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緑の髪の娘が、ダンボール箱を地面に置いて、立て札を隣に。
立て札に何も記されていないことに気がつき、娘は慌てふためいて持ってきていたこぴっく、というペンでこう書き記した。
『そちらの言い値で何か描きます』
不安そうに眉を潜めたが、カレンダーは12月。
右肩の辺りに声をかける。
「あの、守護霊さん。本当に大丈夫ですか・・・?」
「心優しい人が通りかかってくれるのを待つしかないでござりゅんよ」
「そうではなくて、仕事のスピードなのですー。受けた依頼はきちんとこなさないと」
「(吐血)がはぁー」
「へぅー・・・」
初めましての方もそうでない方もこんにちはなのです、アサギと申します。
12月なのです。
クリスマスなのです。
旦那様に買いたいプレゼントがあるのです。
この間友達からお金を貰ったので、買えない代物ではないのです、けど。
アサギ、どうしても自分で貯めたお金でプレゼントは買いたいのです。
買いたいものは500万。
あと300万くらい不足しているのです。
早い話、顔絵を描くので、お金をクダサイ(がたがた)ということなのでs(意識喪失)。
☆絵の依頼☆
・お代はシナンビ一本から、そちらの言い値で。
(アイテムショップでアサギが仕入れて、それを買い取っていただく形になるのです)
得意
・女の子~お姉さん
・小さい男の子
苦手
・機械系
・動物系(小動物なら可能)
・オジサマ
・おやっさん(誰)
・おじい様
二人絵は可能ですが、金額が倍になるのです。
(シナンビ一本の言い値なら、二本頂くですよ)
お名前:
性別:
年齢:
外見年齢:
種族:
髪型と色:
瞳と色:
肌の色:
お耳の形:
服装:
他特徴:
参考画:
☆文の依頼☆
・お題はシナンビ一本から、そちらの言い値で。
(アイテムショップでアサギが仕入れて、それを買い取っていただく形になるのです)
書ける物は
・詩
・依頼者様の過去の設定
・依頼者様の過去とか現在等のSS
・アサギが書いている、もしくは書く小説に一人のキャラとして登場させる(お任せになるので、主人公として出てくる可能性もあり)
などなど、文なら何でも良いのです。
得意
・恋愛系ファンタジー
苦手
・機械物
一気に300万出してくれる方がいると嬉しいのです(ナンダト)。
そしたら要らないものまで押し付けるのです。
「ぎゃー、見られたー」
リス達が木の上で騒ぎまわっている最中、アニスはそっと木の葉から様子を伺っていた。
リュン、という黒髪の幼そうな男の子、そしてその隣のトリア。
「トリアって、トカミエルの双子の弟さんなんだよ」
「そんな豆知識、どうでもいいよ! っていうか、ぎゃー、見られたーっ」
騒然、リス達はアニスの言葉に耳を貸さず、ただ走り回るばかり。
やがて、二人の人間はそのまま森を去っていった。
それを見届けるとアニスはリス達をその場に残して、木からふわりと飛び降りると、一目散に人間たちが遊んでいたその場所へ走った。
オルビスが頭上に掲げていた、トカミエルが作った冠。
捨てられて地面に転がっているそれを、そっと跪いて手に取ると、自分で頭上に乗せてみる。
「どうぞ、お姫様の冠だよ」
なんとなく聞こえたトカミエルの台詞を自分で言ってみる。
アニスは嬉しそうに微笑むと、追いかけてきたリス達に振り返ると丁寧にお辞儀をした。
「似合う?」
「似合う? じゃないよーっ、何やってんのーっ! どーして大人しく出来ないのさっ」
「大丈夫よ。リュンって子に見られたけど、別に何もなかったじゃない。心配しすぎなんだよ」
冠を乗せたまま、くるくる回るアニス。
そーだ、泉で姿を映してみよう。
