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というわけで、追加トモマビ、18禁になってしまって掲載不可だけど、最初と最後だけでも載せるのー。
・・・という場所ですが、まだ書けてません(どーん)。
トモハルが動かないのです!
動かなさ過ぎて、進まないのです話が!!
こんな感じの話(画像参照)なんですけどー。
トモハルにとって、よかったのか悪かったのか。
・・・よかったんだと思います、好きって言えたし。
嫌だ、と言えたし。
うん。
余程。
マビルが好きだったんだね、トモハル。
おかーさんが、悪かったよ(倒)。
実際のところ、こんな話に。
トモハル
「ちょっ!
何だよこれ、俺、情けなさ過ぎだろ!?
うっわ、わーわーわーわーわーっ(絶叫)。
これはマジでやめて欲しいっ!
・・・わぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ」
ミノル
「(読んだ)・・・」
トモハル
「おまえっ!
なんか言えよっ。
無言だと余計情けないだろ!?」
ミノル
「(視線そらし)・・・」
「病院へ行こう、マビル。市販の薬じゃ無理だよ、点滴打って貰おうよ」
「・・・嫌、あれ、痛いから、嫌」
「でも、楽になるよ。我慢すれば楽になるんだよ」
「うるさい・・・」
ぜぇぜぇと息を吐きながら、苦しそうに何度も寝返りを打ち、閉じられた瞼がぴくぴくと動く。
何度も額に手を添えて、汗を拭きながら困惑してトモハルはマビルを見ていた。
地球に戻って薬局でありったけの薬や栄養ドリンク、ビタミン配合の飲み物を購入したのだが、病院を頑なに拒否するマビルにほとほと困り果てている。
「寒い」
「え、寒い!?」
額は、高温だ。
熱はあるのに相当寒いのだろう、マビルはカタカタと歯を鳴らしている。
毛布もありったけ用意した、軽くて保温の効く羽毛布団に包まっているマビルだが、それでも寒いらしい。
大慌てでトモハルは椅子から立ち上がると、医師を呼びにドアへ向かおうとしたのだが。
ぎゅ、と手首を掴まれた。
マビルが布団から手を出して、必死にトモハルを掴んでいる。
「今、医者を呼ぶから」
「いらない」
「駄目だよ、治らないよ」
「いいってばっ・・・頭痛いの、声あんまり出させないで・・・」
弱々しいマビルの声、それでも台詞は強気である。
どもってトモハルは大人しく椅子に戻った、傍らにあった薬局の袋からホッカイロを取り出してみる。
「寒い」
ここまで寒がるのは異常だ、ひょっとするとインフルエンザかもしれない。
先程計った体温計は40度近いし、ぜぇぜぇ呼吸し苦悶の表情を浮かべるマビルの手をトモハルは布団の中で握り締める。
「寒いよ、寒いよ」
転がりながら同じ単語を繰り返すマビル、トモハルは意を決して羽毛布団を剥ぎ取ると、何枚もの毛布でマビルを包み、担いで部屋の暖炉へと進んだ。
暖炉の傍に座り込むと、優しくマビルを抱き締める。
この場所のほうが直に火に当たるので暖かいと思ったのだ、マビルの顔を自分の胸に、正面から抱き締める。
「・・・少し、あったかい」
小さくマビルが零したのでようやく安堵の笑みを浮かべたトモハルは、髪を撫でながら背中を優しくぽん、ぽん、と撫でるように叩いた。
「でも、寒いよ」
咳をしながら微かに暴れたマビル、無言でトモハルは毛布を開いた。
極力新しい空気に触れないように極小の範囲で毛布を開き、自分がそこへ入る。
マビルは嫌がるかもしれないが、自分の体温をマビルに与えるつもりで二人で毛布に包まった。
そのまま、きつくマビルを抱き締めそっと横になる。
マビルの冷えた足先を暖めるように、そっと絡め身体中を優しく擦り続ける。
正直、トモハルは暑い。
何枚もの毛布に、目の前に暖炉。
それでもマビルは冷えていた、額と首だけが、異様に熱い。
「ちょっと、あったかい」
何処となく嬉しそうに微笑んだような気がした、自分の額の汗を拭いながらトモハルは笑う。
