[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
次からトモハルですー。
終わり間近ー。
というわけでナンパ師トモハル誕生まで秒読みです。
ES最初のトモハルとイメージ違うと思って居た方がいるのならば、とても嬉しく。
どうして、トモハルがあぁなったか。
そろそろー、まこの出番でござりゅんからー。
準備しないとー。
結婚届をね、トモハルの部屋に捜しに行くのでござりゅん。
離婚届は必要ないのでござりゅんよね。
だから、アサギちゃんじゃ無理なのでござりゅん。
作者じゃないと、その存在知らないかr(だろうね)。
いつ見ても、メイド達と楽しそう。
肩も抱いて何か話してる。
・・・あー、やだやだ。
昔のあたしの小屋に、寝床を作ってそこに居た。
寒いし、寂しいし。
ホント、ろくな事が起こらない。
というか、ホントは自分でも解っている。
あたしがついた、嘘。
彼氏なんていないのに、嘘ついた。
後に、引けなくなって、お城に、居られない。
別に、昼間不在で夜戻ればいいのに、それが、出来ない。
戻れば、トモハルが居る。
・・・楽しそうにしてる、トモハルがそこに居る。
目で追っているつもりは全くないけど、視界に入る。
そうすると、嫌な気分になるんだ。
でも、見えないなら見えないで、何故か不安なのは。
あたし、変なんだろう。
きっと、一度死んで再生したから何か変になったんだろう。
まぁ、昔から意地張りな自分だし。
何も変わってないのかもしれない、ね。
迎えに、来ない。
捜しに、来ない。
迎えに着てくれたら、戻ってあげる。
捜しに着てくれたら、戻ってあげる。
でも、トモハルは来てくれない。
だから、トランシスが羨ましい。
トランシスに好かれているおねーちゃんが、羨ましい。
トランシスなら、きっと。
あたしを捜しに来るだろう、嘘の彼氏を殺すために躍起になるだろう。
それは、トランシスが間違った感覚でもおねーちゃんを愛しているからだよね。
じゃあ、来ないトモハルは?
・・・やめた、考えるの。
メンドイ。
そうこうしてたら、ばれんたいんになった。
今日は、美味しいものが食べられる。
アイツは、キャンセルしたなんて言ってないし、きっと行けるだろう。
朝、癪だけど、部屋に戻って選んだドレスを着た。
あたし、一緒に行きたいのだろうか?
ううん、美味しいものが食べたいだけ。
とりあえず・・・。
美容院にエステに、ネイルアートにマッサージ・・・。
してもらおーっと。
べ、別に浮かれているわけじゃない。
ただ、お、美味しいものが・・・。
・・・。
た、たしか始まりは18:30ってなってた。
16時くらいまでに戻ればきっと、大丈夫だよね。
べ、別に久し振りにトモハルとお出かけだから綺麗にするわけじゃないから。
『わー、女の子とても可愛いですねー』
って、出掛けた先で言われたいだけだ。
トモハルなんて、あたしの引き立て役なんだからっ。
えーっと、とりあえず・・・。
全部一箇所で出来ないかな・・・。
全身アロママッサージに、ハンドマッサージでエステ、ヘッドスパしてブローしてもらって、メイクでしょ、その間にカルジェルかネイルアートしてもらって・・・。
奈留に聞いて、良いお店を教えて貰って飛び込みでやってもらうことにー。
この日に勝負をかけているのか、女の子達で賑わっている。
ともかく、ばれんたいんが女の子から告白する日、というのは解った。
・・・で、なんでそんな日にディナーなんかあるんだろ?
それで、来月の14日がほわいとでーという、男が主体の日だというのも解った。
三倍返しが普通なんだって、バレンタインの。
や、あたしは別に何もあげないけどね。
「ピンクのハートのこのネイル、如何ですか?」
「わぁ、可愛い・・・」
「お客様のイメージにぴったりですし、お洋服にもお似合いかと」
「うん、これがいい!」
「有難う御座います」
あたし、お姫様。
お姫様になったら、王子様が迎えに来るんだって。
元からあたし、可愛いけどー。
もっともっと、可愛くして貰うんだ。
トモハルがさ、びっくりしてさ、顔を赤らめて、ぎゅーって。
・・・?
・・・。
ぎゅー。
ぎゅー。
ぎゅー・・・。
トモハルは、可愛いって思ってくれるだろうか。
おねーちゃんより、可愛いって思ってくれる?
