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別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。 いい加減整理したい。 ※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。 絶対転載・保存等禁止です。 宜しくお願い致します。
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眠いです。
ぐー・・・。
75031041.jpgそんなわけで、ロックブーケ。
いん ろまさが2

彼女を倒すのが忍びなくて(ノエルとセットで)、いつも最後に残してましたー・・・。
大好きじゃ。
間違えた、ノエルが最後ですー。
ロックブーケはテンプテーション見切りの為、中間で撃破してました。
ゲームの敵で好きなキャラは、この子と、忘れちゃいけないFF4のバルバリシアーっ。
カイン×バルバリシア、最終皇帝男×ロックブーケ万歳。
どうでもいいんんですが、最終皇帝男の名前もトモハルでしたー。
なので、最終皇帝女がアサギでしたー。


ノエルとロックブーケとワグナスは、良い人なので(他はどうでもいいけど)、どうにもこうにも・・・。
スービエが大嫌いだったので、とりあえず初期に抹殺に行った記憶があります。
放置しておくと、白い鯨(違)吸収しちゃうんですよね・・・。
許さんっ。

というわけでした。

全然本編と関係ない雑談、終了。
BGMが最近ずっとRサガ1、2なものですから(汗)。

「ちょっとケンイチ! 何あの態度、あなたって、そういう人だったの!?」
「何が?」
「でれでれして、スケベ心丸出しの男みたいよ、最低、不潔、見損なった」
「えー!? ちょっとやめてよ、違うよ!
トモハルじゃないんだから、人聞き悪い事言わないでよ・・・」

ぷいっ、と横を向いて眉を吊り上げ歯軋りしているユキに、弁解を始めるケンイチ。
別に、何をしたというわけではないのだが、ユキの機嫌は直らなかった。
居心地悪そうに、無口なユキの後方をマントの端を摘みながら歩く。

・・・いやだってさ、綺麗なお姉さん達に囲まれてうろたえない男はいないと思うよ・・・

小さく口を動かして、そう漏らした。

「んぁ? 何か言った?」
「いえ、何も言ってません・・・」

地獄耳以外の何者でもない、瞬時に振り返り、鬼のような形相と、ドスの効いた低い声のユキ。
慌てて首を横に振り、へこへことお辞儀をし機嫌を取り繕うケンイチは、鼻息荒く歩き出したユキに安堵の溜息を漏らし。
だが、小声でぶつぶつと誰にでもなく言い続けている姿に背筋が凍った。

・・・ユキって、あんな性格だったけ? あまり接した事はなかったけれど、もっとお淑やかだった気がする・・・

顔を引き攣らせ、ユキからムーンに視線を移した。
こちらも機嫌がすこぶる悪そうだった、・・・人と話してはいけなかったのか? 思わずケンイチは心痛な溜息を吐き出した。
気の毒そうにブジャタがケンイチを観ていたが、必死にムーンに付き添っているようだ。

「私の国では、いえ、星では昼間からあのような職業の女性は出歩きませんわっ。
まして、いたいけな少年に接するだなんて・・・教育が悪いにも程があります。
あのような方々を責めるわけではありませんが、時と場合と人を選ぶべきでしょうっ?
そうですわよね、ブジャタさんっ?」
「あー、そうじゃのー・・・。うんうん、最もじゃて」
「しっかり話を聞いてください! ・・・ここの国王様に直談判しようかしら」
「うーん・・・まぁ、その、あれじゃよ」

先程から愚痴を延々と聞かされているらしい、話を摩り替えるべく曖昧な返事をしているようだが。
耳にたこが出来るほど、ケンイチとブジャタは女二人の止まらないマシンガントークを聞きつつ歩く。
行き先は、安居酒屋。
陽が落ち、夕暮れ時に差し掛かり飲食店が賑わい出す頃だ。
ブジャタの案内で、大通りではない道の、決してお世辞で綺麗とは言いがたい店に到着する。
ようやく、二人の口数が減ってきたところだった。
旅人も、街の住人も気兼ねなく集まることが出来る、大衆向けの場所である。
既に店の中ではテーブルのあちらこちらで宴会が始まっていた、仕事帰りの一杯だろうか。