握ったマビルの手に、そっと口付けた。
何度も何度も口付けた。
―――キスをしたら、風邪はうつるだろうか。
不意に脳裏を過ぎった考え、しかし自嘲気味に笑ってそっと手から唇を離す。
キスなんてしたら、マビルが吐くかもしれない、気持ち悪くなって。
『キス下手くそなんだもん、気持ち悪かったのっ』
以前、マビルが怒鳴ったこの言葉。
・・・キスをしてはいけないんだ。
トモハルはキスが出来ない代わりに強く、強く抱き締めた。
「寒いよ、もっとあったかくして」
気怠るく呟き、苦しそうに顔を歪めているマビル、これ以上、どうすれば良いのだろう。
そっと頬に触れる、首にするりと移動して、脈拍を確かめる。
早い。
とくとく、と脈打っていた。
・・・本で読んだ。
裸で触れ合ったほうが、暖かいと。
葛藤が続く、どうするべきかとトモハルはマビルに反して暑さで汗をかきながら思案した。
マビルは、きっと嫌がる。
それでも、寒い、寒いといい続けるマビル。
「・・・どうか、嫌わないで?」
嫌われていいわけがない、けれども、嫌われてでもいいから今のマビルを救わねばならない。
深呼吸を繰り返す、そっと震える手でなるべく動かないようにして自分の衣服を脱いだ。
静かに毛布からそれらを放り投げ、唾を大きな音を立てて飲み込むと、瞳を硬く閉じてマビルの衣服に手をかける。
通常はタンクトップに短パンで寝ているマビルだが、流石に今日は暖かそうなネグリジェを着ていた。
前開きだったので脱がせやすい、肌同士が触れた瞬間に急激に顔が熱くなるのを感じたがトモハルは続行した。
同じ様にネグリジェを床に投げて、冷えたマビルの身体を覆い隠すように抱き締める。
「あ。あったかーい・・・」
「・・・なら、良いんだ」
安堵の溜息、マビルがぎゅ、っとトモハルの背に手を回す。
一瞬驚きトモハルは身体を離そうとした、が、そのまま力強く抱き締める。
「・・・本当なら、この役目は俺じゃないだろうに。ごめんな、城に居たせいで」
マビルには彼氏がいる筈だ、こうするのは自分ではないと何度も言い聞かせる。
それでも今日だけ。
今日だけでいい。
せめて恋人気分を。
・・・味わってもいいだろうか、と。
熱に魘されているマビルには申し訳ないけれど、こんな時に、弱っているマビルに。
マビルが元気だったら、風邪をひいていなかったらこんなこと出来はしないから。
トモハルは唇を噛み締めた、力強く噛み締めてきつく瞼を閉じる。
他の誰かが、マビルの彼氏が傍に居たのなら、この役目はその男のものだから。
マビルの記憶が今日だけ抜けてくれれば良いのに、正気に戻ったらきっと憤慨するだろう。
「今日だけ、今だけ。・・・抱き締めさせて」
小さく呟く。
腕の中のマビルが多少身じろいだ、それでも離さずに。
「・・・とても。大好きなんだ。誰のとこにも行かないで・・・欲しいんだ」
呟く、震えながら苦し紛れに声を出す。
届かない願いを、言えない言葉を衰弱しているマビルに投げかける。
こんな時位しか言えない自分に、笑えた。
「すーき」
「え?」
マビルが何か言った、聞こえた単語を聞き間違えたのかと思ったトモハルは思わずマビルの唇に耳を近づける。
「すーき」
「・・・」
ひょっとして、自分を彼氏と間違えているのかもしれない、トモハルは自嘲気味に笑う。
その男とはこうして裸で抱き合っているのだろうし、意識が朦朧としているマビルだ、間違えているのかもしれない。
「・・・好きだよ」
「すーき」
言いながら、頬を涙が伝う。
好きだよ、好きだよ、好きだよと何度も呟いて、口付けをしたいと、口付けたいと願いながら懸命に堪えた。
キスの仕方が、違う。
彼氏は上手いと言っていた、口づけるわけにはいかない。
泣きながらマビルを見たら、マビルが何故か瞳を開いて微かに微笑んでいた。
「すーき」
「・・・うん、大好きだよ」
「あったかいね」
「・・・うん、2人だからね」
「すーき」
「・・・好きだよ、とても、とても、昔から、大好きだったよ」
「すーき」
