別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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何気にトモハルが書き易くて安堵。
そしてこのままだとDES本編最終回が結構詳しく書けてしまう罠(笑)。
ここから、トモハルの一人称開始なのですよー。
ちなみに、四章後半に入って、五章へ突入する辺りです。
そしてこのままだとDES本編最終回が結構詳しく書けてしまう罠(笑)。
ここから、トモハルの一人称開始なのですよー。
ちなみに、四章後半に入って、五章へ突入する辺りです。
「たすけてーっ、トモハルーっ!」
俺が、産まれて初めて好きになったとても可愛い女の子は。
俺の目の前で、殺された。
今まで呼ばなかった俺の名前を呼んで、涙を零して、身体中から血を流して、懸命に腕を伸ばしながら。
俺の目の前で、粉々に、そう、粉々に。
切り裂かれたのか、吹き飛ばされたのか。
可愛いマビルの姿が、瞬時に掻き消えた。
可愛い声で泣き叫んで、その声と悲痛で苦痛の表情とが。
俺の脳裏に焼きついて。
マビル、殺された。
俺の目の前で殺された。
助けられなかった、護れなかった。
マビルのこと、護れなかったんだ。
何が起こったのか理解出来ないまま、呆然とその場に立ち尽くした、手を伸ばしたまま、立ち尽くした。
不意に右腕が痛いくらいに引っ張られて、ようやくそこで俺は気がついたんだ。
マビルを殺した奴を、捜さなければいけない。
見ればアサギが俺を引っ張って、一直線に突き進んでいた。
途中で何か光る物が上空から降ってきたから、慌てて思わずそれを握る。
苺の形のネックレス。
マビルにあげた、ネックレス。
俺があげた、ネックレス。
安物で嫌そうな顔をしていたけれど、渋々つけてくれていたネックレス。
まだ。
持っていてくれたのか・・・。
嬉しかったけれど、マビルはもう。
何処にもいない。
マビル、殺された。
誰かに殺された。
・・・出て来いよ、どいつだよ!!
「トモハル、いけるね?」
アサギの低い声に、思わず苺のネックレスをポケットに突っ込むと、反射的に剣を抜く。
「おいで、セントラヴァーズっ」
アサギが自身の武器を出したので、俺も剣を引き抜いた。
目の前に、双子と思われる魔族。
ピンクの髪の、無表情の2人組み。
「マビル殺したの、おまえらかぁっ!」
アサギと2人で同時に斬りかかった、倒さなければいけない、倒さなければいけない。
「あなた、嫌い」
目の端に自我を失って猛攻撃をしているアサギが映った、俺だって、コイツら嫌いだよ、大嫌いだよ!
俺の相手は背が低いほうの魔族だった、無表情だったそいつが、妙ににやけて笑っていたので頭に来た。
大きく振り被った瞬間。
「勇者様が手を離してくれて助かったよ。触れられていると術が発動しなくてねー、タイミングが難しいんだ」
・・・。
「まぁ、手を繋いでいたくらいなら、強行突破出来そうだったけど。抱き締められていたら無理だったなぁ・・・。残念、勇者様」
・・・。
「あの影武者を、勇者様が抱き締めてさえいれば、死なずに済んだのに」
頭が混乱した。
腹を抱えて目の前で爆笑しているこの魔族が。
今何を言ったのか一瞬解らなくて。
数分、数十分、時が止まった気がしたんだ。
でも、そんなわけなくて。
「役立たずの勇者、死んどけ」
耳元でそう聞こえて、それからトビィの怒鳴り声。
気づけばクレシダの背中に乗って、唖然と光景を見つめる。
アサギが何か怒鳴っていた。
トビィが何か叫んでいた。
アサギの剣が魔族の片方の腕を捕らえて、絶叫が耳に届いたけれど。
動けない、動けない。
俺は動けない。
「・・・落ち着くんだ。呼吸、出来る?」
この声の主すら思い出せなくて。
ただ、瞳に映る光景を見つめる。
・・・。
俺が、マビルをあの時手放さなければ。
俺が、あの時マビルを抱き締めていれば。
マビル、死なずに済んだ?
う、あ。
うあ。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
覚えていないんだ。
そこから覚えていないんだ。
絶叫して、半乱狂。
アサギが駆けつけてくれたけれど、違う違う、違う、違う!!