「さて・・・耳を傾けましょうかのう。こういった場所では、結構噂が飛び交いますからなぁ」

それが目的だ、ブジャタが空いていた中心付近のテーブルを見つけ、腰掛ける。
三人も目配せし合うと、静かに椅子を引いて座った。
ユキは、その店を見渡しあからさまに顔を顰めた。
ケンイチはすぐに何故だか解った、「汚い」のだ。
足元は先程から何かが通過していく、おそらくはゴキブリだろう。
壁には枯れた花が飾られ、絵画は高そうには見えない。
客層も大声で喚きたてる人物達だ、酔っ払いも少なくはない。
ユキは小さく俯くと、隣のムーンのワンピースの裾をしっかりと握り締めていた。
似つかわしくない、四人だ。
子供が二人に、老人と、美しい娘。
普通に考えて居酒屋に来る顔ぶれではないが、周囲は興味がないのだろう、特に気にも留めていないようだ。
適当にブジャタが注文し、後は瞳を閉じてじっと、耳を済ませる。
同じ様にムーンも、真似てケンイチとユキも、それに習った。
四方から聞こえてくる、男達の声を、聞き捜す。

「おおぉう、俺様はよぉ、この間でっけぇ竜を退治したぜぇ」
「はっはー、そりゃぁよかったなぁー」

すでに酔いが廻っている者達だ、これはホラだろう。
浴びるように酒を呑んでいる、口から酒が零れようがジョッキを下げずに一気に飲み干しているようだ。
勿体無い・・・とムーンが注意すべく立ち上がろうとしたが、慌ててブジャタが引き止める。
憤慨しているムーンの気持ちは解る、彼女の惑星は食料すらままならない状態だったのであろう。
魔王・ハイの恐怖ゆえに。
そう思えば、本当にこの惑星・クレオは魔王の脅威に直面しているとは思えない。
出てきた茹で豚とナッツのディッシュサラダを自分の皿に取り分けながら、ケンイチはユキのご機嫌を直そうと必死だ。
水菜に大根、トマトの彩りが目に良い刺激を与えてくれる、おずおずと皿を差し出したケンイチ。

「・・・私、トマト食べられない」
「ご、ごめん。でも、食べなきゃ駄目だよ」

テーブルに肘をついて不貞腐れているユキに、ケンイチは始終苦笑いだ。
空腹だと機嫌が悪くなるだろう、何か食べてもらうべくパンを差し出した、スープを取り分けた。
渋々食べ始めるユキ、そっと胸を撫で下ろすと、ケンイチも食事をしつつ周囲に耳を傾ける。
それほど気になる情報はなさそうだった、聴こえてくる話は普通の世間話へと移行しつつある。
深い溜息を吐くブジャタ、確かに一日で情報を得られるとは思わなかったが、重い腰を上げ、空になった皿を見ながら勘定を頼むべく手を上げた。

「ここらで噂の盗賊の件だが」

四人、同時にはっとして顔を上げる。
近寄ってきた店員にブジャタは慌てて紅茶を四杯、注文し席につくと軽く頷いて顔は互いを見たまま耳だけそちらへ向けた。

「街へ来る途中だが、ほら、森に鍾乳洞の洞窟あるだろ? あそこへやけに宝石を手にした二人組みが入っていくのを見たが・・・どう思う?」
「あぁ、あの巨大スライムが生息するっていうあれか」
「いや、俺が聞いたのは太古の宝石を死守しているからくり仕掛けの人形がいるって・・・」

届けられた紅茶に四人は手をつけずに、そのテーブル席の会話だけを抜き取るようにし、集中する。
嘘か真か、森に鍾乳洞があるらしいことだけは把握出来る。
周辺の地図を広げてみたが、確かに洞窟の印がそこには存在した。
ただし、幾つもあるようだ。