相手の男は、誰だ。
無邪気に笑うマビル、唇から零れる言葉は「好き」。
トモハルが、望んで焦がれて、欲したマビルの「好き」。
誰に向けて、言っているのか解らない「好き」。
トモハルは知らない、トモハルには解らない、トモハル自身に向けられてマビルが言っていることなど”ありえないから”解らない。
マビルの手が、そっとトモハルの頬に触れた。
怯える様に身体を離したトモハルに、マビルは泣きそうに微笑んでから手を離す。
「・・・好きだよ。ずっと、きっと、これからも。・・・愛しているよ」
泣きながら、告げた。
触れた体温を、きっと忘れない。
熱で高温になっているマビルの肌の、滑らかな手触りを忘れない。
逸る鼓動を抑えながら、愛しく愛しく狂おしく、マビルの髪に口付けを。
「すーき?」
「うん、好きだよ」
「すーき」
唇から漏れる「好き」が、自分に向けられていると思わなかったトモハルは、複雑な心境で、嬉しいやら泣きたいやらで。
何度も髪を撫で続ける、その”マビルの彼氏”に嫉妬と羨望をぶつけながら、唇を噛み続けながら、撫でた。
不服そうに唇を尖らせ、マビルが軽くトモハルの首筋に噛み付く。
「駄目だよ、マビル」
・・・俺はマビルの彼氏じゃないから。
狼狽しつつ懸命にマビルから逃れようと、泣き笑いでトモハルは仕方なくマビルの両手首を片手で掴んだ。
「すーき」
「うん、好きだよ」
「すーきっ」
「・・・好きだから」
何かを訴えるように、必死にもがいているマビルを見つめながら、それで十分だと思った。
綺麗なマビルの肌に、触れることが出来た。
間近でマビルの甘い香りを嗅いだ、好きだと言って貰えた・・・相手違いだけれど。
苦笑いして、それでもトモハルは嬉しかったのだ、こんな状況でも。
自嘲気味に笑い、そっと唇を近づけるのだが、寸でのところでやはり諦めたように踏み止まった。
キスが、出来ない。
出来ない代わりに、小さく呟く、間近で囁く。
「特別なんだ、大切なんだ。マビルだけが、俺の」
「すーきっ!」
暴れるマビル、掴んでいる右手に力を籠めて、空いた左手で頬を撫でる。
大人しく、瞳を閉じて撫でられていたマビルは、猫のクロロンの様だった。
思わず軽く吹き出して、そのまま抱き締めたいと、そう願ったトモハルは、それでも。
右手に力を更に籠めて、身体を小刻みに震わせながら何度も深く呼吸をした。
他に何を望むのだろう、数年前から好きだった相手が全裸で目の前に居るというのに、「好き」と言っているのに。
それで十分だと、トモハルは思った。
マビルは、高熱で魘されているから、意識が朦朧としているだけであって、これは本人の意思とは裏腹な行動で。
本音はこのまま抱き締めたい。
けれども、それを欲望の赴くままに実行してしまって良いものなのかどうか、と考えれば・・・。
無理に決まっている、マビルの意志は、そこにはない。
極力、マビルを見つめないようにした。
頬を撫でていた手が、するりと背中に回り、軽くだが抱き締めてみる。
「おやすみ、マビル。ちゃんと隣に居るから、たくさんおやすみ」
耳元で囁くと、そのままトモハルも眠る為にきつく瞳を閉じる。
柔らかい肌と、暖かな体温、間近の吐息。
・・・眠れるわけがなかった。
「すーき」
「・・・早く寝ようよ」
「すーき」
好きを連呼されたところで、どうにもならない。
今日だけ、今だけ、恋人気分。
マビルの恋人は、こんな時、どうするのだろう。
瞳を開いたら、トモハルを見ていたマビルと視線が合った。
思わず意識が飛ぶ、そのままキスをしようと思えば出来る距離だった、けれど。
「無理だ、流石に」
毛布を跳ね飛ばして、トモハルはそこから這い出して、マビルにだけ毛布をかける。
マビル用に買ってきた地球産のスポーツドリンクを一本取り出すと、一気に半分ほど飲み干してマビルの元へ戻る。
何故か拗ねたようにそっぽを向いているマビル、近寄ってボトルを差し出した。
「喉、渇いたろ? もう、あったかくなっただろ? ベッドに戻ろう」
「や」
「でも、ここは硬いから痛いだろ? おいで」
「や!」
差し出されたペットボトルを跳ね除けて、毛布を掴んでトモハルに覆い被さるマビル。
床を転がるボトルの音、毛布に包まれて暗闇の中、唐突過ぎて気が動転したトモハルは必死にそこから這い出そうともがいた。
ぎゅー、と抱きついてくるマビル、動くから肌が触れ合う、密着する。
流石にトモハルも慌てた、必死に堪えてきたものがこのままでは壊れてしまう。
「駄目だったら、マビル!」
顔を毛布から出して、再度マビルを捕まえた。
両手で、マビルを押さえつける。
トモハルの荒い呼吸、マビルの小さく呻く声、上から見下ろしてトモハルはそれでも、必死に耐えた。
「駄目だよ、マビル。一応俺男だから、我慢にも限度というものが」
「すーき!」
「いや、だからね」
「・・・うーっ!」
よく、耐えていると思う。
トモハルが本当にマビルを想うから、大事だからこそ、ここまで彼は必死に耐えてきた。
無言で、マビルの右頬にそっと口づける。
それは優しく、触れるか触れないか程のものだったが、ありったけの想いを籠めてのキスだった。
暴れるマビルが大人しくなるように、何度も何度もキスをした。
唇だけ避けて、頬に、鼻に、額に、顎に、髪に、キスの雨を。
唇が触れるたびに、マビルが微かに身じろいで、唇から吐息を吐き出すのでそれがとても愛おしく。
ひたすらキスをした、可愛くて可愛くて、キスをした。
くすぐったそうに、笑みを浮かべながら、キスされる度にふっ、と息が吐き出され、トモハルの髪に、顔に届く。
「恋人同士みたいだ」
焦がれた状況、マビルと自分、こうして毎晩、毎日過ごせたらと、何度も思った。
※中略(笑)※
うってつけの画像があったので、貰って参りました。
おぉ、こんな感じだ!!
ありがとう、ミクシィ!
好きだよ、ごめんね。
交互に交互に、言いながら口付けを。
跳ね上がるマビルには、そんな言葉が聞こえるわけもなく、優しく抱き起こしうつ伏せにさせて背中にも口付けを。
確かに、高熱だったマビル。
けれど、熱がなかったとしても途中から意識はなかったのかもしれない。
初めて、優しく想いを籠めて抱いてくれたのは、マビルにとって初恋だった人。
気づいていなかったけれど、初恋の相手。
顔が好きだとか、背丈が高いとか、強いとか、キスが上手いとか、そういうわけではなくて。
傍にいたいと、いてもらいたいと、我侭を聞いて欲しいと思った初めての人は。
傍にいるし、いたいと思っているし、我侭を聞いてあげると思っていた人で。
「好きだから」
耳元で甘く囁かれ、必死に頷いた。
「ごめんね」
耳元で切なく囁かれ、意味が解らず首を振った。
キィィィィ、カトン。
何かが何処かで音をたてる。
もし、マビルの双子の姉がここに居れば。
もし、トモハルの対の勇者がここに居れば。
ここに、居たのなら。
正面から抱き締める、マビルの顔が見たくて、抱き締めた。
「・・・愛しているよ」
熱に浮かされて、引き寄せられるように、ようやく唇に口付けを。
それは、触れるか触れないかの口付けだった。
それでも、何度も、何度も。
トモハルの首に腕を回したマビルは、はにかみながら、小さく笑った。
笑ってくすぐったそうになすがまま、隙をついて舌でトモハルの唇を少し嘗めた。
「・・・」
唇が触れるか触れないか、そんな間近で二人の顔が、視線が交差したまま停止。
じっと互いの目を見て、ぎこちなく引き寄せ合って、自然と。
軽く唇を開いたマビルと、戸惑って一度は舌を引っ込めたが、それでもそっと、ゆっくり舌をマビルの口へと進入させたトモハル。
「ん・・・」
下手だとか、気持ち悪いとか。
そう思われたらどうしようかと震えながら、必死に、頭部を押さえて深く口づけた。
「・・・気持ち悪い?」
「・・・ううん」
「下手、かな?」
「・・・上手」
控え目に、聞いたトモハルに、小声で俯きがちにそう答えるマビル。
・・・マビルが熱を出していなかったら、そうはいかなかっただろうな。
そんな考えが過ぎったが、それでも良かったから。
今日だけ、今だけ、恋人気分。
何度も、口付けを。
飽きるくらいに、口付けを。
出来なかった分、押し殺していた想いで口付けを。
「そんなにしたら、唇腫れる」
「うぁ、ごめん」
「いいよ、特別に許してあげるよ」
どうか、行かないで。
ちゃんと、見てて。
どうか、離れないで。
ちゃんと、離さないで。
どうか、傍にいて。
ちゃんと、手を繋いでいて。
どうか、好きでいさせて。
ちゃんと、好きでいて。
どうか、嫌わないで。
ちゃんと、ついてきて。
どうか。
ちゃんと。
勇者の中で最も自信過剰な後に要となる一人の勇者、昔から可愛い女の子が好きだった。
容姿も自信があったし成績も良かった、釣りあう少女を見つけていた。
その子はとても可愛らしく、人気も高く、自分に相応しい相手だと思っていた。
一緒に勇者になった、対の勇者だった、攫われたその少女を救うべく必死だった。
必死で戦って、邪悪な魔王に飛ばされた時、空に浮いているその少女に良く似た、けれども全く別人の少女を見た気がした。
意識はそこで途切れ、数ヵ月後。
街で、血の香りを漂わせていた少女に出くわした。
見た目からして気の強そうな、我侭そうな女の子だった。
一瞬で目が奪われた、対の勇者に似ているようで、全く似ていない女の子。
急に対の勇者が色褪せて、”自分に相応しい相手”が間違っていたと思い直した。
相応しい相手ではなくて、傍に居て欲しいと、喜ばせたいと、笑顔が見たいと、笑顔にしたいと思った女の子。
その女の子に相応しい相手になる為に、強くなろうと。
勇者の要に、国王に。
眩すぎる双子の姉の妹である女の子が、今後何か言われないために、言わせないために、護るために。
傍にいるために、我侭を全部叶える為に。
国王になった。
全ては、その女の子の為に。
たった一人の、女の子の為に。
初恋の、女の子の為に。
一目惚れの、女の子に。
接する度に容姿とは裏腹な性格だと知った、その強がりな女の子に。
寂しがらない為に。
強がらなくても良い様に。
安心させる為に。
守り抜く為に。
アサギではなくて、マビルの為に。
「愛しているよ、マビル」
満足そうに、安堵して、大きく頷いて笑ったマビル。
想いは、届いた?
繋がった?
家族は居たけれど何故か幽閉されて一人きりの、美少女。
最初は誰でもよかったが、同姓の友達は出来なかった。
のは、彼女が綺麗過ぎたせいだろうか。
異性はその美貌に惹かれて寄って来たので、彼女は思った。
誰でもいーや、相手してくれれば。
それは、寂しさを紛らわせるものだった。
自分が満足したら、後はどうでも良かったので、自分好みな異性を次から次へと。
使い捨ての玩具達、偶然出遭った間抜けな勇者も、玩具の一人。
けれども何故か、どうしてもその勇者だけ突き放せず。
毎日会いに行ってみた、会いに来てくれると思っていた、願っていた。
護ってくれると思っていた、信じていた。
上手く気持ちが伝えられない、嬉しいのにありがとうと言えない。
されて嬉しいのに、出てくる言葉は罵声ばかり。
何故、こうも気にかかる。
何故、こうも自分の傍に居て欲しい。
何故、他の人と話しているとイライラする。
双子の姉と仲が良かった勇者、最初の情報で勇者は双子の姉に惚れていると知った。
聞いたその日から。
彼女の中に蟠りが、”勝てない”と知り得ている相手ゆえに、どうしても。
姉ではなくて、あたしを見て。
姉が眩すぎて、姉より劣等感を抱いていた彼女は、ずっと怯えて。
大好きな姉、大好きだから”勝てない”。
彼女は知らなかった、自分が勇者を好いていることを。
彼女は知らなかった、勇者が自分だけを見ていることを。
「すーき」
困惑し、それでも、この瞬間だけでもトモハルは頷いた。
その言葉を素直に受け止めた、望んで待ち焦がれた言葉を。
十分だった。
二人して、転寝。
起きたのはトモハルだった、まどろみの中起き上がって、軋む身体でそれでも忙しなく動く。