可愛いって思ってくれたら、そしたら。
ちゃ、ちゃんと嘘ついたこと、話してあげる。
や、それはあたしのプライドが許さないから、彼氏と別れたことにしてあげよう。
そ、そしたら、今日はお城に戻って。
手を繋いで眠る事を許してあげる。
許して、あげる。
だから、ちゃんと、トモハルは。
それに応えなきゃいけないの。
・・・うん。
お腹空いたので、近くの可愛いカフェに入ってみた。
ランチを注文して、一人で食べながら窓に映ったあたしを見てみる。
外で男の子達があたしを見ていた、ので、気分良くて手を振ってみた。
嬉しそうに手を振り返してくれた、あはっ、あたし、可愛いよね!
大丈夫だ、何処の誰よりあたしは可愛い。
や、もとから可愛いけどさ。
嬉しくて、あんまり観た事なかったけど雑誌を手にしてみる。
文字、あんまり読めないけど平仮名とカタカナなら読めるし。
えーっと。
何々?
”意中の彼を振り向かせるために~バレンタイン大作戦~”
・・・あたしには関係ないけど一応、読んでみようかな。
えーっと。
ふむふむ?
”これはNG! 異性に嫌われる態度ベスト5!”
・・・あたしには関係ないけど、一応読んでみようかな。
えーっと。
それで?
”私はこれで彼氏をゲット★ 必殺口説き文句”
・・・あたしには、関係ないけど一応読んでみようかなっ。
ふふふふふん。
特に大した情報はないけど。
・・・ま、まぁ折角読んだし、頭の角は置いといてあげようかな。
占いも、一応・・・。
「意中の彼が居る人は、嘘に注意! 強がりは駄目、素直になってね」
・・・それが出来たら世の中苦労しないってば、何この占い。
面白かったので、思わず4冊も読み漁ってしまった。
バレンタイン一色な雑誌、感化されたんだね、あたしもね、うん。
浮かれてないからね、勘違いしないでね。
「・・・あれ」
お会計していたら、隣のケースに何か可愛いものを見つけた。
思わず食い入るように見つめていたら、話しかける。
「当店で限定で作った生チョコです。御客様が召し上がったホットチョコと同等のチョコで作ってあり、甘さ控え目で御好評を頂いております」
小さな箱に、ハート型の生チョコが、二つ。
大きいのと、小さいの。
可愛くリボンをつけてくれるらしい。
・・・買って、みようかな。
べ、別にトモハルにあげるわけじゃないからね!
お土産、お土産!
あたしの今日のおやつだ。
ここのチョコ、美味しかったしねっ。
それに、一生懸命説明してくれた店員さんにも悪いしね!
最後の一個みたいだし、買ってあげるよ、マビルちゃんが。
「こ、これ、くだ、くださ、い」
「はい、有難う御座います」
お店を出て、歩いた。
バッグに、産まれて初めて買ったチョコ。
トモハルに、あげるわけじゃないから。
ま、まぁ、どうしてもって言うなら、二個あるからあげてもいいけどさっ。
通り過ぎる人達の話に、耳を傾けてみた。
手を繋いでいるカップルは、バレンタインでくっついた二人みたいで、テレながら歩いてる。
早歩きしてるその人は、今から渡しに行くのかな。
・・・こうしてみると。
この日って、物凄い日だと思った。
なんだろ、オトメの原動力というかなんというか・・・。
うん。
あたしは、こういうの、良いと思うよ。
さ、さて。
お城に、帰ろうかな・・・。
深呼吸。
頑張れ、あたし。
「ただいま」
言うだけだ、うん。
てくてく、お城まで歩いた。
お城の門を潜って、トモハルを捜しに城内をうろつけば。
「も、もう少し待ってもらえないかな?」
「お急ぎ下さい、トモハル様」
「う、うん、そうなんだけど・・・」
何? 妙に慌しいな・・・。
ってうか、早く着替えたら、トモハル。
ディナーは地球だよね? そんなマント着用してたら変だよ。
あたしの姿を見つけたのか、トモハル、一目散でこっちへ来た。
わ、わぁ。
ただ、様子が・・・。
「あ、あの、あのさ、トモハル」
「よかった、会えて! これ、なかなか渡せなくて。・・・楽しんでおいで」
あたしを見つけた時、目を丸くした。
可愛いって、思ってくれたのかな。
でも。
軽く微笑んであたしの手に握らされたもの、それは。
「何これ?」
「覚えてない、よね。
これ、今日の18:30からあるディナーのチケットなんだ。
これがないと、入れないんだよ」
お、覚えてるよ。
だからここに戻ってきたの。
早く、行こうよ、覚えてるよ。
「渡そうか迷ったけど、お金払ってあるし・・・。
バレンタインならあんまり彼氏もディナーなんて、予約しないだろうからさ。
行く場所、あるのかもしれないけど、予約してないならこっちへ行っておいで。
きっと、美味しいから」
「・・・」
混乱。
目の前でトモハルはそっとあたしの手にそれを、握らせた。
手の中で、紙ががさがさ、って・・・。
な、なにこ、れ。
「彼氏は地球の人だよね、バッグが地球のだったから。
気をつけて、行ってくるんだよ。
・・・って、はは、護ってくれるから、大丈夫か」
吹き出して笑ったトモハルは、そのまま。
踵を返して。
あたしから、離れていくの。
あたしは。
どうしていいのか、わからなくて。
「と、トモハルは?」
名前を、呼んだ。
振り返ったトモハル、左右に、お城の人達。
「会議があるんだよ、大事な。
マビルに行く人が居てよかった、無駄になるとこだったから。
・・・じゃあ、楽しんでおいで」
笑った、トモハルは。
あたしから、遠く、遠くに。
離れて行ったの。
あたしは。
一人、そこに取り残されて。
横をメイド達が通り過ぎていって、トモハルにぴたり、と寄り添った。
あたしは、後姿を眺めながら、手の中の紙を。
そっと、開いたんだ。
今日の、18:30から。
予約名、松下朋玄様。
紙の、向こうに。
トモハルの、笑顔が見えた。
い、一緒に行けない。
あたしは、誰と行けばいいの?