そう呟くと、そのまま羽根をばたつかせてそのまま泉へと急行した。
「待って、待ってよ、アニス!」
シロツメクサの花冠を頭上に乗せて、アニスはふわりふわわ、そのままそのまま奔放に空気と共に流れた。
泉で水面に姿を映し、満足そうにアニスは頷く。
「お姫様の冠を手に入れたのです」
頭上に咲き誇る、花冠。
トカミエルが作った、花冠。
・・・オルビスが置いていった、忘却の花冠。
翌日、街ではトカミエルとトリア・・・バルトラウト家の二人の息子の誕生日会が盛大に行われた。
バルトラウト家は、この街では武器屋を経営しており、二人の息子はその武器を巧みに操り剣舞も披露する事になっている。
自慢の息子達だった。
トカミエルに客の接待は任せて、主役の一人であるはずのトリアはそっと自宅の裏口から抜け出すと、一目を気にして森へ馬を急がせる。
トリアが幼い頃から育て、共に成長してきた愛馬・クレシダは、光りの加減では何処となく深い緑に見えなくもない漆黒の馬だ。
クレシダで駆け抜け森の中へと突き進む。
そう、昨日トリアとリュンが居たあの花畑へと。
どうしても、リュンの言葉が胸に何かしらの杭を刺した。
不安なのか期待なのか、それすら分からないが、リュンの見た少女に会わなければいけない気がしたのだ。
「クレシダ、ここで待て」
花畑の入り口でトリアはクレシダから下りると、静かに、なるべく足音を立てないようにして花畑の中を進む。
リュンが昨日刺した木を見上げる。
誰もいない。
いるわけ、ないよな・・・。
自嘲気味に笑うと、トリアはそれでも木を一周して眩しそうに瞳を細める。
軽い溜息を吐くと、木の根元に座り込み、もたれ掛かって瞳を閉じる。
心地よい陽の光に、夢の世界へトリアは誘われて行った。
すぐに軽い寝息が聞こえ始める。
一方アニスは、お気に入りの花冠を頭上に乗せたまま、今日も森を散歩していた。
リス達は自分が怒られるのではないかと、大人や他の動物達にアニスが人間に見られたことを言わなかったので、咎められることもなく気ままに今日も過ごしている。
ただ、いつも一緒のリス達がいなかった。
花畑付近で、アニスは珍しい動物に出くわした。
森では見たことがない生き物だった。
馬のクレシダである。
大人しく花畑の入り口の木に繋がれていた。
アニスは周りに誰も居ないことを確認すると、そのまま近寄っていく。
気配に気がつき、クレシダは顔をあげてアニスを見た。
瞳が交差する。
「綺麗な瞳。こんにちは、初めまして、アニスです。お名前は?」
ぺこり、とお辞儀をしてアニスはクレシダに手を伸ばす。
大人しく撫でられていたクレシダは、暫くしてアニスに語りかけた。
「・・・名前は、クレシダ。あそこにいる主と共に暮らしているものです」
「主? だあれ?」
クレシダは小さく鳴くと、木のほうに顔を向ける。
アニスは言われた方向へ身体を向けた。
木の根元に誰かがいる。
「あら、今日は誰も来ないと思ってた。誕生日会なんでしょ?」
「良くご存知で。主はそれを抜け出してというか、放置してこちらへ来ておりますゆえ」
「そうなの? あれは・・・誰?」
「主の名は、トリアと申しますが」
「わぁ、トリア! トカミエルの弟さんね!」
「・・・詳しいのですね。そうです」
クレシダの背を丁寧に撫でながら、アニスはじっとトリアを見た。
近寄ってみようか、どうしようか。
「クレシダは、トリアのこと、好き?」
「えぇ、とても。優しく行動的で素晴らしい人間だと思いますが」
「そっか。ありがとう」
アニスはそれだけ聞くと、決意したかのように笑顔でそっとクレシダから離れた。
ゆっくりとトリアに近づいていく。
寝息を立てているトリアに近寄ると、アニスはしげしげとしゃがみ込んで見つめた。
思えばここまで近寄って見るのは始めてだった。
