別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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儀式を終えると、他種族との交流が待っていた。
明日からは「学校」にいくことになるのだ。
そこには土の精霊はもちろんのこと、火・水・風・光・闇の精霊たちも通っている。
土の精霊の最終目標は「星」を成長させること。
そのために他種族の力は必要不可欠、仲間を見つけて成長に協力してもらうために、学校という場所があるのだった。
アースは憂鬱な気分になった。
同族の中ですら友達がいないこの状態で、どのように集団生活を送ってよいものか。
明日からの生活に不安を覚えないわけがない。
アースはただただ只管に、不安に押し潰されそうになりながら、すすり泣いた。
学校に入学してから数年が経過した。
儀式の時に予想していた通り、現在もアースには友達がいなかった。
苛められることはなくなったのだが、かといって話し相手が出来たわけでもない。
どうやら、他種族の少女たちもアースの優等生振りを聞き、敬遠しているのだ。
もしくは、土の一族が関わるな、と情報を流しているのかもしれない。
しかし『孤独』に慣れてしまっていたアースに、特にこれといって問題はなかった。
自分の星を成長させること、それに全力を注いだのである。
確かに、気持ちとは裏腹に大きくなった自分の星を憎む事もあった、もし、私がここまで星を成長させていなかったのならば、友達がいたのではないだろうか、と。
しかし、星には何の罪もない。
星を完成させることで、アースは貴重な動植物たちの「故郷」を誕生させることができるのだから。
近年、人間種族が急速な勢いで増加しており、新たなる故郷が必要なのである。
もちろん土の精霊も毎年生まれてくるので、星の存在には何の問題もないように思えるのだが、人間たちが住めるような環境になるまでには時間がかかり、また簡単には創造出来ないものである。
土の精霊全員が「完成された星」を持てるわけではないのだ。
途中で何らかの事情のもと爆破することもあるであろう、生命誕生にまで至らない荒地の星も存在しよう、全く発展しない星もあろう。
そうなる原因の一つに「性交」が関わる。
土の精霊は異性と交わった瞬間に、その「星創り」の為の力が失われていくのである。
そのため「純潔」が土の精霊の絶対条件だ。
星を完成させ安定した状態でなら、結婚をし、契りを結んでもかまわない。
しかし、途中の過程で性交を行った場合、それは星の死を意味する。
その為、星が多すぎる、といった状態にはならないのだ。
一族の名誉の「星」よりも愛を取る精霊だって少なくはなかったのだから。
勤勉だけに時間を注ぐアースに転機が訪れることになろうとは、誰も予想すらしていなかった。
この時は、まだ誰も。
今日は土の精霊と風の精霊の合同舞踏大会が行われる。
精霊たちは基本的に優雅なことが大好きだ。
きらびやかな衣装をまとい、ここぞとばかりに自身を飾り立て、出席する。
この合同舞踏会は、5年に一度開催されていたのだが、もちろんアースは今まで参加した経験はなかった。
一族の期待を課せられていた彼女は舞踏会に出席する時間を惜しんで、勤勉に励んでいたからである。
だが、流石に今期最大の能力を持つ土の精霊となれば、稀には顔を出さねば陰口を叩かれる羽目になる。
今回の出席は、あくまで体裁上のことであって、アースにも舞踏会のよさを分かってもらおう、という両親の意図から来るものではない。
また、風の一族にもアースのことを自慢したいということもあるだろう。
ブリュンヒルデ家の期待の星、それを今こそ土の精霊だけでなく、風の精霊にも印象付けしておきたい。
