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びっくりだね!(おぃ)
ユキが降る、降って積もって凍えてしまった ユキ
ハルの息吹を待ち侘びる、暖かな日差しのその季節 トモハル
健やかに全てが育つ、生命の息吹を感じて ケンイチ(健一)
大樹となりし、もとはか弱きただの芽は ダイキ
実を幾つも幾つも、恩恵を受けてならせたもう ミノル
浅葱色した、綺麗な花が咲き誇る アサギ
焦がれて欲する私の楽園
そこで咲きましょう、永遠に咲き誇りましょう
勇気を下さい、そこで咲き誇れる勇気を下さい
者は極き、臆病の者 勇者
弱くて、強く、反した者達の楽園を」
「…………」
結局何もしないまま、その日も男は喋るだけ喋って帰っていく。始終笑顔で、惚気を繰り返す男。金を払ってまでして、何故他人に話すのだろうか。
理解に苦しんだガーベラは、深い溜息を吐きながらぼんやりと男を思い浮かべていた。気分が晴れないままベッドに一度はもぐりこんだが、気だるく起き上がると頭を振る。ベッドから抜け出し、冷たい靴に足を入れて、海岸沿いを散歩することにした。
冷たい夜風が身にしみる、軽く震えて、それでも満天の星空の下、歌を謡う。冷たい空気は、心地良い。精神的に自分の居場所を明確に解らせてくれる、思考が研ぎ澄まされる。
「雪が降る、降って積もって凍えてしまった
春の息吹を待ち侘びる、暖かな日差しのその季節
健やかに全てが育つ、生命の息吹を感じて
大樹となりし、もとはか弱きただの芽は
実を幾つも幾つも、恩恵を受けてならせたもう
浅葱色した、綺麗な花が咲き誇る
焦がれて欲する私の楽園
そこで咲きましょう、永遠に咲き誇りましょう
勇気を下さい、そこで咲き誇れる勇気を下さい
者は極き、臆病の者
弱くて、強く、反した者達の楽園を」
吐く息白く、ガーベラはそのまま海の音に耳を傾けた。物悲しい合唱のようだ、暗い海は不気味な妖精を呼び寄せて海の底へと引きずり込むだろう。
海は魔性だ、船になど乗った事がないが見ているだけでも多少恐怖する。心が落ち着く反面で、得体の知れないモノに惹かれる危うい感覚。
晴れた日の海ですら、美し過ぎて怖い。気がついたら自ら足を進めていそうだからだ、水面に反射する太陽の光が、宝石のようで。
海に浮かび漂っていられたら、気持ちが良いのだろうか。
水中でも呼吸が出来るのなら、深い深い光届かぬ海の底で横たわってみたい。
焦がれる海、畏怖の念を抱きながらも、引き寄せられてしまう不思議な引力。
「弱くて、強く、反した者達の楽園を」
波の音が、ガーベラを誘う。一緒に歌わないかと、まだまだ声が出るだろうと。
「雪が降る、降って積もって凍えてしまった
強かに雪は降り積もった、儚げに見えて牙を剥いた
温かさで解ける雪、空から舞い降りる小さきもの
けれども地面に降り積もった雪は、狡猾で
緑の息吹を覆い隠す、その純白で覆い隠す
息が出来ぬようにと覆い被さり、緑の息吹を凍えさせる
美しき白、けれども何れは泥に塗れて見苦しく
雪が降る、降って積もって凍えた緑
雪が解けるのを待ち侘びた、息を吹き返すために待ち侘びた
暖かな太陽が降りそそぐのを、待ち侘びた
凍えながらも、待ち侘びた」
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