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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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緑の髪の娘は。
後方で宙に浮いたまま放心状態の、自称守護霊を不安そうに見つめている。
躊躇いがちに声をかけた。

「あの・・・大丈夫じゃないと思いますけど、ええと、大丈夫ですかー?」
「生きてるから大丈夫でござりゅんよー。10万」

意味不明な返答が帰ってきたので、緑の髪の娘は軽く首を傾げる。

「一刻も早くギルザさんに会わないと・・・。まこ倒れちゃうでござりゅん。10万」
「つまり、色々と相談したいのですね、ギルザに」
「そういうことでござりゅん。10万」

宙でひっくり返って瞳を閉じる。
緑の髪の娘は深い溜息を吐いた。
眉を潜めて小さく「心配です」と、呟く。
生まれて初めて(そりゃそうだ)の事態に、どうも対応が出来ないらしい。

「電卓電卓・・・10万」
「考えても仕方がない気がするのですー。とりあえず・・・寝たらどうでしょうかー・・・」
「小説書きたかったのでござりゅん、10万」
「・・・落ち着いて眠ってくださいです」

緑の髪の娘は、何処からともなく電卓を出してきた女に、睡眠の魔法を唱えた。
宙に浮いたまま、ぐー、と眠りにつく女。

「・・・いつになったら、アサギはビエルへ行けるのでしょうかー・・・」

図書館が完成しないと、ビエルへ行けない。
目の前で眠りこける女が図書館を進めないと、ビエルへ行けないのだ。
女は、時間が、ない。
そしてよく考えたら・・・。

ますます時間なくなるんじゃないか!?(激震)

※分かる人だけ分かってください(笑)10万。
検討つかないのですよー。

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・栗粉餅よーーーーーーやく、食べられました。
リゼル、持ってきてくれてありがとうー(悦)。
食わず嫌いで一位になったお菓子なのです。

・本日の食事会、大好物の牡蠣に鴨に白子が出たので大満足。
ばんざーい

・もーすぐクリスマス。ディナーを何処にするかで悩み中。
ギルザへのプレゼントを、なんとかせねばー・・・。
背後さんへは準備万端なんですけど。
友達から頂いた遺産でプレゼント買うのは、プライドが許さないわけです。
なんとかせねば。

・眠いです。
冷たい、痛い。
痛い、冷たい。
アサギは軽く瞳を開いた。
微かに呻きながら、起き上がる。
どのくらい眠っていたのだろうか、ゆっくりと身体を伸ばす。

「あれ・・・?」

腹部の傷がない。
衣服も破れておらず、血もついていなかった。
アサギは軽く苦笑いをすると、頭を軽く擦る。
ようやく開けた視界に映った物は、冷たくて硬い石で出来た部屋であった。
小さな部屋に寝転がっていたようだった。
どうやらここは牢獄らしい。
アサギは辺りを見渡し、気配がないか確認すると、息を大きく吸い込んだ。

「誰かいませんかーっ」

叫んでみる。
不意に気配を感じてそちらに眼をやると、鉄格子の向こう側に看守が立って、こちらを見ていた。
思わずアサギは右手を前に突き出し、睡眠の魔法を詠唱する。
牢獄から出ないことには先に進めない。
看守を眠らせて鍵を手に入れて、ここから抜け出す計画だった。
が、看守は魔法を無効化しているのか、アサギの魔法が失敗したのか、眠らない。

『今さらジタバタするな、お前は明日の朝に処刑されるのだから』

看守はアサギを見下ろしながら、そう言い放つ。
処刑・・・、アサギは小さく言葉を漏らすと、困惑気味に俯いた。

「殺人、か、な・・・。・・・多くの人を殺してきたことに違いはないので」

ぽつり、と呟く。
瞳を硬く閉じると、その「殺してきた人物」達の顔が脳裏に浮かび上がっては消えた。
哀しそうに、笑う。

『その通りだ。さぁ今夜は最後の晩餐だ。食べたいものを言ってみろ、持ってこさせるよ』

やっぱり。
微かに笑う。
食べたいもの、と言われても・・・。
アサギは再び冷たくて硬い床に寝そべった。
瞳を閉じ、先程から消えない声を聞いていた。
知らず、涙が頬を伝って、床へと消えていく。