トモハルは、あたしを置いて。
何処かへ、行った。
あ、あたしは、ご飯が食べたかったわけじゃなくて。
ただ。
トモハルと、トモハルと。
どこ、どこかに、行きたくて。
あたしは、それが、とても、楽しみで。
きょう、一日、待っていた。
ずっと、待っていた。
多分、楽しみにして、浮かれてたの。
行けると、思っていたの。
トモハルは、一緒に、行かない。
あたしに、彼氏と、行っておいで、って。
あ、あたしに、彼氏なんて、いないの。
ど、どうしたら、いいのかな。
一緒に行く人、トモハルしか、いないのに。
それに、トモハルは。
・・・あたしが、誰と何処へ行き、何をしようと。
笑って、送り出してくれて。
あたしは。
あたし。
あたしなんて、どうでもいいんだ。
部屋に、戻って。
鏡に映るあたしを、見た。
可愛いの一言もなく、いつものように笑ってトモハルは。
ガンッ!
バッグを、鏡にぶつけた。
こ、こんな着飾って、意味がないじゃん。
髪についていたピンを無理やり剥ぎ取った。
涙が出ていたから強引に拭ったから、メイクが落ちた。
ネイルが一個、剥がれて転がった。
「戻ってよ・・・」
部屋のドアへ走って、叩きながら大声で叫んだ。
「戻ってきてよ、トモハル!」
「・・・それで?
どうしてオレがマビルと食事しなければいけなかったんだ?」
「う、うっさいなぁ! 無料なんだから黙って食べたらっ」
仏頂面のトビィと、沈黙で食事。
食べに行く気がしなくて、行くのをやめようと思った。
けど。
トモハルが、あたしの好きなメニューだって言っていたから。
選んでくれたのなら、食べておこうと思って。
奈留に電話したら、彼氏と出掛けるって言ったから。
他に頼む人がいなくて、トビィとお出かけした。
幸い、トビィのルックスは、トモハルよりも上だし連れていてもなんの問題もない。
・・・問題、ない。
あたしに気にせず、悠々とワインを呑みながら食事しているトビィだけど、不機嫌そうだ。
いいじゃん、美味しいんだから。
あたしは、無言で食べた。
テーブルには綺麗なお花が生けられていて、ハートの蝋燭が水に浮かべられてて。
バイオリンの演奏、少し暗い照明、当然周囲もカップルだらけ。
唯一カップルじゃないのは、ココくらいだろうね。
「美味しいか?」
不意にトビィがそう訊いて来た、真顔だ。
あたしは、そっとフォークとナイフをお皿に戻して、思わず。
「うん・・・美味しい、よ」
そう、言った。
実は、美味しくないの。
とても、美味しくない。
味が、しないんだ。
美味しくないよ、トモハル。
選択ミスだ、あたし、美味しいと思えない。
深い溜息、トビィのそれで蝋燭の火が大きく揺れる。
「食事は。親しい人とするものだ。
・・・以前、マビルが”おにぎりが食べたい”って言ったろ。
覚えているか?」
覚えてる。
魔界でおねーちゃんを追跡したら、みんなで美味しそうに食べてたから、羨ましくて。
「あれは、確かに美味しい。
が、お前があれに惹かれたのは”みんなで楽しそうに食べていたから”だ。
例え一級の料理でも、共に食べる人によっては、不味くもなる。
逆に、そこらの魚を火で炙っただけでも食べている人が親しければ、一級の料理にも劣らない」
「うん・・・」
再度、呆れたような溜息。
「次は、ちゃんと食べたい奴と来るんだな。
料理に失礼だ」
「うん・・・」
隣のテーブルのカップルが、店員を呼び止めていた。
「あの、来年も開催されますか? また是非」
「御客様方には来年、11月上旬にご連絡のDMを送らせて頂いておりますので、宜しければそちらを」
「助かります。とても美味しくて、彼女もとても気に入って・・・。