「まぁ、どのみち、入る気はないわな・・・」
「命あって、だからな。確かに盗賊に賭けられた賞金は高いが、あんな洞窟入る気しねぇ」

いわくつきの場所なようだ、盗賊の住処になるならばもってこいだろう。
人が近寄らないらしい、中に居るのは正体不明の魔物、というところか。

「そこまで見たなら役所に届け出たらどうよ」
「さっき行って来たが、取り合ってもらえねぇ」
「確証がない、ってか」
「そんなもんだ・・・」

冷めた紅茶を四人が飲み干す、静かに席を立つと宿へと急いだ。
店を出て離れていけば、徐々に物悲しく静まり返った路地裏へと。
予約してあった部屋へと戻り、部屋は当然男女で各一部屋なのだが、一方に集まると明日の作戦会議である。
回復の薬草等を点検し、地図を広げ場所を確定する。
あの二人が言っていた場所が、どの鍾乳洞を指すのかが不明だ。
地図を見る限り、入り口が四箇所あるようだが内部で繋がっているのか別物なのかが不明である。
近くから探索すべきか、遠くから行くべきか。

「一番近い場所から、行こう」

ケンイチの一言で決定した、本来ならば遠くに身を隠すのだろうが、盗賊も徒歩で戻っているようだ。
そこまで遠くへ戻っているとは考え難い、とのケンイチの判断である。
夜は更けていない、ゆっくり身体を休め早朝発つ事を決めると荷物の分担をし、入口への距離を測る。
馬車は使えない、誰も操作が出来ない。
運よく、そちら方面の馬車が出れば途中まで乗せていって貰うとして、そうでない限りは徒歩である。
時刻、22時程。
四人はそれぞれ浅い眠りに就いた、習いたての剣士が一人に、魔術師が二人、見習いの魔術師が一人。
戦闘に限りが出てくる事は必須である、打撃系のプロがいないのだ。
ケンイチは自分に重く圧し掛かるプレッシャーに、布団の中で押し潰されそうだった。
それでも、やるしかない。
今はこの四人しかいないのだから。
皆、それぞれ必死な筈だ。
何度も自分に言い聞かせ、拳を強く握り締めた。

早朝、宿の主人に簡易な食べ物を用意してもらいそのまま街を出る。
半日あれば到着出来るであろう場所、内部探索も含め往復で三日の計算である。
街道が街から続いているので、森へ入るまでは非常に歩き易いことが幸いしたが、運良く後方から馬車が来た。
入口付近まで連れて行って貰うべく、言い値で金を支払い荷台へと乗り込ませてもらう。
計算外の嬉しい誤算だった、一気に予定時間の縮小である。
足の疲労感を感じていたユキは我先にと乗り込み、足を伸ばしてマッサージ。
探索がし難いと思われる洞窟内に備えて、体力温存が可能な事も大助かりだった。
何分このパーティは体力に自信のある者がケンイチ、一名である。
荷台には簡素な幌がついているため、昇る太陽の熱い日差しを免れることもでき、老体のブジャタも胸を撫で下ろす。
その馬車は、ジェノヴァの名産である絹を出荷しているようだった、荷台に大量の箱が積まれている。
その、箱の僅かなスペースに収まっている四人。
クリストバルで譲り受け、先日まで乗車していた馬車よりも、当然乗り心地は悪く、道の小石でガタガタと身体は始終揺れていた。
ケンイチとユキは、それでも眠りに就いた。
早朝に起床し疲労が出たのだろう、丸くなって静かに寝息を立てている。
その間にブジャタとムーンが、今回の目的の段取りの最終確認を行った。 

「私の得意魔法が、風と氷に回復。ブジャタさんが氷と攻撃補助魔法。ユキが風と回復。
火炎系がないのが痛いですわね」
「うむ、属性が三人とも似たり寄ったりだのぉ。打撃の主力がケンイチ殿になってしまうが、戦闘に入ったら真っ先に詠唱に入り先手必勝、それが無難じゃな」
「えぇ、まだひよっこ勇者ですわ。無理させたくはありません、二人ともかなり数日で目を見張る伸びを見せていましたけれど」

昨日の大蛇との戦いを思い出し、ムーンは静かに微笑んだ。

「ブジャタさんの所持武器は杖ですわよね、何か効果が?」
「簡易な回復魔法の詠唱が可能じゃ、攻撃力は無きに等しい」

ムーンとブジャタ、二人の魔法による連続、追撃攻撃が戦闘の鍵だ。
ケンイチがこのまま成長すれば、比較的整ったパーティに成り得るのだが、今はまだ期待出来ない。
恐ろしいのは魔法に耐性のある敵が出た場合である、正直それが恐怖だった。