「お水。冷たい、美味しいお水が飲みたいのです」

思い立ったように静かに呟くと、看守を見てにっこりと笑った。
言い終えてから、アサギは再び瞳を閉じる。
涙を拭おうともせずに、笑みを浮かべたまま、静かに呼吸していた。

 『なんだ、そんなものでいいのか。…どれほどのことをしてこようとも、所詮お前も凡人だったってことか。できることならもう少し話したかったな』

看守は拍子抜けしたようにそう言ったが、アサギにはそれが嬉しかった。
自分を平凡な人間、と見てもらえたような気がして。
これが看守との最後の会話になる・・・そう思い、アサギはゆっくりと起き上がった。
水を取りに行こうとする看守を呼び止め、鉄格子に軽く手を添える。

「あの。お話出来て嬉しかったのです。先程は唐突に魔法をかけてしまって、申し訳ありませんでした・・・。まさか、口を利いていただけるとは思わなかったので。・・・ちょっと、落ち着いてきたのです、ありがとでした。看守が、あなたでよかったのです。

本心。
殺人を犯してきた自分に死刑が下されるのなら。
最後に軽くでも人と会話出来たのなら、それはそれで良い。
ホントはギルザに会いたいけれど。
アサギはそう思って軽く笑った。
番人の脇をすり抜けて、目指すは扉。
安堵の溜息を漏らしながら足を速めると、後方に何かしらの気配を感じる。

え?

思って振り返った瞬間に、腹部に激痛が走った。
重い衝撃、首を虚ろに傾げて見やると、そこには短剣が深々と突き刺さっている。

え?

思わず、ゆっくりと、目の前の番人を見つめた。
今頃になって痛みがはっきりと脳へと伝わり、全身に『激痛』の指令を出し始めた。
震える右手で思わず腹部を押さえる。

『自分の“それ”に価値があると思ったか?自惚れるな、愚か者め』

冷淡に、なんの感情も持たない声でそう告げられる。
アサギは思わず肩膝をついて、その場にしゃがみ込んだ。
唇から微かに「痛い」と単語が漏れる。
が、苦し紛れに擦れ擦れの声で、その問いに反論しようと試みる。

「あなたに価値がなくとも。アサギにとっては価値が・・・あ・・・る・・・も、の、なの、ですよー・・・」

そこまで声に出したが、痛みに耐え切れず、唇を噛み締めて俯いた。
同時に力尽きてその場に倒れこむ。
荒い呼吸を繰り返し、じんわりと衣装が自分の血液で染められていく様を見つめた。

アサギの、信念は・・・。

見下すように、番人はアサギに容赦なく言葉を浴びせた。

『その“信念”は大地を育むか?何かを生むか?空腹を満たすか?
 形無き誇りはぬしの自己満足。周りはそんなものを求めてはおらぬ』


転がっているアサギの髪を無造作に掴み上げ、身体を持ち上げる。
小さく悲鳴を上げるアサギの顔を、番人は覗き込んできた。

『すべてが友愛に形作られているぬしの信念とは何ぞ?
 今一度よく考えよ、導き出せぬのならばその信念に価値などない』


言うなり、ずるずると、まるで物でも扱うかのようにアサギを引き摺り、扉の前へと進んだ。
悲鳴を漏らし続けるアサギの代わりに、番人は扉を押し開くと、その中へとアサギを強引に押し込む。

『・・・今一度、よく考えよ・・・』

転がったまま、呻き続けるアサギに番人は再度、そう告げた。
微かにその言葉には優しさが込められていたのだが、アサギは全く気がつかない。
激痛で意識が朦朧としている。