夏に結婚するので、次は夫婦として来ますね」
「それは喜ばしい事ですね。お待ちしております」
・・・いい、な。
「だそうだ、よかったな。
トモハルのとこに連絡が来るんだろ」
「そうみたいだね」
本当なら、目の前にはトモハルが居て。
あたしはバッグのチョコを、帰りの車内で食べるつもりで。
嘘ついて、ごめんなさい。
そう、言うつもりだった。
みんなとても、幸せそうなのに、ここだけ、別世界。
あまり、食べられなくて。
トビィの後ろを大人しく、歩いた。
テーブルのお花、貰えるというので、貰った。
出口付近のケースに、何かあった。
じっと、それを見た。
「買ってやろうか? オレからトモハルにお礼でもいいし」
「・・・うん」
シェフが作った、お持ち帰り専用の料理だ。
サーモンのムースのクレープ包みと、牛肉のワイン煮込みを買ってもらった。
「早く帰れ」
「うん・・・」
あたしは、テーブルのお花とトビィが買ってくれたおみやげと。
バッグに入りっぱなしの生チョコを持って、お城へ、戻ったんだ。
お城へ戻るまで、街を歩いた。
夜だというのに何故かあちこち明るくて、薔薇の香りがそこら中から香る。
観れば、道行く女の子達がほとんど薔薇の花束を持っていた。
薔薇祭り?
あたしの手の中にある花は、ええと・・・。
おねーちゃんに色々教えてもらったんだけど、な。
これは、カーネーション。
グラジオラスにミスティブルー。
淡い色の、綺麗な花束だ。
お城に、入ってトモハルを捜した。
メイド達も花束を持ってた、何、イベントかなんか?
人に聞いて、トモハルの居場所へ向かう。
食堂に、一人きり。
食事中。
こんな遅い時間に、夕食? 夜食?
静かに近づいたら、気配に気づいたトモハルが顔を上げて。
硬直している。
ゆっくり、近づいて目の前に紙袋を突き出した。
「おみやげ、買ってきたから」
「あ、ありがとう・・・ご、ごめんな気を遣わせて」
テーブルの上、パンとスープ、焼いたお肉。
「夜食?」
「ううん、夕食。忙しくてさ」
「王様なんだから食べればいいのに」
「まぁ、つまみ食いはしてたから、そこまで減ってないし」
トモハルは静かにパンを食べていたけど、立ち上がってあたしを椅子に座らせて。
紅茶を、淹れてくれた。
飲みながら、紙袋からお土産を出す。
「食べなよ、おかずになるよ」
「ありがとう。美味しかった?」
「うん、とても」
だから、来年は一緒に行こうよ。
・・・言えなかった。
トモハルがパンをくれたから、二人で食べる。
美味しい。
とても、美味しい。
ムースも煮込みも、とても美味しい。
これがトビィがさっき言ってた”一緒に食べる人の重要性”か。
とても同じお店の料理とは思えない、凄く、美味しい。
「美味しいね」
「りょ、料理はもっとたくさん出て美味しかったの!」
「よかった。予約した甲斐があったね」
来年は、一緒に行こうよ。
・・・言えなかった。
早く言おう。
チョコ、出してもいいし。
早くしないと、あたし。
食事を終えて、トモハルが食器を洗う。
王様なんだし、そのままでいいだろうに。
練習しよう。
チョコ、渡して、嘘だと告げて。
来年は、行こうね。
今日は一緒に眠ろうね。
・・・言うだけ、言うだけ。
「ごめんな、マビル」
新しい紅茶を淹れながら、トモハルは苦笑いしてあたしの隣に座る。
ごめん?
きょとん、としていたら。
あぁ、一緒にいけなくて、ってことかな?
「気を遣わせて、ごめんな。
・・・邪魔するつもりは、なかったんだ」
「? 何の話?」
トモハルが、軽く微笑んで瞳を伏せて、視線をあたしから逸らす。
「・・・その、まさか帰ってくるなんて思わなかったから。
一緒に、居たかったろ?