「仮眠されよ、亡国の姫君」
「いえ、ブジャタさんこそ、お休み下さいませ」
「いやいや、ここは一つレディファーストで」
「いえいえ、ここは老人にお譲り致しますわ」
「まだそこまで年老いてはおらんー!」

のんびりと会話を続けていた二人であったが、急に馬車が大きく傾き停止、馬と人間の叫び声が前方で上がる。
二人は直様傍らの杖を掴むと、荷台から飛び降りた。
盗賊だ、5人の盗賊が馬車に攻撃を仕掛けてきたらしい。
飛び出した二人の足元に燃えている矢が放たれる、木の上にもう一人弓兵がいるようだ、全部で6人。
操縦者は辛うじて剣で応戦している、彼の護衛をしている二人の青年のうち、片方が手傷を負っているようだ。

「私、弓兵の動きを封じます!」
「承知!」

ムーンは直様風の魔法を唱え、木の枝から狙っていた弓兵の身体を切り刻んだ。
木に護られている為直撃は免れているから、命に別状はないだろう。
上から弓が落下したので、上空からの攻撃は気にしなくて良い。
ブジャタは操縦者を狙っている盗賊を三人まとめて、氷の飛礫で撃墜した。
命までは奪う必要はないだろう、簡易で威力の低い魔法ならば連続での使用も可能だ。
ケンイチとユキも騒ぎに気づき荷台から飛び出した、剣を引き抜き果敢に残りの盗賊に挑むケンイチを、後方でユキがサポートしている。
その隙にムーンが負傷者の手当てを、盗賊6人はあっという間に四人によって捻じ伏せられた。
魔物とは違い、極力人間を傷つけたくないのである意味難しかったが、懸命に剣を駆使するケンイチに思わず拍手を送るムーン。
責任感が出てきたのだろう、不慣れだが基礎を思い出して戦っているようだった、人型であったことも戦い易かったのかもしれない。
馬車の持ち主にも激励を受け、相談した結果木の上の盗賊も引き摺り下ろし、流石に野放しには出来ず縄で縛り上げた。
問題はこの盗賊をどうするか、だが。
その前に念の為、盗賊との会話を試みることにした。

「巷で噂の盗賊団じゃな? ちと聞きたいのじゃが・・・。
お主らの中に、魔物を呼び出せる妙な球体を所持している、もしくは知っている者はおらんかの?」

もし所持していたら使用しているだろうが、念には念を。
皆俯き、問いかけに全く反応しない盗賊達、やはり簡単には口を割らないようだ。
瞳を細めてそれでもブジャタは続ける、一人一人の顔色を窺いながら。

「ふむ、外道は外道なりに道理を弁えているのじゃな? 結束はそう簡単に破れないということかの。
盗賊を一網打尽にすべく旅を始めたのじゃ、今から巣窟になっていると噂の鍾乳洞へ出向く。
待っておれ、直に仲間達にも会えるじゃろうて」

誰一人、顔色一つ変えずにブジャタの話を聞いている。
ユキとケンイチが不安そうに顔を見合わせていたが、ムーンとて鋭く盗賊を観察していた。
捕らえた盗賊は直ぐにでも牢へと放り込みたいところである、馬車は次々にここを通りかかるだろうが大の大人六人を乗せる余裕があるか解らないのだ。
ここへ放置しておくのも魔物に襲われてしまいそうで気が引ける、かといって戻って連れて帰っていては時間のロスでもあり、他の仲間が彼らを救いに来る可能性もあった。
非常に扱いが難しいところである。
街を出てから、二時間が経過していた。

「木に縛り付けて、戻ってきたら一緒に街へ戻るが一番無難かの? まぁその間に魔物に襲われたらそれはそれで・・・致し方あるまい」

頭を抱えていたブジャタが容赦ない一言を繰り出した、流石の盗賊も顔色をかえる。
街道であり、多少の魔物除けは張り巡らされているが100%出遭わない確率など、無きに等しい。
馬車を先に行かせ、本当にブジャタは木に盗賊達を縛り付けた。
唖然と見ているケンイチとユキには気にも留めず、満足そうに頷く。
武器を所持していないか調べ、小型のナイフ等は全て没収した。