成る程、トカミエルと同じくらいに端正な顔立ちをしている。
じーっと、物珍しそうにトリアを観察していたアニス、それをクレシダが遠くから見守る。
不意に、トリアは身動ぎして小さく呻いた。
驚いて思わず後ずさるアニス。
それでも動けずにその場に立ち尽くしていると、トリアは大きく腕で伸びをしながら眠たそうに気だるそうに身を起こす。
「あー・・・良く寝た」
「・・・」
瞳を軽く擦りながら、トリアは欠伸を小さくしつつ、ようやく瞳を開く。
目の前で、緑の髪の女の子がこちらを見て立っている。
女の子。
「女の子! リュンが言っていたのは君のことかっ」
急に意識が冴え渡って、勢いでトリアは立ち上がった。
びくぅ、と身体を震わせて、アニスはおどおどとトリアを見る。
「あ・・・」
何か言おうとしたが、トリアの口内は乾ききって声が出てこない。
確かに、こんな美しい女の子を見たのは初めてだった。
今まで見てきた異性が、急激に色褪せていく。
アニスは、ぺこん、とお辞儀をするとそのまま森の奥へと消えていった。
「ちょ、ま、待って」
トリアは慌てて後を追おうとしたが、足が動かなかった。
瞳を奪われ、足が竦んだのか。
こんなことは初めてだった。
「・・・やっと、見つけた。ようやく、会えた」
トリアは知らずそう呟き、こう最後に付け加える。
・・・君を、今度こそ護らなければ。
そう、付け加えた。
遠くでクレシダが小さく鳴いたのを聴くと、トリアは名残惜しそうに何度も森の奥に目をやると、動かない足を引き摺ってクレシダへと歩み寄る。
森の奥からアニスはそっとトリアとクレシダを見つめていた。
「あの人・・・私、知ってる?」
瞳が交差した瞬間に、その人が以前自分の近くに居てくれたような気がして、落ち着かない。
「・・・お兄様・・・?」
アニスは虚ろな瞳で消えていく二人を見送った。
胸騒ぎ、高鳴る鼓動、軽く震える身体。
トリアを思い出す。
あの髪、触ると本当に滑らかで、指通りが良いのだ。
あの氷のような、それでいて温かみのある瞳は優しく鋭く。
時折穏やかに微笑むその笑顔が大好きで。
大きな腕で持ち上げて、くるくると回して貰うのが好きで・・・。
「え・・・?」
知っている。
確実に知っている。
隠し切れない動揺に、アニスは居た堪れなくなって、森から駆け出して、人間の街を見渡せる位置まで全力で走る。
もしかして、私、ここへ来る前・・・。
「人間、だったの? それで彼を知っているの? どうして、どうして私あの人のこと『お兄様』って呼んだの!?」
ぺたり、とアニスは地面に座り込んだ。
力なく崩れ落ちるように、倒れ込むように。
ぎゅっ、と自分の両腕を抱いて、力を込める。
アニスは項垂れて人間の街を見た。
今頃、誕生日会が行われているのだろう。
行ってみたい、行ってみたい・・・。
無音でも書けますが、BGMがあると、ノリノリなのですよ。
ただ、歌入りはダメなのです。
歌詞を思わず打ち込んでしまったり、歌を歌い続けて全く進まなかったり(これが一番多い)、その歌みたいな内容になってしまうので。
極稀に、そのキャラのイメージ曲を聴いて小説書く場合もありますが。
※アサギだと、酒井紀子の『青いうさぎ』、松たか子の『時の船』←DES時。KOCだと全く違った曲調で愛内里菜全般。
※トビィだと、AXSの『line ayes(うろ覚え)』等、高めの男性ボーカル曲
本日はこれらで。↓
アンジェリークのピアノバージョンと、ロマサガ1のアレンジ曲。(なんだろう、かっこいいボサノバみたいな感じのやつです。お気に入りなのです、昔から)
ゲームの曲か、映画のサントラをよく聴くのです。
二回連続で聴いて、書き切れるといいのですけど・・・。
夕方からエステなので、それまでに仕上げないと。
ついでに行く前にFF4のCD(月の明り)を買ってからいかないとっ。