もう、いいから早く戻ったほうがいいよ。
ホント、ごめんな、ありがとう」
「えーっと」
「きっと、待ってるよマビルのことを。
こんな日だから、尚更待ってる。
・・・早く、行った方が良いよ。
ごめんな、まさか、今日帰るなんて思わなくて、ホントにさ」
彼氏のトコへ戻れと言っているのだろうか。
泊まって来ると思っていたのだろうか。
・・・だろうね。
「い、いいよ。楽しかったし。それに」
「駄目だよ。・・・きっと相手は困っているよ。
こっちの住人はともかく、地球の男ならバレンタインに彼女が途中で帰ったら不安になるよ」
「だ、だから、その・・・」
いないんだってば、その地球産の彼氏が。
って、言えばいいんだ、あたし。
「ありがとう、美味しかった。
おやすみ、マビル。
本当に・・・嬉しかったよ」
笑顔。
すがすがしいまでの、爽やかな笑顔。
それは、とても綺麗で、思わず息を飲んでしまった。
あたしを置いて、またトモハルは立ち上がると歩き出す。
ま、また!
「と、トモハルはどうするの?」
思わず、服を掴んだ。
「・・・行く場所があるんだ。今夜中にどうしても、行きたくて」
「きょ、今日はもう遅いから、あたしここに泊まろうと思って」
そうだ! チョコを、渡そう。
渡さなきゃっ!
慌ててバッグへ駆け寄った、早く、早くチョコを。
「・・・バレンタインってね、マビル。別にチョコを渡す日じゃないんだけど、知ってる?」
「え?」
そうなの?
どこもかしこもチョコチョコチョコチョコだったから、そんなお祭りだと思ってた。
苦笑いしてトモハルは戻ってきてくれた、でも、一定の距離で止まる。
「チョコを渡して女の子が告白する、っていう習慣が根強いのは日本だけなんだよ。
・・・昔、戦争が激しくて恋人達が結婚出来ない状態があったんだ。
戦争に出掛ける時に故郷に恋人がいると士気が下がる、っていう考えから恋愛は必要ない、ってことになってさ」
そういうもの?
故郷に恋人が居たほうが、必死で戦わない?
あたしの素朴な疑問、トモハルも同意なのか「オレは逆だと思うんだけどね」って付け加えた。
「そんな時、恋人達の為にバレンタイン神父が密やかに結婚の儀を執り行っていたんだ。
結局見つかって処刑されたけど、・・・それが今日なんだよ。
正式にはね、マビル。バレンタインは・・・恋人達が愛を誓う日なんだ。
別に女の子が告白する日ではないんだよ」
「そ、そうなんだ」
だから、何?
何だというの?
思わず引き攣り笑い、でも、トモハルは真顔だった。
あたしに言い聞かせるみたいに、まるで授業を教える先生みたいに。
「だから」
トモハルは、微笑む。
あぁ、ホントにどーしてこうも綺麗に笑うんだろう。
・・・笑わないでよ、こんな内容で、あたしに笑いかけないで。
言いたい事、なんとなく解ってしまった。
「早くマビル、戻ってあげるんだ。
・・・好きな人の傍を離れちゃいけないよ」
そういうことだ。
恋人同士が今日は離れてはいけない、ってことでしょう?
だから早く戻れ、って。
・・・いないの、あたしは戻る人が存在しないの。
いるとすれば、それはここだ。
トモハル、あんたのとこだ。
でも、そのまま、トモハルは。
また、あたしを置いて歩き出す。
背中が、遠くて、小さくて。
ま、待って。
「あ、あたしの好きな人っ」
小さく叫んで、トモハルを情けない表情で、観た。
振り返ったトモハル、目が合って、思わず勝手に口から言葉が漏れる。
「あ、あたしの好きな人、さ。
・・・あたしのこと、好きじゃないのかもしれないんだ、あはは」
あはは。
俯いた。
間抜けな、あたし。
震える、声でそう告げてみた。
そうじゃない、そうじゃなくて、言いたい事は。
「大丈夫、マビルは可愛いから、大丈夫。
・・・誰も手放したりしないよ」
間を置いて、ふっ、って空気が揺れて。
子供をあやすみたいに、優しい声でトモハルは言った。
嘘つき。
トモハルは、嘘つきだ。
目の前に、あたしを放って何処かへ行こうとしている人がいる。
ここに手放そうとしている人が、すでに居るのに何が大丈夫。
全然大丈夫じゃない。
「そ、そっけないから、興味ないかもしれないんだ」
「違うよ、マビルが今日こっちへ戻ってきたからだよ。
予感していたんじゃないかな、戸惑いを隠せなかったんだよ。
もう一度言うよ、マビル。今日は”恋人達の日”なんだ。
戻って一緒に眠っておいで、どんな場所より恋人の腕の中のほうが良く眠れる、安心できる。
そうだろ?」
もし、トモハルがあたしのこと、好きならば。
こんなこと、言うだろうか?
あたしだったら、絶対言わない。
どうして好きな人が他の人と一緒に眠るのを、勧められる?