「じゃあの、早くて二日後には戻る」

不安そうに盗賊を見ていたケンイチの手を引っ張り、ブジャタは地図を広げながら街道を逸れて森へと足を踏み入れる。

「さぁさ、鍾乳洞を目指しますぞ!」

大人しくムーンも続く、四人は慌てふためく盗賊を尻目に、そのまま森へと姿を消した。

「か、可哀想じゃないかな。流石に」

森へ入って数分後、ケンイチが痺れを切らせてそう口にしたが、小さく笑うブジャタ。

「囮ですじゃ」
「え?」
「ふむ、この辺りでよいかの? 盗賊達の様子も窺える、身も潜め易い。
・・・さて、どう動くか」

座り込んだブジャタとムーンに、ようやく理解した、別に置き去りにしたわけではないのだ。
本拠地に案内を頼もう、ということなのだろう。

「ただ、昨日の盗賊とは、団が違うかもしれません」
「まぁ、そうでなくとも一つの盗賊を壊滅させる事が出来るのならば。今後の商人の行き来にも不安の影を落とさずに済むのぉ」

やがて、盗賊達の話し声が聴こえてきたので、耳を済ませた。

「チクショウ、何だあのクソ爺」
「誰か! 武器はないのか!?」
「没収された、ねぇよ」
「助けに来てくれるのを待つしかねぇな、巡回している筈だ」
「しかし、情けない姿だ・・・見られたくない」

特に情報は吐かない、この盗賊は恐らく白だろう。
小声でどうすべきか相談をしていた、確かにこのまま放置も気の毒である。
大きなタイムロスだが仕方ない、6人を連れてジェノヴァへ戻り警備兵に引き渡す事にした。

「! しっ」

立ち上がろうとすると、慌ててムーンに引き寄せられた、指した方角に新たな人間が二名。
街道を歩いてきたのだろうか、縛り上げられている6人を見て笑っている。

「無様だな」

一人が嘲り笑えば、6人が一斉に凄んで見る、しかし全く効果がない。

「このままでも気の毒だ、助けてやんよ」

舌打し、ブジャタが立ち上がるが、断末魔によってその場に立ち尽くした。
目の前で、何か球体を翳した現れた二人組み、球体に縛られていた盗賊達は吸い込まれたのだ。
衣服だけが、その場に残っており、完全に人は消えた。

「よし、思わぬところで吸収できたな、上々だ」

森へと入ってくる二人組み、ケンイチが思わず剣に手をかけるが慌ててそれを制するムーン。
息を押し殺し、必死に二人組みに気づかれないように微動だせず。

「尾行しますぞ」

音をださないように、一定間隔離れて二人組みを追った。
あれが、球体。
ケンイチが昨日見た球体とは色が違った、大蛇は出てこなかった、しかし間違いなく”黒”である。
人が、球体に吸い込まれたのだから。
やはり相当な技術者が後方にいるようだ、二人組みは昨日の者達とは顔が違っていた。
二人で一組なのだろうか。
やがて、二人組みは到着した洞窟へと足を踏み入れる。
入っていってから、四人はそっと茂みから顔を出し、地図を広げた。
間違いない、鍾乳洞の洞窟である。

「なにやら・・・危ない香りがプンプンいたしますじゃ、準備はよろしいか」

入口前で再確認、深く緊張した面持ちで頷く一同は、そっと中へと進入する。
岩に囲まれた入口、入ってみれば恐ろしく寒かった。
ブジャタを先頭に、ケンイチ、ユキ、ムーンと続く。
人一人は余裕で通れる幅だ、しかし二人並ぶのはきつい。
水脈が流れている場所は、仕方なく水に入って進む。
暫く歩いていくと道が二つに分かれていたので、足跡を見て判断してみる、右のほうが明らかに多かった。
しかし、左にも足跡の痕跡がある。

「どう思いますかな?」
「二つとも当たりなのかもしれませんわ、向かったのは右のようですけれど」

屈んでムーンがそう告げる、左の足跡は真新しくない。
しかし、足跡があるということは左にも何かがあるということではないのか。
二人組みを追うべきか、左へまずは探索に行くべきか。