・・・何れはブリュンヒルデ家が土の一族の長となるために。
アースは両親が買ってくれた豪華な衣装に身を包んだ。
儀式の時点で一番優秀だった者には賞金が贈られるのだが、そのときの大金で購入したドレスだろう。
見栄を張ったことがすぐわかるような代物だ。
普段アースは平凡な麻のワンピースしか着ていないために、そのドレスがいささか窮屈に思えた。
身分相応ではない代物に、アースは眉をしかめたのだが、そんなこと両親はお構いなしである。
もともとアースの容貌なら着飾らなくとも、素のままで十分に美しさを際立たせることが出来るのだが、とにかく、両親は「見栄」を張りたいのだった。
上等な虹色のロングドレスに、額と首元に桜色の真珠。足元は琥珀色のサンダル。
ショールだけは購入できなかったのかアースが自分で織って、草木で染めた淡緑のもの。それを羽織っていく。
みすぼらしいから、と止められたのだがアースは「風邪を引いて勉強に支障をきたしても困りますから」と、それを羽織ることにした。
その理由では両親も納得せざるを得ない。
化粧、というものもしてもらった。
瞼に、唇に、花びらをこすりつけ、色の変化を楽しむ。
瞼は菫、唇は牡丹、頬には蓮華。
アースは慣れない騒ぎで、参加前からどっと疲れてしまった。
舞踏会は退屈なものであった。
両親はひとしきりアースを紹介に連れ回すと、あとはアースをよそに料理を平らげワインを飲み、豪快におしゃべりを始める。
深い溜息を吐き両親を見つめ、情けないやら哀しいやらで、胸が苦しい。
友達もいなかったため、アースは表情虚ろに逃げるようにして踵を返すと出口のドアを目指した。
なるべく人に見られないように、ゆっくりと。
と、学校で見たことのある風の精霊の女の子三人を見かけた。
友達、とは呼べないのかもしれないが数回会話を交わしたこともあり、食事もとったことがある。
アースは安堵し、辺りを軽く見回しながら彼女たちに近づいていった。
もしかしたら、一緒にいてくれるかもしれない、と淡い期待を胸に抱いて。
「そういえば、さっきアースいたわよね」
自分の名前が出たことに驚きを隠せないアース。
一瞬立ち尽くす。
「一人だったわ、探してきて一緒に食べない?」
二人の少女が頷きあう、しかし、残りの少女は怪訝に顔をしかめた。
「私あの子嫌いよ」
言い放つ。
「でも・・・・。ほら、あの子って目立つから。結構男の子寄ってくるし。一緒に居たほうが得じゃない? それに彼女と仲良くすることで私たちも評価上がりそうだと思わない? 優等生なんだもの」
「そうよ、数少ない友人達なのよ私たちは。付き合っていて損はないと思うのだけど」
「でも、嫌いなものは嫌いよ。ああいうタイプが何を考えているのか全くわからないわ。そもそも成績優秀で美少女、なのよ? 鼻で私たちのこと笑ってる気がする。引き立て役にしてるのかも。だから土の一族に友人がいないのよ」
沈黙が訪れる、微かに二人も顔を見合わせながら、
「・・・確かにそうは思うけど」
「ホントは私も付き合いにくいって思ってた」
と、話を合わせてしまう。
丸聞こえしてしまい、その場に立ち尽くすアース。
・・・聞くんじゃなかった。こんなところに来るんじゃなかった。
アースは瞳に涙を浮かべながら、横を通り過ぎ、出口を目指した。
何か、彼女たちが自分を呼んだ声を聞いた気がするが、振り返ることなくアースは走り去った。
友達とは思っていなかった、しかし、友達になれるかもしれないとは思っていた。
明日から、彼女たちには会えない。
呼吸が切れるほど走ってドアを勢いよく開き、そのまま庭を通り抜けて、泉のほとりにたどり着く。
遠くで愉快な曲、笑い声が聞える。
水面に移る自分を嘲笑うと、アースはサンダルを脱ぎ捨て、泉に足を浸した。
ドレスを軽くつまんで深いところへ進む。
冷たい温度が火照った体に丁度いい。
