビィの身体にアサギの体温が伝わる事で、共に居るという安心感が得られた。
ふわり、と懐かしい香りがする。
甘く爽やかで柔らかな、香り。
トビィは、一月前からアサギを捜していた、黙々と1人きりで。
本来ならばはぐれたドラゴン三体を捜さねばいけなかったのだが、それよりもアサギを優先した。
ただ、アサギの言葉を信じて。
『いつか、一緒に居られる日が来ます。その時まで・・・また、会いましょう』
そう言ったアサギの安心した、切なそうな笑みを忘れる事無く、捜し続けた。
言葉は現実になった、こうしてアサギと出会えたのだから。
出会った瞬間、トビィはアサギに恋をした。
何故恋をしたって? そんなの知らない、自分が求めるものがアサギだと痛感した、それだけ。
命をかけて護りたいと思う存在だと瞬時に感じたのは、何故だろう。
守護する事が自分の役割、愛し抜く事が自分の存在価値。
一目惚れだろうか、いや、そうではなく。
以前から、生まれる前から、おそらく前世も自分は彼女を護っていた、愛していた。
やっと、見つけた。
ようやく、出会えた。
何度も名前を呼びたい。
狂おしいほど愛しくて、一晩中抱き締めて居たい。
・・・笑顔をずっと、見ていたい。
そっと、トビィは切なく瞳を閉じ、アサギの髪に口付ける。
二度目の扉を開く、先程もここから進入した。
洞窟を歩いていたら不快な感覚に気がつき、その場所をトビィは押したのだ。
そうしたら突如扉が現れたので、退屈凌ぎに手を伸ばしたら、アサギに出会えた。
クーバーが仕掛けた出入り口の扉を、偶然にもトビィは発見したのである。
巧みに魔力で隠されていたはずなのに、そんなこととは露知らず、トビィは造作もなく解除したようだ。
洞窟へと足を踏み出す、何やら声が聞こえている。
「アサギー!!」
「アサギちゃーんっ!!」
嫌な予感が、する。
が、足を止めても仕方がないのでトビィは突き進んだ。
隠されていた扉が音を立てて姿を見せる、洞窟内部の様子が見える。
「あ」
「・・・」
トビィは舌打ちした、物凄く忌々しそうに洞窟内部を睨み付けた。
そこには、仲間達が居たわけで。
つまり、トビィの逃亡計画はいきなり台無しになったわけで。
アサギをお姫様抱っこして現れた美形の男に、一同は釘付けになった。
性質の悪い男である、不機嫌な様子の男は同姓から見ても美形だった、足もすらりと長く、長身。
敵に回したら厄介以外の何者でもない男が、アサギを丁重にお姫様抱っこ。
それはそれで非常に絵になっているわけだが、不審人物である事に違いない。
思わず身構える一同、敵だと判断。
その緊迫した様子に、慌ててアサギが止めに入る。
「こ、この人に助けて貰ったの! 凄く強いの!」
物凄い形相で睨みつけている男だが、アサギを助けてくれたのなら・・・まぁ・・・と、渋々了解する一同。
咳き一つ、アーサーが徐にアサギに近寄ると、宣戦布告するかのようにトビィに怒りの瞳で微笑む。
瞳が全く笑っていない、小刻みに身体を震わしつつ。
「アサギを助けて頂いた様で、有難う御座います。それはともかく、何故彼女を抱き締めているのでしょう?」
「敵の妙な香りにやられていた、今離すと危ない」
「では、私が代わりましょう」
「断る」
周囲に発生した冷気、二人の間に亀裂が生じ、背筋が凍るかつてない冷戦が巻き起こる。
後方で、出るに出られなかった一同が成り行きを見守った。
「つーか、あのロリコン賢者もアサギを抱き締めたいだけじゃん」
「だなっ」
面白くなさそうに吐き捨てたアリナ、同意するサマルト。
参戦すべく歩き出す、余計複雑になりそうな気配である。
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当時16歳(トビィ・サング・レジョン)
こんな感じですか(笑)。
書き直さなくてもよいですよーぅ♪
今日からようやくGWですが、今日半日しか暇がないので、可能な限り小説更新を(ぐっ)。
とりあえず、あとでKOC行こう・・・。
※昨日眠くて到達できなかった人
今回もみやちゃんが読めたようで何よりです☆
書き直さなくてもよいですよーぅ♪
今日からようやくGWですが、今日半日しか暇がないので、可能な限り小説更新を(ぐっ)。
とりあえず、あとでKOC行こう・・・。
※昨日眠くて到達できなかった人
今回もみやちゃんが読めたようで何よりです☆
そうかー
多感な思春期なんだねー
トビィさん。
ガス探知ロボットなんてやってらんないねー
とりあえず、もそっといい感じでも良かったんじゃなかろうかと(ぇ
あ~
でも、脱がしはNGか?
近い表現はどうなのか・・・?
難しいねぇ・・・・・
ここは、ちょっとトビィさんに我慢してもらうしかないねぇ・・・
トビィさん。
ガス探知ロボットなんてやってらんないねー
とりあえず、もそっといい感じでも良かったんじゃなかろうかと(ぇ
あ~
でも、脱がしはNGか?
近い表現はどうなのか・・・?
難しいねぇ・・・・・
ここは、ちょっとトビィさんに我慢してもらうしかないねぇ・・・
うわ
なんだか後ろがエロいみたいで非常に恥ずかしい事に(汗
DESでエロいのは
トビィ(最も経験豊富?)
ベルーガ(ヤリ過ぎ?)
だと思われる。
トランシスは変態なだけじゃないかと(笑)
女だと
アサギ(上記三人を相手にしつつギルザが控えてるから・笑)※清純派おねだりエロ
ガーベラ(売女だからテクが過ごそう)※お姉さん系癒しエロ
マビル(言わずとも・笑)※小悪魔系Sエロ
…という後ろの解釈。
そうなると1番エロいのは…アサギ背後ということに(あ)
あくまで後ろの解釈だぞ(爽
DESでエロいのは
トビィ(最も経験豊富?)
ベルーガ(ヤリ過ぎ?)
だと思われる。
トランシスは変態なだけじゃないかと(笑)
女だと
アサギ(上記三人を相手にしつつギルザが控えてるから・笑)※清純派おねだりエロ
ガーベラ(売女だからテクが過ごそう)※お姉さん系癒しエロ
マビル(言わずとも・笑)※小悪魔系Sエロ
…という後ろの解釈。
そうなると1番エロいのは…アサギ背後ということに(あ)
あくまで後ろの解釈だぞ(爽
旅行から帰ってきましたよー、はいはい(何)
みやちゃん>
ただ今旅行から帰りました(ぁ
脱がしはOKですが(多分)細かい描写が無理かと。
私の知っている『トビー』だと、Rサガ2の変な敵にいますね(嫌)
トビィが好きな後ろの人>
・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
トビィとベルーガに関しては良しとして、トランシスが変態って!!
主人公の彼氏なのにっ!!(号泣)
マビルとガーベラも良しとして、アサギがっ、私がっ(爆笑)。
ところで、ギルザ背後君が「想像以上にエムだった」と言っていました。
飼い犬に手を噛まれた気分です。
※飼ってたのか
いつか必ず仕返ししてみせるのです。
私のほうがいっこ年上なんだもーん(ぷぷーい)。
というわけで、今からギルザに仕返しをしつつ、KOCやっているギルザの友達の弟君がこのブログを観るかもしれないので(非常事態)、あまり下手なことは書けないなぁとか、思った今日この頃。
とりあえず、あれです、メールたくさんありがとう。
ただ今旅行から帰りました(ぁ
脱がしはOKですが(多分)細かい描写が無理かと。
私の知っている『トビー』だと、Rサガ2の変な敵にいますね(嫌)
トビィが好きな後ろの人>
・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
トビィとベルーガに関しては良しとして、トランシスが変態って!!
主人公の彼氏なのにっ!!(号泣)
マビルとガーベラも良しとして、アサギがっ、私がっ(爆笑)。
ところで、ギルザ背後君が「想像以上にエムだった」と言っていました。
飼い犬に手を噛まれた気分です。
※飼ってたのか
いつか必ず仕返ししてみせるのです。
私のほうがいっこ年上なんだもーん(ぷぷーい)。
というわけで、今からギルザに仕返しをしつつ、KOCやっているギルザの友達の弟君がこのブログを観るかもしれないので(非常事態)、あまり下手なことは書けないなぁとか、思った今日この頃。
とりあえず、あれです、メールたくさんありがとう。
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