ぬるま湯にタオルを浸して、マビルの身体を丁寧に拭き、寝着を身に纏わせて優しく起こさないようにベットに運ぶ。
何事もなかったかのように寝かせ、額に手を当てた。
熱は先程よりも低い、汗を大量にかいたせいだろうか。
唇を見つめた、口づけしたいと切に思った。
だが、大きく息を吸い込むとそれを押し殺す。
「もう、夢の時間は終わったんだ」
乾いた笑い声、床に散らかっているものを片付けていく。
軽く咳き込む、喉が痛い、なんとなく頭痛。
それでもトモハルは綺麗に片付けるとベットの傍らに毛布に包まって、床に座り込んだ。
マビルの看病だ、いつ悪化しても良いように、寝ずに朝まで隣に居る。
何処となく、寒い気がする。
咳が、おかしい。
それでも。
トモハルはそこを動かなかった。
安らかに眠るマビルの顔を見ていた。
手をそっと布団の中に入れて、繋いだ。
マビルが咳き込めば慌てて背中を擦り、タオルで額の汗を拭き。
窓から朝日が差し込めば、トモハルはふらつきながら立ち上がると、そのまま部屋を出る。
朝だ、もう大丈夫。
マビルが目覚めて自分が居ると、仰天して熱が上がるかもしれない。
もともと、数週間前からこんな生活だ、苦にはならない。
マビルに部屋を追い出され、部屋こそ別々だが、夜中こっそりとマビルの元へと足を運んでいた。
そして手を繋いでいた、自分は床で眠った。
マビルが起きる前に、臨時の自室へ戻っていた。
手を繋ぐと、マビルが寂しがらない気がして、そして嬉しそうに笑う気がして。
「おはようございます、トモハル様」
「お、おはよ・・・」
「声、変ですよ? 大丈夫ですか・・・? って!」
「だいじょ、ぶ」
「きゃー! トモハル様ー!?」
風邪が移ったようだ、トモハルはその日、日頃の睡眠不足も手伝って廊下で倒れた。
数人のメイドに抱えられて、部屋に運ばれる。
・・・罰が当たったんだ
高熱に魘されながら、マビルを想った。
会いたい、会いたい、マビルに会いたい。
夢を見た。
夢というか、思い出していた。
今日だけ、今だけ、恋人気分。
「すーき」
マビルを思い出していた。
キィィィ、カトン・・・。
読んだ人から
・不憫
・不憫すぎる
・可哀想
・切ない
・・・という感想を頂いておりますが。
え?(滝汗)
・・・わ、私はよかったと思いますよ!?(必死)
トモハル
「・・・うん・・・」
※そろそろマビルとお別れなので、非常に気落ちしているようだ(鬼)
書こうと思えば色々書けるのですが、なんか、この二人に限り、あまりえろろんな事にしたくなかったとか、なんとか(何故)。
というか、多分トモハルが望んでいたことは、こういうことではなくて、隣で手を繋いで、稀に口付けしたかったんだろうな、と。
おかーさん、そう思いました。
トモハルとマビルが一緒に居られるのです。
本編進んでいないのに、どんどん本編終了後が書かれているこの現状、どうすれば(笑)。
ちなみに、トモマビが終了すると、アサギが出てきたりとか。
作者勝手に集計してみた結果↓
DES登場人物人気高いメンバー
男
・トビィ
※作者も大好き、定番人気者。おまけに、コアなファンがありがたいことに多い(そこのトビィ君とか)。
・トモハル
※お蔭様で人気者、感謝。よかったね。
・魔王リュウ(スタイン・エシェゾー)
※作者にはわからないけれど、この人もコアなファンが多い。そういえば、通して生きている魔王ってこの人だけだ・・・。
女
・アサギ
※どちらかというと、男性に人気があるのが主人公。女の子だと、意見が割れるーのですよ。
・マビル
※女の子に人気なのが、こっち。等身大の無茶苦茶姫だからだと思われます。男性でこの子を好きだと言ってくれた人は『見たことがない』←ホント
・マダーニorアリナ
※アサギと仲が良く、かつ二人とも好感がもてるらしいので。
これでほぼ確定と思われますです。
トモハル、出世しすぎ(遠い目)。
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