DSでDQ4もやらないとっ。
ひぐらし、いい加減クリアしないとっ。
VP2もいい加減・・・←1のほうが断然好きなので、やる気が失せたらしい・・・
絵を描くときは、歌つきのを聴いてますです。最近はずっとミヒマル。
さて・・・。
書き終えることができますように・・・・。
今日は年賀状も印刷しないといけないのですよ。
ギルザと哀ちゃん、トビィ君には気合で手書きで、どーん(何)。
あともう一つ飲み物ーっ。
昨日はこの間買ったフランスのやたら高い紅茶(この間初めて行った雑貨屋さんで即買いしたメーカー品)だったので、今日は左のカモミールティ。安い。
お菓子は要らないのですけど、紅茶かハーブティが必須なのです。
お茶ならとにかく、紅茶でも緑茶でも、どくだみ茶でもなんでもいいやー。
と、こんなことを書いている間に小説かけましたねー・・・。
※つまり、やる気が起きないらしい←背後的発作
そんな相手でも受け入れは不可能だったのだから、今回の人間でも無理だろう、と老樹は深い溜息を吐く。
「懐かしい話じゃの。しかし、まるで昨日のようでもあり。廻り廻って歴史は繰り返されるのじゃ」
微かに項垂れているようにも見える老樹に、動物達は咆哮を止めた。
「とにかく、人間と仲良くなりたいアニスの為にも、人間を襲うのは止しなさい。まして、あのトカミエルという人間に何かあったら、お前達はどうするつもりだね?」
老樹の言葉に、動物達は一斉に俯くとただ、押し黙るより他なかった。
『あぁ、そうか。人間に何かあったらアニスが悲しむんだ』
その日アニスはいつものように、リス達と木の上から人間達を観察していた。
今日は花が咲き乱れる花畑で、花を摘みながら結上げて指輪やら、腕輪やら、冠やらを作っている。
アニスには到底考え付かない遊びで、指先を器用にくるくると動かしながら作り上げていくのを真剣に見入っている。
感嘆の溜息を漏らしながら、楽しそうに笑っているアニスの傍ら、リスは深い溜息を吐いた。
「トカミエル、トカミエル! 私に冠作ってよ。お姫様の冠ね」
「よし、分かった。オルビスは綺麗だものな、飛び切りの冠を作るよ」
「わぁ。嬉しいっ! じゃあ、それを使ってみんなで後で劇やらない? 私、囚われのお姫様。トカミエルが、お姫様を助けに来る王子様。後は・・・適当で」
「はは・・・。わかったよ」
オルビス、と呼ばれた少女は現在街で一番の金持ちの娘だ。
煌びやかな衣装は、いつも少女達の憧れであり、容姿も悪くない、勝気な瞳が際立つ。
少年達の主格がトカミエルならば、少女達の主格がオルビスだろうか。
苦笑いしながら、他の子供達も集まってきて、冠の完成を待つ。
その間、劇の役柄を皆は決めるのだった。
一人トカミエルは、オルビスに頼まれた通り、黙々と冠を作る。
純白の花と緑の葉が織り成す、色彩の美しさ。
オルビスの栗毛に、その冠は良く映えそうだ。
オルビスがトカミエルに好意を抱いているのは公然の秘密であり、それは当然の事の様にも思えた。
押しの強いオルビス、満更でもないトカミエル、二人は常に共に行動していたので、恋仲のようだ。
「出来たよ、オルビス姫」
「まぁ、嬉しいですわ、トカミエル王子」
冠を頭上に乗せて貰うと、オルビスは上機嫌でスカートの裾を摘み、軽く会釈をする。
既に劇は始まっているのだ。
仲睦まじく暮らす二人に、割って入る敵役の子供達。
「やぁやぁ、近頃評判の美しい姫だなっ、貰っていくぞー、あーはっはっはっは!」
「きゃー! 助けて、トカミエル王子っ」
数人の子供に担がれて、遠くへ連れて行かれるオルビスを、トカミエルと家来役の子供達が追う。
アニスは木の上からそんな在り来たりな劇を、愉快そうに手を叩きながら見ていた。
何もかもが新鮮で、胸が高鳴る。