瞳を閉じて空を仰いだ。
ぱしゃん・・・
暫くそうしていたのだが、不意に人の気配を感じて振り返った。
・・・岸に誰かいる。
「誰?」
振り返り、アースはそう問う。
影は暗闇から姿を現してきた。
「ボクはリュウ。一緒に泉に入ってもいいかな?」
アースが返事をするのも待たずに、少年は靴を放り投げるとアースのところまで走ってきて笑った。
「ああ、気持ちがいい」
唖然とするアースに、リュウは首を傾げる。
「土の精霊・・・かな? 初めまして、風の精霊でリュウ・フリッカ。あまりにも舞踏会とやらが退屈だからいつも抜け出してここに来るんだけど、今日は先客がいたから驚いたよ」
「あ、ご、ごめんなさい。あなたの場所だったのね」
慌てて泉から出ようとするアースに焦ってリュウは声をかけた、半ば戸惑い気味だったが。
「僕の場所じゃないから居てもいいんだよ。ここは退屈な人が来る場所。君もそうなの? ボクは人ごみが苦手でさ」
苦笑いするリュウに、アースも拍子抜けして微笑むと、じゃあ、と岸に上がるのを諦めた。
リュウはポケットから木の実を取り出すとアースに数個手渡し、勧める。
「会場でくすねて来たんだ。持ってこられるものなんて、これとワインのボトルくらいなもんだから。
出席したからには何か食べたいしね」
「ありがとう、実はおなか空いてたの」
嬉しそうにアースは受け取る。
「じゃあ、戻って何か食べる?」
聞き返すリュウ。
現在手持ちの量では到底二人分は足りない。
「二人一緒なら、会場に行っても平気かもね。隅っこで食べようよ」
二人、一緒。
その言葉を聞いてアースは天にも昇る気持ちだった。
そんな言葉、言われたことがなかったので、とても嬉しくて。
思わず言葉を失って、リュウを呆けた様子で見つめ続ける。
だが、数分後アースが遠慮がちに頷き、それを確認したリュウは、その手を取って駆け出した。
サンダルと靴を拾い上げ、風を切りながら。
初めてアースに出来た・・・友達。
風の精霊、リュウ・フリッカ。
明日からは「学校」にいくことになるのだ。
そこには土の精霊はもちろんのこと、火・水・風・光・闇の精霊たちも通っている。
土の精霊の最終目標は「星」を成長させること。
そのために他種族の力は必要不可欠、仲間を見つけて成長に協力してもらうために、学校という場所があるのだった。
アースは憂鬱な気分になった。
同族の中ですら友達がいないこの状態で、どのように集団生活を送ってよいものか。
明日からの生活に不安を覚えないわけがない。
アースはただただ只管に、不安に押し潰されそうになりながら、すすり泣いた。
学校に入学してから数年が経過した。
儀式の時に予想していた通り、現在もアースには友達がいなかった。
苛められることはなくなったのだが、かといって話し相手が出来たわけでもない。
どうやら、他種族の少女たちもアースの優等生振りを聞き、敬遠しているのだ。
もしくは、土の一族が関わるな、と情報を流しているのかもしれない。
しかし『孤独』に慣れてしまっていたアースに、特にこれといって問題はなかった。
自分の星を成長させること、それに全力を注いだのである。
確かに、気持ちとは裏腹に大きくなった自分の星を憎む事もあった、もし、私がここまで星を成長させていなかったのならば、友達がいたのではないだろうか、と。
しかし、星には何の罪もない。
星を完成させることで、アースは貴重な動植物たちの「故郷」を誕生させることができるのだから。
近年、人間種族が急速な勢いで増加しており、新たなる故郷が必要なのである。
もちろん土の精霊も毎年生まれてくるので、星の存在には何の問題もないように思えるのだが、人間たちが住めるような環境になるまでには時間がかかり、また簡単には創造出来ないものである。
土の精霊全員が「完成された星」を持てるわけではないのだ。