勧めない、勧めない。
あたし、唇を噛み締めて睨みつけた。
足が、ふらふらする。
後ろにひっくり返りたい気分、手が、冷たくて。
身体が、冷えて。
吐く息はお城の中なのに何故か白くて、震える身体は、どうしてだろう。
頭も、真っ白、心も、真っ白。
「トモハルに言われても、実感湧かないよ! 腑抜けなくせして、言う事だけ偉そう!」
「そんなこと、ないよ」
余裕のないあたし、何故か冷静なトモハル。
立場が逆だ、鬱陶しい。
前に、一歩踏み出して噛み付くように吼えるように。
「出来ないくせに! トモハルだって、彼女が離れていこうとしたら止める勇気ないでしょう!? 止められないでしょう!?
だってあんた、頼りないし情けないし!」
荒く呼吸、涙目になりながら、大声で叫ぶ。
目の前でトモハルは、静かに。
・・・不気味なくらい、冷静に。
「出来るよ。大好きな、大事な彼女が俺から離れていくのなら、必死で止める。
マビルから見たら頼りないし、情けないかもしれないけど。・・・出来るよ」
「嘘だ!」
間を擱かずにすかさず反撃した、だって。
嘘じゃないか、それ。
何を涼しい顔して、さっきから。
「嘘じゃない」
「嘘だ! トモハル嘘つき」
「嘘じゃないよ」
「嘘だよ! 出来るわけないでしょっ」
「俺は。・・・本当に大好きな恋人が、他に恋人を作ったら。
それでも引き寄せる、嫌だから。俺の、大事な恋人なんだ。
納得行くまで、説得する。
指を咥えて、離れていくのを見ているなんて、・・・無理だよ」
「嘘!」
あたしは必死で、金きり声で叫んだの。
でも、トモハルの口調は淡々としてた。
大声出しすぎて、むせた。
嘘だと、何故言わないの?
嘘、ついてるでしょう。
トモハル、いつあたしを止めた?
指咥えて、離れていくのを見てたでしょう?
「さっさと訂正しなよ、嘘つき!」
「・・・嘘は、言ってない」
真っ直ぐに、あたしを見てそう言った。
嘘だと、言って。
嘘だと、言って。
お願い、嘘だと言って。
だって。
もし、本当なら。
嘘じゃないのなら、あたしは。
あたしは、トモハルの”本当に大好きな恋人”ではないってコトになってしまう。
気がついてしまった。
イライラしていたのは、そのせいだった。
知ってた、なんとなく、解っていた。
確かに、以前トモハルは。
あたしを好きだと言ってくれた。
子供の時の話だ、12歳。
それから、確かに好きだと言われた。
トモハルの去年の誕生日に、そう言ってくれた。
結婚指輪、くれたでしょう。
結婚するんでしょう、しているんでしょう?
ぐるぐる、回る言葉達。
お城にあたしを住まわせる為に、結婚。
・・・おねーちゃんに言われた事を忠実に護るため、それだけで。
おねーちゃんに、頼まれたから。
・・・無下に出来ない、あたしの存在。
我侭、なんにも出来ない役立たず。
そして、あたしは酷い事を言った。
トモハルに、酷い事をした。
好きでなくなっていても、当然だと、思った。
知っていた、解っていた、でも、トモハルは。
離れていかないと、思ってた。
自信が、あったの。
でも、そんな自信は・・・。
甦る、トランシスの言葉。
『お前もオレと同じコトをしでかすよ』
気づくのが、遅かったんだ。
あたしは、ちゃんと、トモハルに嬉しいなら嬉しいと。
楽しいなら、楽しいと。
一緒に居たいのなら居たいって・・・。
言うべきだったんだ。
嬉しかった、楽しかった、一緒に居たかった、恥ずかしくて、強がった。
手を繋いでいて、ちゃんと傍に居て、あたしを見ていて。
放置しないで、ぎゅってして、頭を撫でて、可愛いって言って。
あたしを喜ばせようと、楽しませようと。
一生懸命やってくれていたのかもしれないね、トモハルは。
でも、あたしがちゃんと感謝の気持ちを伝えなかったから。
トモハルは、きっと。
呆れて、疲れて、癒しを求めて、それで。
・・・あたしから離れていったんだろう。
そうだね、トモハルは。
好きな彼女が離れていこうとしたら、必死になって止めるだろう。
嘘なんて、ついてないね。
あたしが。
・・・勘違いをしていたんだ。
あたしが。
まだ、トモハルはあたしのことを好きだって、そう、思って。
「寒いから。風邪を引かないようにね。・・・おやすみ。
本当に、ありがとう」
「おや、すみ」
トモハルは、出て行った。
あたしを残して、出て行った。
一人きり。
あたしは、見放されてしまった。
こんなはずでは、なかったのに。
「い、いっしょに」
一緒に、居ようよ。
呟いても、トモハルは戻ってこない。