「左へ、行ってみよう」

ケンイチが静かにそう切り出した、何か考えがあるようだ。
ブジャタは静かに頷き、そのまま左へ足を進める。
数分後、広い場所に出た。
箱がその空間に幾つも置いてあり、静かにランプに光が燈っている。
人の気配はない。

「この広さなら、十分敵と戦えそうだ」

ケンイチが大きく伸びをし、剣を引き抜きながら、箱を見つめる。
頑丈そうな木の箱だった、特に鍵はかけられていないのであけようと思えばすぐにでも開くだろう。
木の蓋がしてあるだけなのだ。

「どれ・・・」

ブジャタが静かに木の蓋をずらした、何が出てきてもいいように、四人は箱を相手に構える。
特に何も反応はない。
ひょいっ、とムーンが覗き込めば、思わず息を飲む。

「綺麗な珠が幾つも」
「球って、まさか!」

ケンイチが思わず身を乗り出す、箱に手を入れて一つを掴みあげ、目の前で眺めれば。

「あの、球だ・・・」

そう、大蛇を出現させたあの球である。
箱の中は全く同じ色の球ばかりが丁寧に布の上に置かれていた、別の箱も蓋を開けて確認すれば、色違いの球である。
箱の数は全部で6箱、それぞれ違う色の球が入っているが、数はまちまちだった。

「多分、色によって効果が違うんだよね・・・。これは大蛇が出てくる球。
さっきの盗賊達を消した球の色が微妙に・・・こっちのこれかな」
「あと四種類、未知の効果があるのね」

物騒なものだ、早急に始末すべきだった。
しかし、どう扱えばよいのかが解らない、大蛇はこの球を地面に投げつける事で出現していた。
破壊してしまうと、何かが起きるのだろうか。
だが、持って街まで戻ることは不可能に近い、数が多すぎるし、途中で割れても大変だ。
根源は後で叩くが、今はこれをどうすべきか。

「大蛇なら、四人がかりでどうにか倒せそうだよね」

地道な作業になりそうだが、確かに確実といえば、確実か。
四人で真剣に悩んでいた時である。
声がしてきた、球の補充に来たのだろうか。
隠れるところなど、何処にもない、四人は入口の左右に二手に別れて敵を迎え撃つことにする。
声の数はおよそ、二人だ。
二人ならやれるだろう、息を潜め、進入してくるのを待つ。
ケンイチの手の中の剣が、重みを増した気がした。
全員の心音が聞こえてくるような、長い静寂の時間。

「さぁて、補充補充、っと」

一人が入ってくる、二人目が入ってくる。
『今だ!』
ムーンが杖を地面に深く突き刺した、その音に驚愕の瞳で振り返った二人組みだが、そのまま停止。
影縛りだ、動きを止める魔法である、VS大蛇戦でもムーンが使用していた。
硬直している間に二人を縛り上げる、縄はムーンが腰に巻いていたものを使用。
騒がれると困るので、適当にケンイチのマントを切って口に詰め込んでおく。
額の汗を拭いながら、まずは一安心か。
捕らえた二人組みは、先程洞窟へ入っていった二人組みである。
もう、この洞窟には人がいないのだろうか、それとも右へ行けば誰かがいるのか。
ともかく、二人の衣服を丹念に調べ、武器類は当然取り上げておくことを忘れない。
念の為、球も各一種類持って行く事にした。
影縛りが解けて、暴れ始める二人組みだがブジャタが杖で容赦なく鳩尾を突き刺した。
ぐったりとなった二人を見つめ、気の毒そうにケンイチはブジャタを見つめたが念には念を、だ。
四人は静かに来た道を戻り始める、分岐点に戻ってきた、次は右だ。
何が出るか解らない、誰も居ない事を祈りながらケンイチは進む。
やがて明るい光が漏れる場所へと出た、部屋があるのだろう。
静かに歩み寄り、中をそっと覗き込んだブジャタは三人に手招きをした。
・・・誰かが、いる。
そこは休憩室なのだろうか、ベットもあり仮眠が出来るようだ。
中央にはテーブルと椅子があった、二人そこに座っている。
ベットに人は居ないようだ、ムーンが小さく頷いて再び影縛りの魔法を唱える。
低く呻いて硬直する二人、易々と侵入した四人は二人組みを縛り上げるべく縄を捜す。
ベッドのシーツを引き裂いて縄にし、二人を先程と同じ様に縛り上げ、今度はベッドの柱に括りつけた。

