別サイトへ投稿する前の、ラフ書き置場のような場所。
いい加減整理したい。
※現在、漫画家やイラストレーターとして活躍されている方々が昔描いて下さったイラストがあります。
絶対転載・保存等禁止です。
宜しくお願い致します。
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いつから、ソレは始まったんだろう。
そんなこと、思ったって、答えは出ているのです。
あの時、初めてあなたを見た瞬間からソレは始まったのです。
外は、雨。
敗北した王宮内は、憤慨を覚える者や嘆き悲しむ者、今後はどうなるのか、と不安に怯える者など様々な心境を抱えて騒然としていました。
当然その場に居たアサギは、慣れてしまいつつあった落城に小さく溜息、それでも元気に振舞おうとしていたのを昨日のように覚えています。
そんな会議室で、誰かの良く通る声が聞こえました。 それは聞きなれない声、国民さんのものではありません。
声には感情が篭っていなくて、実に事務的。
「もうすぐ城を落とされた方が来ます」
誰かからの依頼で、この国は落とされたのでした。
どんな、人だろう? 優しい人がいいなぁ・・・。
そんなことを考えながら、喧騒の会議室を見渡します。
・・・どんどん騒ぎは大きくなるばかり、困ってしまう。
争いごとは、嫌なのです。
「あのー、もうすぐこの国を落とした本当の方が到着されるみたいですし。大人しく待ちましょうですよ」
やりきれなくて、そう叫んだ時。
「オレですが、何か」
背後から、初めて聞く声。
何処か懐かしいような、待っていたような、耳に、心に響いた声。
好きな声だ、と思いました。
低くもなく、高くもなく、ちょっと幼ささえ感じてしまうその声。
冷徹とか、そんな声じゃなくて・・・。
感情は、篭っていなかったですけれど。
何故か高鳴る胸を軽く押さえて、深呼吸して・・・振り返った先に立っていたのは。
濃紺の夜空のような色した髪の。
深い深い観ていると吸い込まれそうな瞳の。
白銀の鎧を身に纏った、端正な顔立ちの人でした。
その存在感に見惚れたアサギは、一呼吸置いて震える声で、話しかけたのです。
湧き上がる感情を押し殺しながら、なるべく、笑顔で。
彼の、目を見て。
あんまり見ないで欲しい どきどきするから
嘘。 ホントはもっと、見て欲しい
「あ、初めましてですよー。アサギというのです」
それが出会って初めて交わした会話で、アサギが心を奪われた瞬間でした。
「・・・で、ちょこちょこお部屋に遊びに行っていたのですよねー」
目の前で眠りについている夫の額に、手を乗せて。
思わず微笑んでしまう。
まさか、夫婦になれるとは。
「よく、頑張りましたですよー、アサギ」
自分を誉める。
もそもそとシーツにもぐりこんで、そっと夫に抱きついた。
寝ぼけながらもアサギを抱きしめ返してくれる夫の頬に口付ける。
窓から外を見る。
今日は七夕。
家にある小さな笹に飾った、一枚の短冊が風で揺れた。
願い事は毎年同じ。
「おやすみなさい、ギルザ」
大丈夫、来年も一緒なのですよ。
※小説の間より転載。
そんなこと、思ったって、答えは出ているのです。
あの時、初めてあなたを見た瞬間からソレは始まったのです。
外は、雨。
敗北した王宮内は、憤慨を覚える者や嘆き悲しむ者、今後はどうなるのか、と不安に怯える者など様々な心境を抱えて騒然としていました。
当然その場に居たアサギは、慣れてしまいつつあった落城に小さく溜息、それでも元気に振舞おうとしていたのを昨日のように覚えています。
そんな会議室で、誰かの良く通る声が聞こえました。 それは聞きなれない声、国民さんのものではありません。
声には感情が篭っていなくて、実に事務的。
「もうすぐ城を落とされた方が来ます」
誰かからの依頼で、この国は落とされたのでした。
どんな、人だろう? 優しい人がいいなぁ・・・。
そんなことを考えながら、喧騒の会議室を見渡します。
・・・どんどん騒ぎは大きくなるばかり、困ってしまう。
争いごとは、嫌なのです。
「あのー、もうすぐこの国を落とした本当の方が到着されるみたいですし。大人しく待ちましょうですよ」
やりきれなくて、そう叫んだ時。
「オレですが、何か」
背後から、初めて聞く声。
何処か懐かしいような、待っていたような、耳に、心に響いた声。
好きな声だ、と思いました。
低くもなく、高くもなく、ちょっと幼ささえ感じてしまうその声。
冷徹とか、そんな声じゃなくて・・・。
感情は、篭っていなかったですけれど。
何故か高鳴る胸を軽く押さえて、深呼吸して・・・振り返った先に立っていたのは。
濃紺の夜空のような色した髪の。
深い深い観ていると吸い込まれそうな瞳の。
白銀の鎧を身に纏った、端正な顔立ちの人でした。
その存在感に見惚れたアサギは、一呼吸置いて震える声で、話しかけたのです。
湧き上がる感情を押し殺しながら、なるべく、笑顔で。
彼の、目を見て。
あんまり見ないで欲しい どきどきするから
嘘。 ホントはもっと、見て欲しい
「あ、初めましてですよー。アサギというのです」
それが出会って初めて交わした会話で、アサギが心を奪われた瞬間でした。
「・・・で、ちょこちょこお部屋に遊びに行っていたのですよねー」
目の前で眠りについている夫の額に、手を乗せて。
思わず微笑んでしまう。
まさか、夫婦になれるとは。
「よく、頑張りましたですよー、アサギ」
自分を誉める。
もそもそとシーツにもぐりこんで、そっと夫に抱きついた。
寝ぼけながらもアサギを抱きしめ返してくれる夫の頬に口付ける。
窓から外を見る。
今日は七夕。
家にある小さな笹に飾った、一枚の短冊が風で揺れた。
願い事は毎年同じ。
「おやすみなさい、ギルザ」
大丈夫、来年も一緒なのですよ。
※小説の間より転載。
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