途中で何らかの事情のもと爆破することもあるであろう、生命誕生にまで至らない荒地の星も存在しよう、全く発展しない星もあろう。
そうなる原因の一つに「性交」が関わる。
土の精霊は異性と交わった瞬間に、その「星創り」の為の力が失われていくのである。
そのため「純潔」が土の精霊の絶対条件だ。
星を完成させ安定した状態でなら、結婚をし、契りを結んでもかまわない。
しかし、途中の過程で性交を行った場合、それは星の死を意味する。
その為、星が多すぎる、といった状態にはならないのだ。
一族の名誉の「星」よりも愛を取る精霊だって少なくはなかったのだから。
勤勉だけに時間を注ぐアースに転機が訪れることになろうとは、誰も予想すらしていなかった。
この時は、まだ誰も。
今日は土の精霊と風の精霊の合同舞踏大会が行われる。
精霊たちは基本的に優雅なことが大好きだ。
きらびやかな衣装をまとい、ここぞとばかりに自身を飾り立て、出席する。
この合同舞踏会は、5年に一度開催されていたのだが、もちろんアースは今まで参加した経験はなかった。
一族の期待を課せられていた彼女は舞踏会に出席する時間を惜しんで、勤勉に励んでいたからである。
だが、流石に今期最大の能力を持つ土の精霊となれば、稀には顔を出さねば陰口を叩かれる羽目になる。
今回の出席は、あくまで体裁上のことであって、アースにも舞踏会のよさを分かってもらおう、という両親の意図から来るものではない。
また、風の一族にもアースのことを自慢したいということもあるだろう。
ブリュンヒルデ家の期待の星、それを今こそ土の精霊だけでなく、風の精霊にも印象付けしておきたい。
・・・何れはブリュンヒルデ家が土の一族の長となるために。
アースは両親が買ってくれた豪華な衣装に身を包んだ。
儀式の時点で一番優秀だった者には賞金が贈られるのだが、そのときの大金で購入したドレスだろう。
見栄を張ったことがすぐわかるような代物だ。
普段アースは平凡な麻のワンピースしか着ていないために、そのドレスがいささか窮屈に思えた。
身分相応ではない代物に、アースは眉をしかめたのだが、そんなこと両親はお構いなしである。
もともとアースの容貌なら着飾らなくとも、素のままで十分に美しさを際立たせることが出来るのだが、とにかく、両親は「見栄」を張りたいのだった。
上等な虹色のロングドレスに、額と首元に桜色の真珠。足元は琥珀色のサンダル。
ショールだけは購入できなかったのかアースが自分で織って、草木で染めた淡緑のもの。それを羽織っていく。
みすぼらしいから、と止められたのだがアースは「風邪を引いて勉強に支障をきたしても困りますから」と、それを羽織ることにした。
その理由では両親も納得せざるを得ない。
化粧、というものもしてもらった。
瞼に、唇に、花びらをこすりつけ、色の変化を楽しむ。
瞼は菫、唇は牡丹、頬には蓮華。
アースは慣れない騒ぎで、参加前からどっと疲れてしまった。
舞踏会は退屈なものであった。
両親はひとしきりアースを紹介に連れ回すと、あとはアースをよそに料理を平らげワインを飲み、豪快におしゃべりを始める。
深い溜息を吐き両親を見つめ、情けないやら哀しいやらで、胸が苦しい。
友達もいなかったため、アースは表情虚ろに逃げるようにして踵を返すと出口のドアを目指した。
なるべく人に見られないように、ゆっくりと。
と、学校で見たことのある風の精霊の女の子三人を見かけた。
友達、とは呼べないのかもしれないが数回会話を交わしたこともあり、食事もとったことがある。
アースは安堵し、辺りを軽く見回しながら彼女たちに近づいていった。
もしかしたら、一緒にいてくれるかもしれない、と淡い期待を胸に抱いて。
「そういえば、さっきアースいたわよね」
自分の名前が出たことに驚きを隠せないアース。
一瞬立ち尽くす。