自業自得、知ってる、解ってる。
嬉しかったのに、指輪くれて嬉しかったのに。
あ、あたしは。
何をした? 窓から突き飛ばしたんだ。
キスをされて、嬉しかったのに。
あたしは、酷い事を言ったんだ。
その後も、からかって酷い事を言った。
「ご、ごめんな、さい・・・」
嘘をついていた、と話しても。
話したところで、どうにもならない。
だって、トモハルにはもう他に好きな子が居て。
例えあたしの恋人発言が狂言だとわかっても、・・・興味すら、示してくれないだろう。
だから、言えない。
反応が怖くて、言えるわけがない。
誰だろう、トモハルの好きな人。
もう、恋人なんだろうか。
今日、行きたい場所があるって、その人のトコだろうか。
今日は、バレンタイン。
恋人達の、日。
トモハルだって、会いたいんだろう。
あたしは、好きだったんだろう。
トモハルが好きだったんだろう。
・・・好きにいつからなっていたんだろう。
でも、苦しいから。
好きじゃなかったことに、しよう。
あたしは、バッグを持って、重たい足を引き摺って、食堂を出て。
いつか、追い出されるであろうお城を背にして歩く。
街はまだ、ちらほら明るくて。
泣いているのを見られたくないから、コートのフードを深く被った。
街は恋人達で溢れている。
みんな、手を繋いでいた。
あたしだけ、一人ぼっち。
みんな、みんな、楽しそう。
恋人の日。
あたしは。
そんな日に、一人きり。
「・・・?」
歩いていたら変な場所を見つけた、新しい建物だった。
初めて見たんだ。
何時の間に建てられたのか、入口は小さな扉、高い高い、建物。
恋人達が、ちょこちょこ、そこへ出たり入ったり。
出てくると、幸せそうな顔をしていた。
あたしには、不釣合いな場所だろう。
一人きりだし、でも、何だろう。
じーっと、立っていた。
人が少なくなったのが解ったから、入ってみた。
「わぁ・・・」
思わず感嘆。
高い天井、正面に綺麗なステンドグラス。
薔薇の香りが仄かに漂う、綺麗な綺麗な、場所。
中央に一本の道、左右に長いすが沢山。
中央の道はピンクの薔薇がガラスの床に埋まって、薔薇の絨毯みたい。
ゆっくり、歩く。
長いすはピンクのリボンに、赤い薔薇で飾られて。
ここは、なんだろう。
左にピアノ、道の先に、祭壇?
結構広いんだ、ここ。
「・・・」
道を歩いた、薔薇の道を歩いた。
祭壇の向こう、ステンドグラス。
その手前に綺麗なふんわりした薄い布が天井から吊るされて。
薄い布をひょい、っと持ち上げてそれを見上げれば。
「おねーちゃん」
おねーちゃんだ。
おねーちゃんを模してあるんだ、これ。
大事そうに武器の”セントラヴァーズ”掲げて、穏やかに微笑んでいるおねーちゃんだ。
その場に座り込んで、ぼけーっと、眺めた。
バッグからチョコを取り出した、二つ入っていたハート型のチョコを、一つ口に含んだ。
「苦い・・・」
甘くない。
生ちょこ、甘くない。
苦くて、苦くて、喉が渇いて。
あたし、ひたひたと流れる涙を止められなくて、そのままおねーちゃんを見上げていた。
おねーちゃん、おねーちゃんなら。
あんな状況でもトモハルに「好き」だと、言えた?
・・・言うだろう、おねーちゃんなら言うだろう。
好きなら好きと、言うだろう。
その先を怖がらずに、恐れずに、言えるんだろう。
でも、あたしは。
マビルだ。
アサギでは、ない。
出来損ないの、双子の妹。
お馬鹿な、妹。
「にがい、よ・・・」
情けなくて、笑った。
痛いんだ、胸が痛んだ。
何をどうしたって、痛いんだ。
痛くなくなる方法、わかるけど。
出来ない。
無理だ。
トモハルが、あたしを、も一度好きになってくれたら。
そうしたら、きっと、痛くなくなる。
でも、それは、無理なんだ。
「にがいーよぉー」
痛い、痛い、苦しい、苦しい。
口の中のチョコ、何でこんなに苦いのだろう。
苦しくて、縋るように見上げた先に。
おねーちゃんが、微笑んでいた。
タスケテ。
カツン、カツン・・・。
不意に、後ろから足音。
思わずあたし、身を屈める。
祭壇があたしを隠してくれるから、見られることはないだろう。
足音は、一つだった。
パタン、って何かが閉まった音がした。
後方が、微かに明るくなった気がした。
その人の、咳。
・・・あれ?
薔薇の香りが急に濃くなって、今の咳に疑問を感じ。
「薔薇を、君に、薔薇を。とても似合う薔薇を」
思わず凍りつく。
トモハルの、声だった。
「みんなに、聞いたんだ。知ってる?