・・・死ねないの、こんなところでは。
アサギは、死ねないのです、ギルザが居るから。
ギルザと、一緒に、生きていくんだから・・・。

意識が、途切れた。

扉の内側、番人は扉が確実に閉まったことを確認し、目の前からアサギの姿が消えたことを見届けると、静かに黒衣を脱ぎ捨てた。
現われたのは、濃紺のウェーブがかった髪、深紫の鋭い瞳。
アサギの愛するギルザがそこに、立っていた。
扉が目の前にある。
けれども、扉へは簡単に辿りつけそうもなかった。
明らかに、行く手を阻むかのように、灰色のローブを身に纏った人物が一人、立ちはだかっているのだ。
特に話しかけてこようともしない人物だが、何かしら特殊な気を放っていた。
足元には大量の麻袋が転がっている、無造作に。

・・・植物の、種?

アサギは不意にそう思い、しげしげとそれらを見つめる。
やたら重そうだが、アサギは中身を植物の種子だと暫定した。
作物を育てたり、地を潤したり、様々な用途の種子。
様子を伺いながらその人物へと真っ直ぐ歩いていくと、あと数歩で辿りつける、その位置でようやく人物が口を開く。
重々しく、冷淡な声だった。

『どこから来た?』

一言、それだけ。
アサギは歩みを止めると、唇を湿らせてから口を開く。

「気が付いたらここにいたのです。この不可思議な世界へ来る前までは、旦那様と一緒に暮らしていたお城にいたのですけど・・・」

素直に、そう答えた。
その人物・・・扉の番人は何か考えていたようだったが、徐に右手を差し出してくる。
アサギは小さく首をかしげて、右手を見た。

『通りたくば対価を支払え。いくら払えるのだ?』

通行料を払えば通して貰えるらしい。
アサギは安堵の溜息を漏らすと、自分の身を弄り出す、が、すぐに気がついて落胆する。
そう、何も持っていない。
お金はもちろんのこと、持っているものといえば、愛用の武器『セントラヴァーズ』。
だがこれは本来ならばアサギの物ではないし、目の前の番人には扱えないだろうから、全く役に立たないものだ。
アサギは困り果てて、スカートのポケットに再度手を突っ込んだ。
・・・何かが手に当たる。
引っ張り出すと、それは小石だった。
こんなものじゃ、いくらなんでも・・・。
苦笑いしながらも、それしか出せるものがなかったので、アサギはおずおずと差し出す。

「あの・・・この、砂みたいな小石しかないのですけど・・・」

多分、先程の戦いで不意に入ってしまった小石だった。
何の価値もなさそうだ。
番人は静かに手を伸ばしてそれを受け取る。
が、すぐに掌からそれを地面へと放り捨てた。

「あぅ」

唖然と番人を見つめるアサギに、淡々と語る。

『足らんぞ、ぬしが本当に差し出せるもので払え』

・・・本当に、差し出せるもの・・・? 何かあったかな・・・。
アサギは再度身を弄る。
が、案の定何も出てこない。
下から覗き込むように、目の前の番人を見つめた。
フードで表情が見えないが、余り気は長くなさそうだ。
アサギは軽い溜息を吐くと、右手で胸を押さえながら小さく、言葉を吐き出した。

「では。アサギの『信念』を。これでは、ダメですか・・・?」

信念。
そう、信念だ。
固く信じて、疑わない心。
ギルザを、信じている。
自身を、信じている。
二人の間柄に、何も隠すものはなく、貫き通す思い、疑わない心。
頑なに自身の信念を貫き通し、ここまで来れた。
これしか、ないと思った。
番人は満足した様子で、そっと身体を右側へと寄せてくれる。
路が開け、扉が見えた。
アサギは嬉しそうに会釈をすると、そのまま扉へと駆け出した。

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