「一人だったわ、探してきて一緒に食べない?」
二人の少女が頷きあう、しかし、残りの少女は怪訝に顔をしかめた。
「私あの子嫌いよ」
言い放つ。
「でも・・・・。ほら、あの子って目立つから。結構男の子寄ってくるし。一緒に居たほうが得じゃない? それに彼女と仲良くすることで私たちも評価上がりそうだと思わない? 優等生なんだもの」
「そうよ、数少ない友人達なのよ私たちは。付き合っていて損はないと思うのだけど」
「でも、嫌いなものは嫌いよ。ああいうタイプが何を考えているのか全くわからないわ。そもそも成績優秀で美少女、なのよ? 鼻で私たちのこと笑ってる気がする。引き立て役にしてるのかも。だから土の一族に友人がいないのよ」
沈黙が訪れる、微かに二人も顔を見合わせながら、
「・・・確かにそうは思うけど」
「ホントは私も付き合いにくいって思ってた」
と、話を合わせてしまう。
丸聞こえしてしまい、その場に立ち尽くすアース。
・・・聞くんじゃなかった。こんなところに来るんじゃなかった。
アースは瞳に涙を浮かべながら、横を通り過ぎ、出口を目指した。
何か、彼女たちが自分を呼んだ声を聞いた気がするが、振り返ることなくアースは走り去った。
友達とは思っていなかった、しかし、友達になれるかもしれないとは思っていた。
明日から、彼女たちには会えない。
呼吸が切れるほど走ってドアを勢いよく開き、そのまま庭を通り抜けて、泉のほとりにたどり着く。
遠くで愉快な曲、笑い声が聞える。
水面に移る自分を嘲笑うと、アースはサンダルを脱ぎ捨て、泉に足を浸した。
ドレスを軽くつまんで深いところへ進む。
冷たい温度が火照った体に丁度いい。
瞳を閉じて空を仰いだ。
ぱしゃん・・・
暫くそうしていたのだが、不意に人の気配を感じて振り返った。
・・・岸に誰かいる。
「誰?」
振り返り、アースはそう問う。
影は暗闇から姿を現してきた。
「ボクはリュウ。一緒に泉に入ってもいいかな?」
アースが返事をするのも待たずに、少年は靴を放り投げるとアースのところまで走ってきて笑った。
「ああ、気持ちがいい」
唖然とするアースに、リュウは首を傾げる。
「土の精霊・・・かな? 初めまして、風の精霊でリュウ・フリッカ。あまりにも舞踏会とやらが退屈だからいつも抜け出してここに来るんだけど、今日は先客がいたから驚いたよ」
「あ、ご、ごめんなさい。あなたの場所だったのね」
慌てて泉から出ようとするアースに焦ってリュウは声をかけた、半ば戸惑い気味だったが。
「僕の場所じゃないから居てもいいんだよ。ここは退屈な人が来る場所。君もそうなの? ボクは人ごみが苦手でさ」
苦笑いするリュウに、アースも拍子抜けして微笑むと、じゃあ、と岸に上がるのを諦めた。
リュウはポケットから木の実を取り出すとアースに数個手渡し、勧める。
「会場でくすねて来たんだ。持ってこられるものなんて、これとワインのボトルくらいなもんだから。
出席したからには何か食べたいしね」
「ありがとう、実はおなか空いてたの」
嬉しそうにアースは受け取る。
「じゃあ、戻って何か食べる?」
聞き返すリュウ。
現在手持ちの量では到底二人分は足りない。
「二人一緒なら、会場に行っても平気かもね。隅っこで食べようよ」
二人、一緒。
その言葉を聞いてアースは天にも昇る気持ちだった。
そんな言葉、言われたことがなかったので、とても嬉しくて。
思わず言葉を失って、リュウを呆けた様子で見つめ続ける。
だが、数分後アースが遠慮がちに頷き、それを確認したリュウは、その手を取って駆け出した。
サンダルと靴を拾い上げ、風を切りながら。
初めてアースに出来た・・・友達。
風の精霊、リュウ・フリッカ。
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