人間とは、なんて面白い事を考えるのだろう。
暫くして陽は傾き、空が暗くなり始めると、子供達は森から出て行った。
「明日はオレとトリアの誕生日会だから、みんな出席してくれよ」
「もちろん行くわ! この間買って貰った一番の可愛いドレスを着て行くわ」
言いながらオルビスはその頭上の冠を投げ捨てると、トカミエルの腕に抱きついた。
ようやく静まり返り始めた花畑に、人間達が摘み散らかした花や花で作られた物が転がっている。
一時的に心を満たす『玩具』であって、終わってしまえば興味がない代物だ。
好きなトカミエルに作らせた冠ですら、オルビスは躊躇なく放り投げた。
取って置いたところで、枯れて醜くなる花冠など、不要である。
アニスは木から身を乗り出し、離れていく人間達に耳を澄ませる。
「誕生日会、って・・・何? 知ってる?」
「さぁ? っていうか、アニス、危ないよっ!! ぎゃーっ」
リスが必死にアニスを引っ張ったのだが、支えは意味を成さず。
枝があると思った場所にそれはなく、宙を掴んだアニスの身体はバランスを崩して豊かな木の葉の間から、ひょっこりと顔を出した。
ガサガサガサ・・・
「え?」
その葉の音に気づいたリュンが、一人その木を見、アニスの姿を捉えた。
木の葉から逆さまに顔を出している見たこともない少女。
木の葉に混ざる見事な新緑の髪、大きな緑の瞳、不思議そうに首を傾げてこちらを見ている、想像を超える美少女。
リュンは思わず顔を赤らめて惚けてアニスを見つめた。
仲間達が去っていくのも構わず、リュンはひたすらアニスを魅入ってしまった。
「・・・何してるんだ、リュン」
肩を叩かれて、小さな悲鳴を一つ、身体を飛び上がらせると、リュンは頭を振り、自分の頬を抓った。
痛いので、夢ではなかったようだ。
現実だと確認すると、リュンは声をかけてきた人物、トリアの腕を引っ張って、アニスの居た木を指した。
「ちょ、トリア、見て見て、あそこ! あの木だよっ! すっごく可愛い女の子が・・・あれ?」
「女の子?」
興奮気味に自分を強い力で引っ張るリュンに苦笑いをしながら、トリアは一応その木を見た。
が、アニスの姿はそこにはない。
リス達が血相抱えて必死にアニスを引っ張り上げたのだ。
「あそこに居たんだってばっ。すっごい可愛い子がっ」
「とりあえず、落ち着け。オレ達の知らない女の子が? 木に?」
「そうっ! あんな可愛い子、見たことないよ! びっくりだよっ」
「でもなぁ、街の面子ならみんな知ってるし・・・知らない女の子だなんて・・・」
「信じてくれないわけ? 本当に居たんだよ、顔を出してたんだ」
「妖精だったりしてな。とりあえず、帰るぞリュン。遅いから見に来てやったんだからな」
「むー・・・。・・・ぜーったい居たんだからね」
「リュンが嘘をつかないことは知ってる。見間違いでもなさそうだ、な」
「トリアも、きっと気に入ると思うよ。すっごい可愛いんだ」
可愛い、と連呼するリュンにトリアは軽く苦笑いする。
このあどけないリュンが異性を『可愛い』と興奮気味に語るのは今までなかったことなので、トリアは強ち見間違いではないと思っていた。
しかし、一体誰なのか?
街の同年代のメンバーは把握しているはずだし、仮に最近引っ越して来た娘だとしても、それだけ可愛いのなら噂になるはずだがなっていない。
該当者がいない。
まさか、本当に妖精? そんな馬鹿な・・・。
だが、リュン同様トリアもその話が気になる様子で、何度も振り返って足を止めては、木を見つめている。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
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