「マビル、マビル、マビル!!」
違うんだ、違うんだ。
アサギに似ているけれど、全然違う、マビルっていう名前の可愛い女の子。
あの子、返して。
俺に、返して。
誰か、返して。
返せよ、マビル返せよ!
時間戻せよ、マビル、マビル!
「うわあああああああああっ!」
気づいたら。
天空城の一室で眠っていたらしくて。
痛い身体を無理やり起こして、ベッドから這い出た。
ベッドの脇に誰か居る、思わずマビルの名前を呼んだ。
・・・あぁ、違う。
アサギだった。
マビルはもう、何処にもいなくて。
俺は部屋に帰るとプリクラを見つめたんだ。
三回、撮ったんだ。
物覚えが良くて、三回目になるとマビルは自分でちゃんと画像を選択して、スタンプも上手に使いこなしていた。
可愛い可愛い、俺のマビル。
多分きっと、片思い。
それでも、きっと一番近くに居る事が出来た。
可愛い可愛い、女の子。
もう、居ないんだ。
俺が殺したも、同然じゃないか。
ごめん。
ごめんよ、マビル。
高校生になったらバイトして、バッグを買ってあげるんだ。
車も免許とって、乗せてあげる。
高そうなイタリアンのお店にも、かっこよくエスコートして連れて行くよ。
たくさん、たくさん、何処かへ行こうね。
何処かへ。
そう、どこか・・・へ・・・。
「トモハル、おい、トモハル!!」
ミノルの声が聞こえるけれど。
起き上がる力が残っていなくて、俺はまた、眠りに就いたんだ。
数ヵ月後、更に追い討ちをかける事件が起きて、俺は・・・もう。
・・・ダメだ、こんなんじゃ!
しっかり、しないと!!
「記憶を・・・消去する・・・?」
それは真冬だった、雪が降り積もる真っ白な世界だった。
地球の自宅のこたつでミノルとみかんを食べていたら、突然召集がかかったから、ケンイチ達と首を傾げて天空城へ出向いたんだ。
アサギが一時行方不明になってみんなで捜して。
トビィ達が連れてきたときにはアサギはもう。
アサギじゃなくなっていた。
そんなアサギを救う方法は、唯一つ。
「勇者達、地球側の人間の記憶を消去する。それしか方法はない」
今までの事、全部。
六月の勇者に選ばれて異世界へ飛んだ、あの日から今まで。
・・・全部、消える。
「それで本当にアサギが助かるのなら」
トビィが、深く頷いた。
記憶を消去するということは、トビィとてもうアサギには会えないという事で。
苦渋の選択なんだろう。
「・・・いいよ、やろう。それでアサギが助かるのなら」
ミノルとケンイチと、ダイキが同意した。
丸い球体で眠りについているアサギを見て、俺は。
「・・・嫌だ」
驚いてみんなが俺を見たけれど、そのまま走り出す。
記憶を消すだって?
冗談じゃない!
マビルのことも、忘れるってことだろう!?
嫌だ。
嫌だ!
マビルのこと、忘れちゃいけないんだ!
寂しがり屋で意地っ張り、けれど酷く怖がりで臆病なマビル。
気づいたら、初めて会ったビルの隙間に来ていた。
ここで待てばまた綺麗な服を着たマビルが、お腹を空かせて現れる気がして、何度も何度も足を運んだ。
でも、何度来てもマビルは来ない。
寂しがり屋のマビル、きっと忘れられたら悲しむから。
俺、絶対忘れないよ。
悲しまなくても大丈夫だからね、俺は絶対覚えてるから。
「・・・想いが強ければ、我達の魔力を打ち破って記憶が戻る可能性もある」
拒み続ける俺に、クレロがそう言って来た。
アサギを救いたいが為に、代わる代わる説得に誰かがやってくる。
俺だって、アサギは大事だし、助けたいよ。
けれど。
俺はマビルのほうが大事なんだから、仕方ないだろ。
不貞腐れて首を縦に振らない俺に、クレロが頭を下げた。
「了承して欲しい。この通りだ」
「無理やりにでもやればいいのに、律儀な神様だな」
「大事な勇者の意見を無視するわけにはいかないだろう。それにトモハルがマビルの事をとても大事に思っているその気持ち、大事なものだ」
「プリクラとかも、消える?」
「消えるな。すまない」
「・・・俺の想いが強ければ、思い出すことが出来る?」
「あぁ、可能だろう」
俺の想いが強ければ、か。
・・・やってやろうじゃないか、思い出してみせるよ。
俺が、産まれて初めて好きになったとても可愛い女の子は。
俺の目の前で、殺された。
今まで呼ばなかった俺の名前を呼んで、涙を零して、身体中から血を流して、懸命に腕を伸ばしながら。
俺の目の前で、粉々に、そう、粉々に。
切り裂かれたのか、吹き飛ばされたのか。
可愛いマビルの姿が、瞬時に掻き消えた。
可愛い声で泣き叫んで、その声と悲痛で苦痛の表情とが。
俺の脳裏に焼きついて。
マビル、殺された。
俺の目の前で殺された。
助けられなかった、護れなかった。
マビルのこと、護れなかったんだ。
何が起こったのか理解出来ないまま、呆然とその場に立ち尽くした、手を伸ばしたまま、立ち尽くした。
不意に右腕が痛いくらいに引っ張られて、ようやくそこで俺は気がついたんだ。
マビルを殺した奴を、捜さなければいけない。
見ればアサギが俺を引っ張って、一直線に突き進んでいた。
途中で何か光る物が上空から降ってきたから、慌てて思わずそれを握る。
苺の形のネックレス。
マビルにあげた、ネックレス。
俺があげた、ネックレス。
安物で嫌そうな顔をしていたけれど、渋々つけてくれていたネックレス。
まだ。
持っていてくれたのか・・・。
嬉しかったけれど、マビルはもう。
何処にもいない。
マビル、殺された。
誰かに殺された。
・・・出て来いよ、どいつだよ!!
「トモハル、いけるね?」
アサギの低い声に、思わず苺のネックレスをポケットに突っ込むと、反射的に剣を抜く。
「おいで、セントラヴァーズっ」
アサギが自身の武器を出したので、俺も剣を引き抜いた。
目の前に、双子と思われる魔族。
ピンクの髪の、無表情の2人組み。
「マビル殺したの、おまえらかぁっ!」
アサギと2人で同時に斬りかかった、倒さなければいけない、倒さなければいけない。
「あなた、嫌い」
目の端に自我を失って猛攻撃をしているアサギが映った、俺だって、コイツら嫌いだよ、大嫌いだよ!
俺の相手は背が低いほうの魔族だった、無表情だったそいつが、妙ににやけて笑っていたので頭に来た。
大きく振り被った瞬間。
「勇者様が手を離してくれて助かったよ。触れられていると術が発動しなくてねー、タイミングが難しいんだ」
・・・。
「まぁ、手を繋いでいたくらいなら、強行突破出来そうだったけど。抱き締められていたら無理だったなぁ・・・。残念、勇者様」
・・・。
「あの影武者を、勇者様が抱き締めてさえいれば、死なずに済んだのに」
頭が混乱した。
腹を抱えて目の前で爆笑しているこの魔族が。
今何を言ったのか一瞬解らなくて。
数分、数十分、時が止まった気がしたんだ。
でも、そんなわけなくて。
「役立たずの勇者、死んどけ」
耳元でそう聞こえて、それからトビィの怒鳴り声。
気づけばクレシダの背中に乗って、唖然と光景を見つめる。
アサギが何か怒鳴っていた。
トビィが何か叫んでいた。
アサギの剣が魔族の片方の腕を捕らえて、絶叫が耳に届いたけれど。
動けない、動けない。
俺は動けない。
「・・・落ち着くんだ。呼吸、出来る?」
この声の主すら思い出せなくて。
ただ、瞳に映る光景を見つめる。
・・・。
俺が、マビルをあの時手放さなければ。
俺が、あの時マビルを抱き締めていれば。
マビル、死なずに済んだ?
う、あ。
うあ。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
覚えていないんだ。
そこから覚えていないんだ。
絶叫して、半乱狂。
アサギが駆けつけてくれたけれど、違う違う、違う、違う!!
「マビル、マビル、マビル!!」
違うんだ、違うんだ。
アサギに似ているけれど、全然違う、マビルっていう名前の可愛い女の子。
あの子、返して。
俺に、返して。
誰か、返して。
返せよ、マビル返せよ!
時間戻せよ、マビル、マビル!
「うわあああああああああっ!」
気づいたら。
天空城の一室で眠っていたらしくて。
痛い身体を無理やり起こして、ベッドから這い出た。
ベッドの脇に誰か居る、思わずマビルの名前を呼んだ。
・・・あぁ、違う。
アサギだった。
マビルはもう、何処にもいなくて。
俺は部屋に帰るとプリクラを見つめたんだ。
三回、撮ったんだ。
物覚えが良くて、三回目になるとマビルは自分でちゃんと画像を選択して、スタンプも上手に使いこなしていた。
可愛い可愛い、俺のマビル。
多分きっと、片思い。
それでも、きっと一番近くに居る事が出来た。
可愛い可愛い、女の子。
もう、居ないんだ。
俺が殺したも、同然じゃないか。
ごめん。
ごめんよ、マビル。
高校生になったらバイトして、バッグを買ってあげるんだ。
車も免許とって、乗せてあげる。
高そうなイタリアンのお店にも、かっこよくエスコートして連れて行くよ。
たくさん、たくさん、何処かへ行こうね。
何処かへ。
そう、どこか・・・へ・・・。
「トモハル、おい、トモハル!!」
ミノルの声が聞こえるけれど。
起き上がる力が残っていなくて、俺はまた、眠りに就いたんだ。
数ヵ月後、更に追い討ちをかける事件が起きて、俺は・・・もう。
・・・ダメだ、こんなんじゃ!
しっかり、しないと!!
「記憶を・・・消去する・・・?」
それは真冬だった、雪が降り積もる真っ白な世界だった。
地球の自宅のこたつでミノルとみかんを食べていたら、突然召集がかかったから、ケンイチ達と首を傾げて天空城へ出向いたんだ。
アサギが一時行方不明になってみんなで捜して。
トビィ達が連れてきたときにはアサギはもう。
アサギじゃなくなっていた。
そんなアサギを救う方法は、唯一つ。
「勇者達、地球側の人間の記憶を消去する。それしか方法はない」
今までの事、全部。
六月の勇者に選ばれて異世界へ飛んだ、あの日から今まで。
・・・全部、消える。
「それで本当にアサギが助かるのなら」
トビィが、深く頷いた。
記憶を消去するということは、トビィとてもうアサギには会えないという事で。
苦渋の選択なんだろう。
「・・・いいよ、やろう。それでアサギが助かるのなら」
ミノルとケンイチと、ダイキが同意した。
丸い球体で眠りについているアサギを見て、俺は。
「・・・嫌だ」
驚いてみんなが俺を見たけれど、そのまま走り出す。
記憶を消すだって?
冗談じゃない!
マビルのことも、忘れるってことだろう!?
嫌だ。
嫌だ!
マビルのこと、忘れちゃいけないんだ!
寂しがり屋で意地っ張り、けれど酷く怖がりで臆病なマビル。
気づいたら、初めて会ったビルの隙間に来ていた。
ここで待てばまた綺麗な服を着たマビルが、お腹を空かせて現れる気がして、何度も何度も足を運んだ。
でも、何度来てもマビルは来ない。
寂しがり屋のマビル、きっと忘れられたら悲しむから。
俺、絶対忘れないよ。
悲しまなくても大丈夫だからね、俺は絶対覚えてるから。
「・・・想いが強ければ、我達の魔力を打ち破って記憶が戻る可能性もある」
拒み続ける俺に、クレロがそう言って来た。
アサギを救いたいが為に、代わる代わる説得に誰かがやってくる。
俺だって、アサギは大事だし、助けたいよ。
けれど。
俺はマビルのほうが大事なんだから、仕方ないだろ。
不貞腐れて首を縦に振らない俺に、クレロが頭を下げた。
「了承して欲しい。この通りだ」
「無理やりにでもやればいいのに、律儀な神様だな」
「大事な勇者の意見を無視するわけにはいかないだろう。それにトモハルがマビルの事をとても大事に思っているその気持ち、大事なものだ」
「プリクラとかも、消える?」
「消えるな。すまない」
「・・・俺の想いが強ければ、思い出すことが出来る?」
「あぁ、可能だろう」
俺の想いが強ければ、か。
・・・やってやろうじゃないか、思い出してみせるよ。
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