「ふむ、ここはこやつらの休憩室じゃの。あの球は何処から届くのじゃろうか」

とりあえず、四人を縛り上げたがあの球の手がかりはない。
部屋を漁る、ユキがベッドの下に隠し階段を見つけた。
当然、進むべきだろう。
ケンイチが、タンスの引き出しに宝石が大量に入っていることを確認した、盗品だ。
他は隠すというわけでもなく、普通に棚に武器が仕舞われている。
もう、用はないだろう、四人は慌てふためく二人組みを尻目に、その階段を下りていった。
徐々に空気が冷え込んでくる、震え、マントで身を隠しながら足元に注意をし階段を下りていった。
僅かな光しかない、ブジャタの発光する杖のお蔭だった。

「怪しげな匂いが増しましたな」

苦笑い、隠し階段の向こうこそが本来のこの場所の”価値”を指すだろうことは安易に予測できる。
四人は気を引き締め進んだ、やがて眩い灯りが漏れる到着点へと。
鼻を覆いたくなる匂いが漂ってきた、何かを・・・煮ているのだろうか、液体が沸騰する音がする。
一瞬、四人は立ち止まる、互いの顔を見て小さく頷き、皆武器を強く握り締めた。
ブジャタ、ムーン、ユキが詠唱に入る、ケンイチが剣を引き抜き構える。
一斉に、階段から飛び降りて部屋へと侵入した、巨大な鍋の前に人間が・・・五人立っている。

「な、なんだ貴様ら!」

先手必勝、三人の魔法が合わさりながら突き進む。
風に乗った氷の塊が人間に襲い掛かった、悲鳴を上げて倒れ込む四人、しかし一人だけ、魔法を弾き返してきた。
瞬時に悟った、流石にケンイチとユキにも解る『あれが、親玉だ』と。
気合の掛け声、ケンイチが斬り込む。
ムーンがケンイチに防御の魔法を、ユキとブジャタが他の敵に魔法を再度食らわし援護出来ない様にさせた。
黒いマントを深く被り、その魔法を弾いた人物は自身も剣を引き抜きケンイチの攻撃を受け止める。
フードがはずれ、顔が露になった。
・・・まだ若い男だった、三十台前半だろうか。
ムーンが影縛りを唱えるが、ケンイチの攻撃を防ぎながら、片手でムーンの魔法を弾き返す。
思わず唖然、想像以上に強そうだ。
舌打し、ケンイチが後方に下がるとブジャタ、ムーン、ユキが集合する。

「危険な球を作っている場所、で良いのかな」

ケンイチの問い、鋭く睨みながら剣の構えをとくことなく、威嚇。
あっさりと、敵は答えた。

「あぁ。そうだが何か用か」

左頬に大きな傷、首をコキコキと鳴らしながらマントを翻し、金髪の体格良い男は四人を睨み返してくる。




 

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二話掲載かと思いきや
こちらはまだだったか(笑

無理しない程度に、アサギまで進めると良い(無茶苦茶無謀
トビィの後ろ 2008/12/09(Tue)10:52:09 編集
まだですっ
眠くて断念っ。
というか、整体で思いっきりぐりぐりやられて、案の定テラどエムの私は

先生「い、痛かったら言ってくださいよ!? 大丈夫ですか!?」
※性別:男 年齢:同じくらい(だと思う)

私「痛いのが好きなので大丈夫ですっ」

先生「は!?(爆笑)」

・・・うん、ここ、沖縄整体で、今月中は80分3000円なのですよ。
初回と二回目のみですが。
痛くて、気持ちよかったー・・・。

話脱線したのですが、ともかく、そのおかげでだるくて、今日もだるくて、あと、バチスタの犯人がー(叫)!!
まこ 2008/12/10(Wed)01:08:50 編集
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