薔薇の花言葉と、花の持つ意味。若干違うんだって。
華やかで、何処に居ても目立つ君だから、薔薇を選んで薔薇を調べた」
そっと、そっと。
静かに祭壇から顔を覗かせた、まだ布があるから、少しだけなら大丈夫。
真っ白い、タキシードに。
大輪の薔薇を抱えたトモハルが、立っている。
赤とピンクの薔薇をベースに、黄色に白、オレンジの薔薇。
何本あるんだろう、すごく、大きい花束だった。
「初めて、君を見た時に。あまりにも可愛くて、そのままついていったんだ。
君は覚えてないだろうけど、あの場所で話しかけて、怪訝に俺を見た君は。
可愛かったけど、寂しそうで不安そうで。
それで、もう、駄目だったんだ。・・・とても、好きで、急すぎる想いに戸惑いを感じた。
でも、一瞬でそれも終わってさ。
急でもなんでもいいから、近づきたかったんだ。
笑わせたいって、思った。
一緒に歩きたい、って思った。
手を繋ぎたくて、軽く握った君の手は、柔らかくて暖かく。
・・・手放したくないと、その時に確信したんだ。
君は笑うだろうか、たかが小学生の分際でそんなこと思った、って知ったら。
会う度に、君の表情はクルクル変わって、でもやっぱり寂しそうで。
手をもっと強く握ったら、少しは楽になる?
抱き締めたら、安堵して眠ってくれる?
君の好みの男ではないと、知っていたけれど。
それでもずっと傍に居たら、もしかしたら少しくらいは気になってくれるのかな、と思ったんだ。
無謀な期待、淡い希望、もしくは。
・・・好きになってくれなくても、傍に居たいと思った。
可愛い君だから、始終ハラハラしていた。
この想いが成就されなくても、君が俺を必要とするのなら、傍に必ず居ようと誓った。
けれど、どんな綺麗事を言ったところで。
願う事はやっぱり、君と恋人同士になれたら、と。
それだけで、それしかなくて。
ずっと、好きだったんだ。
初めて、見たときからずっと、好きだった。
例え君が、俺ではない誰かを見ていても、好きだ。
けれど、君の幸せを壊してまでも傍に居るわけにはいかない。
でも、好きだ。
だから、好きでい続けようと思う。
今は君しか見えないし、この先もそうなんだろうとは思う。
知ったら、気味悪がられるだろうけど、好きなんだ。
君を護る役目など、最初からなかったんだけど、それでも。
好きだ。
・・・愛してる。
君しか、愛せない」
あたしは、思わず祭壇に隠れた。
胸が、どきどきする。
あたし?
あたしの、コト?
震える身体を抱き締めた、期待してもいいだろうか。
あたしだよね?
あたしのことだよね?
だって、あたしと、トモハルの・・・。
「アサギ」
!
・・・。
それは。
とても長い時間で。
トモハルの声で、名前が呼ばれた。
あたしの名前は、マビル。
アサギという名は、双子の姉の名。
あぁ、そうだ。
間違えちゃったね、あは、ははははは・・・。
あたしなわけ、ないんだ。
そうだ、薔薇が似合うのはあたしだけではない。
「君に、薔薇を。愛する君に、薔薇を。
想いを籠めて、君に薔薇を。
赤い薔薇に情熱を籠めて。
ピンクの薔薇に優しさを籠めて。
黄色の薔薇に君のイメージでもあるから、素敵な魅力を籠めて。
白い薔薇に素直な想いを籠めて。
オレンジの薔薇に君に想いを伝える意志を、籠めて。
好きだよ、大好きだよ、愛しているよ。
・・・どうか、幸せに。
呼べば必ず、助けに行くから、迎えに行くから。
何処に居ても、必ず護ろう。
愛する君が寂しい想いをしないで済むように、遠いけど近くに居よう。
俺を思い出したら、その時は。
戻っておいで。
愛する君に、俺の想いを。
・・・抱き締めて、口付けを」
勝てない。
とても、敵わない。
あんな想いを抱くトモハルと、その相手のおねーちゃん。
どう足掻いても、勝てるわけがない。
こんな、あたしが。
勝てる、わけがない・・・。
おねーちゃん、おねーちゃん。
トモハル、いい奴よ?
付き合って、あげたら?
「好きだよ」
好きだよ。
「大好きだよ」
大好きだよ。
「愛しているよ」
・・・。
生チョコ、苦い、な。
喉、渇いたな。
何時間、こうしてた?
立ち上がって、布から顔を出したら祭壇に、薔薇の花束。
綺麗。
とても、綺麗だ。
ぽたぽたと、花束にあたしの涙が零れて。
朝露の、薔薇。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |