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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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えーっと。
まびるん、次回登場で(瀕死)。
間に合わなかったですよー・・・(がっくし)。

30:艶色の乱花~マビル・ルッカ・シィーザ
31:
32:
33:
34:

森の中は昼間だというのに薄暗く、木漏れ日を頼りに走るしかない。
地面には剥き出しになった木の根が多数はびこっており、何度もそれに躓いた。
その都度アサギは焦って唇を噛み締める、全身から嫌な汗が流れ落ちていく。

「早く、合流しなきゃ」

勝ち目などあるわけがない、相手は魔王だ。
口の中で鉄分の味がする、乾いた口内が、妙な咳を吐き出させる、涙が軽く瞳に滲む。
それでも、懸命に走り続ける。
合流できれば戦える、一人では無理でも仲間がいれば、戦える。
大好きな仲間の笑顔を思い浮かべると、アサギは棒のようになった足で、跳ね上がる心臓を堪えて、森の中を駆け巡っていた。

暫くして、唖然とアサギが居た筈の場所を見つめるハイ。
夢中で転送陣を創っていた為、逃げ出した事に全く気づかなかった。
思わず手にしていた小瓶を手からするり、と落としてしまう。

「そ、そんな」

愕然として立ち尽くしていたハイだが、顔面蒼白で走り始める。
あのような連れ去り方をしたので、怯えているのだろう、誤解されているのだろう。

「ま、待ってくれ、逃げないでくれ! 何もしないから」

アサギとて、ハイが追って来ていることなど百も承知である。
振り返るのはただの時間ロス、そして恐怖を煽るだけの行為。
アサギの荒い呼吸が森林に響き渡った。
と、目の前に何かが飛び出してきた。
危うくそれを踏み潰しそうになり、アサギは慌てて足を止めたがその拍子で後方へ転倒した。
お尻を擦りながら起き上がって見てみれば、綺麗な純白のウサギが一羽、目の前で不思議そうにこちらを見ているではないか。
逃げないそのウサギ、あまりの可愛らしさにハイが追ってきているという事態だが、思わず手を差し伸べる。
ふわふわの毛、ルビーの様な瞳、胸がきゅーん、となる可愛らしさだ。
が、その宝石のような瞳が鋭く光ったかと思えば、差し伸べた右手に激痛が走る。
ウサギがその鋭い歯を、アサギの甲に突き立てたのだ。

「あぅ、怖がらなくてもいいんだよ」

宥める様にそう言って、左手で撫でようとした時。
再度右手に激痛が走る、深く噛み付いたらしく、思わずアサギは右手を振ってウサギを跳ね飛ばした。
白い身体がぽん、と弾んで地に落ちる、体勢を立て直したウサギは、喉の奥で不気味な低い唸り声を上げながら、アサギへと近寄った。
獲物を狙う、野生の獣の瞳だ。
剣を引き抜こうと、思った。
が、アサギにはそれがどうしても出来ずに、狼狽する。
そうしている間にもウサギはグルルルル、と唸り声を上げてそのまま一気に駆けてくるとアサギの左腕に鋭利な爪と歯を突き立てた。
確実に捕らえられたアサギの左腕、激痛に耐え切れず、アサギは叫び声を上げる。
声を出せば、居場所をハイに知られる恐れがあった、故に堪えてきたのだが、限界だった。
それは、ウサギではない。
ウサギによく似た、魔物だったのである。
悲痛なアサギの叫び声は、当然ハイの耳に届いた。

「アサギ!?」

嫌な予感がするっ、ハイは聞こえた悲鳴を頼りに死に物狂いで駆け出した。

「私が目を離した隙に」

自分を責めるハイ、明らかに非常事態である。
微かに鼻につく、血液の香り、血相変えて懸命に走った。
やがて瞳に飛び込んできたのは、血を流しているアサギと、その周りに飛び交う白の物体。
瞬時に敵だと悟ったハイは、凄まじい形相で魔物を睨みつけると込上げてきた怒りに身体を震わし、右手から衝撃波を出す。
魔物が直撃を受け、弱々しくキュウン、と鳴くとその勢いで地面へと叩きつけられた。

「アサギを、傷つけたな!」

地面でキュウキュウと鳴き続ける魔物、アサギは慌てて駆け寄ると助け起こそうとする。
そう、アサギは未だそれが魔物だと知らないのだ、知っていても庇うかもしれないが。
が、大きく跳ね上がった魔物は、アサギの腕を擦り抜けて数メートル先に吹き飛ばされた。
何時の間にやらハイがアサギの隣に立っていた、右手から立ち上る煙で、何かしらの呪文を放ったのだということが解る。

「あれは危険だ、今始末する」

そう言い放つとハイは再び手を魔物へと向け、詠唱を始めた。
アサギは、思わず剣を勢いよく引き抜いた、魔物を護ろうとしたのだ、ハイへと斬りかかる。
驚いたのはハイだった、何故攻撃されたのかが理解できない。
剣を紙一重で避けると、両腕をアサギへと向って広げて必死に叫んだ。

「ま、待ってくれ。何故だ、何故私に斬りかかる!? 私はそなたを・・・アサギを傷つける気など全くない。寧ろ護りたい!」
「あなたが、あのウサギさんを攻撃したからですっ。それに、あなたは敵なんでしょう!? 魔王ハイなんでしょう!?」
「魔王ハイは間違っていない、だがアサギの敵ではないんだ!」

何を言っているのか理解不能、アサギはハイを睨みつけ、攻撃態勢へと入った。
勝てないと十分承知していても、ウサギを護る為に、戦いを挑む決意をした。
しかし、どうにも吹っ切れない、何故か脳内で「この人は敵じゃないの」と言っている自分がいる。
故に、両腕を広げられては躊躇してしまう、言葉を聞いたら信じたくなってしまう。
けれども、敵でないのなら、一体なんだというのだろう?

「それはウサギではない、魔物なのだ、森の魔物なのだ。私はアサギの敵ではない、どうか、どうかっ」

再度懇願するように、訴えてくるハイを見つめ、挑むような視線を送っていたアサギは思わず剣を下げかけた。
考え始めるが、答えが見つからない。
頭がぼぅ、と霧がかる、意識が薄れて目の前が真っ暗になっていく。
ふらり、とアサギはハイの目の前で地面に倒れこんだ。

「あいつの毒か!?」

慌ててハイは駆け寄ると、アサギを丁重に抱き起こして、傷口に回復の魔法を施し始める。
ハイのお陰で、傷口の出血は止まり、アサギの顔色も軽く笑みを浮かべて明るくなった。
安堵の溜息を吐き、そっと髪を撫でる。
しかし、ハイは油断していた。
魔物はハイの強力な魔力を身体で受け止め、本来ならば死に絶えている筈の弱々しい魔物である。
が、身体を大きく震わせながら魔物は立ち上がった、身体が数倍に膨れ上がり、先程からは連想できないほどに変貌した。
白い身体は純白から金色へと変化し、耳の長いタイガーの様だ。
その魔物の変貌等知る由もなく、懸命にアサギに治癒を施していたハイ、頭上から妙な雄叫びが降り注がれる。
ようやくそれに気づいたハイ、耳に不愉快な低い唸り声を聞き、空を仰ぎ見れば木々の間から金色の物体が飛び掛ってきたのだ。
間一髪でアサギと共にそれを避ける、辺りの状況を伺い、得体の知れない魔物を見据えて簡易な魔法を詠唱した。

「廻る宵闇、覆い隠すは冷たき霧。視界は永久に消え行く定め、光の入る隙もなく。幻影残虚」

先程逃亡用に使用した、霧で辺りを覆い隠す呪文である。
その隙に態勢を整え、攻撃準備を進めるハイ、傍らにアサギを優しく抱きとめて。
空気が揺らぎ、唸り声と共に幾つかの液体が飛んで来た、妙な音に視線を地面に落とすと、煙を上げて石が溶けている。
―――塩酸か?
地面から視線を外し、僅かな空気の振動を読む、飛び交う生命の反応を捕らえ、ハイは迷わず呪文を発動した。
溜め込んでいた魔力を、一気に放出する。

「我に集いし、異界の死霊達よ、そなたらに血肉を与えよう。目先の生命、喰い散らかせ!」

躊躇せずに叩き込んだ呪文、死霊達が一丸となってハイの指し示した方向へ突進していく。
断末魔が聞こえる、魔物が死霊に喰われているのだろう、ハイは憮然とそれを聴きながらアサギの傷の具合を見つめていた。
やがて霧が晴れ、死霊に喰われた成れの果ての魔物を見て、ハイは低く呻く。
何故か巨大な邪悪な魔力を死骸から感知し、軽く頭を押さえた。
後程ゆっくり調査してやろうと、その姿を脳内に焼き付けて、気を失ったアサギを優しく抱きながら陣へと戻っていった。
躊躇してから、陣へと進み、深い溜息と共に詠唱を始める。

「すまないな・・・」

本当に魔界へ連れて行っても良いのか、不安で仕方がないハイ、それでも。

「すまないな・・・どうしても、どうしても・・・」

一緒に居たいと願う。
魔王と勇者でも、共に居たいと思う。
2人の身体が徐々に透けていく、完全に姿が消えても、陣の中では青白い光が揺らめいていた。
やがてそれも消えゆき、静寂に包まれる森林。


 

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ここかよ!(笑)
無理しないようにな? 話がただの勇者召喚話ではなくなる、急展開部分(推定)だから、慌てて書かなくてもいいからな?
…読みたいけども(あ
しかし今最も気になっているのは、マビルだったりとか

君が今日という七夕に、笑っていますように(祈
トビィ(後) 2008/07/07(Mon)20:00:30 編集
笑ってました、高熱で(ぁ
おはよーございます。
何故七夕に38.8度の熱っ!
日曜日に気合を入れて購入したパスタが台無し・・・。
とりあえず、えーっと。
下がらない(照)。

トビィ君>
ギルザではなく、彼氏とおりましたー(笑)。
天の川は案の定見えなかったけど、熱で震えていたけど、とりあえず、今起きたー。
・・・だるーい・・・。
ちゃんと書くから、待っててね♪
アサギの後ろ 2008/07/08(Tue)04:45:00 編集
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